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「ちょうかい」艦上にて〜平成27年自衛隊観艦式

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特に今の時期、「ネイビーに恋」といっても海自だけがその対象になる当ブログですが、
海上自衛隊の中の人にも結構閲覧していただいているらしいことがわかってきました。

基本観艦式などイベントで自衛官を写真に撮ったとき、それは「公務中」であると定義し、
マスキングなどを行わずにそのまま当ブログで公開しています。
ゆえに知人や同僚、家族によって発見されたり、当人の目にも止まるという構図です。


今にして思えばそんなはずはないのですが、偉い人はインターネット検索なんてしないし、
大抵の隊員だって、任務が忙しくてネットなんて見ない、と昔は思い込んでいたんですね。

ところが現実は、偉い人たちだって案外そういう情報を気軽に交換していて、
リアルのわたし自身が当ブログ主宰であることも、その筋では調べが付いている、
と知って、心からショックを受けたものです。

このことによって、自衛官の階級の上下にかかわりなく、将クラスから士に至るまで、
今の世代であれば我々と同じようにインターネットを見ているものなのである、と
今更のように、あたりまえのことに気付かされたわたしでした。

身バレについては、最近立て続けに3回直接間接的に特定されてしまったのですが、
もしこれに弊害があるとすれば、現場で身バレしているのではないかと思うと
わたしの性格上萎縮してしまうということですかね。(自称恥ずかしがり屋さんです)





というところで、18日の観艦式、「ちょうかい」の出航に続き、相模湾で
我が自衛艦群が米帝の誇るニミッツ級空母「ロナルド・レーガン」とすれ違う、
その前後の「ちょうかい」艦上で見たものについてお話ししようと思います。


この目で生のRR、しかも航行中の空母、おまけに登舷礼付きを見ることができたのは
観艦式本番に参加したものの冥利に尽きるというべき出来事でしたが、
できればもう少し近くを航行して欲しかったかな。

せめてこの釣り船くらい近ければ、もう少し艦載機とかが鮮明に写せたんですが。
ああいう時には無反動砲みたいなレンズを持っている人が素直に羨ましいです。


さて、画像は「ちょうかい」が木更津を出航してすぐ、近くを通りかかった釣り船の上から
何人かが(いずれも客ではない)手を振ってお見送りしてくたところ。

外洋に出るためには、木更津から出た船は必ず浦賀水道を通過します。
ボトルのネックのようになっているところなので、ここは「海の銀座」と呼ばれるほど、
船舶が輻輳(ふくそう、ひとところに物が集中して混み合うこと)するのが常です。
このため、東京マーチスという海保のセンターが、交通管制を行っているのです。



観閲部隊の最後尾である「ちょうかい」は、訓練展示のほとんどは
目の前で行われないことがわかっていたため、わたしは艦橋に上がり、
左舷ウィングから後方を俯瞰できる場所に落ち着くことにしました。

ここを拠点にすると、何かと降りたり登ったりしなくてはいけないのですが、
この日1日何回も階段を昇降したおかげで、すっかり艦内ラッタルでの移動が
スマートに素早く行えるようになりました。(効果には個人差があります)


そういえば、舞鶴で艦橋を案内してくださった幹部の階段の上り下りがあまりに早いので、

「もしかしたら手使ってないんですか?」

と聞いたら、

「持ってますよ」

と返ってきたのを思い出します。
日常を護衛艦の中で過ごしている乗員は、一瞬で降りてしまうので、そう見えただけなんですね。


この写真は、「ちょうかい」の艦橋から降りるラッタルの壁に貼られていたものです。
1年前の骨折から復帰した平賀工廠さんが、なんと今回「しらゆき」に坐乗され、
怪我の後なのでラッタルの昇降の際には三点保持を心がけた、
と書いてこられていましたが、その三点保持というものがなんなのか、
わたしはこの写真を見て初めて知った次第です。

「片手は逆手に持つ」!

これは知らなかったわ〜。
でも、降りる時だけの話ですよね?



さて、上甲板から一つ下の階には食堂と機関室があるのですが、
機関室の近くの廊下に掲げられていた幹部の御真影とその言葉。

うーん・・・・・武居海幕長、お若い。

右側には「自衛艦隊司令官」の写真がありますが、このほかにも
「護衛艦隊司令司令官」(ここまで海将)があり、その隷下の「第4護衛隊司令」
の写真が掲示されていました。

第4護衛隊群は呉の「第4護衛隊」と佐世保の「第8護衛隊」を合わせたもので、
「ちょうかい」は「しまかぜ」「きりさめ」「すずつき」などとともに第8護衛隊に属します。



当艦の艦長、中村譲介1等海佐。
海自では汎用護衛艦はの艦長は2佐、イージス艦は1佐と決まっています。

旧海軍では巡洋艦(軽巡・重巡)以上、戦艦、空母の艦長は大佐が務めました。
戦艦「大和」と「武蔵」だけは特別に少将が艦長となっています。



「射撃優秀艦」2回!

「対潜優秀艦」2回!

情報業務優秀艦!艦内防御優秀艦!保存整備優秀艦多数!

そして、

給食業務優秀艦!

これはどうやって誰がどういう観点で決めるのだろう。
カレーが美味しいから、とか?



機関室に行くと、必ず誰か、こういうことに詳しいぜオレ!な人が、
現場の隊員をつかまえて専門的な質問をしているのを目撃しますが、
わたしはいつもその横に立って会話を小耳にはさむだけです。


ところでこの画像にも二人写っていますが、計器の前にずっと座って計器を見ている人は、
これが仕事とはいえ、こんなことをしていて眠くならないんでしょうか。
念のために後ろで立って見張っている人に聞いてみると、

「(眠気と)戦っています」

とのことでした。
毎日の任務そのものが、これ即ち戦い。日本国自衛隊です。



艦艇用と航空用のガスタービンの断面構造の違い。
右側に大きく張り出した部分が多分吸・排気ダクトだと思う(適当)



甲板の下の階を歩いていると、ときどき床のハッチから人が出てきて
結構びっくりさせられるのですが、三点保持のポスターに

「ハッチを開けたら確実にピンを挿入する」

とあるのは、このハッチのことなんでしょうね。
ピンで固定しておかないときっと危ないに違いない(適当)



突如もぐらのようにひょこっと自衛官が出てくるこのハッチ。
下には何があるのだろう、と思い、通りかかった自衛官に聞いてみました。

「居住区です」

そうかー!今まで自衛艦をいくつか見てきたけど、艦長の部屋しか見たことがなく、
隊員の皆さんはどこで寝起きしているのかと思っていたのですが、下の階だったのね。

ハッチが開いているところに遭遇したので、少しだけ下を見ることができました。
「ピン」というのは、四方にある真鍮のがそうだと思うのですが、
今このハッチは「開いているけどピンが挿入されていない」でおけー?



基本的に体験航海で一般人が落ち着く場所はどこでもいいことになっていますが、
食堂階の廊下の隅に毛布を敷くという考えはなかったわー。

だいたい、こんなところで寝転んでなおかつくつろげるというのがすごい。



毛布といえば、観艦式および予行の乗艦者には、もれなく一枚毛布がもらえます。
ほとんどの人が床に敷いてシートにしてしまうこの毛布を、頭からかぶる人もいます。
昔はこれを「海軍毛布」と呼んでいたそうです。

ラベルを見ると、この毛布が納入されたのは1986年度、つまり29年前!
「ちょうかい」が生まれる前どころか「はるゆき」が就役した頃であり、「はるさめ」がまだ現役の頃ですね。
海上自衛隊の物持ちの良さおそるべし。



どこの護衛艦も、先任海曹の部屋の札はどうして皆立派なんだろう。
先任海曹は、船の上では特別扱いというか、幹部とも他の曹士とも別の、
独立した個室を持っていて、これが「ちょうかい」の先任海曹室なのですが、
先任海曹は食事もここで食べるという事です。

ここに刻まれた山は、たぶん鳥海山だと思われます。

先任海曹室、で調べると、アイスクリームを購入販売する担当も受け持つ、
というような資料がでてきたのですが、なぜ先任海曹「室」がアイス担当なのかは
全くわかりませんでした。



アイスといえば、ちゃんと食堂も見てきましたよ。
ロープの結び方をオブジェにした額の下では、早くも熟睡する人。
皆朝早く起きて来ているので、暖かい場所でじっとしていると眠くなってしまいます。



服務の宣誓が食堂に架けられているのは初めて見ました。



インド洋派遣記念。
いつの派遣かしらと見てみれば平成14年。すでに退役した「あさかぜ」のものでした。
なぜ「ちょうかい」が持っているかなんですが、「あきかぜ」がかつては同じ第4護衛隊群隷下の
第64護衛隊であったから、というくらいしか理由を思いつきません。 




なんと「ちょうかい」食堂には図書コーナーがありました。
「愛人」の作者マルグリット・デュラスの「あつかましき人々」も読んでみたいけど、
それより中村彰彦の「海将伝」ってなにかしらと調べてみたら、
日露戦争の聯合艦隊参謀、島村速雄の伝記でした。



食堂では物販業者がお店を広げていました。
どういう規模の業者がどんなものを売るかというのも艦によって違うようです。



「いずも」のTシャツの向こうにあるのは「アイス係」と書かれたケース。
自衛艦とアイスクリームについてですが、中の人によると、

艦内運営費(隊員が互いの福利厚生のため集金、運用している準公金)から
艦(主として先任海曹室が主担当)が独自に購入販売しているものと、
糧食費で賄われているものの二種類があります。
先任海曹室が担当しているものは食堂に設置されたアイスクリーム用クーラー
(小売店などに設置してあるものと同型)で100円程度で販売されています。
販売時間は殆どの船で巡検終了後~20時ですかね? 

搭載については停泊中に業者が保冷車で持ってきたのを積み込みます。
航海中に在庫が無くなったら終了です。洋上補給で積むなんて事は有り得ません。
航海がなんらかの理由で長期化(よくある)し、無くなった後の艦内は結構悲惨です。

海上自衛隊は米軍をお手本に作られた組織なので艦内飲酒が出来ません。
よって嗜好品=アイスとジュース!なのです。
毎日巡検終了後は艦内のあちこちでジュージャン、アイジャン
(ジュースやアイスを賭したジャンケン)が行われています。(Yahoo知恵袋より)

とのことです。



前甲板の様子。
VLSを囲むようにパイプ椅子が並べられています。
これは、なにもおかなかったら皆VLSの端っこに腰掛けてしまうからだと思います。

しかし、撃ったことがないので推測ですが、アスロックって、
米倉ひとりの一存なんかでは勝手に発射できないものですよね?
なんか色々と前段階があってそれをクリアしないと、射程とか照準とかいろいろ無理じゃないかと。

なにが言いたいかというと、よほどのことがない限り、ケースが開いて中から
何かが出てくるということは現実にありえないのだから、観艦式の時に上に人を乗せるくらい
大丈夫じゃないのかってことなのです。
もし何か出てくるようなことがあれば、その時にはどっちにせよ甲板の人全滅ですよね?

あ、そんなことじゃなくて、何か仕掛けられる可能性があるからかな。



前甲板左舷は本日のイベントの写真を撮りたい人がガッチリと席を取っていました。
でもね。
訓練展示の海面を撮ることは、観閲部隊の最後尾では何度も言うけど無理なんです。 
旗艦から当艦までの間には4隻もの観閲艦がいるのですし、艦隊の最後尾というのは
先行の艦艇の立てる波のあおりを受けて、縦に揺れる揺れる。

その揺れ方も、艦首がすううーっと持ち上がったと思うとどーんと下に落ちる感じで、
特に艦首が持ち上がった時に前方で起こっていることなど、見えたものではありません。 

どんなシーンをみられるかは、お天気以前にどんな艦に乗るかで、まったく運次第です。



いつ見てもほんのり受ける、総員離艦安全守則。

「水中爆発および鮫に注意せよ。」

いくら注意しても遭遇する時には遭遇すると思うがどうか。



主砲の周囲だったと思います。
わざわざ「座らないでください」って書いてあるでしょ?
訓練展示の時に、なんとここに登って立っていた人をわたしは見ました。
まあ、たしかに「座っては」いなかった。「座っては」、ね。



赤いものは消火設備。でしたっけ。



この二人はこの立ち入り禁止部分に人が入らないように(まさかとはおもうけど、
鉄オタのように写真を撮るためにはなんでもする奴が世の中にはいるから)
するためか、ずっとここで立っていました。

この後ろには立ち入り禁止のロープが張られており、
そのギリギリにも毛布を敷いて陣取っている人多し。
最初はずっとここにいようかと思っていたのですが、現場を見てやめて良かったと思いました。
最前列にいたところで、船の動揺と柵のせいでなかなかいいシーンは見られなかったからです。



「むらさめ」「あたご」、そして「ちょうかい」のどれにも、後部甲板には
このようなウェットスーツのようなものを着た隊員が一人か二人、ずっとスタンバッていました。

赤い浮き輪などがあるところを見ると、万が一乗客が海に落ちるようなことがあった場合、
彼が飛び込んで助けてくれるのではないかと思ったのですが、わかりません。
護衛艦には、海上救難部署という部門があって、溺者救助のために艦上救難員、潜水士、
そして降下救難員が乗艦しているということですから、おそらくそのどれかであろうと思われます。

いずれにしてもいざという時、我が身の危険を顧みず救助にきてくれたなら、
この隊員さんほど男前でなかったとしても、救い出される側には、まるで王子様が
ウェットスーツを着てやってきたように思えるに違いありません。


続く。
 


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