Quantcast
Channel: ネイビーブルーに恋をして
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2815

訓練展示〜平成27年自衛隊観艦式

$
0
0

わたしが観艦式本番で乗った「ちょうかい」は何度も説明していますが
観閲部隊の最後尾を務めていました。
なので、観閲が終わりに近づき、外国からの招待艦とすれ違う頃には
旗艦の「くらま」に見せるための航空観閲がバンバン始まっていました(T_T)

このため航空写真と外国艦艇の写真を交互に撮らなければいけなくなったのですが、
自分にとって珍しくない飛行機、速くてカメラの設定が変えられない戦闘機はスルーしました。 
というわけで、ごく一部となりますが、航空観閲からどうぞ。




MH-53E(向こう)とMCH-101。
逆光の上にモードが船のままなので、ローターが止まったまま・・。
MCHは今回この1機しか参加していないということですが、もしそうなら
首相を「あたご」に乗せた後こうやって観閲を受けていることになります。 

これは左のMHの後継機となり、ここでは新旧で仲良く飛んでいるというわけ。



練習機TC-90。
本当は3機編隊で飛んでいました。
わたしのいた艦橋ウィングから航空機を撮ると、船の上部に出される熱気ごしに
撮影することになってしまい、画像が縮れたように歪んでしまうことに気がつきました。



P-3C、これなんか酷すぎ。



このP-1の尾翼とマッドブームのところなんかもっと凄いでしょう。
まあこれも護衛艦に乗っているからこそ撮れる映像ってことで、ボツにしませんでした。



わたしのとなりにいた人が写真を撮るのをやめてしまったので、

「次にオスプレイがきますよ」

と教えて差し上げたのですが、その人は残念そうに

「そうだったんですか・・・・撮りすぎて電池なくなっちゃいました」

と唇を噛んでいました。
人に教えたわたしも空気の歪みと逆光でろくな写真が撮れてません。



あっ、「あたご」さんだ!「あたご」さ〜〜ん!
3日前はあの後ろ甲板のパイプチェアで過ごしたのです。
いただいたメダルは今も机に置いて時々眺めては和んでいるのよ〜!

そういえば「あたご」さんは、かわぐちかいじの「空母いぶき」で、
いきなり遼寧の艦載機から威嚇射撃されて大変でしたね。


さて、このとき「あたご」は訓練展示を行わない受閲艦艇を率いて航行しているようでした。



先頭から、「むらさめ」「あたご」「うらが」「てんりゅう」(ここからチャカIIIが見えてる)、
そして「しらゆき」は回頭を終えて単縦陣に今から加わるところ。
「ちはや」はまだ回頭を終えていません。
我が「ちょうかい」は今回頭の真っ最中です。

この回頭のあと、訓練展示を見るために甲板に行ったら、メガホンを持って解説していた副長が

「今日の回頭は今まで(予行2回を入れて3回)で一番うまくいきました」

と誇らしそうに言っていたので、へえと思いました。
毎回難なく普通にやっているように見えていましたが、操舵を知っている者にとっては
あきらかにうまくいったり、ときにはあまり良くないと感じることもあるということなのです。



さて、いよいよ訓練展示が始まり、最初は「しまかぜ」が祝砲を・・・・・

柵の前に立っている人はともかく、わたしは艦首手前(主砲前)から
人の合間、そして艦首部分ごしにしか展示が見られなかったうえ、
船が波で動揺し、艦首が持ち上がってしまったのでこんな写真しか撮れませんでした。



時おりよろめくほどの波に揺さぶられ、フレームに納めるのも一苦労。

ところで皆さん、この「しまかぜ」の艦首の形をよーく見てください。
172の艦番号の上部分だけが後でとってつけたような仕様になっているのがわかりますか?
これは「ブルワーク」といいまして、前甲板の艦首部分にある対空ミサイル、
ターターランチャーに波がかかることを防ぐために付けられているものです。

このブルワークを持っている艦はこの「しまかぜ」と「はたかぜ」のみ、
つまり「はたかぜ型」だけです。

「たちかぜ」型まではSMI-1の発射装置は後部にあったのですが、「はたかぜ」型から
それを前に持ってくることになったので、この独特な艦首の形となりました。
少し高くしているだけですが、波を避けるのに十分効果があるとか。


「しまかぜ」のマストは非ステルス性の権化のようなラティス構造をしており、
これからもわかるように彼女はもう就役して27年、「はたかぜ」は29年という老艦ですが、
どちらも延命のための改修工事が施され、最長であと10年は現役でいる予定です。

ターターランチャーを持つたった二隻の船であり、最初にガスタービンに切り替わった船、
そのため集まってくる乗組員も専門職が多いという特殊さのためだと思われます。

ガスタービン・エンジンについては前回も言いましたが、動作に入ってから駆動までが
大変早いのが特徴。
蒸気タービンと比べると、出航までの時間が半分で済むといわれ、たとえば
出航までの時間が蒸気タービンが4時間であれば、こちらは2時間という感じだそうです。




続いては「きりさめ」「さみだれ」「おおなみ」によるダンス・・・・、
じゃなくて戦術運動。

この三つの艦もそれぞれ人を乗せていたわけですが、今思えば
戦術運動をとくに真ん中の「さみだれ」の艦橋ウィングから見たかったな。
あるいはこのとき、操舵室がどのように戦術運動の指令を出すのか。
もしいつか、このどれかに乗る機会があったらそれらを確かめてみたいと思います。



たとえばこういう動きの時に、どの艦が音頭をとるのか知りたい。
やっぱり一番お姉さまの「きりさめ」かな?

戦術運動はあまり派手ではないけれど、連携を取り合う緊密な態勢と技術が必要とされます。
簡単に見えるけど難しいんだぞ?



一仕事終えてこちらにやってくる「きりさめ」。



「さみだれ」嬢もよくできました。



「きりさめ」にも結構な人数の見学者が乗っていたんですね。




さて!そこでお次は潜水艦の潜行と浮上。

「そうりゅう」型独特のX舵といわれる後舵装置が海面に少し見えています。
従来の十字舵ではなくこちらが採用された理由は、いろいろと言われていますが、
「着底した時に破損しない」というのが一番シンプルで納得できる説です。


さて、潜行と浮上を旗艦の前から何度か繰り返してくれたため、



わりと近くでその瞬間を捉えることができました。
冒頭写真とこれがそうなのですが、「ドルフィン運動」とはまた違う迫力です。
この勢いで浮上することは、結構中の人には大変なのではないかと思われます。



浮上したあとの「そうりゅう」型。
セイルのフィンから波が流れ落ち、何本かの筋となって落ちる水が目を奪います。

セイルの基部は流線型の覆いでカバーされていますが、これをフィレットといいます。
「そうりゅう」型の一番わかりやすい見分け方ですね。

あと、この写真でわかりやすいのですが、セイルの表面に何か貼られているでしょう。
これは、敵艦から出されるアクティブソナー音の音波を吸収する素材だと思われます。



フィレットのないこの形が「おやしお」型の「うずしお」です。
船体全体をセンサーとするソナーを装備し、索敵能力を高めています。
「そうりゅう」型よりセイルが縦長で後ろにあるのが特徴。

自衛隊はこれまで潜水艦の保持数が18隻だったのが、24隻となったため、
たとえばこの「うずしお」には延命工事のための予算が計上されています。



セイル部分を拡大してみました。
もしかしたらこの上の方にあるのは外が見られる部分?それともライト?



ついでに潜望鏡もアップにしてみるのだった。
なんか雲形みたいな仏具調のかざりがあるように見えるんですが・・・。

さて、日本が誇る「そうりゅう」型ですが、この世界的な評価はどうなのでしょうか。
他国の潜水艦と機能、そして戦闘能力を分けて比べたデータがあります。

そうりゅう型は本当に最強なのか?

これによると、性能は高いが戦闘力はドイツの212とロシアの「ラーダ」には及ばず、
さらに原潜と比べるとステージが違う、といった感じの結果が出ています。

まあ、とりあえずは中国の039A(041)型より上ならいいんじゃない?



続いてLCACが白い霧を撒き散らしながら高速走行していきます。



この日は風が強かったせいか、飛沫に綺麗な虹が現れました。
皆、「虹だ」「虹だ」と大騒ぎ。



「ちょうかい」前甲板の柵です!
・・じゃなくて、向こうでミサイル艦がなんかやってるみたいですね(不貞腐れ)

 

IR フレアを旗艦の前で一発撃ってすっかり一仕事終えた風の「しらたか」。
ミサイル艦の内部での居住性が過酷だという話がでていましたが、そのため
「はやぶさ」型のブリッジのシートはスポーツカーや航空機によく使われている
レカロシートが採用されているということです。

だから少なくとも座り心地だけはいいんじゃないかな。(適当)



お次、P-3Cの対潜爆弾投下。
前もそうでしたが、どうせ目の前でやってくれないと思っていたため、
真ん前で爆弾を落とされたのに、全く写真を撮ろうともしませんでした。

まあどちらにしても、舷側の人は皆立ち上がっていて、海面なんて見えなかったんですけどね。



P-1はブリッジから撮ったものよりはるかにまともです。
ブリッジから後方にカメラを向けると、煙突から出る熱気でああなると見た。



しかしIRフレアーを撒いたのはかなり向こうに行ってしまってからでした。
ちなみに高度は500フィート(約150m)だそうです。

今更ですが、フレアーとは撹乱のためのものであり、これを撒くことで、
敵の赤外線センサーを欺瞞することができます。



ブルーインパルスも、隊形を変えて旗艦に向かっていくようなときだけ、よく見えました。



先頭の1番機の番号は「731」です。
これに乗って安倍首相が写真を撮ったところ、「731部隊だ!軍国主義だ!」
と中国ではなく、なぜか韓国のマスコミが騒いで非難したのは記憶に新しいところです。

今回この番号を確認して、自衛隊が全くそういう馬鹿げた非難にまったく取り合わず、
あの非難をスルーしたらしいことがわかり安心しました。

・・・しかし恥ずかしくないのかね。



この日は、上空も大変風が強かったため、旗艦近くで行われた演技のスモークなど、
カメラを向けた瞬間、というか描いている端から消えて行ってしまって残念でした。



やはり一番綺麗に見えたのは12日でしたね。
ここに写っている全員がスマホで写真を撮っているわけですが、
この程度の写真しか撮れなかったに違いありません。

さて、というわけで、予行を入れて3回参加した観艦式の訓練展示が終わりました。
もしこの一回だけしか乗れることがなかったなら残念なことも多かったと思いますが、
あらゆる艦位の、いろんな場所から、いろんな条件で見た観閲と訓練展示は、
よく見えたときには勿論、見えないなら見えないなりに周囲を観察することで大いに楽しめました。



訓練展示が全て終わった後、気のせいか全力で駆け抜けた海保の監視船「あしたか」。

「見ろよ、俺たち海保の船を。こっちもイケてるだろ?」

と言わんばかりに見えたのですが、これは決して気のせいではないと思います。 

さて、この後、艦隊は一路朝出航した港へと向かって帰るだけなのですが、
わたしにとっての今回の一番の収穫というのは、この後、
艦橋でずっと入港作業を見たことだったかもしれません。




続く。


 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2815

Trending Articles