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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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ブルーインパルス・後編〜平成27年度入間航空祭

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ブルーインパルスの演技についてのご報告は1日で終わるつもりだったのですが、
自分でも思っていた以上に写真と実際のフォーメイションを照合し、
図解のように解析していくのが楽しくて、3日もかかってしまいました。

それもこれも雷蔵さんがおっしゃるように、一回のイベント出動で
あまりにも大量の写真を撮りまくったからといえます。

ブルーの写真を撮ったことがある人ならわかっていただけると思いますが、
他の航空機のときより、確実に何割か増しで気が盛り上がるというか、
アドレナリンの噴出度合いが違うんですよね。
写真を撮っている人はもちろんのこと、普通に見ている人たちにとっても。

わたしの後ろで見ていた初めてらしいおばちゃんが、
スローロールやタックで近い距離をブルーの機体が通り過ぎるたびに

「速いっ!!!・・・・はやいッ!!!!!!」

とそれだけをなんども大音響で叫んでいましたが(笑)、誰にとっても
ブルーインパルスとは、まさに「青い衝撃」そのものなのでしょう。



上向き空中開花が終わり、その航跡がまだ消えないうちに、

 STAR CROSS(スタークロス)

が始まりました。
5機が青空に星を描きます。



星のエッジでピタリと航跡を描き終わるのは、とても飛行機を操縦しながらでは
タイミングが確認できないと思うのですが、地上から指示が出ているのでしょうか。

スタークロスは天気の良い日にしか行われない演目で、難易度も高いそうです。
他国のアクロバットチームがこれをやろうとして空自から資料をもらい
試してみたそうですが、操縦技術の細かさが再現できなかったという噂あり。

これを行うのは世界でもブルーだけのオリジナルです。



5番機と6番機で行った演技。
フォーメイションの名前はわかりませんでした。
2機がロールしながら平行に上昇し、



同時に一気に近づきます。
直線に向かい合ってロールをしながら進み、ギリギリをすれ違う

オポジット・コンテニュアス・ロール

とはまた別の難易度に思われます。



オポジット〜の時には、視覚のトリックを用いていて、ギリギリをすれ違っているようで
実は2機の距離は会場後方に向かって50メートルとかなり離れているのですが、
これは距離を十分離していたとしても、ロールのあとのクロスなので、かなり難しそうです。



5番機が単機で侵入してきました。



そのオポジット・コンティニュアス・ロールをしている5番機。
5番機だけを追いかけていたため、6番機とすれ違う瞬間を取り逃がしましたorz



この時の機体を超アップしてみると、パイロットはどちらも向こうを見ています。



1番機から4番機までで行う

ROLLING COMBAT PITCH(ローリングコンバットピッチ)。




正面から見ると斜めの線に見えるエシュロン編隊で進入し、
その隊形の一番下にいる機から順番にロールを行っていきます。


 
すると、このような(フレミングの左手の法則みたいな?)
ねじれたシェイプが出来上がり。 



ソロを行うのは5番機か6番機とされています。
5番機は、万が一1番機に以上があったとき、代わりに残りを統率する任務を負います。

1番機と5番機には当然ですが、飛行班長クラスのベテランが搭乗します。

今回、アナウンスを聞いていてへえと思ったのは、
メンバーの中に明治大学出身のパイロットがいたことでした。

ホームページによると、隊長の2佐が防衛大学校出身である以外は
ほとんどが航空学生の出身で、一般大卒は2名となっています。

ブルーのメンバーになれるのは、技術的に特に傑出している航空要員のはずなので、
若い時から飛行機に乗ってきた航空学生が多いのは当然かもしれませんが、
一般大学出身でも、ブルーの隊員になれる可能性は同じようにあるということなんですね。



ダイナミックな航跡を描くので人気のある

WIDE TO DELTA LOOP

は、1番機から5番機までで行います。



編隊の形はデルタですが、後方から侵入してくる時には広い間隔を取っています。
そのまま観客の頭上を通過し、その後急上昇に転じます。



頂上に達する時には機体同士の間隔はかなり狭まっており、
そのまま折り返して垂直降下を行います。



お待ちかね、


CORK SCREW(コークスクリュー)。

コークというのはコルクのことで、つまりコルクの栓抜きです。
わたしが最初に入間航空祭に来た年には、演技の途中でバードストライクがあり、
そのまま中止になったため、最後の方に行われるコークスクリューは見られませんでした。

確か、そのとき事故機に乗っていたドライバーは、この日を最後に引退だったので、
なんともお気の毒、と思った覚えがあります。


コークスクリューは2機がアブレスト隊形(並列横並び)で侵入してくるとのことですが、
いつも気がついたらもうすでに演技が始まっています。



背面で航行する5番機の周りで、6番機がバレルロールを行います。
スクリューの「芯」になる5番機が背面飛行するのは、普通に飛ぶだけでは
ロールを繰り返す6番機に比べて、技術的に楽に見られるからじゃないでしょうか。

違うかな。



何回もこの演技を見たわけではありませんが、今日のロールはとても綺麗だと思いました。



スクリューの回転半径はの大きさ、つまりロールの角度は決まっています。



3回転目にはいる6番機。
コークスクリューは3回転行われます。



5番機と6番機のこのときの距離は、20mもないように見えます。
実際に飛んでいる両名には手の届きそうな位置に思われるでしょう。



2機による演技ですが、もっとも会場を沸かせるので、
大抵最後のクライマックスとして行われます。



3回転目、終わりー。
正確には6番機は3回転半、5番機の周りを回転することになります。



回転を終えた「スクリュー」の方は、背面の5番機と平行になるように近づきます。
このときのロールの角度は270度と決まっています。



これが「半周」回転しているということらしいですね。
この後、5番機と6番機は着陸進入を行い、そこまでが「コークスクリュー」です。



自分の残したスモークの航跡の中に突っ込んでいく演技後の6番機。



一生に一度でいいから、こうやって自分の出したスモークをくぐってみたい、
ブルーのコクピットからの景色を見てみたい、と憧れる人はたくさんいるのではないでしょうか。


ブルーインパルスのメンバーは立候補と指名、どちらによっても決められ、
かつては指名されるメンバーの方が多い時代もあったそうですが、
今はほとんどが志願し、かつ難関をくぐり抜けてなったドライバーだそうです。

メンバーは基本的に任期は3年間だけで、1年目は訓練待機といって修行期間ですが、
この時期に彼らはしばしばアナウンスを担当することがあるのだそうです。

この日のアナウンスを行ったのが、ドルフィン見習いだったのかどうか
確かめることはできなかったのですが、(わたしが聞いていなかっただけかも)
もしそうなのだったとしたら、ブルーが去った後、飛来したカラスをアドリブで
「一機侵入」と説明したのも頷けます。




というわけで、コークスクリューでプログラムは終了したのですが、このブログ的には
バーティカルキューピッドのハートで演技の最後を締めくくりたいと思います。

いつも思うのですが、このハートの始まりの部分、どうやってこんなきっちりと一つのところから
スモークを出すことができるのでしょうか。




フランス空軍のアクロバットチーム、パトルイユ・ド・フランスは
「ラ・クール」(そのまま心臓という意味)という大技を持っています。

なんと、3機+3機で赤青の2色ハートを描き、そのハートを
白いスモークの2機が射抜くという・・。

coeur de la patrouille de France



で、どんなものか探してみたのですが、こんなのでした。
なんかブルーインパルスの方が普通にうまくないですか?

たまたまこのときだけこんな不細工なハートになってしまったのかと思ったけど、
他の映像も大体似たり寄ったりだったし、だいたい3機で線描いてないし・・。

探してみたのですが、ハートを描くチームは、ここと韓国のブラックイーグルスくらいでした。
韓国チームがこれを取り入れたのは、おそらくブルーインパルスより後と思われますが、
何から何まで日本の真似では沽券にかかわるということなのか、
その名も「ビッグハート」で、ハートを描くだけ。それを撃ち抜く矢はありません。 




今日のハートは風が少ないのでとても綺麗です!
4番機の描く矢がまっすぐ突き刺さって行き・・・、




ずきゅうう〜〜ん!

とハートを射抜いてくれました。
ブルーインパルスの演技にハートを射抜かれた人もきっとたくさんいたことでしょう。


と、ベタな締めですみません。
続く。

 

 


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