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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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My 600-lb Life~「ある百貫デブの物語」

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えー、いきなりですが、今訳あってアメリカにいます。
今回はこれも訳あって一人での渡米ですので、夜ホテルにいる時には
パソコンに向かいながらテレビをつけてなんとなく見ています。 


アメリカに行ったときだけテレビを見る目的は、
日本ではとてもお目にかかれない「放送禁止」レベルの変なショーを
発見し、皆様にお伝えすることにあります。

引っ越しした人が自分の家の後に来た住人のリノベーションをくさすというもの。
ゴミ屋敷の住人を立ち直らせる「ホーダーズ」。
そして今話題沸騰(笑)、大自然の中に何も着ずに放り出されサバイバルする
初対面の男女をルポした「ネイキッド・アンド・アフレイド」。
そして、デブの前に或る日突然トレーナーが現れ、手取り足取り痩せさせて
大変身させてくれるデブ救済型ショー。

そんな変な番組の中でも、とくにわたし的に「来た」、今年の大発見。
それが「My 600-Ib Life」です。
「日本ではあり得ない」のレベルにおいて、「テレビに出てくる人の羞恥心」
「こんなものを放映していいかという倫理」をはるかに凌駕し、
それよりなにより、こんなになるまで太ってしまう人間がゴロゴロいるというアメリカの
底知れなさに心底震撼するという意味で。

600-Ibとはキロに直すと272キロ。
この番組に出てくるアメリカ人は、全員がこのレベル、あるいは
これ以上の体重になるまで膨れ上がってしまい、もうこのままでは
遅かれ早かれ生命の危険が、という状態の重篤患者ばかりです。



本日の主人公は、チャリティさん。39歳。
彼女の体重は驚くなかれタイトルよりも178lbs、つまり80キロ多い

352kg(778lb)。

百貫デブ、と日本では言いますが、それではみなさん、
百貫って何キロのことか知ってます?

一貫が3,75キログラムなので、このチャリティという人は、
まぎれもなく名実ともに百貫あることになります。

日本人はいくら太ったって、300キロ超えることは体質的にあり得ないので、
「百貫デブ」というのは、あくまで誇張であり、「お前の母さん出べそ」と
同レベルの揶揄い口にすぎないと言えるかと思いますが、
ここアメリカには、結構な割合で「百貫」が存在するのです。

ちなみに「100キロ」レベルのデブであれば何十人に一人の割合で見かけます。
テレビのショーに出ているキャスターですら、顔は綺麗だけど日本でいうと
お腹周りがふとすぎ、という人が多い国ですから。 



今回の被験者、じゃなくて患者のレベルがレベルなので、
当然彼女の家族もむちゃくちゃ太っています。
チャリティさんの妹も、かるく100キロは超えていそう。




そしてこの人の少し「特異」な部分は、夫がいること。
あまりにも太りすぎて目標が「自分の足で歩くこと」となっているレベルの
この番組の出演者は、今まで見てきたところほとんどが独身のような気がします。

太っているとやはり相手も見つけにくいでしょうし、それ以前に
自分で歩けないどころか、そもそも部屋から自力では出られないとなると、
お年頃になっても相手を探すどころではないからです。

しかし、この人は、恋愛をして結婚もできたのです。
どこで知り合ってどんなきっかけで恋愛が始まり結婚したか、
なんてことを説明してくれるわけではないのでそれはわかりませんでしたが、
そんな相手がいるのに、どうしてこの人はここまで太ってしまったのか。

「わたしに恋人ができないのは太っているから」

という思い込みでダイエットをする女性のほとんどは、男性から見て
決して太っていないという統計もどこかで見たことがありますが、
いくらぽっちゃり系が好きと言ってもこのレベルは・・・。



しかしこんな”超弩級”を愛してくれる人がいたわけですから、
せめて彼のためにもう少しなんとかしようと思わなかったのでしょうか。



それにしても、これだけ太っていると、生きていくための全てが
大仕事になってしまいます。
彼女が持ち上げているのは自分のお腹。
まるで布団を抱えているようですが、家族が彼女の体を拭く間、
肉を自分で持ち上げるのが彼女の仕事なのです。



お風呂に入るということができないので、折りたたまれた肉が
汗疹による炎症(床ずれみたいな状態)でかぶれてしまうんですね。



デブにもいろんなレベルがありますが、彼女の場合は
自分の足で歩くことは不可能。
350キロの体重を支えるには、この足はあまりにも小さすぎます。
そして骨の細さは常人と全く変わらないわけですから・・。



というわけで、彼女の周りの人たちは、彼女が生きていくための
全てのことに手を貸してあげなくてはいけません。
例えば、ベッドに起き上がった彼女を引き起こし、



とりあえず歩行器で立たせて、約3歩移動させるのも大仕事。
わたしは人間が極限まで太ったら、どこに脂肪をつけるのか、
この写真を見て初めてわかったような気がします。
まるで大きな風船をつけたような状態ですが、これ全て背中と臀部の脂肪。



彼女が携帯便器の上に腰をかけるのを夫は手伝ってやります。
毎日毎回のことなので、もはや恥ずかしいとも思わないようですが・・。



そしてもう一度歩行器を使ってベッドに戻るのがまた一仕事。
夫は黙って後始末をしてやるのです。

こんな状態で命だけを永らえるのに、プライバシーも人間の尊厳もへったくれもありません。
本人も周りも、全ての作業を黙々と無言で行いますが、
その間、人間らしい会話や、ましてや笑いなどは全くないままです。



もちろん彼女がここまでになってしまったのは、大人になってからです。
たしかに太っている子供ですが、このレベルのまま普通に大人になったとしても、
アメリカ人にはよくいるタイプの一人になりそうです。



この子供が、少なくとも寝たきりになるまでというのは、成長過程で
よほどの精神的問題を抱えていたと考えるのが妥当かもしれません。



ティーンの彼女も、アメリカでは2~30人に一人の割でいるタイプです。



この手の番組を見ていて思うのは、彼らの食事は
日本人から見たらひどいと思われる一般的なアメリカ人の食生活など、
まだマシに見えるくらい、栄養というものを無視しているということです。



ある日の朝食。(朝食ですよ)

アメリカのピザはご存知のように大変巨大なのですが、
もちろん彼らが手作りなどするわけがなく、冷凍のピザを朝になると一枚焼いて、
それを三人で分けて食べてしまうのです。



しかし、彼女にとって食べることは幸せな時間の一つであるらしく、
こんな朝ごはんでも実に美味しそうに平らげます。



彼女があまりに肥大しているので、100キロはありそうな彼女の夫が
まるで蚊トンボのように見えます。
彼女の妹もやせた方がいいと思いますが、とりあえず彼女は
自分でシャワーや排泄はできるわけですから、姉を心配し、
面倒を見る立場であって自分のことはむしろ「健康的」だと思っている節があります。

しかし、やはりこれではいかんだろうということになり、
番組に依頼をして専属の肥満専門医の診察を受けることになりました。



病院へは、数人のスタッフが「太った人専用の搬送車」で迎えに来てくれます。
そしてドクターが登場。

このドクターも、わたしたちが見ればかなりの肥満で、
人のことをどうこういう前に自分もなんとかした方がいいのでは、
という説得力のない体型なのですが、なにしろ患者のレベルが

「胃のバイパス手術」「脂肪大量切除」

を要する段階なので、医者の不養生と言うよりは、患者と比べて自分はまだまだ大丈夫、
と考えてしまうようになったのではないかと推察されます。



どれどれ。太ってますなー。

って見ればわかる。
すぐに手術をしてくれるのかと思ったら、まず、自力で、
つまり病院食の食餌療法だけで、10キロ~20キロ痩せることを言い渡します。



これで、ダイエットのなんたるかを付き添いの人にもわかってもらうのです。
なぜこんなことをするかというと、この医者は、誰にでも安易な
バイパス手術はしないという主義で、本当に患者が痩せる気があるのか、
ということをここで試験するという意味があるのです。



することがないから(といってもいつも何もしてませんが)お母さんに電話。
母親はこの番組で一度も顔を出しませんでした。



患者はこの病院で3ヶ月を過ごします。

健康保険のないここではものすごい医療費がかかりそうですが、番組負担でしょう。
そして三ヶ月の入院で彼女は49lb、つまり22キロ体重を減らしました。
背中から垂れ下がっている巨大な肉塊には全く変化ありませんが。

三度三度、まともなものを食べるだけで22キロ減です。
もしかしたら彼女は、これまで野菜サラダなど食べたこともなかったのかもしれません。
これは全て、親の食育のせいであり、さらにはその親自身ももそう育てられてきたのです。

何かに責任があるとしたら、彼女のような人間がアメリカに生まれたことでしょうか。



体重が減ってよかったね、という感じの夫。
なんですが、どうにもこの夫という人、暗い。
ほとんどのカットでなぜか目を伏せているのはなぜなんでしょうか。



とりあえずバイパス手術を受けるためには家でもちゃんとした
食生活をせねばならないのですが、退院する彼女、こんなことを言っております。

「食品庫に戻るだけだわ」

自分からは何もしようとしない、太る人の論理ですよね。



しかしこうなったからには、家族も一緒になって朝からピザ一枚食っている場合ではないので、
キッチンで悩んだすえ、二人で料理らしいことを始めました。



さて、ドクターはチャリティに、1ヶ月の自宅療養の間に
40lbs、さらにここから18キロ痩せることを申しつけました。
そうしないと、手術するわけにいかない、というわけです。



相変わらずうつむいてばかりの夫。



さて、ドクターの診察。

「もう1ヶ月がんばってみようかー」



・・・・暗い。

どうしてこの夫が最後まで目を挙げて人を見ないのかはわかりませんでした。
もしかしたらこの男、チャリティとその家族になんか弱みでも握られてるのか?



さて、それはともかく、彼女は手術を受けることができるのでしょうか。

続く!(笑)






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