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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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My 600-lb Life~バイパス手術

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375キロの体重を持つ女、チャリティ。

彼女が切羽詰まって(かどうかはしりませんが)駆け込んだ肥満専門外科医は、
入院による食餌療法で22キロ痩せた彼女に、さらに2ヶ月かけて18キロ、
つまりダイエットだけで40キロ落とせば手術をすると宣言し、
それは彼女自身と家族の協力の甲斐あって、なんとかかんとか成功しました。

まあ、375キロの人が40キロ減らすのは、その気になりさえすれば
そんなに無理なことではないような気もしますけど。

ここでドクターが患者に要求するのは「痩せたいという本気」で、
何となれば、いきなり外科的手術を施して胃なり腸なりをカットし、
脂肪も切除したとしても、本人にその気がなければその手術は
ほどんど意味をなさず、すぐに患者は元に戻ってしまうからです。
 



しかしチャリティはその試験にパスし、ドクターは彼女に
バイパス手術をすることを決定しました。



このバイパス手術とは、アメリカで行われている主流のやり方で、
ルーワイ胃バイパス手術といいます。

やり方は、まず胃を20~30ccの小袋に分け、その小袋に小腸をつなぎます。
食べ物が流れる小腸の途中に、胆汁と膵液が流れるように
もう一方の小腸の端を吻合します。
小腸の長さを変えて、栄養吸収の程度を調節し、小袋をつくることによって、
少量の摂取で満腹感をえて食事摂取量を制限するとともに、
吸収を悪くすることによってエネルギーの取り込みをさらに少なくします。



1年後に超過体重の77%を減量できる、というのがこの手術のメリットですが、
デメリットがないわけではありません。



消化吸収そのものを抑えてしまうので、必須の栄養まで取れず、ビタミンや鉄、
カルシウムの欠乏が起こりやすく、サプリメントからしかそれらを摂ることができなくなり、
また、患者の予後の食生活によっては、また胃が伸びてしまうということもあるのです。



長時間の手術の間、待合室で寝てしまう妹と夫。
二人とも肥満の点では人の心配している場合ではないような気がしますが。



アメリカで他に行われているのは胃を結紮する方法、
胃そのものをカットして小さくしてしまう方法もあります。



バンドは外れたら緊急手術を要しますし、カットしてしまう方法も
バイパス手術と同じく、決して安全な手術ではありません。



同番組の別の回で出ていたこの若い男性、やはり太りすぎで
電動式椅子がなくては歩けないくらい。

もとスポーツ選手(アメフト)で、自分に自信もあるのですが、
こうなってしまってはどうしようもなく、手術を受けました。



しかし彼は手術が原因で危うく死にそうになります。
もともとBMIが60をこえる超々重症肥満の人は、一度で手術をすると
死亡率が高くなるといるのです。
それを避けるため、胃の切除とバイパスを2回に分けるというふうにする
医者もいるのですが・・。



生死の境をくぐり抜けた彼は、こんなにげっそりと痩せてしまいました。
決して望むような痩せ方ではなかったはずですが・・。

十字にかけられたキリストのTシャツを着ているのがリアル。



さて、チャリティの手術は無事に終了しました。



よくわからない写真なのですが、これは彼女の下半身。
白いのが靴下を履いた足です。足って太らないんですね。



手術が終わって生まれ変わったわたし・・・・
といいたいところですが、見た目には全く変わりなし。
まあ、内部を切っただけですからね。



手術の後は少しは食べ物に気を使っているようです。



この家族は、いつもこうやってソファでものを食べながらテレビを見ているのですが、
こういうライフスタイルから抜け出さない限り、彼女の体重は
普通の人レベルに戻ることはないのではないでしょうか。



だ~か~ら~、ポテトは野菜じゃないんですが・・。

太っていることで便利なことが一つだけあるとすれば、食事の時テーブルがいらないことです。
自分の体になんでも乗せて、そこから基本手づかみで食べるのが彼女流。



番組の手配で心理カウンセラーも手配してもらえます。



これに出てくる人たちは、必ず太りすぎた自分に絶望して泣くのですが、
セラピストと話すことによって、また感情がこみ上げてきて泣いてしまうのが常です。
これではいけないと思いながらもずっとそれに逆らえずに生きてきた人というのは、
例外なく精神的にあまりにも脆弱だからでしょう。



軽い運動をすることも課せられました。
運動といっても、軽いダンベルを動かしたりバンドを伸ばしたりする程度ですが、
何もせずにベッドに寝ている毎日を思えば、信じられないほどアクティブです。



妹さんも一緒にやらないとね。
お姉さんを世話することで、彼女にも変化があれば万々歳なのですが。



靴は普通に売っているのが履けるので、サイズ探しに困ることはなさそうです。



というわけで、自宅でしばらくそんな日々を過ごし、いよいよ
再診および再手術のために病院に向かいます。
とりあえず病院の手配した数人の人と特別車がいらなくなっただけ大進歩。 



ドキドキの軽量は587lbs。(266キロ)。
なんと彼女はバイパス手術で86キロの減量に成功しました。
それでも266キロなんですが・・・。



ここで無駄な脂肪、何の役にも立たない部分の脂肪を、
バッサリ切ってしまうという手術を受けます。



切除によって、ものすごい量の脂肪の塊が彼女の体から取り除かれます。



切り取った部分を先生が抱えていますが、むちゃくちゃ重そう。



思うに、彼女の背中から臀部にあった脂肪を切ったのではないでしょうか。
どうせならもっといっぱいいろんなところから切ればいいのに、
と思いますが、これがおそらくできるギリギリの切除なのでしょう。



ドクターの解説つき。
切除した脂肪だけで40キロはあったそうです。



というわけで、とりあえず彼女は寝たきり生活から立ち直り、
少なくとも自分で自分のことくらいはできるようになりました。
おそらくですが、もうトイレも自分でいけるでしょう。


それでもこの肥満ではきっと長生きはできるまい、と
わたしたちは思ってしまいますが、まだしもましになったことは確かです。



さて、ところで手術で危うく死にかけた男性。
せっかく痩せたのですが、元気になった途端彼はバリバリと食べだし、
リバウンドまっしぐら。



そりゃこんなものばっかり食べてたら太るよね、というようなものを
よく噛まずに吸引するがごとく食べまくっていたら・・、



先生が渋い顔をして、

「診察のたびにどんどん太っていってるんだけど・・・。
やる気あんのアンタ」



「なんか文句あんのかよヤブ医者」



母親も心配していろいろ言いますが、そもそも全ての原因を作ったのは
母親だったりするので(食育という意味で)、息子はいうこと聞きゃしねえ。



病院に付き添ってきたお姉さんに八つ当たりして、電動椅子を
全速力で動かして(笑)拗ねて向こうに行ってしまいました。
おそらく彼は先生に手術をしてもらうことはできないでしょう。

そして笑ってしまったのですが、彼の出演番組の最後のオチ?は、

「この二日後、ドナルドの電動椅子は壊れた。
原因は彼の体重であった」

って、そりゃそうでしょうよー。
なにこの虚しさあふれるエンディング。


この番組はもう少し軽度の、トレーナーと一緒に頑張る番組と違って
毎回がチャリティのようにうまくいくわけではありません。
どうしても節制できなかったり、手術をせっかくしたのにリバウンドしたり、
たまには経過観察中に亡くなってしまうこともあるそうです。



そして、今日もまた一人の百貫デブが、なんとかしたいという思いを持って
この番組に登場します。



番組をいくつか見て思うのは、あまりにアメリカ人というのは
栄養に対する知識がなさ過ぎること。
美味しいと思うもの、小さい時から口にしてきたもののほとんどが
ジャンクであり、糖分や脂肪たっぷりの危険なフードであること。

マクドナルドなどのファーストフードで三度三度の食事を済ませ、
アイスクリームにピザ、カロリー0のコーラや炭酸水・・・。


ホテルに泊まると無料で食べられる朝の食事はパンケーキにせいぜいよくてフルーツ、
安ホテルになると、甘い甘いマフィンを朝から振舞います。

この国で若い時はともかく、ある程度の年齢になって太らずにいられるには
慣習と慣れ親しんだ味を、全て否定することから始めなければいけません。

これだけ絶望的までに太っている人が多い社会で受け入れられている栄養学が
正しいわけがない、と私など思ってしまうのですが、国家がこれをなんとかする気は

・・・・・ないだろうなあ。

国民を病気にするためのジャンクフード、病気になりたくない人のための
実はあまり効果のないサプリメント、そしてダイエット薬。

街場にあるダイエットセンターはじめ、この番組の医者のような、
肥満専門医も、みな「肥満ビジネス」の経済的サークルの中にいるわけで、
もはやそこから抜け出すことはできないからです。

皆が健康的なものを食べて肥満が日本レベルに少なくなってしまったら、
それこそ「痩せ細って」しまう人たちがあまりにもたくさんいることも、
アメリカが世界一の肥満大国であり続けている原因のひとつなのではないでしょうか。





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