甲板を広角レンズで撮ってみたい、というコメントをいただきましたが、
今回一番楽しみにしていたのが、この巨大空母の甲板に立つことでした。
「ホーネット」でもその広さ(全長266m)に驚かされたくらいですから、
それより60m以上大きな「ロナルド・レーガン」の甲板はどんなにか広大でしょう。
ロナルドの御本尊、じゃなくて銅像が2体飾られた
空母のエントランスでこれからのツァーについての説明を受けます。
RRのモットーは
「Peace Through Strength 」
「精強であれ、その先には平和が」みたいな感じですか。
どう見てもこのハット、ヘルメットに見えないぞー。
こちら広報担当。
広報官が全てを説明するのではなく、各部のディティールについては
やはり現場の軍人から話を聞いてもらおう、ということで投入されたのが
こちらの方と、向こうにぼーっと立ってるガタイのいい人でした。
向こうの人は、しゃべくり無しでずっと黙ってついてきていたのですが、
広報官はここで解説をバトンタッチしていなくなってしまったので、
何かあった時の人手とか、用心棒とか、まあそういう役目だったのでしょう。
参加者の一部は、彼らの靴があまりに巨大なので軽くざわめいていました(笑)
「ロナルド御本尊の間」からひょいっと外に出れば、そこはハンガーデッキ。
いつもならば航空機が格納されているはずの場所です。
ところが現在は補修中であるため、飛行機どころかデッキには
所狭しとついたてが立てられており、まるで倉庫。
ぬあんと、格納庫にプレハブの住宅が立ち並んでるし。
これは結構長丁場の補修(半年でしたっけ)になるみたいですね。
ここにRR乗員以外のメンテナンス要員が寝泊まりするのだと思われます。
各ブロックに12部屋、見えているだけで36部屋あることになりますが、
二人一部屋としても100人単位が、ここに滞在して作業をしているようです。
せっかくの力作なのにダクト?で隠れてしまったのが残念。
彼らは「ホーネット」でも説明してもらった、甲板で仕事する各部署の
「色」の作業着をまとった乗員たちの図。
これらの色分けは以下の通りです。
青・・・・プレーン・ハンドラー、航空機用エレベーターの操作員、
トラクターのドライバー、メッセンジャー、電話交換手
緑・・・・カタパルト操作員 航空機メンテナンス 貨物操作、
着艦ロープのフックを渡す係、写真班のアテンド ヘリ着陸誘導係
黄・・・・航空機操作士官 カタパルト操作士官 航空管制官
赤・・・・砲手 墜落機サルベージ係 爆薬処理班
茶・・・・航空士官と着艦誘導下士官
紫・・・・航空燃料係
白・・・・飛行中隊監査 航空機移動士官 安全確認係 医療班 着艦合図士官
と、自分の過去ブログからコピーアンドペーストしてしまうのだった。
甲板の上では一目で誰が何をしているか即座に見わけなければならないため、
このようにわかりやすく着るものを色分けします。
ハンガーデッキの隅には乗員が長い列を作っておりました。
順番に一人ひとつ、箱を渡されて運んでいく仕事をしています。
海自ではこんな時に「バケツリレー方式」でやるようですが、
何しろ空母は大きすぎて、目的地まで列の長さがどうしても足りなくなるため、
このような方法で物を運搬するしかないのかと思われます。
この時に皆が運んでいたのは、ファイルのようなものが入った箱でした。
紙が入っているとすれば、これはかなりの重さがありそうです。
画面手前を歩いている男女の一団は軍人ではなく軍属です。
その右手にわれわれは誘導されて出ることになりました。
これは、外付けのエレベーターですね。
赤と黄色の線の惹かれたところから向こうが稼働します。
一応ここで「甲板に立つ」ことはできたということになります。
ここにも資材がこれでもかと積まれたまま。
しかしこうしてみると、われわれがこうやって内部を見学できるのも、
RRが補修中で、中は全く正規稼働していないからこそだったのね。
もちろん飛行機の離発着が観られるなんて虫のいいことは考えてなかったけど、
・・うーん、なんか嫌な予感がするぞ(笑)
向こう岸に見えているのは、一度当ブログでも説明したことのある
APL40、宿泊艦で、海軍軍人さんのホテルとして使われています。
内部にはスカイラウンジもあるそうです。
その向こうは、たぶんミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」。
資材は全て足場用ですね。
作業員のベルトが無造作に資材の上に脱ぎ捨ててあるのがいかにもアメリカ。
向こうに支援船のようなものが近づいてきています。
この部分に立って艦首側を見るとこんな感じ。
観艦式で航行しているRRを観た時、まるでお皿のように
下すぼまりのシルエットだなと思ったものですが、それもそのはず、
この傾斜の強さは、甲板を少しでも広くとるための設計です。
ここがせり上がっていくわけですね。
立っていると、あまりの広さに、ここがエレベーターだとはとても思えません。
ここにゴンドラ式のクレーン車がいるのは、これに乗って
エレベーターの壁や支柱を塗装するつもりのようです。
ペイント缶の用意中。
飲みかけの缶コーヒーでもなんでも、とにかく床に置くのがアメリカ人。
ブルーのクレーンの立っているところが、確か、戦時中に「信濃」が艤装されており、
ここから呉に向かった(そして撃沈された)というあのドックだったと聞きました。
さて、ここでしばらく説明を聞いた後、われわれは甲板に移動することになりました。
さっきハンガーデッキに出てきたところから、もう一度中に入っていきます。
コンテナとついたての向こうに、ハンガーデッキのブースが見えていますね。
さて、ここからは、狭い廊下と急な階段を、甲板に向かって進んでいくわけですが、
わたしたちの一行に対し、米海軍はまずこのように通達してきていました。
「70歳以上は色々と責任持てないから参加お断り」
ただでさえ高齢化の激しい当防衛団体、(というか、こういう行事に
平日の昼間参加できるのは自営でなければどうしても悠々自適のリタイア組)
そこをなんとか、と防衛団体が頑張って、3人か4人いた70歳以上の参加者は
念書にサインすることで、参加を許されたという経緯があったのです。
バスの中で、
「万が一の(もし階段を上っていていきなり疾患で倒れたり、
降りるときに足を踏み外して動けなくなったりという)
ことがあったとしても、その責任は一切米海軍には問いません」
という意味の念書が回され、該当者はそれにサインをさせられていました。
日本の70歳なんて、皆元気なものだと思うんですけどね。
廊下に飾ってあったRRと第7艦隊の勇姿。
エアボスは、甲板を監視しながら管制を行う航空管制責任者です。
ミニボスは航空管制下士官とエアボスの間にいる副長みたいなものでしょうか。
エアボスが統括するのは、甲板では青い作業着を着る「プレーン・ハンドラー」です。
修復関係の係が詰めるところみたいです。
教えていただいた「Ship Repair Facility」の関係者が
詰めるところがここかもしれません。
説明なし。
星が右左に4つづつあるので、艦隊司令が坐乗するときの特別室?
こんなふうに、途中にあるこのような部屋のプレートなどを見ながら
階段を上っていくわけですが、さすが空母、この階段の手すりが
自衛艦のような鉄製ではなく、全て持つところは木製で、
飛行機のタラップのような感じの、たいへん重厚な造りでした。
自衛艦とは全く違うなあ、とえらく感心したのですが、勾配そのものは
自衛艦と同じくらい急だったので、登るのに一生懸命になってしまい、
うっかり一枚も写真を撮らずに終わってしまったのが残念です。
なにしろ前の人にちゃんとついていかないと迷子になりかねないので、
写真のためだけに立ち止まって前を空けるのが憚られたんですよ。
ちなみに階段を上る前に注意されたのは、
「もし迷子になってしまったら、うろうろしないでそこにじっとしていてください」
でした(笑)
そして、艱難辛苦の末やっとたどりついた・・・、
これが「ロナルド・レーガン」の甲板から見たアイランド(艦橋)だ!
さあ、それでは肝心の、甲板は・・・・?(ドキドキ)
続く。