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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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津南雪まつり

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去年のまだ暑くなる前、いやほとんど1年前に、新潟県の津南町で
年に一度行われる紙提灯をあげるお祭りに参加することが決まりました。
台湾で「平渓天灯(ランタン)祭り」という紙のランタンに火を灯して
皆で飛ばすという行事があることを知り、ぜひ参加したいと思っていたのですが、
タイミングを合わせるのが難しく、ほとんど諦めかけていたのでした。

ところが、なんと国内で同じようなイベントが5年前から行われていることを、
例によってTOが地元の知り合いの方から聞きつけ、ぜひにとお願いして
参加資格の取得をしていただいたのでした。

台湾のランタン祭りは春節の行事で、町の人が一斉に赤い提灯を飛ばすのですが、
津南のランタン祭りは、その発祥に意味はなく、会場は単なるスキー場。
何事も「まつり」というものには起源に込められた意味があると思うのですが、
とりあえずそこまではあまり深く考えていない模様。
しかし、スキー場とはいえ一面の雪の中、ランタンを飛ばすなんて、
それだけで幻想的ではないですか。


問題は雪国に行くための防寒対策です。

わたしは掃海艇に参加したときの防寒グッズを活用できたのですが、
TOと息子は、雪でも滑らない靴や、ゲートル状のカバーや、手袋その他、
モンベルとLLビーンの通販でこの一日のために(ってか半日)一式揃えました。

そして当日朝8時20分東京発の新幹線で、越後湯沢に向かったのであります。



東京もこの日は大変寒かったのですが、わずか1時間半で、
トンネルをくぐったらそこは雪国だった。

と、今思いついて書きながらもしかして、と調べてみたら、
川端康成先生の「雪国」の舞台はなんとここ越後湯沢でしたー!

実際、トンネルをひとつ越えたら、いきなり雪が地面と平行に降っていて、
息子とわたしが「おおおおおお!」と驚いていたら、次のトンネルでは
雪がやんでいたり、とにかくトンネル出るごとに様子が違ってるんですよ。
あらためて文豪とは凄い文章を書くものだと感心しました。



それにしても都会から1時間、トンネルを越すだけでこの変化。
かつて新幹線の越後湯沢近辺が都会から近いスキーリゾートとして
バブリーに持て囃された(わたしをスキーに連れてっての時代)のも、
この近さが大きな理由だったのでしょう。



駅から津南に向かうバスの中、わたしと息子は早速雪景色を撮りまくります。
彼はiPhoneで、わたしは、iPadで・・・。

Nikon1はいったいどうしたんだ、とおっしゃるあなた、聞いてくださいまし。
いつも旅行には必ず転がしていくヴィトンのキャリーバッグには、
ちゃんと各種レンズとカメラ本体、コンデジはバッグに入れて持っていたのです。
ただしSDカードの入っていない状態で。

現地に入る前にどこかの駅のコンビニでSDカードくらい買えるだろう、
何しろ越後湯沢は都会人のリゾートだし、と甘く見ていたら、
新幹線駅のコンビニにはAppleのギフトカードはあってもSDカードはなし。
一応津南の「ニュー」のつく名前のホテルの売店の人に聞いてみたら、

「山を降りて国道まで出ていただくしか・・」

と予想通りの返事をされました。
コンビニが街角ごとにあって各種ギガのSDカードが買えるなんて、都会だけ。
このことを知っただけでも貴重な教訓となった今回の旅行でした。

そういえばこれと全く同じことが去年丹後地方の旅行であったような気もしますが、
まったくその教訓が生かされていなかったと知ったのも今回の教訓でした。



しかし、その時にも同じことを書いたのですが、
iPadでもなんとなく、そこそこ普通の写真が撮れてしまうんですよねー。





これなど、走るバスの窓から撮ったわりには、なかなかですよね?



撮る場所によってはこんな写真も。
iPadがそれなりに役に立っているのは喜ばしいけど、
それだけに、カメラ一式を入れたキャリーの虚しい重さが堪えます。



越後湯沢から津南まで、車で1時間少々という感じでしょうか。
ホテルのロビーからなんとスキー場に直結。
というかホテルの前が、そのまんまゲレンデです。

今日のランタンフェスティバルは、このホテルの前で行われる模様。



ホテルロビーの真ん中にあった「つるし雛」。

「もっともたくさんのぬいぐるみ(11,655点)を使った世界最大のディスプレイ」

としてなんとギネスブックに載っているそうです。
それがどうしたって感じですが、そもそもギネスレコードというのが
「それがどうしたの集大成」みたいなものだしな。



これが雪まつりのポスター。

客室はチケット販売の日から満室で、駐車場代はフェスティバル参加込みで
5,000円というものが半日で完売してしまったそうです。
そしてこの当日には駐車場の権利が4万円で取引されていたとか。
転売目的で手に入れオークションで売る、観艦式の乗艦券と同じ構図ですね。 

このランタン祭りの「元祖」はタイのコムローイという祭りだそうですが、
有名になったのはディズニーの「ラプンツェル」のアニメだそうです。

観てない方、忘れた方、これでどうぞ。

TANGLED - I See The Light [Official Movie Scene][HQ]


冒頭のポスター風のものは、このビデオの一シーンのようですが、
実は息子がiPhone6で撮って加工した画像にロゴを付けたものです。


津南のランタン祭りは最初にも書いたように5年ほど前からごく小さな規模で始まり、 
最初は街だけのイベントだったのが、ツィッターで急激に広まり、
特に今年の参加人数は、去年と比べ物にならないくらいになりました。

このポスターに書かれているニューグリンピア津南というホテルの
前の広いスペースでやることになったのも、最近だそうです。

さて、このホテルに到着したのは11時。
ホテルは1時に部屋に入れることにしてくれたので、お昼を食べることにしました。



食券式のラーメン屋さんがあったので、担々麺を頼んだら、
こんな真っ赤っかなものが出てきました。

「あ・・・赤い」

恐る恐る食べてみると、辛い、辛すぎる。
担々麺ってこういう唐辛子汁みたいな辛いものだっけ。
あまりに辛そうに(つらそうと読んでね)食べているのを見かねて、
普通のラーメンを頼んでいたTOが交換してくれました。



トリハムのポスターの鳥さんがサムアップしております。



こちらも。なかなかの絵心というか画力についシャッターを切りました。



部屋に入るまでまだ1時間あるので、外に出てみました。
土曜日ですが、スキーしている人はそんなに多くありません。
ちなみに積雪量は例年に比べ3分の1くらいしかなかったそうです。

豪雪地帯として有名なこの地方ですが、降る年で9mいくこともあるのに、
今年はせいぜい3mなのだとか。
このホテル前の景色も、「去年と全然違う」ということでした。



ポスターにある「SNOW WAVE」は、スノボの大会。
雪まつりとコラボして行われていました。
テントではDJがノリノリの音楽をやっていましたが、
(どうもスノボでは音楽があるのがディフォルトらしい)
息子は去年からコンピュータで作曲をしていて、DJについても詳しく、

「今のミックスのつなぎ方、かっこいい!わかる?」

などと、賛同を求めていました。(わたしの返事はいつも”へーそうなんだー”)



さすがにこういう写真はiPadでは絶対無理です。
あーせっかく望遠レンズ持ってきてたのにな。
ちなみに、この様子を”白レンズな人たち”が二人くらい撮っていました。

スノボの試合には普通なのかもしれませんが、下で解説者が跳躍ごとに
説明を行っていまして、このノリが実に軽い。

「おーっと、今のはハーフパイプかあ?!」「いえ〜、決まったッ!」

みたいな(ほとんど)感じ。

 

こういうのを望遠レンズで撮りたかったのよ・・・・。

後から関係者の方に聞いたら、鎖骨骨折で救急搬送された選手が一人いたそうですが、
もしかしてこの人だったのかしら。

この日の夜、ランタン飛ばしのあと、このジャンプ台に登ってみましたが、
ジャンプするところが二段になっていて、スロープの傾斜は上から見たらほぼ垂直。

よくこんなところを飛べるものだと背中がゾクゾクしました。
ちなみに選手の中には15歳の少年もいました。



会場ではいろんな楽しみが用意されています。
雪の上を走るスノーバイク体験。
このほか、スノーモービルの体験乗車や、スノーーモービルがけん引する
バナナボートに乗るコーナーなどがありました。



ん?なんか雪で作られた山があるぞ。



前には雪で作られた灯籠が並べられています。



なんと、かまくらの「神社」でした。
鳥居をこんな風に作って・・・・おもわずいいのか?と思ってしまいましたが、
HPを見ると、どうやらご祭神をいただいたちゃんとしたもののようです。

 

縁結びの神ということで、なぜか入り口にはハート型の目口をした雪だるま。
このハート型の目がさり気なくキモい。



こちら御本尊(絶句)

御本尊の周りのタイヤ状のものは実は龍のお腹だったりします。



申年ってことで、龍にしがみつく猿の親子。
かまくらの内壁に彫刻されています。



ぶら下がっているお猿さんも。



灯籠から覗いた「女雪だるま」。
いろいろと微妙な「神社」ですが、まあしょせん観光地の客のための、
つまり雪が溶けたら溶け去ってしまうものということで。



ホテルの部屋で時間を潰し、ホテル内のレストランに行ったら、その階の廊下には
まるで難民キャンプか観艦式の護衛艦甲板のように人が座り込んでいました。

ホテルに泊まっていない人は、まずプレミアム駐車券5000円(ランタン付き)を
半年前に買うか、普通の駐車券を予約して、その駐車券の下番号が
「あたり」であれば、ランタンを1000円で購入しなければなりません。

このために、イベント開始の前に会場にきた人は、用事が済んだ後
いつまでも外にいるわけにいかず、ホテルのレストランにでも行こう!となるのですが、
どっこい、この日のホテルは宿泊客しかレストラン利用ができませんから、
皆しかたなくロビーか廊下で時間を潰していたのでした。

しかし、参加人数が急激に増えたのは今年からなので、
主催者もことそのような状況になるとは、全く予想していなかったということです。



外に出てみると、テントで抽選で当たった人にランタンを配っていました。
壊れやすく、濡れると飛ばないので、会場ではランタンを開けるのは
飛ばす直前にしてください、となんども注意がありました。



ちなみにうちの家族はホテルに泊まる権利を得た時点でランタン一個確保。



スノボのDJブースがあった所の横には、ステージが組まれ、バンドが
交代で演奏をしていましたが、スキーとかスノボとかのウィンタースポーツが
いつのまにか(わたしが最後にスキーをしたのは大学生の時)
レゲエっぽい雰囲気をよしとするイベントになっていたことを改めて知りました。

ロックでも、Jポップでもなく、「レゲエ」なんですよ。

写真は、バンド演奏の後でてきて挨拶をする運営の偉い人。
割とみんな聞いていませんが、わたしはちゃんと聞いていましたよ?
「ふるさと納税」に米どころで農作物の生産が盛んな当地を
お願いいたします、みたいなことも言っておられた気もします。
 


いよいよイベント開始の時間が近づいてきました。
打ち上げは全部で三回行われ、わたしたちは二回目にあげます。

冷たい雪の上に人々が集まり出し、皆の熱い期待がふくらんでいきます。


続く。



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