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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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平成28年度富士総合火力演習〜「状況、終わり」

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後段演習、76式戦車が攻撃をしたところで、次は施設小隊の出番です。
地雷などの障害を処理する施設小隊を援護するため、特科部隊が発煙弾を撃ちます。



細い筋を長く引く独特な煙跡の発煙弾です。
煙はすぐに広がってあたり一帯を白煙で包み込みます。



制圧射撃を76式戦車が行ったあとはお待ちかね?
地雷原処理弾の発射が行われます。

準備の間にも76式はもう一発2台で一緒に制圧射撃を行います。
砲撃のあと、まだ次に打つ場合は

「命中、撃ち方、待てっ!」

と号令があります。



地雷原処理車のいるところは客席からはあまり見えません。
装備の正式名は92式地雷原処理車。略称MCV。
指向性散弾とともにこれも施設科が扱う武器です。

車体の上に2連装の92式地雷原処理用ロケット弾の発射装置が装備され、
その名の通り地雷を爆破処理して侵攻する道を啓開します。

まずは、爆薬を牽引するロケット弾が発射されます。



空中でしばらく黒煙を吐きながら飛翔します。



数珠繋ぎになった爆薬がミサイルの後部から出てきました。
左手に見える白いものがパラシュートのようです。



わかりにくいのでストリームをキャプチャしてみました。
確かに小さなパラシュートが開いています。



爆薬ひとつひとつは小さいのですが、ものすごい効果。
ブロックは26個連結されていますが、総火演ではいつも4分の1に爆薬を減らして行います。

26の4分の1?

と割り切れないので不思議に思って引き出される爆薬の数を映像で数えたら、
やっぱり26くらいあるんですね。

つまりひとつひとつの爆薬の大きさを4分の1に減らしているのでしょう。



特科部隊の前進支援射撃を受けてヒトマル式戦車小隊が攻撃。
目標は敵陣地に現れた敵戦車です。
4台が一斉に一点を撃破。

戦車対戦車の場合、逃げ足の速いヒトマル式は、相手より早く
先んじて攻撃をしなければなりません。



撃つとすぐに後退し、急停止して向きを変えます。



会場右手に4台が揃って移動中。
砲塔はぴたりと敵の側に向いたまま。



そこでFV小隊の前進を援護するため74式戦車が射撃。



FV小隊もここにきて戦闘に参加。
96式の射撃は3発続けてドンドンドン!と発射されます。
そして敵を制圧後、陣地変換の際の援護を10式に依頼。



FV小隊を狙って現れた敵戦車に4台同時一撃!



FV小隊が移動中ももう一発。

4台のヒトマル戦車が狙って撃った部分は、斜面の形が跡形もなく
変わるくらい激しくえぐれてしまっています。



この後、87 AWが敵航空機を叩き落したり、FV小隊が装甲車に撃ちまくったり、
とにかく相手が反撃してこないのをいいことにやりたい放題。

驚くべき精度で的を撃ち抜く技術に皆があっけにとられているうちに
いよいよ後段演習はクライマックスへと・・・・。

しかし、こういうのを見ると、あらためて現代の戦闘行為というのは
ハイテクを駆使しつつも後ひとつのところで「腕」がものをいうものであり、
ヘリ部隊、オート部隊、狙撃隊、何一つとってもプロフェッショナルとしての
鍛錬に培われた技能なしでは何も始まらないと嫌でもわかるわけですよ。

憲法改正関係で何かと言うと徴兵制になる!と騒ぐ人たちは、

「現代の戦争は素人を集めてきてなんとかなるものではない」

といろんな人が口を酸っぱくして言っても聞こえないふりをしていますが、
ぜひ一度総火演を実際に見て、これらの装備の扱い一つとっても
行進ひとつできない素人がどこに参加する余地があるのか、
ぜひその辺をじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

まあそこまで考えられるような人間なら最初からパヨクなんてやってないか。



ここで特科火力(迫撃砲など)による突撃支援射撃が行われます。
突撃が可能かどうかは、いままでに味方が撃破した戦車の数から
戦車隊の隊長が判断し、命令を下します。

向こう側の90式戦車は、2台1組で山道を突入していきました。
そして「突撃成功」の知らせが・・・。



ここですべてのヘリ戦力も加え、戦果拡張のための攻撃を行います。
残存する敵を殲滅し、陣地を完全に奪回するのです。


ここで出される指令とは、

「戦車中隊、1中隊は2段山、2中隊は3段山を攻撃せよ」

「戦車教導隊、前へ!」



前方に一列になった戦車教導隊が、発煙弾を一斉に撃つ瞬間。



一番最初に破裂した発煙弾。
線香花火の先のようです。
よく見ると、周りに無数の小さな弾薬のようなものが浮遊しています。



空中にまず炸薬が破裂し、まるで花火のような閃光をともなう爆発が起こります。



実はこの発煙段発射が、総火演のクライマックスだったりするんですね。
新聞の総火演を報じる記事も、一枚だけなら圧倒的にこのシーンです。



たまやー。

実は、この発煙段の種類がなんなのか知ろうとして、
どういうわけか白リン弾のページに行き着いてしまいました。
尾をひく様子が少しこの発煙弾に似ていたからです。

ガザ地区に落とされたこの爆弾について、ここでは書きませんが、
ナイアガラ花火のような美しさは一緒でも、こちらは大変非人道的な爆弾です。

ガザ地区に多く住むという子供たちが爆撃の犠牲になった、などという
ニュースを読むと、まるで花火のように射撃訓練をを見て楽しんでいる
この日本という国はなんと平和な国家なのだろうと改めて思います。



発煙弾の火花は一瞬で消え、弾幕となって前方を覆い隠しました。



左方から列を組んで進行していくヘリ部隊と地上部隊。
会場からはこのフィナーレに向かって大喜びで観衆が拍手を送ります。



「状況、終わり!」

ソードソード ミードミード ソミドミドソドー
ソードソード ミードミード ソミドミドソドー
(移動ド)

この花火(じゃないけど)とヘリ部隊の飛行を見ると、
ああ今年も夏が終わったなあと思う人もおられるのでしょうか。
わたしはどちらかというとまた日本に帰ってきたなあという感慨かな。


さて、この後は装備展示が行われました。
わたしはあまりにも暑くてかなりこの時間には眠いのもあって
立ち上がるのもしばらくは億劫だったので、スタンドから
この光景を眺めることにしました。


続く。





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