先日、サンマテオのコヨーテポイントで偶然見つけた
商船アカデミー跡のことを調べ、ここに戦争中だけ
カデットを育成する教育機関があったことを知ったわけですが、
その時に思ったのは、あの戦争はアメリカも本気だったんだなということです。
ベトナム戦争は知りませんが、911のときにボストンにいた者として、
あの事件直後の異様なアメリカ全体を覆い尽くしたショック、
それに次いでパトリオティックな空気が醸成され、音を立ててそれが
国民全体を包み込んでいく様子を見ていました。
ですから、ブッシュ大統領がその後「不朽のなんたら作戦」と称して
アフガニスタンに侵攻したときに、アメリカ国民がその攻撃を
パパブッシュの湾岸戦争のときほど支持していなかったのを、
外国人なりに少し不思議なことに思ったわけです。
今にして思えば、アメリカ国民もブッシュのこのときの性急さから
なにか胡散臭いものを感じていたのかもしれません。
少なくともこの戦争がアメリカ社会を大きく変えることはなかったし、
ましてや国民が一丸となって、なんて気配は全くありませんでした。
しかし日本との戦争で本気になったアメリカは、太平洋の戦場に必要な船に
乗せる船員(戦闘行為も有り)を、民間から徴用するのではなく、
教育機関をパッと作ってしまったりしたわけです。
その気になったらこれくらい簡単にやってのけるアメリカという国は
やはり底力があったし、変な自負かもしれませんが、そのアメリカに
ここまでさせた日本もまた大したものだった、などと思ってみたりもします。
さて、そんな話はともかく、今年の夏もここに行ってみました。
今回は日本から休暇で来ていたTOと一緒です。
アメリカのいいところは、公園として解放しながら、
変に整備したりしないこと。
道沿いに柵くらいはつけますが、あとは放置。
商船アカデミー跡のシンボル、ソルティー・ザ・イーグルの像。
ここにアカデミーがあった証に、永遠にここに残されます。
ここでひとしきり調べたことをTOにレクチャーするわたしでした。
アカデミーがあった時代に作られたらしい人口の洲がありました。
左のほうの、かつてのアカデミーの港は、今ヨットハーバーです。
岩を積み上げただけの洲。
これまで歩いてきたところを振り返る。
右のほうにサンフランシスコ空港があります。
さて、このときわたしは望遠レンズとカメラを持ってきていました。
このコヨーテポイントからは、サンフランシスコ空港に着陸する寸前の
ギアを出した飛行機が間近に見えるのです。
この機体はアメリカン航空。
こちらもアメリカン。
こちらは3年前に導入された新デザインのボーイング 737-800らしい。
フライトアテンダントの制服もこのときに一新したそうですね。
全く乗らないのでどう新しくなったのかも知りませんけど。
あ、昔ここのエコノミーに乗ったとき、消灯後に、ものを落として
拾うためにかがんでいたら、体重1トンのプロレスラーみたいな
がさつなFA(男)に頭を思い切り蹴飛ばされたことがあったなあ・・。
よく脳震盪にならなかったもんだ。
「アーユーオーケー?」
とか聞いてたけど全然オーケーじゃなかったわい。
いつもお世話になっております。
ユナイテッド。
去年乗ってなぜ皆が「デルタ、サックス!」というのか
わかった気がするデルタ航空。
そういえば、我が家はクリスマスにボストンからフロリダに行くのに
やる気のないカウンター職員がでれでれやっているためなかなか列が進まず、
予約したフライトに乗り遅れて最終便まで待たされたことがありました。
アメリカ国内だけを飛んでいる格安航空、ジェットブルー。
日本のエアドゥとかソラシドエアみたいなもんですね。
日本のは機内サービスの簡略化で節約?しているようですが、
アメリカの格安航空もまあ似たような感じです。
というか、どんなエアラインも大したサービスはしないので、
同じなら安い方がええやろ、と考えるむきもあるようです。
ジェットブルーは格安航空の中でお値段比較的高めですが、
レガシーキャリアと変わらないサービス、そして何と言っても
大容量の衛星通信導入によって国内他社の8倍の通信速度で
インターネットができるというのが売り。
イギリスのバージン・アトランティック・エアーが設立した、
これも格安航空のバージンエアー。
バーリンゲームといいますから、このコヨーテポイントの隣に本社があります。
ノーズ部分に”#nerd bird" と書かれているのを発見。
ナードバード、オタク鳥・・・・?
バージン・アトランティックエアは、機体に
ティンカーベル、マドモアゼル・ルージュ、ドリームガール、アップタウンガール、
ホットリップス、ピンナップガール、クィーンビー、ダンシング・クィーン、
などと「女の子」の名前をつけていることで有名ですが、こちらも
本家に倣って、鳥シリーズで名前をつけているのかもと思いました。
サンフランシスコとオースティンを往復する便の名前のようです。
鳥といえば、ここにはアジサシ鳥が頑張って漁をしていました。
飛んでいたかと思うと果敢に垂直降下して獲物を狙うやりかたで、
見ていて飽きません。
「アジサシ母さん頑張れ」
「あーだめだった」
などとわたしたちもつい応援してしまいます。
ブラックバードのメス。
メスとオスで色が違います。
これは珍しい。
デンバーの格安航空会社、フロンティアの機体です。
アメリカの民事再生法に当たる倒産法を申請しましたが、営業してます。
アロハ航空とかは経営破綻してなくなってしまったのですけどね・・・。
飛行機を撮る合間に水鳥を撮ろうと思いまして、
ふと海面に目をやれば、遠目になにか黒い丸いもの発見。
肉眼ではわたしもTOも全く確認できなかったのですが、
優秀な望遠レンズで撮って、拡大してみて初めてそれが
息継ぎに出てきたこんなものであることを知りました。
「アシカ?」
「アザラシ?」
「オットセイ?」
言われてみれば、その違いなどを深く考えたこともありませんでした。
調べてみると、アシカにもオットセイにも「耳がある」そうですから、
穴が空いただけの耳のこれは消去法でアザラシということになります。
ちなみにカリフォルニアには「カリフォルニアアシカ」というのがいて、
モントレーなどでは海沿いを歩くと岩場にごろごろしています。
ぷはー、と目を閉じてるアザラシ。
ちなみにアシカは「シーライオン」、アザラシは「シール」、
(イアーレス・シールが正式)オットセイが 「ファーシール」です。
アザラシとオットセイが同じ「シールズ」とは知りませんでした。
空気を吸い込んでいるところなので思いっきり鼻の穴を広げております。
潜水のとき、この鼻の穴は自然にぴったりと閉じてしまいます。
ちなみにアザラシの目は色を見分けることができないそうで、
白黒の世界を見ているんだそうです。
アザラシに聞いたわけでもなかろうに、なんでわかるのだろう、と思ったら、
網膜に色を識別する錐体がなく、桿体だけしか持っていないため、
明るさは感じるけど色の概念がないということらしいです。
犬や猫も錐体が少なく、青と黄色しか見分けられないとか。
ほんの少しの間、こうやって空気をすーはーすーはーしてから、
アザラシは潜ってしまい、それっきり姿を見ることはありませんでした。
釣りに来ている人もいました。
楽しみでやっているのかもしれませんが、ちょっと真剣な感じです。
そんなあなたのために、「フィッシュ・スマート」。
いや、この場合スマートかどうかを問われるのは人間でしょう。
食べてもいいのはカレイにカニ(レッドロッククラブ)、
メバル(煮付けにすると美味しい)、ジャックスメルトという名前の
イワシ系の魚、そしてアトランティックサーモン・・・
ってこんなところで獲れるのか。
だめな魚はストライプバス、サメ、白チョウザメ、ヒラマサ、
そしてウミタナゴ。
ヒラマサがなんでだめなのかわかりませんでした。
日本じゃ刺身で食べますよね?
なお、左の看板の2番目は中国語で書かれている模様。
帰りにやっと全日空が来ました。
アメリカで機体の日の丸を見ると無条件でうれしくなります。
子供が二人で一つのスマホを見ながら歩いていました。
まだこのときには発売されて間もないポケモンゴーをしていたようです。
わたしがアメリカにいたときにはこのブーム、すごかったですが、
今では少し落ち着いているのでしょうか。