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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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ゴミ箱を漁る希少種黒リス〜シリコンバレー・ショアラインパーク

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今いる西海岸のマウンテンビューは、いわゆるシリコンバレーの中の一つの街です。
気候が「クリエイティブな仕事をするのに最適」で湿気のなさがコンピュータに向いている、
ということで近年発展してきた地域です。

この街にはコンピュータ歴史博物館というものもあります。
サンフランシスコに住んでいたとき、その後の渡米を含めて
滞在中に何度か息子を連れて遊びにきたことがあります。

そしてマウンテンビューといえば、グーグル。

「グーグル」というストリートもあり、元々は何もないところに、会社を作ると同時に
道まで作ってしまったらしいことがわかります。

今年はスタンフォードディッシュと同じく、家族が寝ている間に、わたし一人、
朝早くショアラインパークにやってきました。

やはりこの時間に来ると気温が低く、歩きやすそうです。

いつもは9時過ぎにきていたので知りませんでしたが、朝早いとそれだけ
動物の動きも活発なようです。

まず驚いたのは駐車場の隅にあるゴミ捨て場にリスがゴミ漁りにきていたこと。

しかも、ここでは初めて見る黒リスが混じっています。

去年も一度街中で黒いリスを発見しましたが、
その時はこういう種類のリスがいるのだと思い込んでいました。
ところが、これはいわゆる突然変異種で、メラニン不足のアルビノの反対、
メラニンが多すぎるメラニズムというものだということがわかりました。

 

その希少種である黒リスがゴミを漁るの図。

珍しいのでアメリカではネズミ扱いされているリスの中でも別格で、
マスコットとして珍重されているとか。
ちなみにこの辺りの黒リスは元々スタンフォード大学が導入し(人工的に?)
その結果、パロアルトやメンローパーク中心に見ることができるようになりました。

メラニンが多い、つまり人間でいうとアフリカ系みたいなもの?
アフリカ系は暑さに強いようですが、メラニズム種は日光を吸収しやすいので、
逆に寒さに強いのだそうです。

この種類のリスもここでは初めて見ました。
ボストンの東部灰色リスに似ているような・・・。

ゴミ箱あさりの合間に、一目散に走っています。

何をするのかと思ったら、水たまりの水を一生懸命飲みだしました。
リスの水飲みは初めてです。

終わったら一目散に退散。スピード感ハンパなし。

ちょっと止まって体を掻いてから(笑)

喧嘩も始まりそうでしたが、惜しいところで弱い方が逃げました。

こちらのリスさんは一生懸命巣に必要な建材を運搬中。
なんかアニメのシーンみたいです。

最近、この近辺ではあちらこちらでグーグルの自転車を見るようになりました。
本当にグーグルの人が乗っているのか怪しいくらいです。

こういう落書きをするようなカップルに限って長続きしない(確信)
以前、自分の名前の刺青を入れた彼氏に感激しておいて、13日後に
別れてしまった女性のツィートが話題を集めたことがありますが、
これよりはまあ被害は少ないかな。

こちらはこの木がある限り世間に向かっておばかを曝すことになるわけではありますが。

公園の中に入っていきますと・・・・いたいた、いつものリスどもが。
やっぱりわたしは灰色リスよりこちらの方が好きかなあ。可愛いし。

灰色リスは木の上に巣を作るので、巣に使う材料を運ぶのはわかりますが、
このジリスは土中に穴を掘って住むので、そんなことはしないと思っていました。

手と顎で藁を抑え、二本足で巣に運んでいきます。

前にも書いたことがありますが、リスも環境によって人への警戒度が変わります。
ディッシュトレイルのリスは上空から天敵がいつ襲ってくるかわからないので、
そのぶん人影にも敏感で、こちらがカメラを向けただけで素早く逃げますが、
ここのリスはたくさんある木の根元に巣を作っているので、
空から敵が襲ってきていきなりさらわれるということがなく、
あまり人間にも警戒せず、向こうから近寄ってくることすらあります。

比較的近い距離で望遠レンズを向けても知らん顔で食事しています。

ここはディッシュトレイルより緑の植物が多いので、
枯れたような茶色い植物を食べているディッシュのリスより
ビタミンが足りているという気がします。

このリスが食べているのも、肉厚の葉っぱで、美味しそう。

食べ物が性格を作るというのがリスにも適応されるのならば、
ふんだんに緑の植物を食べることのできるショアラインのリスは、
人間であれば穏やかで安定した性格なのかもしれません。

ジリスの学名は

Otospermophilus beechey(オトスパームオフィラス・ビーチー)

と言います。
イギリスからカリフォルニアを探検してこのリスを見つけたのが、

フレデリック・ウィリアム・ビーチー

だったからなのですが、このビーチー、なんと地理学者でありながら

海軍将校(しかも男前)

で米英戦争やフランスとの戦いにも参加した人だそうで・・・

このブログが熱心にカリフォルニアジリスについて語ってきたのも、
もしかしてそういう縁の為せることだったから?と思いたいわたし。

何食べてるんだろう。調理前のラーメン?

アップした写真を見ると、どうも木の根の先端のようです。

またもや黒リスを別の場所で発見しました。
全部で1万匹くらいしかいない割にこの日は二回も遭遇したことになります。

ちなみにカリフォルニア大学デービス校ではこのリスの研究が進んでいて、
例えばがらがら蛇の捕食から逃れるいくつかの手段をリスが持っていることは、
この大学の共同研究によってわかったことだそうです。

いいなあ・・・リスの研究。わたしもやってみたい。

この日撮った中の一番の美リス。多分メス。

犬猫がそうであるように、リスにも個体差があります。
体つき、尻尾、顔も写真を撮ると皆違います。

リスは巣穴から140メートルの範囲のみで生活し、他所には行かないそうです。
リスにとって直径280mの円が世界の全て、というわけです。

これはますます生まれた環境によって性質も変わってきそうですね。

リスのいる木陰の地帯を抜けると、ショアライン湖が広がります。
例年はわたしが散歩していると、ここで行われているサマーキャンプで
水上スポーツを習う子供達の姿が湖上にみられるのですが、この日は
朝早いので、湖面は鏡のように静かに静まり返っています。

と思ったら、ここにもいた!巣材運搬系リス。

咥えられるだけ藁を咥えて(笑)

このリスさんは一家の長で今まで家族のために戦ってきたのか、
左耳がかじられて欠損しています。

見ていると、いそいそと藁を咥えたまま穴に姿を消しました。
穴の中でも藁を敷いて快適に暮らしたい。

より良い住環境を求めてやまないのはジリスといえども同じ。


さて、その直後、わたしはここで再会することを大げさではなく夢見ていた、
「ある幻の動物」と遭遇したのでした。

 

なぜか続く。







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