Quantcast
Channel: ネイビーブルーに恋をして
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2816

2018年度 陸上自衛隊第一空挺団 降下始め〜部隊展開

$
0
0

去年は天候不良とやる気の欠如により参加を取りやめた陸自降下始めですが、
今年は寒波が襲来する厳しい寒さの中、参加決行してまいりました。

 

今まで経験した降下始めで寒さだけでいうと最低レベル。
体感気温は終始0度くらいでしたが、これか風が強かったためで、
実際の千葉市の本日の気温は午前中で2度、門の前に並びだした頃は
0.2度だったということです。

過酷な寒さはある程度予想していたので、セーターの上に薄手のダウン、
その上からアメリカで買ったコロンビアのオムニヒートとかいう
体温を利用して保温する仕掛けのパーカーコートを着込み、
マフラーにマスク、座っている間は膝にフリースとダウンのひざ掛けを掛ける、
靴の中底には羊毛のふかふかの中敷プラス靴の中専用カイロ、という
前代未聞空前絶後の防寒対策で、車の中は暑くて暖房を消したくらいなのに、
やはり遮蔽物のないフィールドでじっと座って待っているのは辛かったです。

しかも、あろうことか、というかわたしにはありがちなことですが、
仏作って魂入れず、カメラ持ってきて電池入れずという痛恨のミス。

忘れた理由は・・・いや、言い訳はやめましょう。
とにかく現地でカメラを出したら電池がなかったのです。
電池がない一眼レフなんて、ただの重しです。
というわけで、当初の目的だった降下始めの一眼レフデビューができず、
しかもサブで持ってきたニコン1のV2(ああ、V3の電池も忘れたんだよ!)
の電池は1個だけ。

電池の消耗の早いニコン1で降下始めを撮りきるには、節約しかありません。

というわけで、これまでのように何でもかんでもとりあえず撮る、
というのはやめ、本番が始まるまで写真はお預け状態となりました。

これはiPhoneで撮りました。

座った場所は、前がすぐ切り立った斜面となっている草地の最前列で、
前には黄色いロープが全面的に渡されています。

なんでも数年前に転がり落ちた人がいて、それ以来張られるようになったのだとか。

「携帯とかレンズとか落っことしたら大変ですね」

と同行者と話していると、目の前で近くの人がカメラのレンズフードを落としました。

誰かが呼び止めた自衛官が、下からフードを持って斜面を上がり、
落とした人に届けていましたが、ああいう余計な仕事を自衛官にさせないためにも
ものを扱う時には以降神経を払って行おう、と自分に言い聞かせました。

あまりの寒さで手がかじかんでいて、注意していてもものをとり落す、
ということが実際に起こりかねなかったのです。

右側の斜面は隊員家族や招待者などの観覧席。

招待者には演習終了後「野宴」と称する焼肉パーティ、という
いかにも陸自的な宴会が催されることになっており、隊員のご子息を持つ
知人は、その前日

「肺炎にならないように防寒対策をして行きます」

とメールをくださっていました。

招待者なら、早くから門前に並んで場所取りをする必要もないし、
寒いとはいえ一応パイプ椅子もあるので、肺炎になる確率は
こちらよりはかなり低いものと思われます。

この野宴にはぜひ一度行ってみたい、とこの方と話をしていて言うと、
地本の知り合いがいれば頼めば行けるかもしれない、ということでしたが、
この特別席を見る限り、写真は撮りにくそうだし、第一宴会のために
そんなコネクションを使うのも厚かましい気がして、断念しました。


ところで開始を待っている間、時間つぶしに同行者と話をしていたのですが、
その中で知った今回1番のニュースは、

今年海自の観艦式は行われない

のがほぼ確実になったということでした。

実はだいぶ前からその件は噂程度にあちこちから聞いていたのですが、
理由はやはりオリンピック。

つまり、オリンピックを前に稼働が最も増えるのが陸自、
(駐屯地を物資の待機所にしたりという物理的な理由が大きいらしい)
正規の順番で行くと、2018海、2019陸、2020空なのですが、
オリンピックイヤー前年に陸を「空けておきたい」ので、
海と陸を交代させるのが目的だということらしいです。

まあ、これも本当かどうかわかりませんので眉唾で聞いておいて下さい。

 

それにしても、皆さん、少しこの光景に違和感を感じませんか?

そう、一台も戦車がスタンバイしていないのです。

おかげで始まるまでに写真を撮る場面もなく、
寒さに耐えながら過ごしていると、フライングエッグが登場。

星を三つつけているので、陸将を乗せてきたようです。

乗ってきたのは後ろ姿でもそうとわかる陸将(右から3番目)。
カバンを持っているのは副官です。

そこにいきなり偽装車、カモフラージュした車が登場。

「あれ?いきなりモフ車って・・・」

2年前と全く展開が違います。
実は、招待者席辺りでは本日の訓練についての順番を
あれこれと説明していたのですが、アナウンスがそこだけなので
こちらには風の関係で断片的にしか聞き取ることができません。

2年前にはアナウンスは全会場に聞こえていましたし、そもそも
会場にあった映像を映し出すスクリーン車も今年はなし。

「経費節減に伴う規模の縮小でしょうかね」

「展示の内容が大幅に変わっているようですね」

とか言いながら見て居ると、なんと続々と偽装車登場。
いつもはせいぜい二台だったのに・・・・。

偽装車大量投入です。

「もしかして。これって戦車が出せないから」

「戦車の代わりにせめて、ってことですか?」

「いや、可愛いから個人的にはいいですけど」

見ていると、偵察を行うために投入された偽装車は、しばらく走り回り、
定位置に駐車するとそこでじっとしています。

それにしても、この匠の技をみよ。

どの車も、タイヤさえ見事に隠れていて、動いていなければ車だと思えません。
ギリースーツで偽装したスナイパーも「忍者」と言われるようですが、
これはまさに世界最高レベルの「ニンジャ・カー」。

全方位全く隙なし。

ところで中は暖かいんでしょうか。

「待機中にちょっと仮眠していても良さげな雰囲気ですね」

「少なくともここよりは快適でしょうね」

フィールドにはチヌークが着陸し、陸海空迷彩とスーツが降りてきました。

我々の目の前には、7人の隊員が駆け足でやってきました。
近いので、写真に写っている全員の名前が読み取れます。

流石に最初に行われるのは模擬戦らしいことがわかりました。
チヌークが高機動車と迫撃砲を牽引して飛来しています。

招待者観覧席はまだガラガラ。
報道のカメラゾーンもまだ人はあまりいません。

アパッチの参加は一機だけです。
同行者によると整備の関係で出せるのが一機だけだったんでしょう、ということです。

アパッチの導入についても、何か問題点が色々とあったようで・・・。

アパッチ攻撃ヘリの調達、なぜ頓挫?
問われる陸自の当事者能力

筆者は例によっていつものジャーナリストの方ですが。

ヒューイが隊員を運んできました。
もしかして、いつの間にか状況開始している?

ヘリの隊員が機上から降ろしている錘のようなものは?
地雷探知機とは形が違うようですが、これ何でしょうか。

釣りをしているように錘を下ろしたままのヘリ、
ということは、隊員が飛び降りるためのギリギリの高さに
ヘリをホバリングさせるための「目印」で、釣りをしている隊員が
保持するべき高さになったところで声かけを行うものと推測します。

地面からのスキッドの高さはだいたい1メートル強くらい。

降りるなりダッシュ。
ヘルメットの赤いバンドは、模擬戦の「紅組」の目印だと思われます。

カムフラージュメイクもばっちりよ。
彼らはスナイパーなので左目部分はノーメイクです。

それにしてもヘルメットに何が仕込まれているのか大きい・・。

スナイパー、モフ車の影で狙撃準備完了。

迫撃砲セットを牽引しているチヌークは一機だけです。
これは例年通り。

牽引している機体の真下は肉眼で確認できませんよね?

これを見るとヘリパイってすごいなあと思います。
武器を傷めないようにじわりじわりと降ろしていく匠の技。

ヘリは、装備を降ろした後、絶妙の位置に移動して人員を降ろします。

後部ハッチから隊員がリペリング降下。

高度が10メートルくらいの時は、カラビナを使わず手だけで降りる
リペリングを行います。(ということを2年前の降下始めで知った)

 

紅組の隊員は迫撃砲部隊です。
吊り下げルためのロープを目にも留まらぬ速さで外し、
状況に備えます。

高機動車に迫撃砲を牽引するために接続、この間1分(くらい)。

全員がリペリングによって地上に展開する用意ができました。

遠くの方に偵察用バイクのオート隊が出現。

何年か前、オート隊のバイクは観客の眼の前に来て、
バイクから降り銃を構えて見せてくれたものです。
その時撮ってアップした写真を見た家族の方がコメントを下さり、
原サイズのデータをお送りしたということがありました。

今年はオート隊は遠くを走り去るのみで、パフォーマンスはなし。

CH-47のハッチから紅組の部隊が降りて来ました。

全員小銃を手にした赤の小隊です。

右の隊員が背負っているのは通信機器ですか?

ベルトによって名前が見えなくなっているので、緑のテープに
名前と階級、所属を書いて貼り付けているのが確認されます。

軽装甲機動車、通称「LAV」が3台、いずれも狙撃手を車上に進入。
赤のマークをつけています。

どうやら赤が自衛隊、青が仮想敵国という設定のようです。

スナイパーの舞台は二人一組で展開を完了。

今年はどうも戦車を投入した「島嶼防衛」というシナリオではないようです。

「もしかしたら肉弾戦ですかね」

「てことはないと思うのですが・・・」

 

果たして本年度模擬戦のシナリオとは?

戦車は・・・戦車は見られるのか?


続く。

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2816

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>