おまたせしました。
きっと、ここ西海岸のリス画像を首を長くして待ってくださっていた
去年以来の読者の方も何人かはいるのではないかと勝手に決めつけ、
大量にリスフォルダーからの写真を放出いたします。
スズメ観察のために作ったタグ「すずめ食堂」は、
広く「動物観察」のジャンルとして使うことにしました。
去年と今年の違いは、カメラが少しバージョンアップ(デジカメからニコン1)したことで、
細部がなかなかうまく捉えられている写真もそこそこ撮れました。
それから、肩に斜め掛けしてシャッターチャンスのときはするりとカメラを構えられる
超便利もののカメラ用ベルトを購入したので、ウォーキングのときの撮影が快適です。
鰯雲ができるというのは上空には冷たい空気があるということですね。
リス撮影ポイントは、スタンフォードの人々のウォーキングスポットである
「ディッシュ・トレイル」。
トレイルというのはウォーキングやジョギングのできる舗道をいいますが、この「ディッシュ」、
今年になって気付いたのですが、
このコース山頂にある巨大な物体。
これも今年になって知ったのですが、これはく天文台なのだそうです。
これを「お皿」=ディッシュ、と称していることも今年になって気づきました。
ボストンのリスは「トウブハイイロリス」といって。樹上性ですが、ここのは「ジリス」。
地面に穴を掘ってモグラのように巣をつくります。
ハイイロリスには無い、白の水玉模様があるのが特徴です。
人がしょっちゅう通るので、彼らも慣れっこになっていますが、
写真を撮るために立ち止まり、注目すると、やはり逃げてしまいます。
しかしいざとなるとじっとしていた方が見つかりにくいと思うのか、
こちらが見ていると、じっと固まって様子をうかがうリスもいます。
この子は平気でご飯を食べていた豪傑さん。
ちなみに冒頭写真の大アップを撮らせてくれたのもこのリスです。
ボストンのトウブハイイロリスより、かわいいとおもうんですよね。
参考画像。これがボストンのトウブハイイロリス。
ちなみに、いままでボストンではこのタイプしか見たことが無い、と書いたことがあるのですが、
ボストンの最終日、いつもとは違うアッシュランドの州立公園に行ったら、
いつもの公園とはそう離れているわけではないのに、
ここには「トウブシマリス」がいました。
動きがハイイロリスより早くてなかなか写真が撮れなかったのですが、
この子はわたしにロックオンされたとたんぴたりと静止して息を殺していました。
シマリスがペットになるのは、リス類のなかでは順応力が比較的高いからで、
ジリスと樹上性リスの間の行動形態を取るのも順応力のなせるわざなのだとか。
木陰でうとうとしていた「絵になるリス」。
ときどきこのようになごんでいるリスを見ますが、じつに哲学的な表情をしています。
ここはできるだけ自然のままにしてあり、トレイル以外のところには決して踏み込んではいけない、
という規則があります。
これもアンテナですが、天然の木をそのまま使って電柱にしています。
両手を使って食べるのは、右と左で別の動きができないからなんですね。
お兄ちゃんまって〜。
まるで置物。
どちらもカメラを向けたら固まってしまいました。
左の大きなリスはずっとこの「お祈りポーズ」のまま、眼だけこちらを覗っていました。
「なむ〜見つかりませんように」
写真を撮ってみるとこちらを見ていた、というリス多数。
ところでリスってどうしてリスっていうか知ってます?
漢字で栗鼠と書くのですが、これ「リツ・ソ」ですよね。ちゃんと読むと。
これが「りっそ」→「りそ」→「りす」と変化していったのだそうです。
カリフォルニアジリスというのが正式名ですが、大きなものは50センチにもなります。
寿命は6年から8年と、小動物にしては長生きです。
ジリスの種類はほとんどが冬眠をするそうです。
このあたりも一応冬はそれらしく寒くなりますので、その間穴の中で寝ているのだと思っていたのですが、
実は衝撃の事実が・・・・!
続きはコマーシャルの後で・・・じゃなくて巻末に。
なかなか凛々しい。
このリス、リスとはいえなかなか闘争的な部分もあります。
立たされている小学生みたいな神妙な表情に思わず微笑んでしまいますが、
このリスは穴に戻ろうとしたときにわたしに見つかってしまい、
そのままの姿勢で固まっているのです。
地面にはこんな「リス穴」がいたるところに開いています。
リスの天敵は猛禽類とガラガラヘビですが、最も恐ろしいのがガラガラヘビで、
この穴の中に潜り込んでリスが飛び込んでくるのを待っているのだそうです。
不意を襲われてはリスもやられるしかないですが、バッタリ出会ってしまったら、
リス、何をすると思います?
何とリスは、尻尾の温度を5℃くらい上昇させて振り回すのです。
すると、ガラガラヘビは怖がったり、逃げてしまったりするのです。
これはなぜかというと、ガラガラヘビは目と鼻の間に左右一対の熱を感じるピットという器官を持っていて、
その働きで暗闇の中でも体温を持った鳥類や哺乳類を捕らえて食べることができるのですが、
このピット器官に高い熱を感知すると、とたんに食べる気がなくなるからだと言われています。
つまり、「食べても熱くてお腹壊すよ!」という警告、あるいは混乱させてしまう作戦なのだとか。
向こうに見えているのは、スタンフォード大学の「フーバータワー」です。
物凄く遠くに鳥が見えたので撮ってみたら、フクロウのようなそうでないような。
残念ながらこれ以上はっきりした写真は撮れませんでした。
何しろ肉眼では「白い点」くらいの感じでしたから・・・。
と思ったら目と鼻の先に山鳩が来ました。
真っ黒な目が実に愛らしい顔立ちの鳥。
全然怖がりません。
リスと鳥は基本喧嘩をしません。
こんなにちかくにいてもお互い全く干渉せず。
トレイルを一周すると1時間と少しかかります。
おしゃべりしながら歩くとあっという間なので、二人でウォーキングしている人が多い。
通りすがりに話を少し小耳にはさむと、大抵が人のうわさ話。
日本と同じですね。
こんなかわいい顔をして、ガラガラヘビを撃退するだけでなく、
晩年にはヘビの毒に対して免疫まで持つようになるそうです。
なぜ晩年にそうなるのかはわかりません。
ときどきこんな感じで柵の上にじっとしているリスがいます。
尻尾の大きさなど、実に個人(個リス)差があります。
このリスは体の割に尻尾が小さい。
ガラガラヘビと出会ったときちゃんと脅かすことができるのでしょうか。
このリスは喧嘩で耳をかじられていますね。
去年もこんな写真を撮りましたが、よく木の柵の下段でこうやって足としっぽを垂らしています。
この子も耳が切れています。
名誉の負傷ですか。
道を横切るときは基本全力疾走。
ニコン1のスピードシャッターで撮るとこの通り。
絵になる光景がそこここに。
月見草の種類でしょうか。
トレイル沿いに豪邸が何軒かあります。
最初に見たとき、なんて羨ましい、と思ったものです。
確かに環境はいいとは思いますが、
実はこの公園こんなものもいるという・・・。
犬や猫を飼っていたら、外には出せませんね。
ふと庭を見たら、コヨーテがいたとか、怖すぎる。
頬杖をついているように見えますね。
ところで、去年リスの喧嘩をカメラに納めたのですが、
今年も今のところ一度だけ、かなり遠く(50メートルくらい)でやっているのを撮りました。
遠くなので画質が荒いのが残念ですが・・・。
どうもリスたちはしょっちゅう喧嘩をしているようで、耳が桜の形をしたリスが
やたらたくさんいました。
可愛く見えて結構気性が荒いんですね。
珍しく片手使用。
仲良く餌を食べていましたが、くっつき過ぎると一触即発で喧嘩になってしまうようです。
こんなに広いんだし、喧嘩になるくらいならもう少し離れて餌を探せばいいのに。
ところで、今回カリフォルニアジリスについてショックなことを知ってしまいました。
このリス、冬眠する種類なのですが、なんと雄に限って
夏場冬眠じゃなくて夏眠する
というのです。
なぜ夏に寝る?
もしこの話が本当なら、これらのリスたち、もちろん去年のリス戦隊の皆さんは
皆メスだった
ということになってしまいます。
去年の喧嘩も、今年のこの喧嘩も、オスの縄張り争いとかではなく、
リスのキャットファイト(女性同士のけんかのこと)
であったということになってしまいます。
夏場はこの辺は「干ばつだから」という理由なのだそうですが、
本当かしら。