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呉総監ドッグ(愚直たれ使用)を喫食 @ てつのくじら館

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呉地方隊で観桜会が行われた週末、西日本の自衛隊基地では
少なくとも聞く限り、舞鶴と由良基地分遺隊でも観桜会が行われたそうです。
どちらも満開の桜日和であったということで、まずは喜ばしいことです。

観桜会がうまくいくと、新年度が幸先いいという気がしますものね。

さて、観桜会の日、わたしはここでも皆様にお約束した

呉総監ドッグ

を是非とも味わって皆様に報告をするべく、観桜会開始時間の
たっぷり4時間早く到着する便を取りました。

わたしとTOとで観桜会までてつのくじら館でも見て時間を潰そう、
と計画していたのですが、諸事情により、いつの間にか
到着後、潜水艦基地で「潜訓」と言われる訓練施設を見学、
さらにてつのくじら館で総監ドッグをいただきその後観桜会という、
海自主導のパーヘクトな計画が立案されていたのでございます。

その分刻みの進行表に監督印まで押してあるのを見て、わたしたちは
海上自衛隊呉地方隊の緻密さおそるべし、と震撼しました(嘘)

 

というわけで、今日は潜訓見学記に先立ち、てつのくじら館に行った話を。

またもや無駄に大きな画像ですみません。
通称てつのくじら館、略称てつくじ、海上自衛隊呉資料館の前の
潜水艦「あきしお」の尻尾の下にやって来ました。

つまり、許可を得た車しか入れない駐車場で下ろしていただいた訳です。
この角度の「あきしお」の写真が撮れるチャンスはおそらく最初で最後。

ここに来て初めて、スクリューの下に、鎮座する際のつっかえ棒になる
構造物(なんて言うのか知りませんが)があったのに気がつきました。
本職でもこの部分を下からまじまじ見たことがある人はそういないと思われます。

昔この「あきしお」について、

「展示保存されることになった時一番嬉しかったのは、
『あきしお』に乗ったことのあるサブマリナーに違いない」

と書いたことがあるのですが、つい最近、実際に「あきしお」で
水雷長として勤務していた、という方を知りました。

ご本人によると、潜水艦というものは寿命が短いだけに、
自分が乗っていた艦が半永久的に残されるのは嬉しいものだそうです。

しかもこの方の場合、勤務時代自分が1年半もの間寝起きしたベッドが
艦内に入ってすぐのところにあって、公開されているそうです。

てつのくじら館に行くたびにかつての自分のベッドで寝てみたくならないでしょうか。

さて、もう一度、話を「愚直たれ」から始めることにします。

この観桜会に招待された客には、もれなく封筒に入ったこの
「愚直たれラベル」がプレゼントされました。

このラベルは観桜会でも紹介された呉地方隊のカメラマンである海曹の作品です。

火柱が呉総監の正帽からまっすぐ立ち昇ってメラメラと燃え上がっている、
というのがいかにも

「脳天を突き抜ける」

がごときパンチのある辛さを予想させて秀逸です。
これをまじまじと見るまで気づかなかったのですが、総監のバックにあるのは
・・・もしかしたら護衛艦かなんかの一部でしょうか。

ただ「呉といえば鎮守府庁舎」、シンボルとなっている庁舎を使えばいいのに、
という気もしますが、歴史的建造物を燃やしちゃ縁起悪いってことかしら。


このラベルの裏には『万能調味料「愚直たれ」とは』としてまずその説明があります。

第43代呉地方総監 池 太郎 海将の指導方針「愚直たれ」を隊員に周知させるため、
「ユーモアは一幅の清涼剤である」という旧海軍の伝統を元に、
隊員からラベルおよびレシピを募集したものである。

多数の応募から選考されたラベルは呉地方隊の各部隊で掲示されるとともに、
レシピは呉市内の10店舗に池海将の在任期間中提供され、好評を博している。

 

全国ネットで「愚直たれ」が放映された時、呉総監の元にはたちまち中央から

「あれはなんだ」

と御下問があったらしいのですが、経緯を説明すると
何の問題もなく、了解というか承認されて終わったそうです。

もしかしたら、こういうのも海自ならではなのかもしれません。


空自の指揮官はそもそも「愚直たれ」的な愚直な標語とは無縁に見えますし、
陸自は、司令官のお言葉をこんな風に弄ってしかも広報が製品化、
などということにはまず絶対にならないでしょう。
たとえ誰かが思いついても、それを上に提案し、上が了解したうえで
本人が率先して宣伝、なんて体質じゃなさそうです。

わたしにとって、この「愚直たれ」の成立にまつわることどもは、
東郷大将に向かって「そこどいてください」と甲板掃除の水兵が声をかけ、
同行の陸軍高官を驚愕せしめた、という旧海軍のエピソードを彷彿とさせます。

「フネという運命共同体にあればこそ、下の者も意見具申可」

のリベラル精神が、大げさなようですが、垣間見えるような気がするのです。



さて実はこのカード、愚直たれレシピも載っております。
せっかくなのでそれも掲載しておきます。

【材料】

コンソメ(粉)・・   2.5g
水  ・・・・・・・・25cc
上白糖 ・・・・・・・ 10g
ガラムマサラ・・・・・3g
カレー粉・・・・・・・10g
マヨネーズ ・・・・・50g
ごまドレッシング・・100g

【作り方】

1、コンソメ、水、上白糖をよくかき混ぜながら火にかける

2、沸騰したら火から下ろす

3、カレー粉をフライパンで1分間乾煎りする

4、ガラムマサラをフライパンで30秒乾煎りする

5、マヨネーズを器に入れて3と4を混ぜる

6、5にごまドレッシングを混ぜる

7、6に2そ加えて混ぜる

 

市販のごまドレを使う段階で、あまり厳密に分量を守らなくても
そこそこ美味しいものができるような気がします。(主婦の勘)
ポイントは粉を乾煎りすることですか。
わたしはこれ、上白糖でなく今話題のココナッツシュガーでもイケると思います。

わたしたちは鉄のくじら館入ってすぐ左のカフェ、その名も

JMSDF CAFE

に案内されました。

ここの館長に当たるという方が出てきてご挨拶したのですが、
制服をきた普通の?自衛官でした。
裏の駐車場の誘導をしていたのも自衛官だったし、改めて
ここが海自の広報施設であることを認識した次第です。

今まで、資料館に来たら時間の全てを展示を見るのに使ってしまい、
カフェの方には足も向けないで終わることが多かったのですが、
今回はここが目的です。

「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」の作者竿尾悟氏のサイン入りハンカチ。
ハンカチはここで売っているもののようです。

左は竿尾氏の、右は原作者の柳内たくみ氏のサイン色紙。

あきしおケーキとは、自衛艦旗を立てたフォンダンショコラケーキに
あきしおの形のクッキーを添えたもの。

やはりフォンダンショコラであきしおの形を作るのは不可能だったか・・・。

人気のあきしおカレーは売り切れていました。

ご飯の潜水艦がカレーの海を泳ぐという斬新なアイデアです。
これはぜひ食べてみたいよね。

この写真からはよくわからないのですが、潜水艦の後方には
ハンバーグのクジラが二頭並走しているという設定です。
白い波頭に見立てたガーリックチップスがいい味のアクセントになりそう。

何より、サラダが付いて850円というお値段が嬉しいではないですか。

あきしおカレーも関係者の認定証付きです。

第10代あきしお艦長の福永一佐の名前で認定証が授与されていますが、
その認定基準が具体的には何がポイントなのかは明らかにされていません。

第10代あきしお艦長「美味しいです。合格!」

それだけか〜い!みたいな?
左に立っている海自の制服姿のしろくま?はどこかで見たことがあるけど
なんだっけ?

で、出た〜!呉氏関連商品。

ソーダに呉氏のクッキーがぷかぷか浮かんだものだそうです。
クッキーの形そのものを呉氏にすることは・・・できなかったのかな。

あと不思議なのは、海を思わせるブルーのソーダが
オレンジ風味であるということ・・・・。

自衛隊の旗や階級章についた桜のことを

櫻星(さくらぼし)

というのだそうです。
今まで”さくらぼし”というと、イワシやキスを開いてみりん醤油に漬け、
干した、いわゆる「みりん干し」のことだと思って生きて来た
このわたしにとって、この事実は大変な衝撃でした(嘘)

櫻星スカッシュはその名の通り桜の味とのことです。

てつのくじらはもうすっかり呉のみならず広島のランドマークです。

「愚直たれ」の認定店舗には、呉地方総監名でこのような
認定証が授与されることになっています。

あきしおカレーの認定もそうですが、お堅いはずの自衛隊が
こうやって真面目に遊んでくれることで、市民は一層
その存在を身近に、親しみを感じるという絶大な広報効果があります。

「せいりゅう」引渡式の時に副官に手渡された衝撃的な呉総監ドッグの宣材名刺。
てつのくじら館のカフェに「愚直たれ」認定証が授けられているのは、
この総監ドッグに愚直たれが使われているからなのです。

てつのくじら館でしか食べられない呉総監ドッグ、今回は
わざわざわたしたちのために取り置きしてくださったそうです。

わたしとTO、案内してくださった一尉の三人分が、一枚ずつ
呉総監ドッグカードを添えて用意されました。

この専用紙皿は、まさにホットドッグを食べるために開発された優れもの。
上のポスターで池総監もこのお皿から食べておられます。

さて、どんなお味?

ぱく。一口め。

「美味しい〜」「美味しいね」「美味しいですねー」

三者ともに第一声はこれ。
シャウエッセン風のウィンナーソーセージのパリッとした歯ごたえも上々。
ところが、「愚直たれ」の宣伝文句にもあった

「脳天を突き抜ける辛さ」

といったものは、えてして後から猛烈に効いてきます。
わたしは3口目くらいからその辛さがじわじわときて、
たまらず、あっという間にコップの水を全部飲んでしまいました。

一尉も

「これは・・・辛いですね・・・」

と言いながらやはり水を口に運んでいます。
ところが、美味い美味いと言いながら、一口も水を飲まずにTOは完食し、
おかわりに行こうとするわたしに

「お水あげようか?」

と平然と言うので呆れました。
辛さに対する感度って本当に個人差があります。

いいです、と断って、カウンターにいったついでに、
ホットドッグに混入していた、カリッとした食感のものが
なんだったのか聞いてみました。

「あれはクルミです」

なるほど、愚直タレの味が強烈なので風味はほとんど感じないものの、
食感を楽しむためにナッツが投入されているというわけですか・・。

ついでに、お店の方にミニインタビューを決行しました。

「どういう風にこのレシピが決まったんですか」

「愚直たれを使ったメニューを考案してほしいという依頼を受け、
こちらのキッチンで考案したのがこのドッグでした」

なるほど、最初から総監ドッグを作ってくれという依頼ではなかったのね。

他の協力店舗と同じように、愚直たれメニューを開発したところ、
それがたまたまホットドッグであったということのようです。
もしかして、それが特に呉地方総監のお気に召したから、
「呉総監ドッグ」というメニュー名が特に与えられたのかな?

 

というわけで、この呉総監ドッグ、池海将就任期間は日本でただ一箇所、
てつのくじら館でのみ食べることができます。
これが美味しいことは、このわたし(どのわたしだ)のお墨付きです。

さあ皆の者、呉に行ったら、てつのくじら館に走れ!
そして今しか食べられない伝説の呉総監ドッグを試すがよい。
 

ただし辛いのが苦手な人はミルクティーかなんかと一緒にね。 

 


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