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オークランド航空博物館〜サン・ダウナーズの旭日旗

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オークランド航空博物館のことを何日間か書いたところで、
例によってご指摘を何件かいただいておりますので、訂正エントリを作成することにしました。



この初期のバイプレーンですが、隣にというオークランドの中国系アメリカ人
ファン・”ジョー”・グゥエイの胸像があり、てっきりこの人物が作ったのかと思ってそう書いたら、
実はこの機は第一次世界大戦当時のイギリス空軍で活躍したものだったそうで、この説明にも

「このモデルは、1903年飛行機が最初に飛んでから15年の間に進歩したものである」

「この15年に飛行機は原始的な翼と剥き出しの骨組みのものから、
閉じられた機体に各種コントロール装置のついたものとなり、軍に利用されるようになった」

などと書いてあり、中国人は全く関係なかったある、ということがわかりました。

この模型を寄贈したのが、レイモンド・ホングという中華系だったので、
勝手に結び付けてしまったんですね。

ちなみに、もう一度検索したら、このグゥエイさんは、1909年の時点で
自分の研究所で確かに飛行機を作り、それを飛行させることに成功してもいるのですが、
どうして無名なのかと言うと

「彼の功績の大部分は、彼の民族的出自がほとんどの理由で、
同時代の航空史に埋もれてしまっている」

ということなのだそうです。

因みにこの模型の戦闘機は、当時数千機も量産されています。



このライトR−3350サイクロンエンジンについては少々追加です。

エリス中尉、どうもこういう機械のカタマリを見せられても、あまりピンとこないので(おい)
ここの部分非常にあっさりと流してしまったのですが、言われて「うぃき」を見たら、
なんと!(何がなんと!だw)
こやつはあのにっくきB-29戦略爆撃機に搭載されていたものではないですか。
道理ででかいはずだわ。
まあ、自分で挙げた博物館の資料にもそうかいてあるんですがね。

そんなエリス中尉ですから、3350というネーミングにも全く疑問を持たなかったわけですが、
これは、3350馬力・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

離昇馬力 2,200HP/2,800RPM 高度馬力 1,800HP/2,400RPM(高度4,267m)


全然関係ないじゃん。
この数字の意味の分かる方、ウィキでしか調べようとしないわたしに愛の手を。

さて、各種訂正追加の御意見の中で、エリス中尉的にもっともツボ?だったのが、
この、



トムキャットF-14についてのこと。



もうちょい後ろ。



あああ、それでもちらりとしか写ってはおらんではないか。
旭日旗模様が。

「イケてますよね」

などと超絶とぼけたコメントを苦笑して見ていた方はおそらく多数。
イケてるも何も、これ、VF-111、サンダウナーズのペイントぢゃーありあせんか。

コメントくださった方は

「もしや気づいていてのことでしょうか?」

と愛のあふれる気を遣った逃げ道を用意してくださったのですが、エリス中尉基本的に
知りもしなかったことを「知っていた」などと言うようなことだけはいたしません。
勿論初耳でしたともさ。

そこで冒頭のマークをご覧ください。
これがVF-111、第111戦闘機隊の部隊章。

これは、二機の航空機が、太陽に向かって攻撃を加えております。
太陽すなわち、ライジングサンの国ジャッパーンでございます。

この、通称「サンダウナーズ」は、まさに昇りゆく我が旭日を、
自然の大摂理に逆らってまでも「沈みゆく落日」にしてしまおうとする、
つまり「日本を沈めてしまえ隊」という名の航空隊で、1942年に結成されました。

でもね。

わたし思うんですけど、旭日旗を見るだけでショック症状を起こし、踏んだり破いたり、
旭日旗様の意匠に片っ端から文句をつけている「あの国」は、つまり、その旗の象徴する国、
日本を嫌悪しているわけで、だからこそ拒否反応を起こすわけです。

しかし、日本と戦争していて、その日本をやっつけてやる!という意味を持つこの部隊が、
その旭日旗そのものを機体にペイントするっていうのは、どうも不思議じゃありませんか。

これって、やっぱり、この模様自体が「イケてるから」という理由以外考えられませんよね?


さて、このサンダウナーズ、最初は1942年、F4Fワイルドキャットでを使用機体として

「その精神と戦術的な優位性を具現するために」(英語ウィキペディア)

この名と、冒頭のパッチが決定されました。
1943年に使用機がはF6Fヘルキャットとなってから、ガダルカナルなどで戦果を上げ、
(このあたりは不愉快なので省略)
そののちはF9F−2パンサージェットに移行しました。

因みに、「猫戦闘機」のエントリで、ヘルキャットが「零戦に対抗して作られた」と書きましたが、
ゼロに対抗するのがが目的というわけではない、というご指摘も入りました。

アクタンで捕獲された「アクタン・ゼロ」の研究結果がこのヘルキャットに生かされた、と言う説は、
厳密にいうと間違いで、なぜならF6Fの開発はアクタン捕獲より前だからですね。わかります。

言い訳するわけではないですが、当初零がアメリカ軍に脅威であったことは間違いのない事実で、
広義の意味で「零に勝つためだった」としてもいいんではないかなー、と思ったのでした。


というのは余談で、サン・ダウナーズに戻ります。

戦争が終わって、文字通り日本はサンダウンしてしまったわけですから、もうここで
サンダウナーズは役目終了、解散してもよかったのですが、朝鮮戦争が始まり、
そこに参加した「アイアンタイガース」という名の攻撃部隊第156隊が、ニックネームと
その部隊名を引き継ぎ、「二代目サンダウナーズ」として蘇ります。

ここで、「もう敵は日本じゃないんだから、この名前と部隊章はまずくね?」

と誰も言いださないのがアメリカン。
そんなことよりもかつてのサンダウナーが強くて敵をたくさん撃墜して、
国からもたくさん表彰されたということだけでイケイケだったんでしょうね。

そして1960年にはベトナム戦争に突入するアメリカ。
サンダウナーズはここにミラマー基地配属として投入され、F-8C クルセイダーを
乗機とする同隊のトニー・ナージ大尉はミグ21と対決しこれを撃墜しています。

そして1970年代。

これまで名前だけで、さすがに旭日は遠慮していた(たぶん)サンダウナーズ、
F-4BファントムIIをレストアする際、さりげなく(でもないか)旭日ペイントを復活させます。
その後、1977年に艦載を経て再びミラマーに戻ったときから、このトムキャットF‐14を
使いだしました。




それが、ここオークランド航空博物館にあった、これ。

うーん。

そうと知っていれば、もう少したくさん写真を撮っておくんだった(笑)

この時に「イケてるから」などと奇しくも感想として書いてしまったわけですが、
当初の目的とその意図はともかく、日本と戦うことを止め、戦後お互い
同盟国としてやってきながらこういった意匠にこだわり続けたのも、あるときから

「昔はこういう意味だったけど、今となっては『そういうこともあった』くらいに
軽く考えてくれるとこっちとしては助かるな。
だって、なんといってもこの旭日旗模様、イケてるだろ?
日本だって、決して悪い気はしないだろ?」

という理由に変遷していったということなんですよ。彼らの言い分は(たぶん)。
やはりこの感想はある意味当を得たものであった、ってことなんですよね。(←威張るな)


そして、改めて確信したのですが、某国が旭日旗に異常な執念を見せるのも、
つまるところ、旭日旗という優れたデザインがこういう感覚で受け止められていることへの
所詮「嫉妬」なんだろうなと。
そう思えばあの国の行動原理って、すべてこの「日本と日本的なものへの嫉妬」
であると思って見ると、すっきりわかりやすいんですよね。



さて、その後1993年、サンダウナーは、アメリカ軍がソマリア内戦に介入したとき、
史上最大の人道支援作戦である「オペレーション・レストア・ホープ」
(希望の修復作戦。ソマリアの難民達に食糧と医療援助を行った)
への参加を大がかりなものとしては最後に、1995年3月、解隊しました。


あ、それから、婆沙羅大将が「F9系列」である、とおっしゃった謎の残骸について。



これですね。

いただいたコメントによると

●機首にカメラ窓らしきものが複数見える
●エアインテークの形状が違う
●後部キャノピーが機体と一体構造に見える
●塗装が当時の米海軍旗のF9系列のグロス・シー・ブルーの退色したものに見えない

ということで、この正体をいろいろと推察していただきました。
そしてお答えもいただいているのですが、それを明かす前にぜひこのページを見てください。

Help identify this plane - Oakland Aviation Museum


「ランチのためにここに立ち寄ったら、ミュージアムのフェンス裏手にこんなものが。
機種が何かわかる人いる?
ミュージアムは休館日だったので聞ける人がいなかったんだよ」

20分以内に答えが寄せられています。

「リパブリックRF-84 サンダーフラッシュに見える」



サンダージェットとか、サンダーストリークと呼ばれるF-84戦闘機の偵察機バージョン、
それがこの「残骸」の正体であったようですね。

このページを最後まで読んでいただくと分かりますが、

「こんな状態の状態の航空機を見るといつも悲しくなる・・・・」

「でも、ここは博物館だろ。いまからレストアされる可能性もあるよ」

「でも、胴体の周りに翼も見当たらなかったんだ。コクピットだけ展示するのかも」

「こういう小さな博物館は、他の博物館が調達するために
大きな基金から資金を得てレストアやなんかをするんだよ。
もしこれが博物館なんだったら、どこかに(展示する)チャンスもあると思う。
これがおらがの街の博物館だ。駄目だなんて言うな!」

こんな飛行機を愛するアメリカ人たちの会話があって微笑ましいです。
このスレッドが立ったのがもう4年前。

しかしながらその後、アメリカおたくたちの願望も虚しく、
この機体は皆さんもご存知のように庭に放置されっぱなし。

しかし、わたしもいま一度言う。
裏手からとりあえず展示スペースに移動しているということは、今後
このRF-84、ちゃんと組み立てられて展示される可能性があるじゃないか。

NEVER SAY DIE!(駄目だなんて言うな!)






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