追悼式の後わたしがどこに行ったかのご報告はまたの機会にして、
今日はその次の日に行われた自衛隊記念日式典の様子をご報告します。
呉地方総監部の自衛隊記念日に伴う表彰式とそれに続く懇親会は、
呉教育隊内の施設で行われます。
最初にここに来たのは、遠い知り合いに紹介してもらった
元自衛官(掃海艇の艇長で退官した方)のご案内でしたが、
あの時、まさか自分が何年か後に自衛隊記念日のために
ここにくることになろうとは夢にも思っていませんでした。
今調べてみるとそれは2012年、NHKの大河ドラマが
「平清盛」だった頃のことです。(その人のお宅で再放送を観た)
その時に感動したこの芸予地震で倒壊した建物の一部を見ながら、
なんだかんだでこんな長い間?自衛隊にまつわることをブログで
発信し続けているんだなあとあらためて考えました。
まず自衛隊記念日に行われる恒例の感謝状表彰式が体育館で行われました。
今年の感謝状は、高松の掃海隊追悼式や自衛隊艦艇の寄港などに
協力した高松市などの防衛団体代表や、クレイトンベイホテル、
呉阪急ホテルなどの協力ホテルなどに対して授与されました。
そしてこの配列をご覧いただきたいのですが、われわれの座っている
来賓席より前に、自衛官(事務官含め)席が設えてあります。
去年は事情があって来賓席に座っていなかったのですが、
今年来てみたらいつの間にか来賓と自衛官の席が前後逆になっていました。
前の集団は何かというと全員がザッと立って敬礼するので、
(後ろにいる事務官たちは30度のお辞儀)
前の様子が全く見えないまま終わってしまったわけですが、
この配置も自衛隊記念日が自衛官のためにあるということを
非常にわかりやすく表明していると思われました。
感謝状授与式の間、ヘンデルの「勝利を讃える歌」を演奏していた
呉音楽隊は、最後に二曲、「海を行く」と、呉音楽隊がこの春にリリースした
CDにも収録されている
八木沢教司氏の作品を演奏しました。
懇親会は隣の体育館に移動して行われます。
会場に入ってすぐ、自衛官の帽子置き場が設置してあったのですが、
上にまだ置くスペースがあるのにも関わらず、床に置いている人たちが・・・。
海曹だけでなく尉官の帽子もありますね。
呉地方総監池太郎海将がご挨拶。
先ほどの着帽してのセレモニーでいつもの指導方針「愚直たれ」を折り込み
「真面目な」訓示を行ったので、ここではぐっと砕けて、
今日はタレの方の「愚直タレ」を使ったバーガー、「愚直がんすバーガー」の紹介です。
この「がんすバーガー」についてはわたしは前もって予告をいただいていましたが、
「がんす」というのは何なのかが全く知りませんでした。
呉の名産だというので、前日の追悼式が終わってから
呉出身の自衛官に
「そもそもがんすって何でがんすか」
と聞いてみたところ、
「わしは呉出身じゃがそんな名前は聞いたことないけえ」(脚色してます)
という返事でした。
そこで調べてみたところ、ちゃんとwikiに記述がありました。
「がんす」とは広島県で生産されている魚肉練り製品。
かまぼこ原料のすり身に野菜や一味唐辛子などを混ぜ、
長方形に成形し、パン粉を付けて揚げたものだそうです。
パン粉をつけて揚げているため、きつね色に揚がったパン粉の香ばしさと
サクサクとした食感、野菜の甘味などが合わさって後を引く味とか。
名前の由来は、予想通り広島弁の「〜でがんす」。
広島市西区や呉市などではメジャーな食べ物だということですが、
呉出身自衛官が知らなかったということはメジャーでもないのかな。
がんすはそのまま食べるのが一般的ですが、がんすを使ったドーナツ、
(えええ〜?)がんすサンドなどがすでに存在してます。
ここに今回、呉地方隊が満を持して世に送り出したのがこの
「愚直たれがんすバーガー」というわけです。
確かこの方がその「愚直がんすバーガー」の発案者。
「バーガーを食べたら『愚直でがんす!』と言ってください!」
あれ?この人、池総監が出演した「ディアボス」で、
総監官舎で池総監自らが揚げた天ぷらを食べるメンバーにいなかった?
懇親会は色々と配慮して「乾杯」の発生なしで始まりました。
開始と同時に「がんすバーガー」の前には人が並び始めたので、
とりあえず一つ食してみることに。
バンズには下から野菜、がんす、チェダーチーズ、ベーコンが
挟まれて、全体に愚直たれがケチャップがわりに塗り込まれています。
これなかなか美味しかったですよ。
ただ、アメリカーンなバーガーに慣れている(というほど食べませんが)
わたしとしては、バンズ(パン)をもっとふわふわの、
柔らかい素地のものにすればもっとよかったと意見具申するものです。
それにしても愚直タレ、まじで何にでも合うんだこれが。
BSの「ディア・ボス」で自宅に招かれていたメンバーには
この一番左の女性海曹長もいたりしたわけですが・・・・。
今回の観閲式でも「女性自衛官の登用」がアピールされていた
日本国自衛隊ですが、今回ここ呉地方隊でも
活躍する女性自衛官たちの紹介が行われました。
部隊名だけで各自が具体的にどんなことをやっているのか
詳しい説明がなかったのは少し残念でしたが、中には
医療関係(医師やナース)の女性自衛官もいたようです。
会場には「くれっ子災害応援団」と書かれたありがとうのバナーが飾ってありました。
夏、呉地方を襲った水害に災害支援を行なった自衛隊に対する感謝の印です。
お辞儀している人はきっと感謝の意を表しているんだな(笑)
呉の子供達がボランティアで活動を行なったようですね。
自衛隊に対する感謝の手紙が添えられていました。
くれっ子応援団は地方総監部官舎で表彰されたようです。
さて、こちらは。
池総監がご挨拶の中で少し紹介していた「救助犬についての紹介」です。
観閲式会場で空自の歩哨犬を見つけて写真を撮った後なので、
この偶然にはちょっと感激しました。
海自の警備犬(呼び方が違うらしい)訓練施設は呉造修補給処貯油所にあります。
警備犬たちは今年の水害で行方不明者の捜索を行い、
防衛大臣から表彰されていました。
左端はなんと防衛大臣直々にいただいた「ご褒美」。
ってなんで今ここにあるの?
ご褒美なんだから犬にあげましょうよ。
地元新聞では連載形式で詳しく紹介されたようです。
これによると現在警備犬は16頭おり、災害に派遣された
「トド丸」「さくら」「那智」が表彰されたようです。
「妙見丸」「金剛丸」の二匹は東日本大震災への出動の功績により表彰されました。
金剛丸の褒症状。(表彰状ではないのですね)
ところがこんな本が横にあるではないですか。
え、金剛丸に一体何があったんだろう・・・。
早速amazonでこの本を取り寄せ中です。
表彰された那智号がいます。
警備犬の名前は実に適当、じゃなくてライトな感じです。
警備犬に「トド丸」はどうよ、って気もするんですけど。
トド丸生まれたて。弟はゴン丸です。
ジャーマンシェパードが赤ちゃんの時って耳が寝てるんですね。
熊本地震災害で捜索活動中の救助犬。
同じく捜索活動中。
警備犬についてもっと色々知りたいと思いました。
呉地方隊の災害派遣任務の一つに演奏支援があります。
音楽隊のメンバーが、被災者の避難所で演奏を行い、
慰安を行うというのも大事な任務の一つです。
列を作って何かを待つ人たちに聴かせるための演奏。
楽器が珍しい小さな子供には触らせてあげるなどのサービスも。
あ、このトロンボーン奏者は、不肖宮嶋茂樹カメラマンの名作写真集、
「国防男子」で紹介されていた方ですよ。
今回懇親会会場で行われていた音楽演奏にも参加しておられました。
そして呉音楽隊の歌姫の歌も披露されました。
周りのおじさまたちは手拍子を打って聴き入っています。
ちょうどわたしの知らないアイドルっぽい歌を歌っていた時、
夏に地元アイドルをパネルディスカッションに招聘した
基地隊司令がわたしの横でノリノリ手拍子を打っておられたので、
「司令、こういうのお好きでしょう」
と聞くと
「好きですね〜!」
最後に呉地方総監が本日の料理を手がけた給養のみなさんを紹介しました。
帰り際にお会いした広報係長の名札の上にはなんと、
愚直タレがんすバーガーのオリジナルシールが
名前を隠してまで貼ってあるではないですか。
さすが広報係長、宣伝する気満々だ。
というわけで、この日の活動紹介によって、呉地方隊が地元災害に果たした
大きな役割と、自衛隊が地元に溶け込み市民と一緒に呉の街を盛り上げていこうという
前向きでかつ直向きな姿勢をまた新たに知ることとなりました。
さらに、池総監という「ディア・ボス」を取り上げたテレビ番組も
呉地方隊を知る一助となったのですが、それはわたしだけではなかったはずです。
なんとなく続く。