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海上自衛隊 岩国基地訪問〜米軍基地の半旗と事故報道

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「かが」の体験航海のために呉に行く際、どうせそちら方面に行くのならと
わたしたちは海上自衛隊岩国基地への表敬訪問を計画しました。

例によって朝の空港ラウンジからお話しします。
いつもANAに乗るときには、エントランスから近いところで
いつもの青汁ミルク割りを一杯ご馳走になり、
早めに搭乗口まで向かうのですが、この時は時間があったので
ずずーいっと一番奥のラウンジまでやってきました。
近くに飲み物のカウンターもあるし、何より他が混んでいるのにガラガラです。

これからここでゆっくり過ごそうっと。

窓際の席を取りました。
飛び立つとすぐに見えてくる京浜工業地帯。
いつもJMUの磯子工場に何か護衛艦らしきものが見えないかと探すのですが、
見つかったことがありません。

寒い日で、富士山は裾まで全部冠雪して真っ白でした。
カメラを向けて撮ろうとしたら次の瞬間雲に隠れてしまい失敗。
これはフォッサマグナの通っているあたりの山脈だと思います。(適当)

今回飛行機の窓から写真を撮るつもり満々だったのは、
岩国というあまり行かない空港に到着する便だったからです。

これは四国のどこかでしょうかね。

場所は特定できませんが、尾道から今治までの瀬戸内海のどこかだと思われます。
改めて瀬戸内海って誰も住んでいない小さな島が多いんだなと驚きます。

これ、拡大してみたらリゾートホテルみたいなんですけど、
どこかわかる方おられますか?

テニスコートに「 ALOHA」とあり、敷地のいたるところにソテツが植えられています。

 

さて、岩国空港が近づいてきたとき、機内アナウンスがありました。

「岩国錦帯橋空港内はアメリカ海兵隊基地との協定により撮影が禁じられています」

そうだったそうだった。
今回の目的地は海上自衛隊岩国基地ですが、前回岩国に来た時には、
海兵隊の戦闘機パイロットの夫妻のご招待で米軍基地内を案内してもらったのでした。

民間航空の利用が途絶えていた岩国空港で、定期便の就航が再開されたのは
2012年だったわけですが、前回の訪問はそれからすぐだったことになります。

錦帯橋といえば、一般人には普通絶対に見せないシミュレーターに乗せてくれた
ホーネットドライバーのブラッドは、シミュレーターのオペレーターに頼まれて
錦帯橋の下を潜るチャレンジをして見せてくれたものですよ。

わたしたちはブラッドの指示を聴きながらの操縦だったので、
英語リスニングの能力(息子>TO>わたし)順に素早く殉職してしまいましたが、
ブラッドは2回墜落したものの、3度目のチャレンジで見事錦帯橋の下を
ホーネットで通過することに成功しておりました。

 

さて、到着してとりあえず一階に降り、連絡を取ると、すでに現地には
岩国基地から広報の自衛官がお迎えに来てくれていました。
小型のバンに乗って、ゲートを通る時、前にもそうしたように入り口の
検問所のような小さな部屋でパスポートを確認されました。

ゲートは前に来てから改装工事が行われ、新しくなっています。
ゲートのところに立っている海兵隊の警衛に挨拶すると、
案外愛想よく返事をしてくれました。

海兵隊の警衛はアメリカ海軍にも怖がられているらしいと聞いてから
実物を見るとわたしもちょっと怖かったりするのですが、
そこはそれ、同盟国の一般人に対してはやっぱりアメリカ人です。

前回海兵隊側のゲストとして入った時には、写真を撮っていけない場所は
アテンドしてくれたブラッドの奥さんの指示に従いましたが、
今回はいちいち尋ねず、基地内は写真禁止と心得ました。

前回来た時との違いは、ものすごい勢いで基地内が整備され、
居住区らしいスペースが増えていることです。

「厚木の海軍部隊の大規模な移動がありましたので、施設が随分できました」

この訪問の少し前、わたしは南関東防衛局主催の防衛セミナーに参加し、
その際配られたパンフレットによってそのことを知ったばかりで、
「答え合わせ」ができたような納得感がありました(笑)

アメリカ軍は単身赴任ということを艦乗り以外はやらないので、
部隊が移転すれば家族も揃って引っ越ししてくることになります。
そのため、居住区といっても、単身用から家族用、その中でも士官用と下士官兵用は別、
とか、事細かに用意しなければならなくなるわけです。

ところで、こういう移転にかかる費用って、日米のどちらが出してるんでしょうか。
やっぱり「思いやり予算」からかな。

そういう移転とかに対して基地反対運動は起きなかったんですか、と広報の方に聞くと

「あまりなかったようですね」

でも、今ちょっと調べてみたら、「あまりなかった」レベルとはいえ、
子供に「怒」と書いたプラカードを持たせて行進している人たちもいるにはいたのね。

そういう運動をしている人が運営している「岩国基地監視記録ブログ」を
怖いもの見たさでちょっとのぞいてみたら、もう感心してしまいました。

結構高性能なカメラで、スーパーホーネットの編隊飛行なんかをバリバリ撮って、
もちろん撮影禁止の岩国空港の滑走路でも、遠くに見えるオスプレイなんかを

「こんなに近くにオスプレイガー」

というために熱心に撮ってせっせとアップしているのですが、文章がなければ
それはどう見てもミリオタのブログにしか見えないわけですわ。

何月何日、スーパーホーネットの何番機と何番気が離陸、とかC-2Aが旋回したとか。
何月何日までに戻ってきた空母艦載機52機、メンテ中5機とか。

一度、自衛隊イベント友達が

「左翼の人ってむちゃくちゃ武器装備や飛行機艦船に詳しいんですよ」

といっていたことがあったけど、なるほどこれがそうか(笑)

一番笑ったのは、

「2015年12月2日みさご(英名オスプレイ)は魚を食べ終わったよう」

と、川の堤防で魚を食べていた鳥の写真を得意げに上げていたこと。
なんだろう・・・だからオスプレイはいかんのだ!ってことかな。

 

さて、ゲートを通過し、わたしたちは海上自衛隊の建物内に案内されました。
全国どこにいっても同じ作り、正面に階段があり、それを登っていくと
3階か4階の右側に一番偉い人の部屋がある、というおなじみのタイプです。

廊下を歩きながら、案内の方が奥の部屋を指して

「今昇任試験が行われています」

それを聞いて、わたしたちは足音にさえも注意を払って
忍び足で群司令の部屋に入りました。

海上自衛隊の昇任試験。
一体どんな問題が出るんでしょうか。
全ての職種の人に平等になるように、専門的なことではなく
一般的な設問があるのではないかと想像しますが、わかりません。

さて、部屋に入ると、間も無く第31航空軍司令がご登場。
群司令たる海将補は、P-3Cパイロット出身。
いかにもウィングマーク持ちらしい、スマートな航空士官でいらっしゃいます。

一口に海自の航空基地といっても、ここは色々な意味で特殊であり
オンリーワンといっていいほど特別な任務が付されています。

まず、PS-2に代表される水上艇の基地であること、そのほかにも
電子戦を行うP-3Cの派生である各種固定翼機を所有すること。
しらせの飛行隊が所属していることもですが、何と言っても
ここは民間航空の飛行場もあり、米軍と共同使用している航空基地です。

わたしたちは司令のお話を伺ってから、準備されていた
岩国基地の沿革についてのスライドなどによって理解を深めました。

その歴史においては、旧海軍の飛行場に始まり、戦争が激化してから
大量に入学者を増やした海軍兵学校の分校が置かれたこともあります。

冒頭写真はこの基地所有の救難艇、US-1Aが東京都下における
急患輸送を100回行なった時の記念として、知事から贈呈されました。
日付は昭和58年3月18日とありますから、つい最近引退したUS-1が
救急搬送を行なった回数はこの2倍にはなったのではないでしょうか。

「時を刻むことと同様に、安全なる飛行を積み重ねてほしい」

という願いが込められているそうです。

1997年1月、島根県隠岐の島沖で発生した
ナホトカ号重油流出事故で、岩国基地は災害派遣部隊を派出しています。

油が漂着した岩場は小さな油回収船も含め機械に頼った回収作業が不可能だったため、
ボランティアによる人海戦術が繰り広げられたのですが、改めてwikiを読むと、
そのトラブル問題も色々とあったようで・・・。

ナホトカ号重油流出事故

真ん中はゴラン高原への部隊派遣に対する感謝の印。
UNDOFとは

「国際連合兵力引き離し監視軍」

つまり平和維持軍です。

右は海幕長から送られた海上自衛隊第31航空隊に対する第2級賞状です。

 

ところで、この日基地の中を車で回っていて気づいたことがありました。

「米国旗が半旗にされていますね」

「先月の戦闘機と空中給油機の事故を受けてのことです」

米軍戦闘機と給油機が墜落、2人発見 高知沖 日経新聞

米海兵隊、高知県沖の墜落を「クラスA」認定 「最も重大な」事故に 産経新聞

ニュースで見て知っていた事故でしたが、目の前に翻る半旗で
改めてここに勤務していたアメリカ人の命が多数失われたことを実感します。

二つの記事は事故直後、事故の経緯を伝えたものですが、その後、
(といってもわずか5日後)共同通信の記者によるこのような
「米軍悪玉論」が展開されております。

まず、

高知県沖の事故では、KC130空中給油機から伸ばした給油ホース(ドローグ)が
FA18に当たって、どちらかがバランスを失い接触した可能性も指摘される。

このタイプでは給油ホースの先端が開きかけたパラソルのような形状になっており、
通常はFA18側の方が近づいていき、自機の給油ノズルに挿入するように操縦するやり方だ。
今回、FA18のパイロットがどのように給油機にアプローチしていたかは
原因を知る上で、一つのポイントだ。

 

接近する際には編隊飛行と同様に、
「水平」「前後」「垂直」の3点のレベルを合わせて双方がくっつく。
航空自衛隊F15戦闘機も空自KC767空中給油機に接近していく基本は同じだが、
接続の方式が違う。
KC767のオペレーターが最終的に給油ホースの位置を調整して、
給油機側がF15の給油口に合わせて操作するようになっていると、
空自パイロット経験者は語る。

なんとなく読んでしまいますが、ちょっと考えると

「日米の空中給油のやり方の違いってこの際なんの関係もなくね?」

ということに気づきます。
単に記事としての体裁を整えるために行数を埋めているって感じ。

続いて

事故は午前1時40分の未明。
夜間帯は本来、暗視装置も完備して、接続部分もライトで照らし出されるようになっている。
当時は悪天候だったとされ、限られた条件下で続けられた訓練中に何らかの不具合、
乱気流などが生じた可能性、あるいは操縦面での人的ミスも否定はできない。
「昼間より夜間は距離感がつかみにくく、視野も狭くなる」
(自衛隊パイロット経験者)。

うーん・・・なんかもう、犬が西を向きゃ尾は東を読まされてる感。

「事故は深夜の悪天候下で起こった」

の一行で済む話ですよね。
「自衛隊パイロット経験者」なんかに聞かなくても。

この後記事は「トップガン」など引用しつつ(笑)、なぜパイロットの一人が
椅子に座ったままだったのか、

「そこに事故の原因を知る上でのポイント」

などと割と当たり前のことを述べ、
(”一人は救出された時椅子に座ったままの状態だった”で済むかと)
いよいよ記事の本題に入ります。

事故の直接的要因ではないが、米海兵隊岩国基地は
在日米軍再編に伴う部隊の移転で過密な飛行状況になっているとされる。

今年3月までに米海軍厚木基地(神奈川県)から原子力空母の艦載機や
米海兵隊のF35、普天間飛行場のKC130も移駐している。
岩国の米軍機全体で倍増の120機となっている。

極東最大は沖縄県の米軍嘉手納基地だが、岩国基地も
「極東最大級」と言われるほど、米軍にとってより大きな拠点基地になりつつある。

岩国基地の滑走路の運用時間は原則、午前6時半から午後11時までだが、
時間外のケースでは米軍が岩国市に連絡するよう決められている。
岩国市には、12月1日から約1週間、時間外に運用する可能性があると伝えられた。
米軍の動向をウオッチしている市民団体によると、
11月ごろから運用時間外の飛行が常態化していたという。

「選択と集中」とも言える部隊の大再編の中で、
米軍が難度の訓練を続けていこうとする気運の中で、
今回の事故は起きたと言える。

あらら、ここでいきなりさっきのミリオタ市民団体の名前が。
オスプレイ憎けりゃミサゴも憎い、あの人達のことですよね。

くどくどと字数を稼いで事故の原因を端的にいうこともせず(つまりわかってないから)
結局、事故のわずか五日後に出してきた結論がこれですよ。

厚木からの移転は、つまり日本との協定で都心部の基地負担を
岩国に分配しようという流れの中で起こってきたことと理解していますが、
つまり共同の記者はそれが気に入らんのだな。

「事故の直接的原因ではないが」

と一番最初に書いているけど、これ一言で言えば

「部隊大再編で岩国が過密になったから事故が起こった」

っていう記事ですよね。
特に最後の、

「米軍が難度の訓練を続けていこうとする気運の中で事故は起きた」

ってなんなの。馬鹿なの死ぬの?
「難度の訓練」「気運」って、アメリカで空中給油がいつから始まったと思ってんの?

つまり共同の柴田という記者は、「怒」と書いたプラカードを子供に持たせて行進する
プロ市民と同じ立ち位置から記事を書いている、ということになるのですが、
そもそも報道って、そういうやり方でするものなんですかね。

なんか「報道」がゲシュタルト崩壊してしまいそうだわ(笑)

ちなみに同じ事故を報道しても、まともな記者の記事はこちら。

米軍機墜落、なぜ亡くなった操縦士は「座ったまま」だったのか 

いや、もういっそここまで突き抜けるなら(笑)

基地強化危険増す 岩国米軍機接触墜落
空中給油訓練何度も事故 しんぶん赤旗

 

 

と、思わぬところでマスゴミの糾弾に熱くなってしまいましたが、
この後は案内していただいた資料館についてお話ししようと思います。

 

続く。

 


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