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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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ルネ・マグリット展@ サンフランシスコ近代美術館

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今日は息抜きに美術展のお話です。

アメリカ滞在最後の日、わたしはサンフランシスコの中心街を
目に刻んでおこうとダウンタウンに車を向けました。

アメリカ在住の友人から、ホームレスが増えすぎて
この写真左側に見えているコンベンションホール、「モスコーネセンター」も、
最近は会議を申し込みも減っている、という悲しい噂を聞いたので、
現状を確認する意味もありました。

とりあえずこの辺りは渋滞が相変わらずひどいです。

まあ確かにホームレスは増えたかもしれません。
しかし、初めてここに来た17年前も路上生活者は普通にいましたし、
いうほどひどくなっているとは思えません。

中国人は多いですが、それ以上に全米から人を集まっているらしいのも
昔と全く変わっていません。

このビルは昔確か「ジャパニーズ・スィーツ」(和菓子)の店だったような。
いつの間には居酒屋になっていました。

「銀兎」と書いて「GINTO」というセンスはともかく、
おそらくこれは日本人のオーナーであろうと思われる店名です。

ここに来たらいつもウィンドショッピングするモールに行ってみました。
高級デパートが二軒、有名ブランドも軒を並べるおしゃれなモールに、
なんだかものすごく既視感のある造形物が・・。

マーケットストリートを歩いていると、アメリカ基準で言うところの
長蛇の列ができているピンクのお店がありました。
ここは昔、ニーマン・マーカスのアウトレットだったはずなのですが、
いつの間にかキャンディ屋さんに代わったのかな、と思ったら、

Candytopia offers a sweet time in San Francisco

キャンディーのテーマパークでした。
キャンディでできた絵画とか彫刻、マシュマロのお風呂・・。

なんか速攻飽きられそうな気もしますが・・・。

その道向かいにあるのは「アイスクリーム博物館」。
2016年にニューヨークに第1号店ができて以来増殖中。

Look Inside San Francisco's Museum of Ice Cream 

こんな立派な(多分築100年くらい)建物の中で何をやってるんだか・・・。

アメリカで日本のラーメンを有名にした一風堂。

街中を車で走っていてサンフランシスコ近代美術館、
SFMOMAで行われているマグリット展のポスターに気がつき、
行ってみることにしました。

断片的に作品を観たことはありますが、
マグリット一人の展覧会は初めてです。

常設展の入場券にマグリット展は別料金が必要です。
展示が行われている4階には専用チケットがないと入れません。

会場入り口にいきなり壁一面に作品を描き出してありました。

ちなみにこちらが本物ですが、こう言う画風なので本物と変わりありません。

こうもり傘の上のグラス。(水入り)

マグリットと言う人は一つのことを思いついて気に入ったら
しつこくしつこく同じものを描き続ける傾向があったようです。

そのモチーフの一つ、窓。

最初の絵もそうですが、窓と絵画をシンクロさせるのがお気に入り。

このアイデアがウケたので「しばらくこればっかり描いてやろ」と思ったんだろうなあ。

チューバ炎上中。

銃が血まみれ。
ちなみにこのタイトルは「Le suivivant」。
英語で「The survivor」サバイバーってことですが、作者はこの絵について
全ての説明を放棄していて、見る者の想像に任せているそうです。

って、どう見てもこれは反戦メッセージだと思うんだが。

「La voix du sang」という原題の意味は「血の声」。
英語のタイトルは「Blood Will Tell」=血が語る。

絵はともかく、それにこの題はないんじゃない?

これを全く理解できないのはわたしだけでしょうか。
マグリットってもしかして中二病か?(ああっ、言ってはいけないことを)

これもマグリットお気にのモチーフ。
自分の顔をりんごで隠しちゃうっていう。照れ屋さんなんだからー。

これも自分だけど後ろ姿。

ベビカから指差す赤ちゃんに赤ちゃん目線で解説してあげる
英才教育な母。

このぬりかべが右手に持っている変なものを覚えていてくださいね。

上半身が人間なら人魚、下半身が人間だと・・・半魚人?

半魚人と帆船のシルエットもお気に入りのテーマだったようです。
っていうかさあ、この人人間の顔が描けなかったんじゃないのかな。

波の模様をした帆船だけの絵もありました。

わたしがマグリットで好きなモチーフを挙げるならこれ。
なんでも彼の実際に住んでいた家なんだそうですが、日本で言うところの
3LDKで、銀行員だった彼の慎ましい暮らしを彷彿とさせます。

空は晴れているのに景色は夜。

木を強調してみました。

上とほぼ同じ。何回描いても飽きなかったのね。気持ちはわかる。

で、このモチーフの絵の題名なんですが、

L'empire des lumieres「光の帝国」

ひかりの・・・・・ていこくだとお?

やっぱり中二だ。
普通っぽい絵に変なタイトルをつけて観る人に首を傾げさせる、
わたしも中学2年の時にはそんな絵を描いたものですよ。

今でも覚えてる。阪神総美展で特賞をもらったあの絵の題を。

「平穏なる時空の矛盾」

うっわー恥ずかしいー!
でも今思い出した。あの時の美術主任め、出品する時わたしに無断で

「空間の矛盾」

って題に変えてやがったのよね。
デパートに展示されたのを観にいったら別の題名になっていたんだ。
いくら中二の作品でも題を変えるな。ずっと恨んでるぞ、久保先生。

大きさや木の形、雲の形や空の色を変えてこれでもかこれでもかと。

この部屋の絵全部が光の帝国ですわ。

光の帝国と自分の肖像画のコンボ。

光の帝国が巨大マグリット帝国に。

唐突に岩がある、と言うのも気に入っていた模様。

マグリットの絵は人を困惑させる。
その困惑こそが観る人をして彼の世界を理解しようとする鍵なのではないか、
とこういう光景を見るとそんなことを考えてしまいます。

今回もアメリカらしくたった一つの作品を除いて全て写真撮影可、
という気前のいい展覧会でした。

その写真禁止の作品の前には、終始係員が立っていて、カメラを構えると
これは写真撮影禁止です、と1日に100回以上注意していました。

しかし、その作品と他の作品の何が違うのか、わたしには全くわかりませんでした。

最後のコーナーはいわば「お遊びコーナー」です。

前に立つと、カメラが作動して月が上っていってしまうとか。

マグリットの絵の中に写り込むことができるとか。

写っているのは彼の友達(多分恋人)で、友達は
別のところに立っています。

せっかくなのでわたしも参加してみました。

これ、さっき赤ちゃんが指差していたぬりかべの持っていた燭台?ですよ。
自分の目と唇を利用して燭台を再現できるというわけ。

ちなみにこの絵のタイトルは「The Liberator」。
解放者。はいはい。

美術館を出て高速に向かう途中に市役所があります。

アメリカの役所は結婚式もしてくれるので、
(SATCでキャリーがビッグとしてたでしょ)
お役所の前にこんな人たちがいることがあります。

別のカップルと友人たち。
これから中華街で披露パーティかしら。

高速に乗る手前にあった「街中のマグリット風」。

昔このブログで一度紹介したことがあるこの景色です。

その時には今よりずっと木が小さかったので、後ろの

「ONE WAY」(一方通行)

の標識に見せかけた、

「ONE TREE」

というペイントがよく見えたのですが、肝心のTREEの字を
そのツリーが覆い隠してしまっていました。

このツリーは説明するまでもないですが、前に立つ大きな木のことです。

 

終わり。 

 

 


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