「地球防衛軍」で検索すると、映画より先にゲームが出てくるので、
最近同名のゲームが大変人気なのだと知ったわたしです。
さて、この映画で「防衛軍」と呼んでいるところの自衛隊が
総力をあげてミステリアンのドームを攻撃しましたが、
逆にドームからの攻撃によって、航空機は撃墜され、戦車や高射砲は
ことごとく熱によって溶かされてしまいました。
周りを火事にせず鋼鉄の武器を溶かしてしまうとは、
一体どのような仕組みの武器をミステリアンは使用したのでしょうか(棒)
当然勇敢に戦った自衛隊じゃなくて防衛軍の軍人たちはほぼ全滅に近い
打撃を受け、君の瞳に完敗状態です。
しかし、さすがは自衛隊、こんな日のために若い人たちが科学兵器を
考案し形にしていたことがわかりました、
設計図?を見せられた統幕長藤田進は、
「電子砲?」
と呟きますが、一切の説明はありません。
サイクロトロンという字が見えるので、加速器を使った砲の一種のようです。
日本は自分たちだけではとてもミステリアンに対抗することはできないと知り、
国連を通じて世界に協力を呼びかけることにしました。
なぜかそれを呼びかけているのが防衛大臣でもない一科学者の安達博士です。
「ミステリアンは地球の生活に見通しがつけば大挙して移住してくるに違いありません」
それで地球人の女性、しかも人間の目から見て美人ばかりを拐われたら、
もう地球人の滅亡は必至ですね。
つまり、ミステリアンに居住を許した瞬間、地球を乗っ取られることは確定です。
こちらミステリアンドーム。
一番偉い赤マントが黄色マントを伴って登場。
「富士山麓に500時間あれば基地が完成する。
これさえ完成すれば東日本は我々の意のままダ」
ふーん、東日本だけかー。案外欲がないのね。
ミステリアンの姿に身をやつしていても、鼻筋だけで
平田昭彦だとわかってしまうのだった。
さて、ここでわたしには大変興味深いシーンが始まります。
日本政府が国連の方から招聘した科学者二人、リチャードソンとインメルマン両博士。
このリチャードソンを演じているのがですね。
前にも当ブログで一項を割いてご紹介した、東京裁判の日本側弁護士、
なのです。
ファーネス弁護士についてはご関心がありましたらリンク先の
当ブログをお読みください。
そもそもわたしが「地球防衛軍」のDVDを購入した理由は、
ジョージ・ファーネスが出演しているのを確認するためでした。
藤田司令とファーネスの間にいる通訳の役は大川平八郎、別名ヘンリー大川です。
燃える大空で31歳にして少年兵を演じていた大川ですが、
若き日にコロンビア大学に留学し、ハリウッドで飛行機のスタントをしていた、
という経歴を持ち、英語が堪能なため、この役に抜擢されたようです。
セリフは、リチャードソン博士の言った
「将軍、アメリカはアリゾナから人工衛星を打ち上げました。
かなりの貴重な情報を期待できるでしょう」
という通訳を行なっているのですが、なぜか後半の音声が消されています。
今やミステリアン側についた白石をジュネーブの会議で見たことがある、
というのはインメルマン博士。
これを演じているのはハロルド・S・コンウェイという俳優で、
その経歴はわかりませんが、日本に住み、多くの映画に「外人役」で出演した人です。
同じ本多猪四郎の「宇宙大戦争」にもインメルマン博士役で出ていますし、
「狂った果実」「グラマ島の誘惑」「月光仮面」「モスラ」「日本海大海戦」
「トラ!トラ!トラ!」テレビでは「キイハンター」などにも。
渥美博士、
「白石と話をしたくありませんか」
と立ってテレビのスイッチを入れます。(リモコンのない時代)
するとテレビにはよりによってこんな番組が。
「オー!ジャパニーズエンゲイ、ファンタスティーック!」
とかいっていると(嘘)
すぐに白石の姿がテレビに映し出されました。
白石、いつ呼ばれてもいいようにテレビの前でずっと待っているのか?
白石はいいます。
このままでは原水爆で20年もすれば地球は亡くなってしまう。
同じ経緯で自分たちの星ミステロイドを失ったミステリアンが
地球人に変わって地球を支配すればそれを回避できると。
「そんなアホな」
「地球を征服するのはミステリアンか?地球人か?
いえ、科学です。
ミステリアンはすでに宇宙の制空権を握っているのです」
科学者の白石は、ミステリアンの科学力に心酔し、すでに自分を
名誉ミステリアンと思い込んでいるようですが、こういう裏切り者は
得てして侵略が成功した暁には真っ先に粛清されちゃったりするんですよね。
急遽東京都内の国会議事堂が見える場所に、地球防衛軍司令部が爆誕しました。
ダッジでやってきたのはアメリカ代表。
イギリス代表はジャグワー?(適当)
降りてくるのは全員軍人です。
ソ連代表はビュイック。
このあと乗り付ける国の旗がどうも台湾に見えるのですが・・。
そうか、この頃日中はまだ国交正常化してなかったんですね。
世界会議で演説する防衛軍総司令、藤田進。
ミステリアンが熱に弱いのでそういう攻撃をする、とか、
現場で司令官が命令するようなことを演説しています。
こういう会議では軍人ではなく、政治家が演説するのが筋なのでは?
こちら富士山麓のミステリアン基地。
地中に潜っていたドームがまた再び地表に現れました。
セイバーが整列している向こうに見えるのは、我が地球防衛軍が所持する最新鋭機、
アルファ号。(ベータ号もいるよ)
こんなんもってるなら最初から使えばいいのに、って気もしますが。
アルファ号はいわば「空中戦艦」で、翼のないロケット型の航空機です。
翼なしでどうやってコントロールするのか、とかあまり追求しないようにしましょう。
動力は原子力。(なので滞空時間は無制限ってこと?)
武装はこの巨大な機体のノーズに一つだけついた速射砲です。
それでは内部をご覧いただきましょう。
アルファ号はVTOL機のように垂直にゆっくり上昇するので滑走路いらず。
内部は非常にゆったりしていて、機内は完全与圧式らしく、
パイロットに耐圧スーツの類は全く不必要のようです。
コクピットの下の階は観覧デッキになっていて、そこにはサロンのような
ゴーヂャスな椅子が置いてあり、ここから外の眺めを楽しむことができます。
って、遊覧船なのかこれは。
「円盤は現れませんなあ〜」
安達博士、川波博士と一緒に乗り込んでいるのは防衛軍空軍司令、杉本空将。
α号が旗艦だからということらしいですが、フネならいざ知らず、司令部は
こんな危なそうなものには乗らず地上から指揮を執るものではないでしょうか。
ベータ号は護衛に現れた三機の円盤にまず攻撃を行い、
搭載したミサイルをミステリアンドームに投下しますが、
その攻撃でダメージを受けたのは地下壕に待機していた渥美博士御一行様。
地盤が沈下して地下壕が崩れてきたのです。とほほ。
「攻撃を続行せよ」
杉本空将の命令に従い空中を飛来していたベータ号に、
ミステリアン基地から攻撃が行われました。
ベータ号撃破。防衛軍無念の殉職です。
「3000度の高熱で叩いてもビクともしない。
一体あのドームは何でできているんだろうか」
ベータ号を失い、わかりやすく全員悲痛な表情に。
もう地球防衛軍になすすべなし。
っていうか、ちょっと聞きたいんだけど、国連の協力を取り付けたのに、
相変わらず日本だけで戦ってるってどういうこと?
ミステリアンは、地球人が自分たちを攻撃したことを逆手にとって、
半径3キロといった当初の要求を大幅にエスカレートさせてきました。
「半径120キロの土地を占領スル」
軒を貸してもいないのに母屋を取りに来ようってか。
もう原水爆の使用しかないか?というところまで追い詰められた日本。
120キロ占有されれば、首都陥落は目の前です。
その時、インメルマン博士が
「Good news!Good news!ミナサンヨロコンデクダサイ!」
と言いながら駆け込んできました。
この二人の国連の方から来た科学者は、これまで何もしていなかったのですが、
ここに来てやっと役に立ったということになります。
この新兵器、マーカライトファープは、直径200mの巨大なパラボラを付けた装置と
キャタピラ付の高さ140mの4脚によって構成されており、
ミステリアンドームの破壊光線を反射して相手に撃ち返せるだけでなく、
同等の光線を照射することが可能。
目標地点までは専用のロケット、マーカライトジャイロによって輸送され、
空中で投下された後に下部のロケットエンジン4基を用いて降下します。
無人兵器であり、α号からの電波で遠隔操作されます。(Wikipedia)
欠点は射程は1.5キロメートルで、作動時間が75分間のみに限られていること。
これはちょっと使いでが悪すぎませんかね?
そこでいきなりアメリカ空軍のC-124C戦略輸送機が登場しました。
通称グローブマスターというどでかい奴ですね。
軍事航空輸送部所属の機体で、何をしているかというと、
マーカライトファーブや第二β号の建造に必要な物資を搭載しているのです。
これから材料を運んで間に合うのかという気もしますが、何、
空母「ミッドウェイ」の改修を半年で完璧にやり遂げた当時の日本の技術陣なら
死ぬ気でやれば一週間くらいでなんとかなるでしょう(適当)
すげー!
物資の搭載のため、機首下部と機体後部の両カーゴドアを開放しています。
撃墜されてしまったβ号の後継機もあっという間に完成しました。
さすがは高度成長期に突入した頃の日本の技術陣です。
機体には「ワールドエアフォース」と書かれています。
α号にはマーラカイトと同じ塗装を施し、相手の攻撃を防ぐ仕様にして臨みます。
こちら、地球存亡の危機だというのに、呑気に夕食の支度をし、
楽しげにお膳を運ぶ渥美の彼女と白石の元婚約者。
二人ともミステリアンに花嫁候補として指名されたにも関わらず、
全く危機感もなさそうです。
というかこいつらどうしてこの二人にそんなにこだわるのか。
東京には他にも綺麗な女性はいっぱいいるよ?
ひよひよひよ〜という音とともに静かに庭に降りてくるミステリアンその1。
驚く弘子さん。
上空にUFOが飛来しているのに、門の前の警官は全く気付かず。
「異常ありません!」
って、相手がミステリアンだとわかっているならちょっとは空を警戒しろよ。
ミステリアン1号、まず白石の元婚約者を円盤に拉致。
この人は、白石の婚約者だったのに、白石がミステリアンに帰依したため、
突如フラれてしまったという辛い過去があるわけですよ。
そのお嬢さんを拉致するということは、そうか!
ミステリアンとなった白石ともう一度結婚させてやろうとか、そういう考え?
「弘子さん?」
宇宙人に狙われているのに窓を開けっ放しで食事するか普通。
あっさりと一人さらわれ、残る江津子さん(白石の妹)も、
後ろから見ると大きめのヘルメットをかぶった作業員にしか見えない
ミステリアン2号にやすやすとさらわれてしまいます。
宇宙人に狙われているのに簡単に庭に出るから(略)
こちらもよく考えたら、彼女は白石の妹なわけですよ。
ということは彼女を拉致したのは、もしかしたら白石に再会させ、
弘子とともにミステリアンの嫁になって皆で幸せに暮らせばいいよね、というような
良かれと思っての拉致だったとは言えませんでしょうか。
だとしたら、なかなか味なことをするなあミステリアン。
なすすべもなくその様を見守る家族と警察。
この拉致シーン、ロープで吊った二人を持ち上げて撮ったようですが、
なんというか、今ならこんな間抜けな絵にはしないだろうな。
でも、60年前にはこれが超画期的でショッキングな映像だったのに違いありません。
今のCG技術で「地球防衛軍」「海底軍艦」のリメイクしたのを見てみたい(笑)
続く。