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イージス艦とシンガポール海軍「フォーミダブル」〜2019年度観艦式中止に伴う一般公開

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海上自衛隊観艦式中止に伴う艦艇一般公開の様子をお話ししています。

ところで、このシリーズでわたしが「外国艦艇」についてアップした日、
滅多にブログアクセスランキングなど確認しないわたしが、たまたま
数字に目を止めたところ、289万2953存在するgooブログ中、
いつもは大体100位前後をウロウロしているアクセス順位が、
いきなり大躍進して17位になっていました。

こういう現象が起きるのは、必ず過去にあげたテーマが話題になったり、
映画やテレビドラマで取り上げられたりした時なのですが、
この日バズったのは一般公開について書いたページでわけがわかりません。

思い当たるのは、「外国艦艇」という言葉と、それから文中、
中国海軍を「人民海軍」と記し、また軍旗にある「八一」という文字を書いたことです。

検索ワードに「日本小人潜水艦」とどうも日本語でなさそうなのが
1件だけとはいえ混じっていたし、これってもしかして、
某国当局のネット検索に引っかかったのか・・・・・・?

それにしても一つの記事に一日で4千回を超えるアクセスがあるのは
なんだか不気味に思えて仕方ありません。

おまけに、その翌日(昨日ですね)はアクセスランキングこそ
30位台になっていたものの、くだんの「外国艦艇」のページは
アクセス数5623と、なんと前日よりバズっているではないですか。

怖いよ怖いよ(棒)

さて、「いずも」の見学を終え、次はその奥の突堤で全て公開されている
護衛艦群を見に行くことにしました。

岸壁に近い方から

「たかなみ」「はるさめ」「あさひ」

ほぼ同じ大きさの駆逐艦群が係留されています。

皆の注目となりそうな新鋭艦「あさひ」にはまだ
この頃にはあまり人の姿はないようでした。

反対側の岸壁には「むらさめ」と「こんごう」「あたご」。
この3隻の艨艟たちがもう壮観でした。

何がって、艦首をこちらに向けたイージス艦と駆逐艦、
こんな角度から一気に3隻並んでいる光景など、こんな時でないと
一般人には目にすることもまずないゴージャスなこの眺め。

「むらさめ」と「こんごう」が舳先を並べているのも素敵ですが、

これですよこれ。イージス艦のツーショット。

金剛家と愛宕家、名門の長女である御令嬢がその容姿を
競い合うように並んでいる様子は来場者の注目を集め、

「おお!この眺め最高!」

「俺、こういうの好き」

などといいながら熱心にファインダーを覗く人たちで
桟橋が空く瞬間がなかったくらいです。

間近で真正面から護衛艦を見るチャンスはありそうでありません。
ところでイージス艦「こんごう」は、2007年、平成16年度予算で搭載された
イージスBMD 3.6システムでのミサイル迎撃実験をカウアイ島沖で行いました。

それはさておき、それよりわたしが注目せずにいられなかったのが、

「Stellar Kiji」(ステラー・キジ)


というこの時の実験名です。
アメリカのナーバルインスティチュートのサイト内にイージスシステムの父、
アラン・ヒックス少将についての記事があり、そこにはこの実験について、

Stellar Kijiのテストイベントで、日本の誘導ミサイル駆逐艦Kongoは、
Aegis BMD兵器システムでPMRFから発射された中距離弾道ミサイルを正常に検出、
追跡、および大気圏外の迎撃による破壊を成功させました。

JFTM-1は、日本の護衛艦が弾道ミサイルを発射した最初のイベントでした。 
これは、日米間の成長し続ける協力関係における大きなマイルストーンとなりました。

と記述されています。

2008年には

「ちょうかい」が「JFTMー2 ステラー・ハヤブサ」、
「みょうこう」が「JFTM-3 ステラー・ライチョウ」、
2010年には

「きりしま」が「JFTM-4 ステラー・タカ」を
いずれも成功させています。

探してみたら、「こんごう」のステラー・キジ作戦の映像がありました。

Japan Aegis BMD (JFTM-1) Stellar Kiji Quicklook

発射のとき、「ファイアー」とも言っていますが、最後はやはり「テー!」です。
最後には「ステラー・キジ」のペナントが映し出されています。

イージスシステムについてご存知でない方、ぜひご覧ください。
この時の「こんごう」乗員、さぞ燃えただろうなあ・・・・・。

 

本当かどうか正確なところは知りませんが、イージス艦の乗員には
優秀でないとなれないと聞いたことがあります。

艦長が他の護衛艦と違い一佐であることもそれを裏付けていますが、
加えて「身元が確かな隊員」が優先される配置かもしれません。

それを思うのは、かつてこの「こんごう」は、改修の際

イージス艦情報漏洩問題

で米海軍の信用を失い、一時的に改修に必要なソフトウェア、
文書等の供給を停止されたという事件があったからです。

外国人と結婚している隊員はまず確実に乗れなさそう・・・。

さて、隣の岸壁の向こう側には、今回こちら側(逸見)で唯一、
岸壁に係留してその姿を見せてくれていたシンガポール海軍のフリゲート、

「フォーミダブル」(RSS 68 Formidable)

が衆目を集めていました。

「フォーミダブル」級フリゲートのネームシップで、艦体はフランス製。
フランス海軍の軍艦を建造する

CCNS(Direction des Constructions Navales Services)

という企業の工廠で2007年に就役しました。

ご覧になればお分かりのように、ステルス仕様です。
一緒にいた方が、艦体の表面を見て、凸凹すぎる、とディスるので、

「いやこれは痩せ馬仕様といいまして」

とシンガポール海軍にはなんの恩義もないのですが、一生懸命
技術が不足しているからなったわけではない、これは艦体の軽量化と
ご予算の関係で云々と説明して差し上げたのですが、それでもガンとして

「いや、日本の護衛艦と比べると酷すぎますよ」

とにべもなく言い切るので、悲しくなりました。

痩せ馬が目立つのは、艦体がステルス仕様で、面が多いからで、
これはもう如何ともし難い宿命なんではないかという気がします。

この写真は向かいの「ちょうかい」の甲板から撮ったものですが、
ちょっと新鮮だったのは艦体にくり抜かれた積荷用の大きな窓、
どうもここは「蓋がない」ように見えるのです。

蓋の代わりに御簾のような網戸のようなスクリーンで閉ざされています。
うーん、なんたる画期的な軍艦デザイン。

これは虫除けとかの目的ではなく、レーダー波を吸収する役割があります。

「艦体とマストや主砲の色が微妙に違いますね」

「二色展開なんですかね」

わざとやっているとは思えない微妙な色違いで、同じ灰色でも
青っぽいところとそうでないところが分かれているという・・。

 

シンガポール海軍は、1971年にイギリス軍が撤退した後に編成されたので
まだ歴史は浅いですが、何しろ国が金持ちなので、規模は小さいながら
近代的な装備を備えた少数精鋭です。

職業軍人もいますが、全部で2万人くらい。
そのため国民には2年間の徴兵義務があります。

小さな海軍なので大型の戦艦やもちろん空母は持たず、
このフリゲートが戦闘艦としては最大級になります。

つまり、「フォーミダブル」は星海軍の主戦力ってことですね。

見れば見るほど余計なものが一切外に出ていない断捨離仕様。
家族が床に座ってご飯を食べている家を思い浮かべてしまいます。

それもこれも、ステルス性向上を徹底しているため、艤装を全て
艦内に収容してしまっている上、先ほどの開口部のスクリーンのように
徹底してレーダー波を吸収させる作りになっているのです。

舷側の部分が煮込む前のにんじんみたいに面取りされているのもステルス目的ですし、
なんなら錨も係留装置も、艦内にきれいさっぱり仕舞い込んでしまいます。

もしかしたらこの謎の二色展開も、ステルス的に意味があるのかも。

主砲は見慣れない形ですが、これもオトーメララ製品で、
ステルス型砲塔を持つ「スーパーラピッド」という砲です。

艦橋構造物の上に乗っているのは多機能レーダー。

これもフランスのタレス社の「ヘラクレス」というフェーズドアレイで、
ピラミッドのような形のレドームの中にアンテナが内蔵されており
これが中で毎分60回転して全周を捜索する仕組みです。

おお、乗員が格納庫に姿を見せました。
どこの国も海軍軍人というのはスマートな人が多いですね。

後ろにある在艦ボードによると、艦長、副長以下、
幹部はほとんどが在籍しています。

階級は分かりませんが、この二人も士官っぽい。

絶対これ、「ちょうかい」の上の見学者を見て喋ってるよね。

ちなみに左の人はライナーさんとおっしゃいます。

シンガポール海軍の海軍旗は、国旗に激似しています。

Flag of Singapore.svg

ちなみにこれが国旗。
下半分が白です。
軍艦旗は白い部分に赤い星があるわけですね。

中から副長(根拠はないけど多分)が出てきました。
シンガポールという国は中華系が74%でほとんどを占めますが、
複合民族国家なので、他民族が共生して居ます。

この副長(多分)は全体の7.9パーセントを占めるインド系のようです。

後ろで作業をしている水兵さんですが、なんか自衛隊にいそうな顔ですよね。

目を転じると、迎賓艦(厳密には特務艇)「はしだて」がそこに。

わたしが一度乗せていただいたことのあるこの「はしだて」ですが、
調べたら1999年11月に就役していたことがわかりました。

つまり、1999年10月25日生まれのMKとほぼ同年齢なのです。
早いもので、我が愚息ももうすぐ20歳となりますが、
人生これからの彼と違い、船の20歳といえばもうご老体。

過去の特務艇「ゆうちどり」「はやぶさ」「ひよどり」、
いずれも20年も経たないうちに引退していることから、
「はしだて」もそろそろ、という時期だと思うのですが、
今の自衛隊は迎賓艦を新調している場合ではない・・・かも。

 

 

続く。

 

 

 

 


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