さて、防大開校記念祭、いよいよ「小原台の青春シリーズ」です。
今年もシャゼンの芝生に置かれた石に陣取り、前を行く防大生を
激写してまいりました。
観察スポットはここ。
お誂えむきに、ここに腰を下ろせるベンチのような石がありましてね。
おそらく学生さんはこんなところに座ってのんびりなどしないのでしょうが。
おっとその前に、第二大隊の校舎内で行われていた棒倒しの秘密練習を。
この日は全館が一般解放されており、生徒に混じってカーチャンらしい女性が
間近で見学している(ただの野次馬?)姿あり。
皆窓越しに物珍しそうに観ています。
総じて防大生たちは、こんな日に外部の好奇心にさらされても、
見られることを意に介さないというか、ちらっとも外野に視線を向けません。
兵学校に映画「勝利の礎」を撮影に行った映画クルーも、
彼らの日常をカメラに収めた写真家真継氏も、口を揃えて言うのは
「兵学校の学生の娑婆の人間の視線に対する冷徹なまでの無関心」でしたが、
現代の兵学校学生であるところの防大生もまた、
「観られ、注視されることに慣れきった」ゆえの動じなさがありました。
それはいいとして、この中庭に出て、訓練中の学生の横でタバコを吸う人たちって、
なんなのこれ?(怒)
もしかしたら、ここに学生用の灰皿でもあるのかしら。
そういえば、防大生の喫煙って、どうなってるんでしょうね。
法律的には兵学校でもそうだったように二年生から吸えるわけですが。
この特訓をしていた中庭の横にあった「洗濯物干場」。
恐ろしいくらいきれいに片付いて、というか何もありません。
防大生は全て自分の衣服を自分で洗い、ここに干して、
自分でプレスするわけです。
兵学校を描いた映画を観ると、洗濯は手洗いで行い、
さらにそれを外に干していたようで、さすがに今は洗濯機がありますが、
アメリカとは違い「何でもかんでも乾燥機」というまでは省略化されていませんから、
それなりに大変だろうとおもいます。
余談ですがアメリカの場合はそもそも洗濯物を「干す」という習慣がもう無いんですよね。
彼らにとって庭は決して「洗濯物を干すところ」ではありませんし。
ついでに言うと、日本人が窓やテラスの外壁に布団を干す習慣、
あれを欧米でやろうものなら、必ず付近住民がクレームを言ってきます。
隊舎の掲示板には儀仗隊のこのようなポスターもありました。
前回書き忘れたのですが、儀仗隊の制服、これは
「冬制服の上着に夏制服のズボン、夏帽子」
なんですね。
言われてみてなるほどと思いましたが、元々の制服のイメージとは変わるものです。
しかももし夏上着に冬ズボンだったらと思うと・・・・
なんだかボーイさんみたいですものね。
よく考えてあると思います。
それから、わたしも去年の写真で気づきましたが、儀仗隊、女子学生がいるんですね。
めりさんは見学のときにその情報を女性自衛官から聞いたそうです。
全体的にあまり突出して背の高い隊員はいないようですし、(平均168くらい?)
配置で目立たないようにしているのか、女子学生が混じっていても全く遠目には分かりません。
ところで皆さん。特別情報です。
今回、防大生が着用している下着についてのマル秘情報まで得てしまいました。
防大では下着まで指定がないため、どんな色・形のものを着用してもいいのですが、
夏の白ズボンのときは下着の色や線が出るので、それを隠すため、
上に一枚(おそらくベージュの何か)を着用するそうです。
昔の兵学校学生にその心配は無用でした。
なぜって、その頃は皆下着として褌を着用していたからです。
これなら夏の白いズボンでも、ラインが出ることはありません。
しかも、重ね履きの必要もなく、暑い夏には快適。
サイズフリーでさらに丹田を締めることで気合いも入る。
今の感覚で「かっこわるい」ということを除けば、実用的だと思うのですが、
防大で復活は・・・・ないでしょうね。
壁の写真で女の子が品定め?をしていました。
こんなこともあるのだから、プロフィール写真は真面目に撮っておけとあれほど(略)
いやだから、わざわざこういうアピールの場があるというのに、
どうして写真を貼らずに「ここに写真を貼りましょう」の人をそのままなぞるかな。
これじゃプロフィールを読んでも防大生の彼氏が欲しいお嬢さん方には
興味の持ちようがないっていうか。
好きな映画は「トイストーリー3」。
特技はお手玉で趣味は将棋。
今一番欲しいもの、「金」。
好きなタイプは「やさしい人」。
個人的にはこんなセンスの男の子、好きですけど、まあわたしに好かれてもねえ。
警備か案内か、何かの任務で来ていた海自の自衛官を捕まえて話を聞く男性。
こういう団塊世代の男性を、自衛隊イベントでは実にたくさん見ます。
防大生のお爺ちゃんか、さもなければ「勉強熱心な人たち」?
一般の大学等とは違って、普段その内部を知ることがないだけに、皆興味しんしんです。
この日は防大生たちも「見られている」を意識して振る舞うのでしょうか。
これは・・・・学生服でナンパ?
現代の防衛大学校とはいえ、特殊な公務員である彼らに職務中そう言うことは許されるのだろうか。
と思ったのですが
この女の子たちの遠目にも明らかなはしゃぎぶり、そして、
必要以上にオーバーなリアクションを見る限り、
防大生たちは「アンケート」とか「勧誘」のために女の子を呼び止めただけで、
彼女らの方が制服のイケメン二人に声をかけられて舞い上がっているように見えました。
案の定、このあと、何事も無かったように彼らは別れました。
さて、防大生の彼氏がいる女の子が友達を連れて来て、
彼氏の友達を紹介してもらう、ということもあるようです。
その実例。
「あ、ちょっとちょっと、山田こっち来て」
「え?何」(ニヤニヤ)
「紹介するわ。俺の彼女のマイと大学の友達二人、
なおちゃんとともこさんな、
これは僕の同じ大隊の友達で、山田」
「初めまして。ともこです(背は高いわね)」
「なおみです。(ちょっとタイプだわ)」
「(でもどっちに紹介するつもりかしら)」
「というわけ。今度田中も誘って三対三でどっかいこうぜ」
「いいね〜(ともこさんがいいなあ)」
などという青春模様が目の前で展開しました。
このあと山田はともこさんとうまくいくのか。
お断りしておきますが、この会話はフィクションです。
いずれにしても微笑ましい。
大学祭で出会っておつきあいが始まるなんて、なかなか楽しそうではありませんか。
若いっていいなあ。(遠い目)
それに、防大生は日頃女の子と触れ合う機会があまりないとのこと。
勿論防大には女子学生もいるわけですが、何と言っても彼女らは「同僚」なので、
どうしても外に目が向いてしまうのかも知りません。
自衛隊に入ったらさらにその機会がなくなるということなので、
せいぜいこんな機会にガールフレンドを確保しておくのがいいかもしれませんね。
それにしても、自衛官はモテないなんていわれた時代もあったそうですが、
防大生だけは、昔も今も結構な「女子の憧れ」なんじゃないんでしょうか。
わたしは適齢期のとき、この世に防大生という人種がいることすら知らなかったわけですが、
もし当時、観閲行進とか、特に儀仗隊の演技とか、
一目見る機会があれば「かっこいい!」って目がハートになっていたと思います。
だって何といってもこの制服ですよ。
旧海軍兵学校の学生のモテ原因もそうだったようですが、制服マジックって、ありますよね。
前にも一度書きましたが、リチャードギアの映画「愛と青春の旅立ち」は、
原題"An Officer and a Gentleman"「士官と紳士」言いまして、
つまり、この映画の主旨を一言で言うと
「海軍士官の制服に惚れない女はいないぜ。
でも制服しか見てない女とつき合うと制服を脱いだときフラレて自殺するはめになるぜ」
(ぜんぜん一言じゃないけど)
というものなんですね。
ええ、アメリカは特にこの「士官の制服」にはそれだけで女の子が群がってくるんです。
アメリカでは日本と違って海軍士官の妻は「玉の輿」ですからね。
日本はアメリカほど軍人をちやほやする国ではないため、たとえ士官でもさすがに
「玉の輿」というまでにはいきませんが、それも考えようによっては、
「制服マジック」の落差、つまり「制服を着たときと脱いだとき」のギャップが
アメリカほど無い、と言うことも出来ます。
いずれにせよたまたまですが、入間の航空祭でも同じような光景を目撃しましたし、
もしかしたら自衛官って、同僚の彼女にその友達を紹介、というパターンで
お嫁さんを見つける人が多いのかもしれないですね。
兵学校では、クラスメートの「妹」の写真を見せてもらって好きになり、
休暇に押し掛けていって実物を見て写真と相違なければ結婚申し込み、
というのが結構多かったようです。
士官の結婚は当時海軍の許可が必要でしたが、相手が兵学校の学生の妹であれば
その素性に間違いないわけで、調査も必要なく、合理的だったのかもしれません。
この二人は一緒に棒倒しを観戦していました。
ハイヒールでこの芝生の傾斜を歩き、さらに座るのは大変だったと思うがどうか。
しかし、めったに会うことの出来ない彼、しかも普段見ることない一種軍装姿の彼に、
一番素敵な自分を見て欲しい。
その女心が8センチのヒールを選ばせ、この日だけはそれを苦とも思わないのですね。
わかるわかる。
女の子の荷物を全部持ってあげているやさしい彼。
二人の様子から、付き合いは長いと見た。
高校の同級生かな?
これも彼女とその友達(学友に紹介予定)パターンか。
隊舎の前に、なにやら掲示板がありました。
お、これは入間基地でもやっていた「推しメン選挙」かな?
どうやらこれも自己アピールコーナーのようです。
しかし、真面目にアピールしようと言う気があるのか君たちは。
自分のちゃんとした写真を貼っているのは半数くらい。
誰だよ
本人に似てるのか?
こんな防大生がいるかああああっ!
関心のある人はこんなに一生懸命に見ているというのに・・・。
ネコの防大生がいてもいいじゃないか。
ネコ好きの女性ならこれだけで興味持ってしまうかもしれません。
さて、勿論、開校記念祭で防大生は彼女と会うことばかり考えているのでありません。
(たぶん)
この日のために全国津々浦々から駆けつけて来た彼の家族。
お父さんお母さんお爺ちゃんお婆ちゃんきょうだい、
かれらに大学を案内する学生さんの姿もたくさん見られました。
両親と妹。
お母さんは大胆にも娘と同じ丈のミニスカート着用だ。
両親とお姉さんかな?
ピンクのフード付きがお母さんのようです。
芝生の観覧席に敷いたシートに座り、
お母さんと話をする学生。
かれはこのあと棒倒しを家族に解説しながら一緒に観戦していました。
棒倒しが始まるまでシートで寝る人も多く、
画面左下のカップルは女性の身体を枕に熟睡する男性と、
枕になっているその連れ。
因みに、元画像ではこの女性がカメラを凝視していて、怖いです。
あなたがたを撮ろうとしたんじゃないんですすみません。
これは女子学生。
普通大学に進学した友達と歩いている様子ですが、
防大の制服を着た学生を見て、友達はどのように感じるのでしょうか。
女子学生二人連れ。
右側の学生さんに写真を撮っているのを気づかれました。
この日、防大では「防大ツァー」が催されます。
何人かを公募して、学生の説明を受けながら校内を巡るのです。
去年、知り合いの方がこれを勧めてくれたのですが、
定員に達していてもうすでに受付は締め切られていました。
「こちらがグラウンドでございます〜」
去年の「小原台の青春」に、防大生ならではの悩みや挫折について書いたのですが、
やはり国の防衛を預かる軍組織の指揮官を養成する機関が厳しくないわけがなく、
「どうしても合わない」と辛さに耐えられずやめてしまう学生がいるかと思えば、
「毎日が楽しくて仕方がない」
という学生もいるらしい、というお話を読者の方とのやり取りで教えていただきました。
あくまでも個人の性格、いい友人や先輩に恵まれるなどの環境にもよるとのことですが。
どんな組織についても言えることですが、どちらかといえば楽天的な性格の学生の方が、
どんな環境にもうまく順応して自分の居場所を見つけやすいのかなと言う気がします。
因みに、震災後自衛隊への好感度が急激に上がったことに伴い、
応募もそれだけ増えたのか、というと実質はそれほどでもなく、
尖閣情勢の変化のせいもありますが、その理由のひとつは、親が
「3Kだから我が子にはやらせたくない」
と言う理由で止めるというものだそうです。
看護師を描いた漫画、「おたんこナース」で、主人公のユキエが受け持ち患者に
「看護婦さん、いつも大変だねえ。ありがたいよ。
こんな仕事、わたしの娘には決してやらせたくないよ」
と言われて愕然とするシーンがありますが、ついそれを思い出しました。
有り難いし、尊い仕事だとおもう、大変な仕事には賞賛を惜しまない。
しかし、
自分はやらないし自分の家族にはやらせたくない。
こういう人が、やはりいるんですね。
思わずしみじみと見てしまった写真。
お母さんはこの日のためにやって来てどこかにホテルを取ったのでしょうか。
そのキャリーバッグを引いてあげる息子。
「訓練は辛い?」
「普通や」
「何が普通やの」
「だから普通にやってるって」
「あんたちゃんとアイロンがけとか洗濯とかできてるの」
「やらなあかんもん」
「お母さん信じられへんわ。あんたが自分でボタン付けしてるやなんて」
「そんなん誰でも教えられたらできるわ。俺得意やで。
・・・・・そんなことええけどお母さん、今晩気いつけて帰りや。
見送り行かれへんけどごめんな」
「・・・・・ありがとう」
(´;ω;`)ウッ←エリス中尉
繰り返しますがこの会話はフィクションです。
二日間のクリスマス特別エントリを挟んで続きます。