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コントロールルーム〜シカゴ科学産業博物館 U-505艦内ツァー

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MSIのU-505艦内ツァー、続きです。



艦首側から入艦して、ほぼコニングタワーの下にやってきました。
7番のコントロールルームです。
■ コントロールルーム



写真を大慌てで撮ってツァーに追いつきました。
写真中央の女性が説明をしてくれるガイドさんです。

コニングタワー(司令塔)の真下、無線室と音響室のすぐ後ろに
コントロールルームがあります。
ガイドの右側にハシゴが見えますが、これを登ると
コニングタワーにすぐにアクセスできるようになっています。


司令塔のすぐ下 (梯子とハッチですぐにアクセスできる) に位置する
コントロールルーム・管制室には、潜水、操舵、およびその他の
重要な制御装置がすべて配置された場所でした。

機器は、主にダイビングにかかわるもの関係していますが、
潜水艦の現在の深度を示すゲージもあれば、
ツリムや安定度を示すゲージもありました。
【ダイビングプレーン プレーンズマンステーション】


写真の左側にダイビング&浮上コントロールのための制御装置が見えます。
コニングタワーの艦長が命令を下すと、配置された舵手がこれを回します。

大きな丸い舵輪の前には舵手の座る自転車のサドル様の椅子があり、ここには

「Planesman's Station」

とあります。

潜舵(ダイビング・プレーン)は「ハイドロプレーン」とも呼ばれ、
潜水艦の潜航浮上を制御する装置で、艦首と艦尾を上下にピッチさせ、
潜水または浮上のプロセスを支援し、潜水時の深度を制御します。

ダイビングプレーンは通常、潜水艦の前部にある艦首機、
後部にある艦尾機の2組から構成され、
艦尾面は、航空機の昇降舵(エレベーター)と同じような働きをします。

艦首と艦尾(艦体の外側) でヒレのようなこの装置を
同時に操作することで、飛行機の操縦桿のように潜水艦を制御します。

適切にトリミングされたボートは、平らなキールに乗っている、=浮力と重量が一致し、前後左右の釣り合いが良好であり、
傾かずに均等に水平に浮いている状態を保ちます。
さまざまなタンクからバラスト水を取り入れたり、取り除いたりすることで、
乗組員はトリミング、安定性を達成する仕組みになっていました。

ボートの「トリミング」と「ダイビング」は、
艦長の指示に従って行動するダイビングオフィサー(航海長)の責任です。
ボートを傾斜させるには、トリムタンクに適宜水が満たされればいいですが、
この手順では通常時間がかかりすぎます。
従って潜航も浮上も、スクリューでボートを動かして行います。
潜水艦体は浮力の中心から前後方向に長いので、
ピッチング(縦揺れ)の発生を防ぐためには、
バラストタンクで浮力をニュートラルに調整します。

プレーンでピッチを制御し、前進によって深度を制御しますが、
注意深く制御しないと、「ポーポイジング」運動を起こすこともあります。


USS「シルバーサイズ」のダイビングプレーン
「ダウン・ペリスコープ」という映画でも、
最初は配置された二人の乗組員は正反対のタイプで折り合いが悪く、
しかし次第に任務を通じて嫌でもチームワークとついでに仲間意識が芽生え、
・・・・という人間関係が織り込まれた持ち場でしたね。

潜水艦は、船首と船尾の一対のプレーンを
それぞれ別々に制御していたため、操舵システムも二つになるわけです。

操舵手二人に加えて、もう一人が後ろに立つことになっていて、
ただでさえ混雑している場所に、3人が肩寄せ合っている状態でした。

この大きな舵輪は、1960年代にはすべてのプレーンを
一つの操縦桿に組み込んだ複合制御装置の導入で姿を消します。


これは原潜 確かに舵輪は小さくなったけど、持ち場には今でも3人?
【ナビゲーションテーブルとジャイロコンパス】



コントロールルームには、艦長と航海士が船の進路を計画し、
また、敵の船や護送船団を攻撃する際、作戦計画を立てるための
この大きな海図テーブルが大きく位置を占めています。


また、コントロールルームにはジャイロコンパスがあります。

ジャイロコンパスは、磁気コンパスの代わりに
ジャイロスコープが使用されていました。
これは、ボートを取り囲む鋼鉄の量が磁気コンパスを不正確にするためです。


ただし、安全対策として磁気コンパスも備え付けられており、
これは上部にあるアルミ製の防水ボックスに収納されていました。

このどこかに写っているかもしれない

実際にどんなものかはわかりませんでしたが、
ジャイロコンパスのデータをチェックするために、乗組員は
コントロールルームにいながら磁気コンパスの数字を読み取っていました。

どうするかというと、潜望鏡の光学系レンズのシステムで
遠隔地にある磁気コンパスを見ることができたのです。

U-505には 2 つのペリスコープが搭載されていましたが、
これらのペリスコープウェル(潜望鏡井戸)は、ブリッジから
司令塔の内部を通っコントロールルームを通り、さらにその下の
最下部のコンパートメントまで伸びていました。

これが潜水艦共通の「宿命的な構造」であったことは
前にも当ブログで書いた通りです。
スコープの操作はコニングタワー、司令塔の高さで行いました。
■コニングタワー 司令塔
左から;魚雷データコンピュータ(TDC)
プリセット発射制御装置潜望鏡

USS「シルバーサイズ」と同じく、ここもまた
ハシゴを上らなければそこに行くことができないという関係で、
司令塔、コニングタワーの中は見学することができません。

ボートで使用されるさまざまな通信システムのすべてのコマンドは、
管制室またはすぐ上の司令塔に配置されていました。
【エンジン オーダー テレグラフ (EOT) 】

たとえば、司令塔の内部にいる艦長は、操舵手に所望の速度を告げるために、
エンジンオーダーテレグラフを使用して信号を送ります。

U-505のエンジンオーダーテレグラフ(EOT)もちろんドイツ語

Auss Kraft 全速
Halbe Fahrt 半速
Lang Fahrt 長速
Kleine Fahrt 微速Tauchen 潜航Beide Maschinen 10 mehr 両マシン10E-Maschines EマシンStopp  ストップAchtung 注意Deselmotren ディーゼルモーター
(一応調べてみたけど多分まちがってる)


エンジン オーダー テレグラフ (EOT) は、
エンジンルームに直接スピード オーダーを電信します。

この装置は、潜水艦の制御室から、または艦長が司令塔にいて
海面の対象をを追跡あるいは攻撃している場合、そこから操作されました。

EOTレピータ計器はボートのあらゆるところに配置され、
艦長がこの計器のハンドルを動かすと、ボートのさまざまな部分にある
計器の針がすべて同様に、スキッパーに示されたコマンドに移動しました。
すると同時に、クラクションまたはホーンが、
レピータのすべてのハンドルが針に一致するまで鳴り続けます。

そして、各配置の乗組員が命令された速度を確認し、エンジンが

前進 (voraus)
後進 (zuruck)

を始め速度を判断することができました。
(写真の針面上部に『voraus』『zuruck』の文字が見えることに注意)

この装置の中央にある矢印は、与えられた命令に対する
機関室の「答え」を示していました。

こんな風に、艦長は、必要なすべてのステーションが
彼のコマンドを受け取り承認したことがわかります。

戦闘時、艦長は司令塔が持ち場となります。

そこで彼は潜望鏡 (1 つは攻撃用、もう 1 つは水上航行用) を操作し、
そこから操縦指示と射撃命令を出しました。

ペリスコープ・ホイストと固定アイレベル・ペリスコープ、
これらの回転させるのは油圧システムです。

艦長は潜望鏡と一緒に回転し(アメリカではダンスし、ともいう)
フットペダルで操作される電動サドルのような座席に座っていました。

司令塔の壁には、潜水艦の深さと潜望鏡の高さ
(潜望鏡深度)を示す2つの水深計がありました。

潜水艦が海中を移動する際に生じる潜望鏡の鼻の出っ張りや
小さな波紋がボートの位置を相手に教えてしまう可能性があるため、
海面の波打ち際の量はスコープを取る上で重要な考慮事項だったからです。
しかし、スコープを波の上まで上げ切る必要はありませんでした。

水面から先をほんのちょっとだけ出しておいたほうが、
たとえ波で視界が少々制限されたとしても、
潜望鏡の存在は見つかりにくかったのです。

目標を確認し、コースが計画されると、艦長は
魚雷を発射するのに最適な位置にボートを移動させます。

しかし、その好機が訪れるまで、潜水艦は辛抱強く目標を追跡しました。
その瞬間が訪れるまで、数時間、ときには数日かかることもありました。
右、コニングタワーに続くコントロールルームのハシゴ
【伝声管】





U-505の伝声管。

人間の声を通すだけのものなので、電気は必要ない作りとなっています。
司令塔と制御室から潜水艦の各持ち場に声が届きました。

また、各ステーションと選択的に通信もできるように、
サウンドパワードフォンも用意されてました。

■Uボートの攻撃と退避

潜水艦が最終的に絶好の状態と位置にあると判断したとき、
艦長は操舵手と一緒にいる魚雷士官を呼び出してデータを検討します。

その後、目標のコースと速度に関するデータを、
魚雷のコース情報を分析するコンピューターデバイスに設定、
コンピューターは、魚雷と標的の両方の進路を計算します。
その間、魚雷担当官は艦長の指示に従って、電気制御盤で方向を設定。
最初に後部と前部どちらの魚雷発射管を使用するか、
次に、魚雷を単発発射か、またはSalvo(サルボ、一斉発射)かを決定し、
一斉発射の場合、その順番を決めます。

このように決まった事項は制御盤に設定され、
魚雷発射室では同じスイッチが設定されて命令の実行に備えます。
コンピューターが適切なタイミングに達したことを示すと、
艦長は「Los!(ロス、発射)」と命令を下し、
魚雷は潜水艦から放たれていきます。

このとき、潜水士官は、発射された魚雷の減量分だけ、
バラストに水を補うという問題を解決しなければなりません。
魚雷発射後、攻撃が成功したかどうか確認時間があるとは限りませんでした。
時として、船団を護衛していた駆逐艦による攻撃から逃れるために、
艦長はすぐに安全な深さまで「彼女を下す」必要がありました。

しかしなんといっても潜水艦の最も危険な敵はパトロール中の航空機でした。
潜水艦は、水上艦艇と連携して監視を行い攻撃してくる飛行機を
視覚的にも聴覚的にも確認することができなかったからです。

先に述べたように、このような航空機と水上艦艇の複合作戦により、
U-505 は無力化され、捕獲に至ったというわです。



■ 項末付録:アメリカ海軍潜水艦スラング集【F】
早いもので行きがかり上続けているスラング祭りもFまできました。
あまりにもお下品なものは個人的判断で外そうと思いましたが、
案外そうでもないので、少しほっとしていました。

が、「F」でそうでもないことがそうでもなかったのがわかりました。
今回伏せ字多め。
Fabulous feces contest

=素敵な顔コンテスト
昔の潜水艦乗りが行っていたとされる
展開中にトイレで最も長いのを生産した人が賞品を獲得する

Failed open

眠れないときに目が閉じないことを表現するのに使われる

ファミリーグラム

潜水艦乗りが配備に出発する前に、家族に渡す一方通行の通信手段

ファミリーグラムの内容は年々変化していますが、
作戦の優先順位によって20~50語に制限されるのが普通でした。

家族や恋人から送られてきたものについては、
潜水艦乗りの気分を害するようなものがないかどうか検閲されました。

しかし、検閲を通過しても、潜水艦員のメンタルによっては
それは何度も何度も読み返され、時には誤解され、
大きなストレスを彼に与えることもありました。

多分字数制限が少ないことが誤解を生む原因だと思われます。

Fart Sack

マットレスカバーのこと

F.A.T.A.S.S.

Fast Attack Tough And Super Salty. Fat pill(ファットピル)
ロールパン、またはシナモンロールのこと

Fightin' gear(戦闘道具)

食器類

F.I.I.G.M.O.

F●ck It I Got My Orders.
軍隊で兵役終了時の帰還命令について使われる
"forget it, got my orders" や "farewell, I got my orders" など、
より丁寧なバージョンもある

F.I.I.S.

ファック・イット・アイム・ショート

Finger wave

Prostate exam
前立腺検査

Firing Point Procedures

ターゲットの運動解析が完了し、
魚雷を撃つ準備をするところまで解が出たと発表された時点を指す

実際には、新米水雷長が解決策を再評価し、考えすぎて、
最終的に目標を外すような調整をすることが多い

Fish ・魚

魚雷や潜水艦戦資格の徽章

フロート・テスト

艦外に放り出すこと
F.L.O.B.

Freeloading Oxygen Breather=タダメシ喰らいの空気吸ってるだけのやつ自分の力を発揮していない、あるいは自分の負担分を担っていない人
通常、資格取得前のnon-qual dink pukeのこと

F.O.A.D. 

F●ck Off and Die. 説明不要

フォックステイル(狐の尻尾)

掃除に使う柔らかい毛のブラシ

フレッシュミート(Fresh Meat)

新しい非適格者のボード

F.U.B.A.R. 

F●cked Up Beyond All Recognition
Fouled Up Beyond All Recognitionとも
見る影もない酷い状態

"F●ckin' A Ditty Bag" 
水兵が持つ針と糸を入れるバッグ
Yes, with enthusiasm!↑
よっぽど嫌な思い出がありそう・・・

続く。


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