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平成25年度防衛大学校卒業式〜安倍総理訓示

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この日のニコニコ動画をわたしは最初から画面で観ていたのですが、
途中で何度か「追い出される」はめになりました。
これはすなわち有料会員でないとこうなる、ということで、その度に

「今すぐ手続きすれば追い出されること無く観られます!」

という画面が出て来るのですが、そこはそれ、そんなお誘いは無視して
もう一度ログインすればまた再び見ることができるわけですから、
ここ最近で佐川河内の謝罪(じゃなかったけど)会見と、
今回の防大卒業式くらいしか観ていないわたしには必要のない脅しです。

しかし、追い出されたりログインしたりが頻繁になって来たとき、
ちょうど挨拶をしていた来賓の祝辞内容は聴くことが出来ませんでした。




防大校長、国文良成氏。

わたしは前校長の五百籏頭真ほどではないにせよ、この人物の適性については
少なくともその学者としての思想を見る限り「不適任」だと思います。

先日元陸上幕僚長とお話をする機会があったのですが、この方も

「そもそも防大の校長に民間人しかなれないと決まっているわけでもないのに、
第二代校長以外は全て学者であるというこの人選はおかしい」

と言っておられました。
学者がいけないのではなく、なぜ元自衛官、防大卒がなれないのか、という話です。
もちろん日本以外の国で、軍人以外が校長になるような士官学校はまずありません。

それもこれも前校長の五百籏頭氏などの金科玉条である「文民統制」の
歪な(と言わせてもらいますよ)呪縛から生じた制度であると思います。

つまり・・・、それこそこの五百籏頭氏の言動に顕著なのですが、極端な話、
こういう思想の人々にとっては、どうやら

「中国の覇権主義による侵略より、北朝鮮が核を撃ち込んでくる確率より、
自衛隊が暴走しクーデターを起こす確率の方が高い」

らしいんですね。
確か福田政権のときに日本は対人地雷の使用を放棄する条約にサインしましたが、
この「隣人の嫌がることはしない」というのが持論の、
要は自分の任期中に波風立てたくないだけが政治信条であった事なかれ主義の
似非平和主義者が、このようなお目出度い調印に踏み切った陰には
他でもないこの五百籏頭が暗躍()していたと言われています。

周辺国のどの国もこんな声明を出していないのに、日本だけがいい子になって(笑)
いざというとき海岸線を護ることになる方法の選択肢のひとつを無くし、
よりいっそう「攻めやすい国に」、つまり国防を一歩また手薄にしてしまったわけです。
先日、

「民主政権のときの観閲を受けた自衛官は気の毒だった」

と書いたのですが、実はこの福田元総理というのは、信条から

自衛隊の栄誉礼を拒否した

とんでもない自衛隊最高指揮官であったことをご存知でしょうか。
嫌々でも形だけでも、とりあえず菅直人は観閲を何度も行っていますし、
野田佳彦も、特に防大の卒業式には非常に真摯な様子で栄誉礼をしたと聴きます。
つまり民主党だから、自民党だから、というより、はっきりいって当人が

どの程度親中であるか

で、その政治家の自衛隊に対する態度が変わってくるのではないかと思うのですが
皆様はいかにお考えでしょうか。


その流れで言うと、元学長の国分氏です。
専攻、中国情勢。
李登輝元総統の来日を阻止しようとしたり、「作る会」の教科書に横やりを入れたり、
客観的に見て

「日本は中国を侵略した悪い国なので謝り続けねばならない」

という主張の五百籏頭氏と似たり寄ったりの人物で、
つまり自衛隊の幹部養成校たる防衛大学校の学長としては
はっきりいって全く相応しくない、と普通の感覚をしている人間なら考えます。


しかし、この人物が校長として訓示をする様子を今まで三度見てきましたが、
とりあえず防大校長としてそんなにおかしなことは言っていない、というか、
むしろ内容は至極ごもっともというかご立派というか、
もし何も知らなければ防大校長として適任なのではないかとつい思ってしまいます(笑)

この日は例の不祥事についての言及が行われました。
防大校長として当然のことでしょう。



続いて防衛大臣小野寺五典挨拶。
やはり防衛省代表として「身内」ですから、不祥事について触れました。
当然のことですね。



MITの先生だったかな。
わたしはこの頃人大杉で追い出されておりましたので
途切れ途切れにしか聴いていませんが、面白い話であったようです。
(コメントによると)
ただ、講義をするのと同じような抑揚でしゃべる方なので、そのせいか
後ろの小野寺大臣が死にそうな顔で眠気と戦っているのが悼ましかったです。 
小野寺さん、あなた疲れているのよ・・。

でもカメラの前で寝るな(笑) 




安倍総理訓示。

この訓示があらばこそわたしはこのエントリを起こす気になりました。

この日からしばらくの間、当ブログのT−33事故を扱った記事、
「流星になった男たち」へのアクセスが集中したのですが、
わたしはこの演説を聞いていたため、なるほどと思いました。
安倍首相の話を聞いてインターネット検索した人がたくさんいたのですね。

訓示の中で明確な単語は出ませんでしたが、明らかに
集団的自衛権について言及する箇所があったため、例によって朝日新聞は、

 「憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認が必要との認識を強調した」

といった部分だけを強調しております。
朝日の記事だけ読んだら、まるで憲法解釈のことばかり大声で言い募っていたように思えます。
少なくともわたしが聴いた限り「強調」はしていなかったですけどね。
まあ、この新聞が自分の報じたいことだけをあの手この手で強調するのは
いつものことですし皆さんももうよくその手口はご存知のことと思いますが。

それでは実際はどんなものであったか、聞き書きしてみましたのでご覧下さい。


<安倍総理大臣 訓示>


本日、伝統ある防衛大学校の卒業式にあたり、
これからの我が国の防衛を担うこととなる諸君に、心からお祝い申し上げます。
 
卒業、おめでとう。

諸君の、誠にりりしく希望に満ちあふれた雄姿に接し、
自衛隊の最高指揮官として心強く、頼もしく思います。

また、学生の教育に尽力されてこられた国分学校長をはじめ教職員の方々に敬意を表します。
日頃から防衛大学校にご理解とご協力をいただいているご来賓、ご家族の皆様には、
心より感謝申し上げます。


本日は、諸君がそれぞれの現場へと巣立つ良い機会ですので、内閣総理大臣、
そして自衛隊の最高指揮官として一言申し上げさせていただきます。

今日は22日。
15年前の11月、中川尋史(ひろふみ)空将補と門屋義広1等空佐が殉職したのは、
22日でありました。
まずは、諸君とともに、お二人のご冥福を心よりお祈りしたいと思います。

突然のトラブルにより、急速に高度を下げるT-33A。
この自衛隊機から、緊急脱出を告げる声が、入間タワーに届きました。

 「ベール・アウト!」

しかし、そこから20秒間。
事故の直前まで二人は脱出せず、機中に残りました。

眼下に広がる狭山市の住宅街。
なんとしてでも住宅街への墜落を避け、入間川の河川敷へ事故機を操縦する。
5千時間を超える飛行経験、それまでの自衛官人生のすべてをかけて、
最後の瞬間まで、国民の命を守ろうとしました。

2人は、まさに命をかけて、自衛隊員としての強い使命感と責任感を、
私たちに示してくれたと思います。

雪中松柏愈青青(せっちゅうのしょうはく、いよいよせいせいたり)という言葉があります。
雪が降り積もる中でも、青々と葉を付け凛とした松の木の佇まい。
そこに重ねて、 いかなる困難に直面しても、強い信念を持って立ち向かう人を称える言葉です 。

もちろんこのような事故は二度とあってはならない。
我々はそのために全力を尽くさねばなりません。
しかし国家の存立に関わる困難な任務に就く諸君は、万が一の事態に直面するかもしれない。

そのときには、全身全霊を捧げて、国民の生命と財産、日本の領空、領海、領土は
断固として守り抜く、その信念を固く持ち続けてほしいと思います。

そのために、どんな風雪にもびくともしないあの松の木のごとく、
諸君にはいかなる厳しい訓練や任務にも耐えていってもらいたいと思います。

厳しい冬の中でも、松の木の青々とした姿は
周囲の見る人たちをおおいに励ましてくれるものであります。
二月の大雪災害において、雪で閉ざされ、孤立した集落の人たちが、
昼夜を分たず救助に当たる自衛隊員の姿に、どれほど勇気づけられたことか。

昨年、豪雨被害を受けた伊豆大島でも、行方不明者の捜索を懸命に続ける自衛隊員の姿は
国民に大きな勇気を与えてくれました。

今ほど自衛隊が国民から信頼され頼りにされている時代は、かつてなかったのではないでしょうか。

諸君にはその自信と誇りを胸に、どんなに困難な現場であっても国民を守る、
という崇高な任務を全うしてほしい。
そして国民に安心を与える存在であってほしいと願います。

常に国民のそばにあって、手堅く存在する雪中の松柏たれ。
諸君にはこう申し上げたいと思います。

自衛隊を頼りにするのはいまや日本だけではありません。
マレーシアでは、行方不明となった航空機の捜索に協力しています。
フィリピンの台風被害では1200人規模の自衛隊員が緊中支援に当たり、
世界中から感謝の声が寄せられました。

ジブチや南スーダンでも、摂氏50度にも及ぶ過酷な環境のもと、
高い士気を保つ自衛隊の姿は、国際的にも高い評価を受けている。
冷戦後の地域紛争の増加、テロによる脅威、変わりゆく世界で現実を常に見つめながら、
自衛隊はPKOやテロ対策など、その役割を大きく広げてきました。

自衛隊の高い能力をもってすれば、もっと世界の平和と安定に貢献できるはず。
世界は諸君に大きく期待しています。

今日この場にはカンボジア、インドネシア、モンゴル、フィリピン大韓民国、
タイそしてベトナムからの留学生諸君がいます。
日本は諸君の母国とも手を携えて、世界の平和と安定に貢献していきたい。
ここでの学びの日々で育まれた深い絆を元に、
諸君には母国と我が国との友情の架け橋になってほしいと願います。


日本を取り巻く現実はいっそう厳しさを増しています。
緊張感の高い現場で、今この瞬間も士気高く任務に当たる自衛隊員の姿は私の誇りであります。

南西の海では、主権に対する挑発も相次いでいます。
北朝鮮による大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威も深刻さを増しています。
日本近海の公海上において、ミサイル防衛のため、
警戒に当たる米国のイージス艦が攻撃を受けるかもしれない。
これは机上の空論ではありません。現実に起こりえる事態です。

そのときに日本は何もできない、ということで本当に良いのか。
戦後68年間に亘る我が国の平和国家の歩みは、これからも決して変わることはありません。
現実から乖離した観念論を振りかざして、これまでの歩みを踏み外すようなことは絶対ない。
我が国の立場は明確です。

しかし、平和国家という言葉を口で唱えるだけで平和が得られるわけでもありません。
もはや現実から目を背け建前論に終始している余裕もありません。

必要なことは、現実に即した具体的な行動論と、そのための法的基盤の整備、それだけです。
私は現実を踏まえて、安全保障政策の立て直しを進めて参ります。


全ては国民と主権を守るため。
諸君におかれてもその高い意思を持って、いかなる現場でも現状に満足することなく
常に高みを目指して能動的に任務に当たってもらいたいと思います。


「唯、至誠を持ちてご奉公を申し上ぐる一事においては
人後に落ちまいと堅き決意を有している」

日露戦争の後、学習院院長に信任された乃木希典陸軍大将は、
軍人に教育などできるのかとの批判にこう答えたといいます。

「どんな任務が与えられても誠実に真心を持って全力を尽くす、
その一点では誰にも絶対に負けない」

その覚悟を持って、諸君にはこれからの幹部自衛官としての歩みを
進めていってもらいたいと思います。

その第一は、何よりも諸君を支えてくれる人たちへの感謝の気持ちです。
乃木大将は常に第一線にあって、兵士たちと苦楽を共にすることを信条としていたといいます。
諸君にも、部下となる自衛隊員たちの気持ちに寄り添える幹部自衛官となってほしい。
同時に諸君を育んで下さったご家族への感謝の気持ちを忘れないでほしいと思います。

今日も、本当に数多くのご家族の皆さんが、諸君の晴れ舞台を見るためにご参列下さっています。
私も最高指揮官として、大切なお子さんを自衛隊に送り出して下さった皆さんに、
この場を借りて心から感謝申し上げたいと思います。
お預かりする以上、しっかりと任務が遂行できるよう万全を期し、
皆さんが誇れるような自衛官に育て上げることをお約束いたします。

最後となりましたが、諸君の今後のご活躍と、防衛大学校のますますの発展を祈念し、
わたくしの訓示といたします。

平成26年、3月22日、内閣総理大臣 安倍晋三。 

 


学生たちが帽子を投げて講堂を走り出て行ってから場面は変わり
続いて観閲式の様子が放映されました。





彼らはそれぞれ陸海空の任官先の制服に着替え、
やはり陸海空に分かれて行進してきました。

陸自は「陸軍分列行進曲」。
海自は「軍艦」。
空自は「空の精鋭」。

空自は昔「ブラビューラ」で行進していましたが、平成になってから変わったそうです。
案外歴史が浅いんですね。
というか、ここだけの話ですが正直つまらないです、この曲。



この安倍首相の訓示を実際に聴いただけではなく、文字に起こし、
文章にしてあらためて思うのですが、この士官候補生に対する訓示には
かつて吉田首相が昭和32年の防衛大学卒業生に行った訓示、

君達は自衛隊在職中決して国民から感謝されたり
歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない
きっと非難とか叱咤ばかりの一生かもしれない

御苦労だと思う

しかし、自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは
外国から攻撃されて国家存亡の時とか災害派遣の時とか
国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ

言葉を換えれば君達が日陰者である時のほうが国民や日本は幸せなのだ
どうか、耐えてもらいたい

この名文に通じる戒めが含まれています。

入間のTー33Aの殉職事故について触れたのは、たとえ平時であってもその訓練中、
自分の命と国民の命をはかりにかけるようなことになったときには、
ためらいもなく「身をもつて」国民の命を選び取るだけの覚悟を説くものであり、
吉田訓示の「 国民が困窮し国家が混乱に直面している時」だけではない、
自衛官に課せられた宿命ともいえる犠牲ー「事に及んでは危険を顧みず」という宣誓文の
表す覚悟にまで踏み込んだ見事な訓示ではなかったでしょうか。

しかも自衛隊員に覚悟を強いるだけではなく、自らの法改正への意気込みを語りました。
いつも思うのですが、いままでの首相のように9条には手をつけないということにすれば
おそらく安倍総理は朝日毎日NHKを筆頭とする左派メディアに「社是」で叩かれることなく、
特定アジアにヒットラーだの軍国主義だのと分かりやすく責める隙を与えることなく、
とにかく尻尾を出さずに過ごせば三年間の任期を乗り切ることができるにもかかわらず、
あえて自分がこの問題に手をつける戦後初めての首相になろうとしているのです。

訓示中にある乃木将軍の言葉

「唯至誠を持ちてご奉公を申し上ぐる一事においては
人後に落ちまいと堅き決意を有している」

これは、新自衛官幹部への餞であるようで、実は
自分の所信表明に対する意気込みだとわたしには感じられました。
(乃木大将の言う『ご奉公』が天皇陛下への言葉であることをあげつらい、
いちいち憲法改正反対と絡めて微に入り細に入りブログで非難している
民主の『一般人恫喝クイズ王』議員がいますが、 気にしないでいいと思います)

 

このような最高指揮官のもと、自衛官としての第一歩を踏み出すことのできた
今年の卒業生はまことに幸いであるとわたしには思えます。

 

この日は晴天で、彼らのこれからを祝福するような空の色が広がっていました。
卒業生の皆さん、そしてご父兄の方々、おめでとうございます。




 

 


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