皆さん、もうご覧になりました?
宮嶋茂樹写真集「国防男子」。
わたしはたった今届いたこの写真集を見たばかり。
いやー眼福です。
この写真集、同じ著者の「国防女子」よりも売れているそうですが、
わかる!そのわけがわたしにはわかるぞ。
写真集「国防男子」これ実は「海上自衛隊限定」です。
「きりしま」「ひゅうが」「しらね」などの護衛艦、
その他飛行隊、捜査隊などからよりすぐった39人。
いずれも2等海曹から上は2等海尉までのぴちぴちの生きのいいクラスで、
旗を振っていたりコクピットに座っていたりという任務中のショットは勿論、
宮嶋カメラマンの趣味らしく護衛艦の甲板でジャンプしているところ、
鍛え上げられた筋肉を誇示するかのような水着でのショット、シャワーシーンや、
私服でのひとときなどの「サービスショット」も満載。
なかでもわたしが驚喜したのは、去年の音楽まつりでヴォーカルを務め、
このブログでも勝手に「海自王子」とあだ名を奉った、
呉音楽隊の道本和生2等海曹がなんと5ページにわたって登場していることです。
いやさすがは不肖宮嶋カメラマン、お目が高い。
わたしはこの人生で誰かの熱烈なファンになったということがありませんし、
また誰かの写真集を買うことなど一生無いと思っていましたが、
この写真集だけは正直、買って良かったと心の底から思いました。
迷っている方、損はしません。すぐAmazonにGO!
あ、これを読み終わってからね。
ところで、おそらく宮嶋カメラマンが「かしま」から選んだとしたら
きっとお眼鏡にかなって写真集を飾ったと思われる冒頭写真の国防男子ですが、
かしま艦上レセプションで
「何か(取って来るものでも)ありましたら」
と声をかけてくれた実習幹部です。
ポーズを取る瞬間にも拳をグーにしているところを見ると、
無意識にそれをやってしまうことがすでに習性となっている防大卒ですか?
「何もお願いすることはありませんので写真撮らせて下さい」
と頼んでモデルになってもらいました。
うむ。激しく爽やかな好青年である。大変よろしい。
もしわたしに娘がいて、彼女がこんなお婿さん候補を連れてきたら、
「でかした娘!」
って日の丸の扇子をうち振ってしまいそう。ってどんな母親だよそれ。
さて、この艦上レセプションでは、何度かお伝えしている通り、
受付をすませた直後から来客をまず艦内までエスコートし、
パーティ会場までアテンドして来てのちまずは飲み物を運び、
「なんでも分からないことがあったらお聴き下さい」
と宣言する、ということまでが決められているようでした。
パーティですからしかしある程度お話ししたら折りをみて前を辞し、
長時間話し込まないようにというのも指導されている様子。
さて、わたしたちはこの日、4人の実習幹部とご縁がありました。
冒頭の国防男子はレセプション終わり頃写真を撮っただけでしたが、
後三人はこちらからも積極的にお話を聞かせて頂きました。
(わたし的には『取材』ですね)
最初にエスコートしてくれた実習幹部アルファーくん。
「何かお手伝いできることはありますか」と声をかけてきたブラボーくん。
女子の話も聴いておこうとこちらから声掛けした国防女子ズールーさん。
・・・・・女子にズールーはないかな。
だいたいなんでいきなりZに飛ぶんだよ。
んじゃ自衛隊のJでジュリエットさんにしますか。
別に選んだわけではないですが、この三人は奇しくも
アルファ=防大卒3尉
ブラボー=一般大卒2尉
ジュリエット=一般大卒3尉、女子
という、願ってもないサンプルとなりました。
●アルファ3尉の場合
「何か質問がありましたら何でも聴いて下さい!」
レセプション会場でわたしたちのためにウーロン茶を取ってきてくれ、
わたしながら彼は爽やかにこういいました。
何でも、と来たか。
それでは遠慮なく聞いてしまいましょう。
「どうして海上自衛隊を選んだんですか」
「私は(自衛官は主語をはっきり言う人が多い)元々陸自志望でした」
なにっ!陸自ってもしかして・・・。
A「第一空挺団です」
E「おお!わたしは降下始めの常連なんですよ!」(2回行っただけだけど)
T「この間も空挺団のDVD見てましたよ」
A「え・・・そうなんですか」(ちょっと引いてる様子)
E「・・・ということは・・・体力運動能力に自信があるんですね」
A「はい。(あっさりと)交友会活動ではテニスをやっていまして」
E「ああ、そういう(スマートな)イメージありますね!」(はしゃぐな)
A「そうですか? (〃'∇'〃)ゝ実は全国大会でもいいところまで・・・」
E「すごーい!」(はしゃぐな)
A「防大では全ての生徒に運動部の加入が義務づけられているんです」
E「文化部をしたかったら掛け持ちしないといけないんですってね」
A「ええ・・・・それで第一空挺団に憧れていたんですが、
進路を決めるときになってある日、ふと思ったんです。
第一空挺団に入ってもいったい
どこに降りるの?って。
今の日本に訓練以外で降りる場所はないと思ったんです」
第一空挺団は陸自の花形だし、ただでさえ体力に自信がある「エリート」が
さらに苦難の果てに勝ち取る「レンジャー」という栄光を目指す、という
自衛官としての生き方も勿論あります。
(空挺レンジャーについてエントリ書いたのでちょっと予告編)
しかし彼の場合「自衛官としてのレーゾンデートル」は
そういったある意味「精神主義的或いは観念としての防衛」にではなく、
もっとプラクティカルな、端的に言うと
「明日、中国の侵略から尖閣を護る」
といった即応性のうえに、より求められたのではないかと思われます。
空挺部隊がプラクティカルでない、というのは日本が
「専守防衛」を旗印にしている限り、現実には投入される場所がない、
という考え方もあるでしょうしね。
自衛隊では旧軍歌の「外国に行く」=「派兵する」と感じる歌詞すら御法度です。
つまり自衛隊が「この国でしか戦わない」と言明している限り、彼の言うように
「落下傘で空挺をすることなど万が一にも起こり得ない」
という考え方もあります。
勿論空挺はそれ自体が陸自的精神の象徴のような部分がありますし、
この特殊な訓練をこなす集団は、あらゆる想定外の状況にも耐える
屈強な兵力を維持するという意味での存在意義もあります。
そして自衛官としてそこに自分の目標を求める者もいるわけです。
しかしアルファー3尉の場合、彼は海自に入隊することによって
あくまでも「防衛の第一線」に立とうと思ったのです。
「日本の防衛はまず海なんですよ。だって海に囲まれているんですから」
●ブラボー2尉の場合
彼が話しかけてきてくれたとき、実はわたしとTOの間では
こんな会話がしきりに交わされていました。
T「うーん・・・いいねえ、『国防男子』。
どこにいるのかと思ったらここにいい男がたくさんいたかって感じ」
その気(け)もないのになにを盛り上がっているのだTO。
T「よく婚活本人や周りの人から『いい人があったら紹介して下さい』
って頼まれたり聞かれたりするんだけど、彼らなら身元も確かだし
訓練されているし職業選択の理由だってお婿さん候補としては申し分ないよね」
あ、そっちの話でしたか。
特にそれまで話していたアルファー3尉を彼はすっかり気に入ったようです。
(預かり婚活のお婿さん候補としてです)
そのとき飛んで火に入る夏の虫、声をかけてきたブラボー2尉に、我々は
「婚活対象としての自衛官」
として次々と質問をしまくりました。
ブラボー2尉、きっと困惑したと思います(笑)
T「結婚相手は皆さんどうやって見つけているんですか」
B「出会いが少ないですから、学生時代の相手と結婚する人が多いです」
T「独身の自衛官はどうやっているの?」
B「やっぱり知人の紹介が多いですね」
T「もし自衛官と合コンをしたかったら、誰に言えばいいの?」
B「?????????」
わたしはこのとき内心みね姉さん主宰の
「自衛官とのゆるやかな会」
をTOに教えてあげるべきかと内心思ったのですが、
このブログの存在を秘密にしている関係上、取りあえず黙っていました(笑)
T「もし自衛官限定で合コン企画したら来てくれるのかな」
B「そういうのに出てる人もいますね」
E「最近自衛官限定の合コンは大人気らしいですね。
特に先日テレビ番組で放映されてからは・・」
B「ああ!ナインティナインのですね!」
E「えー・・(見てないので知らない)そうだったですかね。
ああいう合コンに行かれたことってありますか」
B「私はないです」
ブラボー2尉は24歳、まだ若いせいか、結婚については
全く、とは言いませんがあまり現実味を持っていない様子です。
それに彼は防大ではなく一般大卒なのでその辺りも
どちらかというとイージーモードで考えているようにも見えました。
「どうして自衛官になろうと思ったんですか」
お約束の質問。
「一般大卒ですので普通に就職活動をした結果です」
ほお。
「3菱商事と●紅も受けたけど、官公庁に受かったので公務員になりました」
というのと同じ感覚ですかね。
で、ブラボー2尉は何の役職なの?
「幕僚です」
幕僚というのは指揮官を補佐する、昔で言う参謀のような役職です。
その任務によって
監理・情報・保全・作戦・運用・訓練・砲術・対潜・潜水艦
船務・掃海・武器体系・航空・後方・機関・整備・補給・技術
通信(電子)・気象・研究(開発)・企画・計画・安全・当直
などの各幕僚があります。
いまだに略語はカタカナの「サ」で部内の通信を行いますが、
これは旧陸海軍で参謀の「サ」が略語だったことの名残なのだそうです。
ブラボー2尉が職業選択の結果自衛官になった動機というのはやはり
「国を護る仕事をしたい」
と思ったことが直接の原因だそうです。
そして海自を選んだ理由はやはりアルファ−3尉と全く同じ、
「日本は海に囲まれているから」
というものでした。
一般大から自衛幹部になる自衛官の数は最近激増しているようです。
就職戦線が厳しいことも勿論あるでしょうが、やはり
「国防も職業の一つの選択」
という風に考える若者がそれだけ増えたということでもあります。
昔は兵学校卒と学徒士官の間には歴然と身分の違いがあっただけでなく
主に兵学校側からの「いじめ」などもあったと聞きますが、
現代の海軍である海上自衛隊にはそのようなことは起こり得ません。
一般大卒も防大卒も、幹部候補生学校では同じ訓練をします。
B「防大では出来て当たり前のことでも、私たちには初めてのことも多く、
最初はついて行くのが大変でした。
そのうちできるようになりますが、できないことがかえって私の場合は
負けないぞというモチベーションもなりましたし」
”海上自衛隊幹部候補生学校 海の最前線
将来の指揮官たちの スパルタ教育”
これを見て頂くと分かりますが、最初は行進すら合わないみたいです。
しかし「必死でしがみついて来る彼ら」を防大卒は
「彼らの吸収力は半端ないので、共に戦う戦友としては頼もしい限り」
などと評しているんですね。
美しい・・・・(T_T)
ところで、実際の自衛官の婚活状況ですが、一般企業などと違って
独身では出世できないなどということがないため、
「何が何でも結婚」という風には思わないせいで独身のまま
結構な年齢になってしまう自衛官も結構あるようです。
どんな相手が多いかというと、当事者の発言によると
部内か看護士や飲み屋のお姐さんが殆ど、残りは保険屋
看護士が多いというのは聞いていたけど本当みたいですね。
しかしこのメンバーを見ると
「自衛官が普段の生活で接触する可能性のある職業」
ばかりであることが分かります。
「飲み屋のお姐さん」が悪いとは言いませんが、問題はそういう自衛官を狙って
立ち寄る飲み屋にわざわざ送り込まれているらしいスパイ、あるいは
スパイ予備軍の中国人女性もいるらしいことです。
少し前に問題になっていましたが、中国人や韓国人と結婚している自衛官が多い、
というのは
「いかがなものか」
と思いますし、危機感すら覚えます。
ですから昨今の「自衛官との婚活ブーム」はその点からも歓迎されるべき事象ですし、
しかもわたしの考えでは決してブームではなく、一つの確定した流れだと思います。
一般大から自衛官を「選択」するように、自衛官も
「身元が確かで将来の安定した職業」
として世間に認知されつつあるということなので、これから自衛官になる方、
嫁探しに関しては安心してもいいんじゃないでしょうか。
ブラボー2尉によると、海自の場合「2年おきに転勤」は確実で、一般的には
それを嫌がる女性は多く、それが今までは自衛官が敬遠される理由でもあったのですが、
現にTOの「預かり物件」であるお嬢さん(銀行員)などは
「どこの転勤でも大丈夫です!喜んでついて行きます!」
というくらい熱心でいらっしゃいます。
まあなんだ、時代は変わったってことなんでしょうね。
●ジュリエット3尉の場合
食べ物を取っている彼女にテーブル越しに話しかけ、
テーブルを挟んだまま(笑)お話しさせて頂きました。
E「防大卒ですか」
J「一般大です」
E「なぜ自衛隊に?」
この質問はいわば「お約束」なのですが、答えは皆同じ
「国防の仕事に就きたかったからです」
でした。
たしかに自衛隊は公務員で将来が安定していますが、
それが一番の動機ということはあまりないと思われます。
他にも公務員の仕事はいろいろあるわけですし、それが動機なら
何も「生命の危険を顧みず」と宣誓させられるような職場を
選ぶこともないわけですから。
そして彼女の場合はこんな明確な目標がありました。
J「パイロットになりたいと思ったんです」
E「固定翼ですか、回転翼ですか」
この2行、どちらも女性の会話ですので念のため。
J「固定翼です。
本当は救命飛行艇(US−2)に行きたかったのですが、
あれは男性ですら過酷で、女性はなれないことがわかりました」
E「じゃ戦闘機」
J「海上自衛隊は戦闘機を所有していません」
はい、そうですね(笑)
そもそも海自には空母がないわけですしね。
わかっていたけどちょっと聞いてみたの。
女は乗せない戦闘機というのは自衛隊でも生きていて、
もちろんこれはパイロットにはさせないという規則なんだけど、
これは職業差別でも性差別でもなく「子供を産む」という機能を持つ
女性の体に配慮した「区別」なんですよね。
E「やっぱり結婚の時期のことなど考えますか」
J「考えますね。女性の場合やはり子供を産む時期がありますから」
男子も結婚相手を見つける場所がないため合コンなどが行われるわけですが、
女子はもし同僚のお相手を見つけられなければもっと大変かもしれません。
ただ、「国防男子」「国防女子」の好調な売れ行き等を見ても、今まで
「自衛隊嫌い」のノイジーマイノリティに不当に貶められてきた自衛官たちが
「普通の職場の優良な婚活対象」であるという認識が一般的になってきた気がします。
婚活市場での評価が上がる→より一層優秀な人材が集まる
→組織が精強になる→日本が安心して住める国になる→
より国防男子(女子も)が評価される
といいスパイラルになっていきそうではないですか。
ゆえにこの傾向をわたしは国民の一人としてたいへん歓迎しています。
続く・・・・と思う。