列席の関係者、招待客、家族に対し、練習艦隊司令官と艦長たちが
前にきて挨拶を 済ませました。
家族に挨拶をする練習艦隊司令官湯浅海将補。
いつも微笑んでいるかに見える温厚な顔をしておられます。
ちなみに左後ろに影のように佇んでいるのが海将補の副官。
副官は昔から必ず飾緒をつけることになっています。
陸自の副官も自衛隊になってからは飾り緒付きですが、昔
陸軍の副官はたすきをかけていました。
埠頭が見渡せるビルのデッキには、超望遠レンズを持った人などが
ぼちぼち集まり始めています、
ブルーの旗は裏返っていて字が読めませんが、桜のマークであることから
自衛隊の家族会の関係団体の旗かなと思ったり。
このブログ的には大変おなじみ(笑)、元海幕長。
「なんでこのひとが家族席にいるんだろう」
と思われそうだったのでこの日はご挨拶は控えさせて頂きました。
陸海空と綺麗に並んでおります。
この陸海空トリオは、左から陸将補、空将補、海将。
でも、挨拶をしたあとは話題もないのかご覧の通り。
時間つぶしに携帯メールを見るのも、人目を気にして手の中に隠さねばならない、
というのも偉い人たちの辛いところです。
陸空幕長は向こうの方に海幕長と一緒にいますから、
ここは「ナンバーツー」のお席なのかもしれません。
かしま艦上での出航準備の様子も抜かりなく点検。
ロープを決められた結び方で等間隔に下げています。
「かしま」始め練習艦隊の自衛艦はこの安全柵のような白い幕を張っていましたが、
これは遠洋航海に行く船だけのもので、普通の護衛艦にはありません。
旧海軍でも、太平洋戦争開戦前はこの白幕があるのですが、開戦後には外されています。
というコメントをまさに昨日いただきその正体が判明しました。
遠洋航海に行く船になぜ白い幕を張るのか。
これは寄港地のある各国に対する表敬の印であるとか、
あるいはフネの「盛装」であると考えればいいのかな?
ここに実習幹部を始めとする乗組員たちが整列します。
家族用観覧席にはもう人がいっぱい。
テントの下に入りきれなかった人もたくさんいて、傘で強い日差しを防ぐ人も。
貴重な家族席の一つを先取りしてすみません、と心の中で恐縮し続けるわたし。
後甲板には見た目も清々しい純白の集団が集まって、
式典広場に入る時間を待っています。
若者の集団というのはどうしてこう見ていて清々しいのでしょうか。
初々しい背広姿のフレッシュマンの集団を見てもいつも思うのですが、
若さそのものが「美」であるため一人一人の美醜などは全く問題にならなくなります。
そのとき、アナウンスに続いて音楽隊長のタクトが一閃、
実習幹部全員と各艦乗組員たちが入場してきました。
このときの最初の音楽、何だったと思います?
「愛国行進曲」の行進曲アレンジです。
海上自衛隊東京音楽隊 Tokyo Band 「愛国行進曲」
この東京音楽隊が兵学校75期の方々の前で演奏している映像、
指揮しているのは間違いなく河邊一彦一佐だと思われます。
兵学校卒の懇親会で演奏されるのはよくわかりますが、こういう曲が
今現在の自衛隊の行事で正式に演奏されているとは驚きました。
「しれっと旧軍時代の慣習を復活」
とマナー教室のときにも書きましたが、こういう曲っておそらく戦前から
「こういうときにはこの曲」
と決められているのをその通りに演奏しているんでしょうね。
「軍歌演奏してるじゃないカー!」
などと火病を起こす人たちは絶対にここには来ないという前提で。
さらにこのあと、かしま艦上の音楽隊が演奏した「ある曲」をきいて、わたしは
海自は旧軍からの慣習に従った選曲をしているに違いないと確信することになります。
実習幹部たちは手前から順番に行進してきて並んでいきます。
水兵さんたちも行進。
白の水兵服は本当に清々しいですね。
「三択でしょ?まず、目が悪いからパイロットは無理で、
陸は砂の入ったご飯はイヤでお風呂に毎日入れないのがイヤだから、海自」
こういう理由で海自を選んだ幹部も、海自には一人ならずいるでしょう(笑)
これはみね姉さんのお知り合いの話だそうですが、まずこの隊員には、
空自のパイロットの隊員全体数に対するパーセンテージを知っての発言か?
とか、
海自でも潜水艦は毎日入浴などとんでもないが?
とか、
陸自の砂入りご飯は・・・・まあそれはわからないでもないけど(笑)
とにかく
自衛隊の中の人でもこんな凄まじいイメージで自分の進路を決めるもんなんだなあ、
と思ってしまうのですがそれはともかく、
「目が悪いので」
というのが理由の人は案外多いのかもしれない、と思ったのがこの写真。
たまたまかもしれませんが、画面中眼鏡着用率非常に高し。
しかし自衛隊の任務そのものが職業自体非常に多岐にわたるものですし、
とくにこれからは「電子戦」に人材が投入されるでしょう。
「パソコンに一日向かうのが任務」という自衛官だっていくらでもいるわけです。
「眼鏡だから」「綺麗好きだから」(笑)という理由で陸海空を選ぶのは
もしかしたら職種について知らなすぎる、というものかもしれません。
もっとも、冒頭の幹部の言ったという理由は一般人対象の軽口というか、
単なる受け狙いの「営業トーク」にすぎないのかもしれませんけど。
全員が整列し終わったところで練習艦隊司令部の面々あらためて入場。
一番後ろを歩いて来るのは海将補の副官ですが、このような場合、
かならず副官も一緒に行進して来るものなんですね。
艦長三人の後ろに付いてきたこの一佐は行進が終わり
司令部が定位置についたあとは幹部たちの右前列に立ちました。
飾緒をつけているこの1佐は、おそらくですが練習艦隊の遠洋練習航海中、
日本国外において渉外事務を行うために必要のある場合に飾緒を着用する、
最先任の幕僚ではないかと思われます。
(この方の紹介もされたのですが残念ながら聴きそびれました)
司令官である湯浅海将補の後ろに並ぶ
三つの練習艦の艦長たち。
こういう待機のときの姿勢は手は後ろです。
全体的に真っ白の集団ですが、やはり人によって制服の仕立ては色々らしく、
こうして見ると布地の放つ色味は全く違いますし、
正帽の金色、前章の模様も全く違うのがよくわかります。
たとえばこの自衛官の集団なのですが、何人か異常に黄色っぽい制服で
かえって目立っているのがお分かりでしょうか。
どちらかというと青みがかった白がほとんどの全体で、
この生成りの制服ははっきり言ってあまり綺麗に見えませんでした。
制服の色について書いたとき
「わたしはパーソナルカラーで黄味がかった白が似合うから、
きっと夏服を仕立てるならそんな色にするだろう」
などと書いたのですが、この歴然たる光景を目にしてからは考えが変わりました。
自分にたとえ似合わなくとも、自衛隊の一種夏服は
「氷河のように冴えわたったような青みがかった白」
が ベストだし、きっとわたしもそれを選ぶと思います。
来賓席には政治家席の向こうに在日武官の席がありました。
ニュージーランドの武官に挨拶するタイ在日武官。
手前に元海将がおられることから、こちらは「元海将組」でしょう。
向こう側の「冴え渡る白集団」は「現海将組」です。
つまり関係者席ですが、家族用テントの下に収まりきらなかった家族が
こちらの方にも出張してきているようです。
こうやって皆が待っている中、黒塗りの車が横付けされました。
そこから観閲官である若宮防衛大臣政務官が降りてきます。
もうわたし、この方をあちらこちらの自衛隊行事でお見かけしていて、
すっかりおなじみという気さえいたします。
防衛大臣政務官というのは昔政務次官であったポジションです。
小泉内閣時代の防衛政務次官であった西村真悟氏は、
「 核武装の是非について、国会で議論しよう」
といって辞任に追い込まれたという経緯がありました。
野党と左派が大騒ぎしたのも記憶に新しいところですが、それでは皆さん、
民主党時代の防衛政務官が誰だったか記憶にありますか?
野田内閣のときの政務官であった下条みつ(男です)という人物は、
東電からの政治資金の不明問題、そして在日韓国人団体の民団からの献金問題、
そして秘書へのパワハラ、耐震偽装していない企業への悪質な印象操作、
幽霊サポーターのねつ造など不祥事の総合デパートみたいな、
まあ民主党としては平均的かもしれない政務官だったわけですが、
マスコミは西村議員のときほどこれらのことを報じませんでしたから、
下条某の不祥事をおそらくご存じない方も多いのではないでしょうか。
そして恐るべきことに、こんな人物でもその任に就いている間は
このような行事に政務官として出席したはずなのです。
民主党の帰化議員が先日の艦上レセプションに来ていたという話を書いたとき、
コメント欄でみね姉さんが
「かしまが汚れる!」
とまで書いていましたが(ヘタレのわたしは普段ここまで言えないので正直羨ましい)、
こんな人物に練習艦隊の出航行事の、たとえば栄誉礼を行っていたなんて、
それこそ海自の神聖な儀式が「汚された」と今更にして思わずにはいられません。
「民主党じゃなくて良かった」
は、特にこの下条とか言うとんでもない政務官を戴いていたころは
シャレにならんくらい関係者の総意であったということになります。
ちなみにこの人物は2012年の選挙で敗れ、無職となりました(笑)
話がそれましたが、とにかく安倍政権になってから、自衛隊行事にも
マトモな政治家が式典に参加するようになり、自衛隊員、というかむしろ、
自衛隊員の家族たちの随分精神衛生状態はかなりよくなったのではないかと
わたしはこの若宮政務官を見るたびに思っています。
それでも、こんな議員も来ているんですよね。
前列右から4番目、誰だと思います?
菅内閣で文科大臣を務めた高木義明。
文科省時代に最も熱心にやったのが朝鮮学校無償化で、それも当然、
日韓議員連盟、日韓トンネル研究会、北京オリンピックを支援する議員の会所属。
勿論外国人参政権の導入にも熱心な、つまり
THE BY COCK DO (ザ・売国奴)
というタイプでいらっしゃいます。
なぜいるの?ここに。
何か?
この間の帰化議員といい、自衛隊行事には野党を一人必ず
招待しないといけないというきまりでもあるのか?
・・・・いやたぶん実際各党に招待状を出すことが決まっているんでしょう。
絶対に来ない共産党にも一応出すだけは出しているのかもしれません。
で、民主代表でこの元文科大臣が来たということみたいですが、
みね姉さんじゃないけど、ヘタレのわたしも言わせてもらう。
練習艦隊出港式典が汚れる!
壇上に立つ観閲官の若宮防衛政務官に対し総員敬礼。
テントの下の海将たちも勿論敬礼。
現在海将は海幕長も入れて16人いますが、このテントには7人しかいません。
地方総監などは出席が不可能なので、首都圏に在任している海将たちです。
そして右側の元海将たちは当然ですがもう敬礼をすることはありません。
すでに自衛官で無くなった者はどんな気持ちで現役の敬礼を見るのでしょうか。
そういえば海将ズは座っているときも膝の上で手を拳に握っていましたが、
真ん中の赤☆氏にうっすらその傾向が見えるものの、他の人たちは
「普通の人の座り方」です。
現役から離れると、立ち居振る舞いも「普通の人」になるものなのかもしれません。
音楽隊の指揮者が楽隊の方ではなく観閲官の方を見て
タクトを振っています。
「巡閲の譜」の演奏が始まったのです。
巡閲の譜が奏楽されている間、観閲官は儀仗隊の列の間を歩きます。
儀仗隊の観閲を以て部隊全部の観閲とするわけです。
さて、巡閲が終わりました。
海曹が地面に白いロープを置きます。
何にするのでしょう。
同じ海曹に先導されて報道陣が前に進みます。
つまりこの線は「報道陣、この線から出たらアウト」という印です。
しかし・・・・10人くらい?
何とも小規模の報道陣ですねえ(笑)
練習艦隊の出港式などはどこもニュースや記事にしませんか。
このうち二人くらいは朝雲新聞の記者だろうし。
若宮政務官挨拶。
はっきりと「尖閣」とこのときも壮行の辞に盛り込まれていました。
式典の様子を記録に収める自衛隊の写真隊。
カメラはなんと三台肩から下げています。
このあと石原某という政治家の挨拶があって(石原伸晃じゃありません)
河野海幕長の壮行の辞がありました。
政治家の挨拶は紋切り型と云うか、まあ普通にありがちなものでしたが、
海幕長の訓示はちょっと面白いと思いました。
「海は時化るときもあれば穏やかな表情を見せるときもある。
大きな艦艇もゆうゆうたる海に浮かべば点のような存在である。
諸君はそうした自然の懐の中で技術を磨き、同期の絆をさらに深めるとともに
世界各地で活躍している強く逞しい先輩たちのように、
困難に立ち向かう気概や忍耐力は勿論、
帝国海軍以来の伝統であるユーモアのセンスを備えた
帝国海軍以来の伝統であるユーモアのセンスを備えた
帝国海軍以来の伝統であるユーモアのセンスを備えた
(大事なことなので3回書きました。海幕長は勿論1回しか言ってません)
自由闊達な精神も身につけてもらいたい。
また乗組員諸君は一人一人が教官であるとの気概を持ち
湯浅司令官のもと一致団結して将来の幹部を育てる任務に邁進すると主に
それを通じて自己の術科技量の向上に努めてもらいたい。
我が国を取り巻く情勢に鑑れば海上自衛隊が果たす責務はますます大きくなっており、
実習幹部、乗組員諸君はこれらの情勢を十分認識した上で世界に身を置き、
各国の安全保障の現状や取り組みについても直接肌身で感じてきてもらいたい。
最後に遠洋練習航海部隊の壮途を祝うと共に、
諸君の健康と安全なる航海を祈念して壮行の辞とする。
「帝国海軍以来のユーモアのセンス」って・・・。
これ、「女王陛下のキス」を念頭に置いて言ってらっしゃいますね海幕長?
(2000年度の遠洋航海時、かしまに起こった衝突事故でした)
やはりあの件は帝国海軍譲りのセンスだと認識されてるってことでよろしいでしょうか。
続く