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佐世保探訪〜セイルタワー見学

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さて、護衛艦「あさぎり」の乗組員のさわやかな敬礼に送られて
(実は写真を撮るために無理矢理敬礼させたんですけど)
わたしは岸壁を後にしました。



さすがは元軍港佐世保。
自衛隊の基地も余った土地をふんだんに使えると見えて、
隊員の厚生棟ビルはわざわざこんな見晴らしのいい高台に建っております。

屋上に自衛艦旗が翻っておりますが、これもまた朝8時に掲揚し、
日没と共に「君が代」の喇叭譜に合わせて降納するのでありましょう。
そのとき、このビルの屋上から見る佐夕日はどのように美しいことか。

この1階には一般の人も利用できる売店があります。
見学の後はぜひ立ち寄ってお土産をどうぞ、とどこかに書いてあったので、
記念品を買うために行ってみることにしました。



写真を撮ってもいいのかな、と少し迷いましたが、
何も言われなかったのでたぶん大丈夫でしょう。
(セイルタワーの売店は写真撮影禁止になっていました。
ネタにするため撮るだけとって買わない人が多いのに業を煮やしたのかも)

それにしても、誰が買うのか。

「鬼監督」「鬼会長」「鬼船長」「鬼艦長」

の「鬼」シリーズ。
これは・・・あれだな。
乗組員一同が艦長にプレゼントしたりするためにあるのかもしれない。

さらにわからないのが

「副会長」「副団長」「副艦長」「副隊長」「副船長」「副監督」

の「副」シリーズ。
だいたい「副艦長」という役職が自衛隊にはあるのか。
「鬼」ならまだ体を張ったギャグで着用する人もいるのかもしれないけど、
「副」は謎だわ。 

でも、ここにあるってことは需要もあるってことなんだろうし・・。



「熊本に海自の基地はないからくまモンの海自バージョンは無い」

とカレーグランプリのときにコメント欄で断言されていた通り、
陸自バージョンのくまモンがここ海自基地でも売られております。
迷彩柄のくまモンバンダナがちょっとオシャレ。

どう転んでもわたしにはこういうの似合わないので買いませんが。



自衛官対象の厚生施設ですから(あやうく更生施設って書くところだった(; ̄ー ̄A )
制服やネクタイなど一切合切売っています。
マネキンがかぶっているのはヘルメットの下に付けるクッション。
かぶり心地を少しでも良くしようとする隊員向け。

ガラスケースの中に黒字に金の自衛艦旗模様のパッチがあるけど
これは何のためのものなんでしょうか。
これかっこいいなあ。次に見たら買おうっと。(何に使うんだ)




買い物を済ませ厚生棟を出ようとしてポスターに気づきました。
省エネ啓蒙、飲酒運転の危険を説くもの、さわぎりカレーが発売されたというお知らせ、
(これ、買って帰りたかったけど、どこに売っているのか分かりませんでした)

そのなかに・・・・・・。

「あなた 見られてますよ」


双眼鏡を覗く自衛官にあなたは今見られていますよ、って?


自衛艦の使用双眼鏡はかなりの高倍率。
見張り任務の際、偶然人のうちの中とか、特にシャワー中の女性とかが見えたら、
ついつい目を凝らして見てしまうのが男性の性。
いや、もしかしたら女性だって好奇心で見てしまうかもしれない。
だからといって覗きは犯罪よ、ってことなのですが、
見られている人に呼びかけてもしょうがないのではないかと思うがどうか。




と相変わらず細かいことを気にしながら外に出ようとすると、
本日休業の理容室に貼られていたポスターが目につきました。

「白髪ぼかし」。

ほおお、たった4分で・・・。
たった4分でシャンプーしても落ちない色に染めるんだ。大丈夫か。
(いろんな意味で)

写真の人はとりあえずあごひげも同じようにぼかしてもらった方がいいと思う。




建物の前のパーキングスペースに停まっていた公用車。
ちゃんと錨のワンポイントが付いているのがさすが海自。
車両ナンバーがなんだか一般のものとは違うような。
確か道交法ではナンバープレートは後ろだけちゃんと付ければいいらしいので、
もしかしたら後ろ側のプレートは一般道用なのかもしれません。

さて、見学も買い物も終わりゲートに向かったのですが、
わたしはこの場をお借りして、倉島岸壁で当日受付にいた自衛官の皆さんに
心から謝りたいことがございます。

わたしが現地に着いたのはたしか10時頃だったかと思います。
写真を撮りながらちんたら歩いて行って、さんざん時間をかけて「あさぎり」を見学し、
そのあと厚生棟であれやこれやと品物を見てお買い物もし、
タクシー会社に配車の手配をするなどしているうちに、
ゲートに着いたとき時間は12時10分になっていました。

そこで初めて、「あれ、これもしかしてわたしを待っていたの?」
と、自分が時間に遅れたことに気づいた次第です。

後からよくよく案内を読むと、「時間内に退出して下さい」と書いてある・・・。

貴重なお昼休みを10分も奪ってしまってすみませんでした。
これから気をつけます。



さて、行きに乗った「ハッピータクシー」をゲートのところまで呼んで、
次は、セイルタワーです。



セイルタワー到着。
って言っても今日来るのは訳あって二度目なんですけどね。

ここは昔佐世保の水交社があったところだそうです。
水交社は明治31年(1981)ここに移転してきました。
海軍士官の懇談、外国士官の接待、及び艦隊乗組士官の宿泊等のための施設で、
当時は三階建ての洋館だったということです。

この写真に見える1階、2階の部分は、当時の建物を一部利用しています。
丸の内や横浜、神戸にも見られる

「当時の趣を残しつつ上に高層ビルを積む」

というあの方式を採用しているんですね。
古いものを遺したい、しかし老朽化したので建てかえなくてはいえない、
そんな願いを一挙に叶える大岡裁きのような建築法です。


水交社の建物は戦後アメリカ軍に接収されていましたが、返還後、
海軍、海自に関する資料を集めた資料館となりました。

ここは・・・・すごかったですよ。

7階建ての建物全てが展示で、今まで行った海軍・海自関係の資料館では
文句無しに最も充実の内容だと断言します。
興味のある方なら丁寧に見て行けば、まる一日過ごせるところです。

「セイルタワーまで」

と告げると、タクシーの運転手さんは

「その後はどうするんですか」
「?」
「せいぜい1時間もあれば見られますから後は観光すればいいですよ」

そして佐世保の見所について懇切丁寧に教えて下さったのですが、
わたしはそれを聞きながら心の中で力強く
いや、わたしはおそらく待ち合わせ時間までの4時間、
たっぷりここにいると思います、と反論していました。

そして、その通りになりました(笑)

それほどここの資料は凄かったのです。


それにしてもこのセイルタワー前面の写真ですがね。
重箱の隅をつつくようだけど、海軍海自の資料館だというのに、
どうしてここには日本の国旗しか掲揚されていないのか。

なぜ旭日軍艦旗が揚げられていないのか。

もしこれがわたしの最も憂慮するところの

「中国人韓国人観光客並び左翼への要らん配慮」

の結果そのようになっているのだとしたら、即刻明日から
旭日旗を高々と揚げていただきたい。

海軍の、そして海自の歴史を紹介する施設だというのに
旭日旗を揚げないとは一体どういうつもりなのか。



と相変わらずこういうことには厳しいエリス中尉です。
これを右翼と云うならいくらでもそう呼んでくれ。
世界ではこれが中道であり常識でもあります。
現存する軍の資料館でもあるのにその軍旗を揚げないなんて国がどこにありますか。


それにしても昔の建物は風格がありますね。
おそらく昔はここは車付けになっていたはず。
今は車いす用のスロープが付けられています。



「セイルタワー」というのは建物の形状(ガラスが波を表しているらしい)
から来た愛称で、正式名称は

「海上自衛隊佐世保資料館」

といいます。
つまりここは防衛省の組織が運営しているんですよね?

しつこいようだけど、誰かここに自衛艦旗を揚げられない理由をご存知ですか?



と思ったらここにあった(笑)

うーん、なぜ外に掲揚しないんだろうなあ。

ここは館内で唯一写真を撮ってもいい場所で、
舵輪と時鐘と海軍旗が置かれ、海自の制服を着て写真が撮れます。

つまり・・・・写真撮影のためにこの旗はここにある、と・・・・。(♯)



入館料は無料。
あのレンホーの行政刷新会議、いわゆる「事業仕分け」の後、
朝霞の「りっくんランド」もその毒牙にかかったことを説明したことがありますが、
このセイルタワーも他ならぬレンホーの指導により、入場料を取るように指導され、
実験的に大人400円、子供200円の入場料が設定されたのだそうです。

その後、入場者が激減したため、3ヶ月でそれは廃止になりました。
そうなることは最初から火を見るより明らかなのに。


だいたい歴史資料館なんてものはどんなに努力しようが

「ディズニーランドのようにリピーターが後を絶たない」(by仕分け人)

というような賑わいを見せるようなものではないことくらいわからんのか。


と、あの帰化議員の話になると血圧が上がってしまうエリス中尉。
超低血圧なので(上が100あるかないか)多少上がった方がいいんですけどね。
それはともかく、この日も日曜でしたが館内は静かなものでした。

何人かでわいわいやっているかと思うとそれは日本人じゃなかったり。
中国人のグループ、韓国人の家族、そしてなぜかインド人がいました。

ちなみにわたしはこのインド人に声をかけられ展示物についての質問をされましたが、
それはもしわたしがこのブログをやっているような人間でなければ
答えることが出来ないような、ある意味ディープな内容でした。

聞かれた内容は時間が経ってすっかり忘れてしまいましたが(; ̄ー ̄A 


展示はたとえば一部屋がまるまる旧海軍の軍服や装備だったり、
先日お話ししたm深川製磁製の聯合艦隊用食器セットを並べていたり、
遺墨や遺書あり、写真、パネル、模型、音声やゲームなどで、
完璧に海軍と海自について、そしてそれらが係ってきた歴史を知ることが出来ます。

一番上の階は映画館になっており、エンドレスで二本の映画をやっていて、
それを見て予習をしてから見学を開始するという仕組みになっています。

映画のうち一本は、三宅由佳莉3曹のデビューの頃の映像が見られました。



ところで、映画を見終わって6階に下りてきたとき、
(観覧者はまず7階に上がって、階段を下りて行くきまり)
わたしに声をかけるおじさんがいました。
なんと、さっき倉島岸壁からここまで乗ってきたタクシーの運転手です。

「シートに忘れていたので持ってきました」

彼が手にしているのはわたしの帽子ではありませんか。
なんと、客の忘れ物をわざわざ届けてくれたのみならず、
エレベーターで上がってきてわたしを探し出し渡してくれたのです。

「わざわざここまで持ってきて下さったんですか・・・・」

驚きと感激で絶句するわたしに

「この後も楽しんで下さいね」

と言い残して去って行った運転手さん。
その後ろ姿はロバート・デ・ニーロより素敵に見えました。
皆さん、佐世保に行ったらハッピータクシーがおススメです。
たとえ忘れ物をしてもちゃんととどけてくれます。


というかタクシーに忘れ物はしないようにしましょう。




セイルタワーから下を見下ろした景色。
前の敷地も自衛隊なんですね。



ところで。


旧海軍の軍服が飾られている部屋の前で一人で展示を見ていたとき、
左手に人影が見え、軍服の部屋に入っていくのを目の端に認めたのですが、
その直後その部屋に入ってみるとそこには誰もいませんでした。

たぶん・・・気のせいだとは思いますが。



敷地内には旧軍の銃も展示してあります。
これは

山内短五センチ砲


礼砲については先日練習艦隊のエントリで説明しましたが、
あの、礼砲です。

これは、平成22年と言いますから4年前、佐世保の三浦地区で、
工事現場から発見されたものだそうです。



自衛隊の父兄会とコンパス21という団体が一緒に植樹をしたようです。

コンパス21とは、佐世保の若手経営者と佐世保勤務の若手自衛官の交流会で、
他の自衛隊のある地域でも珍しい、歴史のある交流グループなのだそうです。



そうこうするうちに、佐世保駅での家族との待ち合わせまであと1時間となり、
またまたハッピータクシーに配車をお願いしました。
(その電話のときに先ほどの運転手さんへの感謝の意を伝えておきました)

ところで、車に乗るときに入り口を見たら受付のおじさんが二人とも出てきて、
わたしが車に乗り込むのを見ていましたが、あれはなんだったんだろう。

「1時間もあれば十分」とされるセイルタワーを一人で4時間も見学したので、
もしかしたら何者かを怪しまれたのかもしれません。

そういえば見学しているとき、何度も係員が館内見回りにきてたなあ。


実際に貴重な歴史的資料がふんだんにおさめられていて、金銭的価値はなくとも
マニアには垂涎の、つまり盗難の心配のあるものもたくさんあるわけですからね。
人目のない空間でマニアが宝の山に出来心を起こさないとも限りませんし、
そこまでいかずとも写真撮影をこっそりする輩もいないともかぎりません。


展示内容が内容だけに、火をつけられる可能性もゼロではないでしょう。

彼らから見たら一人でやってきて長時間滞在する見学者は一応
「疑ってかかれ」というマニュアルがあったりするのかもしれません。


さて、わたしは疑われたとしてもある意味当然、倉島岸壁からここに来て
夢中で色々見たりゲームしたりしてお昼ご飯も食べていなかったんだった。

ちなみにこのテレビゲームですが、海軍バージョンと海自バージョンがあって、
三択質問に全問正解したら、海軍版では大将、海自ゲームでは海将になれます。
大将、海将になれると

「驚きました!」

というコメントをくれるのでつい嬉しくなってつい何度もやってしまいました。
このクイズで初めて知ったこともいくつかありましたよ。

それはともかく、そういうことなのでお昼食べてません。
お腹空いた。何か食べたい。佐世保らしいものを。

「佐世保駅周辺で佐世保らしいものを食べたいんですが」

運転手さんに相談してみました。
さすがはハッピータクシーの運転手、即座に

「それなら佐世保バーガーだね。有名なところが駅にも店を出してますよ」
「じゃ佐世保駅に行って下さい」

 

この運転手さんも

「どこから来たんですか」

に始まり、色々と町中の説明をしてくれます。
ハッピータクシーに限らず、観光地の運転手はそういうものなのかもしれませんが。

「これが佐世保鎮守府だったところです」

佐世保地方地方総監部の建物はレンガの塀が実に立派です。
佐世保総監は先日地方総監が交代しました。



離任した吉田正紀海将が深川製磁で揮毫した壷も、
ほら、本ブログにはすでにアップされているんですね。


吉田海将の後任である池田徳宏海将の壷が並ぶのもすぐでしょう。



佐世保駅に到着。
運転手さん曰く、人気の佐世保バーガー店がここに出店しているとのこと。

いざ試さん、佐世保バーガー!


続く 。




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