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平成26年度航空観閲式@百里基地~自衛隊の野望

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平成26年度航空観閲式、続きです。

まずは、今回エリス中尉が会場で座る席を決めるのに奔走した話。
地球防衛軍顧問という肩書きではまだまだ紫チケットが貰えないからですね。
チケットをくれた人がもし今回ご同行下さっていたら紫だったのになー。



チケットを見せると、女性隊員が半券部分をもぎって、
首から下げたタグにそれを入れてくれます。

タグの色はそのまま区分けされた席の色ですので、
スタンドのゲートでチェックしている隊員も一目でわかるというわけ。
しかし、タグの色とリボンの色を一致させるため、入り口では
必ずチケットの色も見せなければなりませんでした。



ここでファイル付きのプログラムと空自の広報パンフが貰えます。

現地到着が7時過ぎ、観閲式が始まるのは11時で、
その時刻には席についていなければなりませんが、4時間もの間
何もすることがないので、わたしはまず席を慎重に選びました。
着いた時間が早かったので結構よりどりみどりだったのです。



まず最初はここ。
ゲートを入ってすぐのE席です。
早いとはいえ、皆ここから座っていき、上段から埋まってしまっていたので、
反対側の最左翼Aに座ってみました。
陸自の観閲式と違い、航空観閲式は何処に座っても眺めに大差ありませんが、
そこはそれ、暇なのでこだわりまくります。



EからAに偵察に行き、Eに荷物を取りに行って

「まてよ、やっぱりこちらの方が高くて眺めがいいかも」

やっぱりこちらにしよう、と思い返し
もう一度確保のために置いたコートを取りにAに戻りました。



A席に戻って気づいたのですが、なんと上から2段目が空いていました。
ここなら高さも十分。
やっぱりここにしよう!ともう一度Eに荷物を取りに戻ります。
(当人すっかりエクササイズのつもり)

ところが!
Eに戻る途中、D席が青用に半分確保されているのに気づいたのです。

「ここも青チケットの席ですか」「そうです」

気づかなかっただけなのか急遽調整されたのか。
入ってみるとまだ誰も気づいていなかったようで、ガラガラです。

というわけで、わたしは今度こそEの荷物を引き揚げて、
ここに落ち着くことにしたのでした。
高さも観閲台からの距離も申し分ありません。

しかし、後に三宅二曹の国歌独唱が始まったとき、
それがA席からでないと見えなかったことがわかりました。orz

まあ、結論から言うと航空観閲式は何処に座っても大差ありません。
安倍さんとか幕僚長のファンとかでもない限り、中央に座っても
一番上でも航空展示は同じ眺めだからです。

滑走路のタキシングが見たければ上段、三宅さんが見たければレフトウィング、
入場して来る車が見たければライトウィング、ってところでしょうか。
あと、陸自機、海自機の前には陸海部隊が整列します。

今後のご参考までに。


それでは展示に戻ります。

当ブログ的にはおなじみ、P−3Cオライオン、海自の対潜哨戒機。



初等練習機Tー7。
静浜基地には人気のTー7ジュニア、つまりバイク軍団がいますよー。
配備は12年前です。



こちらはブルーインパルスと同型のTー4。
Tー7もそうですが、練習機だから編隊飛行訓練のために
尾翼と翼の先に蛍光でマーキングがしてあるんですね。



時々滑走路には離陸してきたり、こうやって移動する飛行機が行き交っています。
ブルーインパルスのクルーを「ドルフィン」といいますが、
それはこのTー4の機体、特にノーズにイルカを彷彿とさせるものがあるからです。

このTー4自体にも「ドルフィン」というあだ名がついています。



C−130Hは降下始めなどで陸自の降下訓練を支援しますが、
陸自ではなく空自の所属機です。

ハーキュリー、つまりヘラクレスというあだ名に相応しい力持ち。



駐在武官ならびに横田、厚木、横須賀、岩国からのお客様席。
紫チケットというのはこういう人たちが対象なのです。
しかしこうして見ると、空軍も海軍も一目でそれと分かる制服ですね。
ここに写っているのは全員アメリカ軍です。



女性の空軍士官が登場したので、周りは一斉に注目していました。
ウィングマークが見えることと、袖の線が4本あることから、
オーストラリア空軍のグループキャプテン、即ち大佐クラスで、
パイロットであるらしいことが分かります。



米空軍の制服を見たのは初めてですが、真ん中の
重量級同士で握手している右側の軍人さんの、
沿岸警備隊の制服を見たのも初めてのような気がします。



ところでこの写真、軍人さんたちの制服や手前の男性の背広に、
ここから見ても分かるゴミのようなものがついているんですがこれはなに?

うちに遊びに来る猫も草むらでゴロゴロした後には、
よくこんな草の実を体に付けていますが・・・・。



ところで草むらで急に思い出したのですが、ここにずっと座っていると、
時々えも言われぬ有機系の香りが鼻を突くのが気になっていました。
「?」と思っていると、後ろの母息子二人が
(彼女は昔自衛隊に関係のあった感じ)

「また臭くなってきたね」「いつもこうだよね」

などと話していたので、いつものことらしいと知りましたが、
あとで検索してみると、これはやはり百里特有の「田舎の香水」、
即ち堆肥の匂いであることがわかりました。

ついでにこれを調べたときに、この観閲式のための予行演習は
なんと7月にも行われていたことも同時に知りました。

事前公開は一週間前の19日だったそうです。



会場を隈無く歩く、黒服を着て目つきの悪い三人組。
きっとあなたたちは首相のSPね。違ったらごめんなさい。



会場に着いてから3時間。

10時5分きっかりから(なぜ5分)空自音楽隊の演奏が
20分に亘って行われました。

長時間待っている皆さんにサービスといったところです。
何しろ、会場にはずっとインストで

「花の街」「夏の想い出」「牧場の朝」

といった、何というか女性合唱団の基本レパートリーのような、
善良で毒にも薬にもならなさそうな、それはそれで大変結構な名曲が、
しかし3時間もの間、何度も何度も何度も何度も何度も繰り返され、
職業柄音楽をどうしても耳に留めずにいられないわたしなど、
まるで最後の頃には拷問されているような気分になっていたので、
それが終わっただけでもほっとしたのです。

百里基地の関係者の方、もしここを見ていたら、
世の中にはこういう人間もいるので、CDを交換できないのであれば
いっそBGM無しにされることを、国民の一人として切にお願いしておきます。


空自音楽隊の演奏は、マーチが中心で、「美中の美」、
自衛隊の依託作品などの調べが、始まりを今か今かと待つ人々の
耳を楽しませてくれました。


演奏は20分で終わり、それと同時に観閲式が開始されました。




まずは観閲部隊の入場です。

観閲部隊は陸海が120人ずつ、空自480人、計720名で、
北は北海道から沖縄まで、全国の基地駐屯地から参加しているそうです。

入場してきた海自部隊。
自衛艦旗の圧倒的な美しさに感動を覚える瞬間です。



観閲部隊が整列を終わって、観閲執行者が入場します。
航空観閲式の場合、実地責任者は航空幕僚長で、
執行者は航空総隊司令官がその任を負います。

というわけで今回パンフレットで初めて空幕長と司令官の
ご尊顔を拝して思ったのですが、何というか「空自タイプ」だなあと。

海自と陸自について将官クラスにも各々の「タイプ」が見られる、と
折りにつけ考察をしてきた当ブログですが、かねがね垣間みて
空自は陸海のどちらとも違う雰囲気があると思っていました。

当の自衛官に言わせると「最も自衛隊らしくない」のが
空自であるというのですが、まだわたしには観察の機会が少なく、
どう自衛隊らしくないのか言及することはできません(_ _;)



統合幕僚長に就任したばかりの河野前海幕長も入場。



ここで空自の係員に誘導されてエプロンにドヤドヤと入ってきた
マスコミご一行様。
皆が注目している中なので一応の節度を保とうとしているようでしたが、
最後の瞬間、いきなりカメラの場所をなりふり構わず取り合う様子が、
すっかり観衆の笑い者(?)になっておりました。

彼らが写真に撮ろうとしていたのは、訓示する安倍首相の姿です。



というところで女性自衛官に伴われて車から降り立つ安倍首相。
SPの目つきが鋭い。



まず第一回目の栄誉礼。まず「巡閲の譜」が奏楽されます。



儀仗を行うのは陸上自衛隊第302保安中隊。
市ヶ谷駐屯地に所在する東部方面警務隊直轄の警務科部隊です。
儀仗隊は101名で編成され、隊員になるには身長制限があります。

元映画俳優だったロナルド・レーガン大統領が来日したときに
儀仗隊の前を歩いている写真がありますが、
レーガンが小さく見えるくらい全員が高身長です。



儀仗が行われている間の安倍首相。

栄誉礼の目的とは、

栄誉礼受礼資格者が自衛隊を公式に訪問し若しくは視察する場合
又は防衛大臣の定める場合に、栄誉礼受礼資格者に敬意を表するため行う

ものであり、儀仗は

受礼者に対し捧げ銃を行い、その間音楽隊は「栄誉礼冠譜」を奏楽する

という次第です。

ちなみに、自衛官でこの栄誉礼を受けられるのは、統合幕僚長と
陸海空幕僚長のみとなります。


栄誉礼が終わった後は、国歌独唱が行われました。
独唱。
そう、前回の陸自主宰の中央観閲式では行われていないので、
もしかしたら今年からの試みかもしれませんが、
観閲式における国歌奏楽を、自衛隊はアメリカのように
アカペラのボーカルソロで行ったのでした。

歌手は海上自衛隊東京音楽隊の、 三宅由佳莉二等海曹です。

わたしは当ブログで以前、

「東京オリンピックの国歌独唱は彼女がしてはどうか」

と書いたことがあるのですが、それは彼女が歌手としてどう、
ということではなく、国家を代表する歌手が自衛隊員である、
ということになればいいなあという「願望」から来た発言です。

しかし今回彼女の「君が代」を聴きながら、わたしは自衛隊が
本気でそれを「取りにいくつもり」ではないかと思いました。
最高指揮官である内閣総理大臣の出席する観閲式という大舞台で
三宅二曹にこれからオリンピックまでの間「経験を積ませ」、
政府関係者にもお披露目をしておくというのが狙いではないかと。

歌手の声が出来てくるのはどんなに早くても30からと言います。
6年後に向けて自衛隊がそれを計画していても不思議ではありません。 

三宅二曹の名前がアナウンスされたとき、周りが一斉に

「ああ」「海自の歌姫ね」

などと声を上げ、すでに彼女への認知度が高いのが窺い知れました。

ソロの君が代は正直なところ、彼女の声量ではまだ少し荷が重そうでしたが、 
自衛隊が計画している(かもしれない)ように、6年経験を積めば、
彼女が世界を舞台に国歌を歌っても恥ずかしくない歌手に育っている
可能性は大いにあります。
というか、この自衛隊の野望、是非実現して欲しいですね。

って勝手に野望にしてるし。



続く。


 


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