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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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平成26年度航空観閲式@百里基地~老兵(ファントム)未だ死ねず

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観閲官である自衛隊最高指揮官、内閣総理大臣の訓示が終わり、
それに対する栄誉礼が行われた後は、展示視閲となりました。



展示視閲とは観閲の一環で、それまで会場にいて観閲を受けていた
空自装備が観閲官の前を通過するものです。

まずは高射隊のAN/MPQ-53フェーズドアレイレーダーから。
目標の捜索、追跡の他IFF(敵か味方か認識する)ミサイル誘導
等を行います。

車体の上のうっすーい板状のものが稼働時には屹立します。



ランチング・ステーションLSつまり発射機が通過。
地対空誘導弾ペトリオットです。
よくパック3って聴くでしょう?あれですよ。

因みに、民主党時代、当時の防衛大臣であった田中直紀(別名真紀夫)は
PAC3のことを「ピーサンシー」、つまりP3Cだと勘違いしていたようでした。
まあ、似てるから間違えても仕方が・・・・ないわけないだろ!

全く悪夢のような政権でしたねえ(遠い目) 
C−3POと間違えなかっただけましだったと思うことにしようっと。 


PATRIOTを日本ではパトリオットと読みますが、空自では英語発音の
「ペイトリオッ」に近い「ペトリオット」を採用しています。
米軍との会話で混乱しないためだと見た。



おそらく移動用の通信装置で、車上の半月形がパカッと開いて
レーダーになるんだと思うな。(小並感)

移動用多重通信装置(OH)J/TRQ-502

ではないだろうか。
だとしたらこれは移動通信隊の装備でしょう。



移動気象隊という部隊が空自にはあるんですよ。

航空気象隊とは、気象予報、気象観測及び気象情報の収集、
伝達等の各業務を実施する部隊なのです。

気象通信用端末装置(WECOM)により、空自だけでなく
陸上・海上自衛隊の飛行場(航空基地)からも気象情報を収集し、
提供を行うのが任務です。

この車両は移動気象レーダー(MROS)で稼働時には、こちらは
R2D2みたいなレドームがひっくり返って立ち上がります。

清掃車みたいだと思ったら、本当に移動警戒隊の吸引清掃車でした。
このバキュームスウィーパーの役割は重要で、空自移動部隊に随伴し、
航空機の経路を清掃して安全を確保するのが任務です。

実はこの他にも車両は数多く視閲のための走行を行ったのですが、
全部写真に撮ることができませんでした。



車両が通過してのち、部隊長が視閲を受けます。
車両の順番は

高射隊
移動通信隊
移動気象隊
移動管制隊
移動警戒隊
基地防空隊

だったのですが、この視閲は高射隊だけの模様。



デジタル迷彩にヘルメット。
ブルーのマフラーは空自ペトリオット部隊です。

隊長が思いっきりコワモテである。



車両のあとは、概要でもお伝えした戦闘機の展示視閲。

F−15は三菱重工業がライセンス生産し、F−15J(単座タイプ)が165機、
複座であるF−15DJ、48機が導入されました。



2機来るからには両タイプだと思ったのですが、
単座のF−15Jだけでした。
戦闘機の場合複座は教育用なのかもしれません。

搭載されているブルーのミサイルは、99式空対空誘導弾です。



前を通過したときにパイロットに思いっきりズーーム。
観閲官席の前では安倍首相に向かって敬礼をしたのでしょうか。



続いてやってきたF−2も、F−2AとF−2Bがあり、
Aが単座。Bが複座です。

F−15と同じブルーの空対空ミサイルを搭載しています。
これが目の前を横切るのですから、それはもう凄い迫力です。
カメラを持参していないVIP席の人たちも思わず携帯を取り出して(笑)



観閲式で飛行を行うのは、空自の腕利きの中でも
とくに優秀とされるパイロットに違いありません。



そういえば空自にはこんな戦闘機もまだあったんですね。

F−4EJ”改”。

読んだことはありませんが、昔「ファントム無頼」というマンガがありまして、
物語の舞台はここ百里基地だったそうなんですねー、ええ。

主人公はF-4EJ ファントムに乗る凄腕パイロット神田2尉。

「何人ものナビゲーターを病院送りにした問題児」

ってどういう意味かしら。
このマンガはF−15が導入されるまで、ファントムが空自の主力戦闘機だった
1978年から84年にかけて掲載されていたとのことです。
興味が出てきたので今度これ読んでみようっと。


と、ここでまた出て来るベレンコ中尉事件(笑)

F-4は、J型において戦闘機として当時世界初の
ルックダウン能力(低空飛行の探知能力)を備えた機体だったはずなのですが、
この亡命事件で、地上のレーダーとF-4EJの双方が領空侵犯機、
(つまりベレンコ中尉機)を見失うという事態が発生してしまい、
ルックダウン能力の決定的な不足が露呈されてしまったのです。

それで前にも書いたように、早期警戒機の導入と相成ったわけです。

だからといってF−4がダメ戦闘機ということではありません。
やはり餅は餅屋と言うか、戦闘機の限界だったってことなんだと思います。

しかも、戦闘機としてその後、F−15、F−2が導入された平成26年現在でも
これまだバリバリの現役なんですよ。

現行の機体はF−4EJ「改」という名の表わす通り改造されたものですが、
その改造だって主目的は能力向上というより「延命」だったというくらいで。




夏に見学したパシフィックコースト航空博物館のファントムの
「スプリッターベーン」について詳しくお話ししたのを
もしかしたら覚えておられる方はいませんか?



境界層をインテークから吸い込まないように孔があけられている、
というレトロなシステムが取り入れられています。

かの地のF−4のインテークには北ベトナム空軍機を意味する星が4つ描かれ、
ベトナムで4機撃墜した機体であることが誇らしげに書かれていましたっけ。



観閲式が終わって展示機の前に説明のために立っていた空自の隊員も

「ベトナム戦争に行ってるくらいですから。
アメリカではもう使ってませんね」

と言っていましたが、ベトナム戦争どころか、これ冷戦期の開発ですから。


当のアメリカでは1996年(16年前!)には全機退役していますが、
聴けば日本だけでなく、いまだにイスラエル、トルコ、ドイツ、ギリシャ、
エジプト、韓国、スペイン、イランの9空軍で配備中です。

ということは、このファントム、掛け値なしに
戦闘機として傑作と呼ぶに相応しい名機ということなんですね。

開発以来生産された総台数は全部で5,195機。
F−16が4,500機を以て「ベストセラー」と呼ばれていることを考えると、
セールス戦略においても非常にうまく行った飛行機だったということです。


とはいえ、いずれにしてもこのF−4EJ「改」はもう56歳。
自衛官だと1佐ならもう定年の年齢です。
当日この会場では次期主力戦闘機予定のF−35戦闘機のモックアップが
展示され、話題を集めていました。
往年の名機もいよいよ

「老兵は死なずただ消え往くのみ」

の秋(とき)を迎えた・・・はずなのですが。

ところがどっこい問屋が下ろさず、後継機F−35は、
諸事情により開発が遅れていて配備が2017年以降となり、
したがって


F-4EJ改の運用スケジュールは
耐用年数見直しの上で
変更される可能性もあるとされる。


つまり、もう少し楽隠居は先のことになりそうなんですね。
頑張れファントム爺さん(笑)



続く。

 


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