今回、防衛省見学ツァーが所属する防衛団体で組まれたとき、
午前か午後、どちらに参加するかというのに選択の余地はなく、
「もう先に聞いた人で午前中が埋まってしまった」
ということでしたので、自衛隊資料室を見る午後のツァーに参加しました。
前回の時のようにあまり自衛隊について詳しくない頃なら
それなりに初めて知ることもあったと思うのですが、今となっては
どれもこれもよくよく知っていることばかりでした。
しかしまあ、それはわたしにとってだけの感想かもしれないので、
とりあえずここでお話ししておきます。
市ヶ谷記念館の見学が終わったあと、途中で何処かに消えた人がいないか
チェックするために5列で並んで人数を確認し、次に進みます。
左手に自衛官の生活スペースである隊員宿舎を見ながらたどり着いた
この部分には、ここで生活する自衛官の福利厚生を預かったり、
あるいは飲食・買い物をするスペースがあります。
ところで、前回も感じたのですが、ここにはたくさんの自衛官が仕事をしていて、
庁舎同士の行き来もかなり多い割に、外で人を見かけないのです。
実は、この敷地内はすべての建物が地下道で繋がっていて、
傘をささずに離れたビルにも行くことができるということを初めて知りました。
前回はそんなことを言っていなかったような気もしますが、
わたしが単に聞いていなかっただけなのかもしれません。
とにかく、自衛官たちは外よりも地下道を通行することを好むようです。
というのは、外を歩く時には彼らは必ず着帽すべしという決まりがあり、
この近辺に前回喫煙所があったような気がするのですが、そこにも
外では(喫煙中でも)帽子をかぶること、と書いてあって驚きました。
つまり、地下道は外でないので、帽子を被らずに歩けるんですね。
庁舎前には「厳正な敬礼は市ヶ谷から」という、まるで学校のような
注意書きが書かれていますが、いずれにしても市ヶ谷、自衛隊組織の
中心ともなる場所ですので、一段と規律にはうるさいのに違いありません。
ところで、今メガホンで案内のお姉さんが注意事項を話しています。
「この庁舎の内部は写真撮影禁止です」
・・・・ん?
前回、わたしゃここを入ってすぐの福利厚生施設を写真に撮ったぞ。
案内の人も一緒にいたけど、その時何も言われなかったけどなあ。
中には隊員用のコンビニや売店があって、そこに置いてある商品には
いちいち「写真撮影禁止」と張り紙がされていた今回ですが、
前回から今回までの間に、なにか規制を厳しくしなければならない
不祥事があったのかもしれません。
入り口で中国人がツァーに参加しようとして乱入してきた話をしましたが、
その時に聞いたところによると、外国人であっても参加はできるそうです。
例えば中国人のツァー参加客を入れた時、どう見ても観光には関係なさそうな
自衛官の様子とか庁舎内の写真を撮りまくって怪しかった、・・・・とか?
さて、庁舎内は撮影禁止ですが、ここは何を撮ってもOK。
この建物の中にある自衛隊資料室です。
あーびっくりした(笑)
陸自の制服を着たパセリちゃん、これはよろしい、
しかし、扉の影から片目でこちらを覗いているピクルス王子、怖すぎ。
だいたいピクルス王子はキャラクター的に人相が悪いんだよな。四白眼だし。
自衛隊資料室は大変狭いものでした。
初っ端に自分の話を聞いていなかった参加者を叱りつけ、
さらには少しでも遅れた人がいたら急かしまくる自衛官のおじさんが、
入るなりとうとうと説明に入ってしまい、自由に見ることもできません。
わたしは話を聞きながらも、手だけはちゃんと写真を撮りました。
これは趣味の工芸コーナー。
手作り感溢れる木の人形の上に、紙で作ったチヌークがあります。
紙で作ると質感が本当っぽいのよね、チヌークって。
見学者にお辞儀してくれている陸自の装備人形。
陸自で行われている訓練の一部を写真でご紹介。
水上降下訓練というのは第一空挺団が毎年夏、房総半島の鋸南町で行う
洋上への降下訓練のことであろうと思われます。
洋上に降りた降下隊員はボートに拾ってもらい、岸まできたら
あとは泳いで帰って来るというもの。
問題はいつ落下傘を切り離すかなんですが、この段階で泳ぎが苦手だと
苦労するというか、溺れかける人もいたりして。
右上にはオスプレイが見えますが、もちろんこれは米軍との共同訓練です。
右は飛行試験機1号機。
この形、何かに似ていると思いませんか?C-1ですね。
次期固定翼哨戒機 (XP-1)と同時開発することで開発コストを下げる計画です。
現在X-C2は空自の岐阜基地で実験・開発が行われています。
左は「先進技術実証機」というもので、ステルス性やエンジンの制御など
先進技術の諸能力を盛り込んだ実験用の飛行機です。
皆さんは「心神」という言葉、ご存知でしょう?
この「心神」という名称はプロジェクトでは公式にも非公式にも使われていません。
どこかの航空博物館で確かにそう書いていたのをわたしはこの目で目撃しましたが、
あれは何かの見間違いだっに違いありません。
ただしマスコミやインターネット界隈では普通に「心神」が使われています。
海自コーナーにはなぜか特大の輸送艦「おおすみ」の模型が。
後ろのハッチからは今しもLCACが降ろされようとしているところ。
ところであれ?LCACってどうやって揚収するのかな?
輸送艦“くにさき”LCAC揚収作業
あくまでも自力でむりむりと突っ込んで行っております。すごい。
ってか、これきっと「くにさき」の後甲板に人はいられないだろうて。
で、冒頭写真の護衛艦操舵室を模したコーナーですが、これには
舵制御装置
船の進路を決めるための装置です。
艦橋から艦艇の最後尾にある舵で連結されており艦長が決定した進路が
舵輪を回すことによって舵に伝えられ進行方向が決まります。
という、割とすごく当たり前のことが書かれています。
後は
「昔の舵輪は大きくて回すのも大変だったが現在は油圧装置の開発によって小さい」
「舵輪の上についている左右30度ずつの目盛りは舵の角度を示します。
舷灯と同じように右が緑、左が赤で、舵の作動範囲である左右30°までが示されています。
目盛りの横にある赤と緑のボタンは、舵輪が故障した時に舵をとる装置です。
このボタンを捻ることでも方向を変えることができます」
「船では進路を決めるのが艦長か艦長に任命された航海長、もしくは当直士官であり、
車のハンドルに当たる方向操作を行うのは操舵員です」
あとは「面舵」が「兎面舵」(うむかじ)の転じたもの、「取り舵」が
「酉舵」と12支からきた故障であることを説明していました。
部屋の中央には、建築計画の時に施工会社から防衛庁に進呈された模型が。
青いベレーに青いマフラー。
そう、これは陸自海外派遣隊の制服。
東日本大震災、伊豆大島の大災害など国内はもちろん、ジブチ、スーダン、
そしてフィリピンにPKO活動に赴く我らが自衛隊です。
全く、電車の自衛官募集の広告を「きもい」とツィートした
偏差値28のガキどもを連れて行って汚泥に頭を突っ込んで顔を洗ってやりたい。
「自衛隊の皆さんを死なせない」といったかと思うと、
「徴兵反対」とその同じ口で言い、そうかと思えば自衛隊募集を「きもい」。
自衛隊が募集で志願人員を一人も集めることができなくなったら、
その時にはたとえ法律的に「苦役」に相当しようが、
徴兵制を検討するしかないのだってこと、わかってるのかしら。
はい、こちらの後ろ姿がこの日の解説をしてくれた陸自隊員です。
若い時には戦車に乗っておられたそうです。
なぜかヒトマル式はなく、その代わりに榴弾砲の模型がありました。
案外自衛隊委員にはモデラーが多いらしく、(このブログの読者にもいますね)
先日は「いずも」の中で「いずも」のモデル(特製シール付き)が
結構内々で売れているという話を聞いて心和んだわたしです。
隊員が自分で作ったモデルを置かせてくれ、と持ってきたのかも。
でたー!整理整頓自衛官(のキャラ)!
この二人を見ると、ついあのゲームがやりたくなってしまって困る(本当)
空自の旧・現行装備が勢ぞろい。
きっと前に来た時にはすべての飛行機を検索画像とにらめっこしないと
ブルーインパルス以外はわからなかったと思います。
自分でも驚きますが、そんな時期がかつてあったんですねー。
いや、今だって機種特定能力はかなり怪しいのだが、という声が
どこからともなく聞こえてきた気がしますが、おそらく気のせいでしょう。
この部屋の展示中、最もここでインパクトのあったのは
なんといってもこの巨大なコピー機だったかもしれません。
展示じゃないけど。
こんな機織り機みたいな機械を使っているのねえ。
さて、というわけで見学は行程を無事に終え、解散前に休憩時間が取られました。
わたしはスターバックスでラテのショートを注文したのですが、あまりにもアツアツで、
最後まで飲まないうちに時間が来てしまいました。
見学者にはもう少しぬるめのを出していただけるとありがたいです。
とはいえ、わたしの時間がなくなったのは、お土産を買っていたからでもあります。
そう、これ!迷彩パウンドケーキ。
朝霞駐屯地で見つけた時にはてっきりネタものだと思い買わなかったのですが、
ここで書いたところ「あれは美味しいです」という読者のコメントをいただき、
今度どこかで見つけたら買ってみようと思っていたところだったのです。
緑は抹茶、茶色はチョコレート、そしてグレーはゴマ。
要はこれらの材料を使ったマーブルケーキで、全く普通です。
そして、うちの家族全員が
「これは美味しい」
とちょっと感動したということを付け加えておきます。
皆様もどこかで見つけられた折には是非お試しを。
終わり。