さて、楽しくお話ししてきた(ほんとーに楽しかった!)
平成26年度富士総火演のレポートも終わりに近づきました。
フィールドにはヘリに続き戦車が次々と並べられ、同時に
バンプの回り、装備の回りに杭が立てられ立ち入り禁止の
テープが貼られたりという準備が整っています。
準備の間、会場に行く人はわたしの横の通路に集まって、
今や遅しと通行が許可されるのを待っています。
周りを見回してみると、座っているのはわたしだけ(笑)
そしてなぜかゴミが入っているらしいポリ袋がポツンと
たった一つだけ、横に置かれています。
もしこれが放置されたゴミだったら拾って行こうと思って
わたしはずっとそれが気になって仕方がありませんでした。
それはともかく、わたしはこの装備展示の準備を見ていて、
実に日本的な光景であると思いました。
展示のまえに点検と同時に戦車を丁寧に布で拭っているのです。
習志野の訓練展示の直後は戦車を洗車していましたし。
おそらく彼らにすれば毎日の、当たり前の作業に過ぎないのですが、
世界的に見てこれが標準というわけではないと思われます。
台湾ではパトカーやタクシーですら何日も洗車していなさそうな
泥だらけの車が走り回っていたくらいです。
アメリカでは・・・洗車とか自分たちではやらなさそうですし。
90式の準備も丁寧に行われています。
この角度から見ると、90式戦車の特徴であるテールの張り出しが
良くわかるかと思います。
後ろに向かってテールがかなり高めになっていますね。
自衛艦の「オランダ坂」の逆です。
「ヒトマルとキュウマルの違いがイマイチわからない」
とお悩みの方はここを見れば一目瞭然、見分けがつきます。
鉄杭を打って黄色い立ち入り禁止のテープを貼る作業も
並行して行われています。
後ろにいたオタっぽい男性二人が、
「ああ〜ヒトマルにも立ち入り禁止貼るのか〜」
「ヒトマル触りてえ〜!手形付けてええ〜!」
と実にオタっぽく咆哮しておりました。
やっぱり触りたいっすか。(理解不能)
明らかに汚れのなさそうな部分をも丁寧に布で拭います。
この74式は制式から今年で40周年を迎えた長老。
16年後に制定された90式とこの一番大きな違いは
74式は停車しないと砲撃ができない
のに対し、
90式は自動装填装置によって移動しながら砲撃が可能
ということです。
この最大の利点は攻撃しながら反撃を受け難いということ。
10式のスラロームや後方に下がりながら撃つ「後退行進射撃」は
この90式の利点をさらに進化させた点なのです。
戦車の最も重視される火力についてはコンピュータの搭載も含め
ほぼ一線としても(この辺あまり調べてませんが)、そこで
戦車を小型&軽量化したというのは世界でも日本だけ。
そこでなぜ小型化か、というとこれはおそらくですが、日本の地形を
鑑みてそこで運用することを視野に入れた改変でしょう。
だいたい、自衛隊が戦車を日本本土以外で運用することなど、
憲法をたとえ改正したところでありっこないのです。
そもそも小型軽量化のついでに機能を変態的に向上させる、というのは
日本の技術の最も得意とするところですが、軽量化による駆動性能のアップは、
世界の何処にもない「ヘンタイ戦車」として10式を歴史に残すのでしょうか。
まあ、国産ヘリのOH−1ニンジャもそのあまりなヘンタイぶりに
優れたヘリコプターに贈られる「ハワードヒューズ賞」を貰いましたし、
「ニッポン式ヘンタイ技術」はいまや世界の趨勢です(適当)
展示会場になだれ込む人がいる一方、帰路を急ぐ人たちも。
手前の白い帽子はどうみても女物。
野球帽の下にタオルを被っている人、陽射し対策は万全です。
10式の前にはすでに人垣ができつつあります。
しかしその他の装備には今のところ見学者なし。
88地対艦誘導弾システムの回りもこの通り。
この説明板に
「洋上において敵艦船を遠距離から撃破するために使用する」
とあるのですが、これではまるでこの設備を洋上に配備するみたいです。
「洋上にある敵艦船を遠距離から撃破する」
の方が正しいと思うのですが・・・(おせっかい)
ちなみに画像から勝手に人物だけ切り取る仕組みが
わたしのデジカメにはついております。
地対艦ミサイルに内蔵されているのは、
誘導弾脱着工具(これはわかる)
ショベル1 バチツルハシ1 おの1
・・・・・・・?????
雷蔵さんいわくこのSSMは
「なんでこんなものを作ったの?」な不思議なシステム
なんだそうで、その理由は
ミサイルの射程は150kmもあるのに、
レーダーは20kmくらい先しか見えない
帯に短したすきに長し?ちょっと違うか。
つまり陸自の装備らしく?ネットワークシステムについては全く不問状態で、
この装備も引退寸前まで行っていたのですが、南西諸島の不穏化に伴い、
急に脚光を浴び、データリンクの計画が進行中だそうです。
皆は向こうの方に他のヘリを見るために歩いて行っています。
わたしは最近陸自の装備に関しては見慣れたせいか、
そのためにこの暑い現場をこれ以上うろうろすることにヘタレてきてしまったので、
ヘンタイ大賞じゃなくてヒューズ大賞を取ったニンジャだけをカメラに収めました。
そしてわたしは最後に10式(に群がる人々)を観察に。
こちらは後ろ側なので人がいませんが、砲身が見える部分には
オタ共がびっちりと張り付いております。
説明&警備のために立っている隊員は大人気。
あれこれと質問攻めにあっている模様。
皆、気持ちは分かるけどSSMの隊員にももう少し質問してあげて・・・。
10式がこれだけ熱い視線を集めていても、いまだに
いややっぱり90先輩(byやわらか戦車)の方がいい!
というファンだっているようですね。(ネット情報による)
この迷彩ズボンにOD色シャツ、タオルには日の丸入りの父は、
息子二人を戦車後尾に立たせて記念写真を撮っていました。
90式の後ろに立っていた隊員も大人気。
向こうの方にいる人垣は全部左の10式を見ているようですが。
どこにでも見かける「自衛隊員に質問する中高年」。
いったいどんなことを質問しているんでしょうかね。
わたしは今度の装備展示でSSMの隊員に
「データリンクが採用されたら司令部いらなくなるんですか?」
(by雷蔵さん)
って聴いてみようかな。
隊員さんはこういうのどこまで知っているんだろう。
さて、わたしの隣に放置してあったゴミ袋についてですが、
通行が許可され人が動き出したとたん、小学生の子供がやってきて
ちゃんと袋を持って行きました。
シートの上には見渡す限り放置されたゴミは全くありませんでした。
ところで先日、荒川区の花火大会で散らかされたゴミの写真が
「日本人がゴミを出さないというのは外国でだけ」
という記事と共にネットのニュースとなりました。
わたしはまずこの「ゴミだらけの花火大会」に違和感を覚えました。
あの大規模な大曲の花火大会ですら、わたしが見たところ
座席や通路には全くゴミは残されていませんでした。
もちろん集積所にはあふれんばかりのゴミが積まれていましたが、
ニュースの写真はそれがあふれたところをわざわざ探し出して
そこだけ撮ったという感じで、
中国の観光地や韓国のW杯惨敗後の客席のような、全面にわたって
手の付けられない散らかり方とは全く違うものでした。
あのニュースは、一体なんだったんだろう、と今にして思います。
朝日新聞の件で、メディアやマスコミの報道というのは
「事象」ではなく、「自分の報じたいこと」であり「思想」である、
というのがようやく世間の常識となってきましたね。
たとえば最近インド国内の犯罪についてのニュースが増えたと思いませんか?
インドのモディ首相と安倍首相との歴史的な対談の内容は報道されなかったのに。
モディ首相は
「日本に戦犯などおらず全員無罪、パール判事は我々の誇り」
という発言をしています。
また、あまりにも嘘くさくて話題にもならなかったけど、ちょっと前には
小野寺防衛大臣のキャバクラ通いの話なんかも、中国機が自衛隊機に
異常接近し、防衛大臣が非難声明を出したのと同時に出てきましたよね。
こういう記事に隠された、アカラサマに日本を貶めたいという真の意図を、
わたしたちはネットのおかげで見抜くことができるようになってきています。
今年の4月、セウォル号の事件で、責任者が皆現場から逃げだしたことが、
世界中に非難されていた頃、朝日新聞はも3年前の原発事故に吉田調書を
わざわざ捏造して、
「所員の9割が所長命令に違反して撤退した」
という記事を書きました。
これははっきりと、
「日本人も危機の際には真っ先に命を惜しんで逃げ出すじゃないか」
という、セウォル号への非難への「カウンター」だったと言われます。
それとは比べるべくもない小さな記事ですが、この「花火のゴミ記事」も、
「日本にはゴミは落ちていない」「日本人は清潔好きである」
という世界的な評価を面白く思わない連中が書いた匂いがします。
さて、それはどういう者たちでしょうか。
そして、常時非常時を問わずマスコミが大騒ぎするのが、
そう、自衛隊の不祥事です。
防大の帰化人学生によるスパイ問題は、国会で質問されたのにも係らず
全く報じられないのに、同じ防大の苛め問題は騒ぐ。
つい先日はレンジャー訓練の「最悪の想定」に対する画像が
流出し、またもやそれに対して騒いでいるようですね。
いかなる組織にも正負の両面が存在しますが、マスコミは
それがほとんどである正の面は全く報じず、負の面だけを
まるでゴミ集積所にあふれたゴミだけを写すように、切り取って
さらにクローズアップし、それが全てであるかのように報じます。
これに関してはほぼ一線である既存マスコミに対し、
おもにネット言論は(たとえばおこがましいですが当ブログのような)
カウンターとなって自衛隊の支持と応援を担ってきました。
何十年か前には堂々と行われていた自衛隊差別は当時ほどではなくなり、
ここに至って世間の趨勢はずいぶん変わってきたような気がします。
根が反自衛隊であるメディアは相変わらずの調子ですが、 最近では
「自衛隊人気」に追従する既存マスコミの動きすら見えてきました。
防大や陸自の苛めも、昨日今日から行われていたことでなければ、
「じゃあなぜ今出てきたのか」
という「報道の意図」を国民はそろそろ読むようになってきます。
この報道に乗っかって「自衛隊は最低の集団」とことさら声を荒げる人は、
おそらく集団自衛権にも特定秘密法案にも反対しているでしょう。
マスコミが情報を独占し、恣意的にそれを流していたころには
低かった自衛隊の地位が、ネットで情報を検証し、
取捨選択できるようになった今、かなり改善しているということは、
この構図をはっきりと証明しているではありませんか。
次回最終回に続きます。