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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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カラーガードと呼ばれる日〜平成29年自衛隊音楽まつり

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平成29年度音楽まつり、海自が終わり次は航空自衛隊です。

ドラムメジャーとカラーガードの出待ち?表情。

ファンファーレでまずマーチングするのはそのドラムメジャーとカラーガード隊。
ひたいの真ん中に手先を当てて上を向く、独特の敬礼があっていよいよ開始です。

カラーガードというのはマーチングバンドで視覚的効果を添えるため
フラッグ、ライフル、セイバーなどの小道具を使いマーチングを行う部隊です。

ホーンとフラッグを持つ女性隊が空自おなじみのカラーガードです。

ヘアスタイルを全く同じ長さのポニーテールにしているのですが、
髪の短い人はもしかしたらウィッグをつけて臨んでいるのでしょうか。

いずれもブルーインパルスや「空」をイメージしたブルーと白のコスチューム、
フラッグは航空機が空に描く航跡を表すデザインです。

ファンファーレに続く曲のタイトルは「翼とともに」。

次の曲「インフィニティ」の始まりは一転して静かなピアノのメロディです。
そこで一人のカラーガードが現れ、ソロで優雅にフラッグをはためかせ、踊ります。

こちらが最終公演で会場上段から望遠で撮った画像です。
この後四人のカラーガードが二手に分かれて舞いますが、その時、
マーチングのフォーメーションは∞を描いています。

この「インフィニティ」という曲は最終公演で前に並んでいたおじさんによると
(わたしに向かって喋ってたんじゃありませんが)空自の委嘱作品で、
インフィニティとは先日お話ししたばかりのブルーインパルスの演技、
「レターエイト」の意味もあるのだそうです。

しかも既存のなんとかいう空自の曲に似ている部分(別の言い方で言っていた)
があるんだということをおじさんは力説しておられました。

わたしは「インフィニティ」がそもそもどれかもわからず聴いていたのですが、
もしこのカラーガードが皆でフラッグを振っていた箇所がそうだとすると、
パクるも何も、こういうシチュでよくある感じの曲だと正直思いました。

カラーガード隊の右側に地味に控えている人の姿が見えますね?

これは、空自のステージではもうおなじみ、全員の上を航過する
4機のブルーインパルスのスクリーンを持って走る係。
今回、準備しているのを初めて間近で確認しました。

五人のジャージを着た空自隊員が、棒を持ってかがみこんでいます。

レディー、ナウ!

人と人の間を全く同じ歩幅で棒を持って走る。
開始前の練習風景紹介ビデオでこの走る人たちも出ていましたが、
一瞬のパフォーマンスを成功させるため幾度となく練習を繰り返したのでしょう。

上階からだと、こんな風にブルーが飛んでいくのが綺麗に見えます。

最後は空自、陸海と同じく空自の公式行進曲である
「空の精鋭」でまとめました。

この曲についてはいつも冷淡なわたしですが(笑)「空」のイメージに特化した
クールでスマートな、しかし一般には無名の曲が続いたあとだけに、
ここで手堅くこの曲が出てくると、耳馴染みのあるメロディにホッとしたのも事実です。

空自はカラーガードがいろんな意味で主役になって目を奪ってしまうので、
あえて「空の精鋭」は聴衆の注意を音楽に引き戻すためにもよかったのでは、
と思いました。

ドラムメジャーは田村二朗二等空曹です。
いつも陸空海いずれも同じ人ではないかというくらい体型が似ていますが、
ドラムメジャーの身長はもしかしたら決まっているのかもしれません。

ここで本年度から採用された第302保安警務中隊の新しい制服の紹介がありました。
左から夏服、合服、冬服の三パターンです。
音楽まつりにはOD色制服の陸自中央音楽隊の共演があるせいか、純白の白で臨みました。

制服が変更されるのは実に52年ぶり、デザイン監修はコシノジュンコ氏です。

発表された時には従来の質実剛健がよかった、という声や、
さらにここでもちょっと出ていたように、詰襟のスタイルが
三島由紀夫の結成した「楯の会」を思わせるという声もあり、
写真だけでは賛否両論でしたが、実際に見ると、これがなかなかよろしい。

まず、その詰襟ですが、従来の自衛隊の制服は海自の夏服、
防衛大学校の制服を除き、全てスーツとネクタイのものになっており、
詰襟ファン(というのがいるのかどうかわかりませんが、わたしとか)
にはこの導入は大変歓迎すべきものといえましょう。

さらにどのデザインにもトリミングにあしらわれている赤は、
日の丸と同じ色であるという説明を聞いて、わたしは深く頷いたのです。

上から見ると、その正帽の鍔の紅は、説明せずとも
これが日の丸からとったものであることが一目瞭然です。

というわけで、特にこの白は季節を問わず、例えばオリンピックでも
儀式などには是非是非多用してほしいとわたしは思ったのでした。

ところで、音楽まつりが終わってすぐ、ある方への表敬訪問の機会をえて
わたくしは市ヶ谷にいくことになったのですが、例の儀仗広場を通り抜けると
そこでは迷彩服の第302保安警務中隊のみなさんが儀仗の訓練真っ最中でした。

「写真撮りたい・・・」

思わず呟いたのですが、さすがに防衛省の中でカメラを取り出すことは
理性がかろうじて押しとどめました。
もしあそこでNikon1をバッグから出していたら、たちどころに
警衛の人が飛んできて、取り押さえられていたかもしれません。

 

それにしても任務だから当然とはいえ、音楽まつりの本番直後なのに
あの華やかな姿で見たのと同じ人たちとは思えぬくらい質実な姿で
(って迷彩ですから当然ですが)小隊ごとに、隊長の叱責を受けながら
周りの視線など全くないかのような真剣さで儀仗を行う彼らを見て、
これが彼らにとっての日常なのだと改めて感じ入った次第です。

そういえば、開始前のビデオで、第302保安警務中隊の隊員は、
シャツにアイロンをかけるシーン、靴を磨くシーンを紹介されていました。

各国首脳や皇室の方々の前で儀仗を行う特別な部隊ですから、
身だしなみはもちろん日頃の佇まいまで厳しく鍛えられているのです。

迷彩服の男たちが年に一度カラーガードと呼ばれる日。
音楽まつりでの姿は、厳しく地味な日常の訓練の中のごく一部に過ぎないのです。

陸海空のステージが終わり、全部隊による合同演奏が行われました。
後ろのスクリーンにはゴジラのシルエットが浮かび上がり、
おなじみゴジラのテーマ、続いて映画「シン・ゴジラ」では
列車爆弾が走るシーンに流れ出して思わず気分が高揚してしまった
「ヤシオリ作戦」のテーマが演奏されました。

その二曲が終わると、各部隊から一人ずつのファンファーレトランペットが
歌劇「アイーダ」の凱旋行進曲を演奏します。
ヴェルディのアイーダにはこの部分、原譜にファンファーレトランペットの指示があります。

指示は「エジプト風のトランペット」となっていて、
ファンファーレトランペットといえばあのメロディを思い浮かべるほど
有名であり、そのことからファンファーレトランペットのことを
アイーダトランペットと呼ぶこともあるくらいです。

「シン・ゴジラ」、映画ラストではヤシオリ作戦でゴジラは殲滅したのではなく、
凍結されただけで、いつか何らかの形で蘇る可能性が暗示されているのですが、
この際そういうことはなしで、まずゴジラが出没、ヤシオリ作戦で戦って、
やっつけたので凱旋行進曲、という三段跳びのストーリーで綴った合同演奏でした。


映画における歴代ゴジラと正面で戦ってきたのはいつも自衛隊です。

現に自衛隊では(消防庁や海保もそうだと思いますが)非公式ながら
ゴジラが現れた場合どうやってやっつけるかが議論されることもしばしばなのだとか。

もしゴジラが上陸したら?現役自衛官が真剣に考えてみた


詳しくは読んでいただければわかりますが、この記事で面白かったのが、
もしゴジラが上陸したら?という問いに対し、

海自「うち(海上自衛隊)がいちばん強いに決まっているではないですか?」

空自「対ゴジラ戦ではうち(空自)が1番強いです」

ところが陸自のインタビュイーは

「領海侵犯の段階では、海自と空自、そして陸自の精鋭部隊を軸としたオペレーションだが、
もし上陸されたら陸自主体にならざるを得ない」

つまり、初動から展開まで核をエネルギーとするゴジラに対応できるのは
我が陸自化学部隊を置いてない、と。

わたしは猛烈に感動しました(T_T)

実際にゴジラが出現しても、自衛隊がいる限り日本は大丈夫。
もし戦わば、この日の演奏のように、戦闘の暁には勝利の凱旋曲が
高らかに鳴り響くに違いないと確信したからです(適当)

 

続く。


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