サンディエゴで「ミッドウェイ」を見学するというのを2年続けて実行したわけですが、
後半の「ミッドウェイ」見学編に突入する前に、サンディエゴという街の様子を
少しご紹介しておきます。
最初の年に泊まらせていただいたジョアンナの家。
大学の同窓つながりで知り合ったボーイフレンドのうちも近所です。
当たり前のように自宅にプールがあります。
今年行ったら、
「今年はトイレをジャパニーズスタイルにしたの!」
ジャパニーズスタイルって?と思っていたら、TOTOのウォシュレットを導入したのでした。
何を今更、という気がしますが、アメリカでのウォシュレットの普及は、現在でも
わたしの知る限り公的な場所ではゼロで、裕福な個人宅に限られています。
眼下にはサンディエゴのシーワールドを一望できる眺めです。
二回ともロスアンゼルス空港から車で向かいました。
アメリカのフリーウェイを走ったことのある方には「あるある」な光景でしょう。
ジョアンナのうちの近くでみた光景。
一人ずつゴミ袋を持ってゴミを拾って歩く仕事で、従事しているのは非白人ばかりです。
マイノリティやホームレス予備軍にも仕事を与えるという市の施策によるものです。
そういえば、サンディエゴは街の中心部にもホームレスはあまり見なかった気がします。
気候的にはホームレスが暮らしやすいので集中しそうなんですが、
こういった公的な対策が功をそうしているということなんでしょうか。
2回目のサンディエゴ滞在のホテルはわたしが自ら選びました。
ポイントはキッチン付き、そして「ミッドウェイ」に近いところ。
となると会員にもなっているマリオットのレジデンスインしか選択肢はありません。
ミッドウェイまで歩いて5分という、これ以上ない立地です。
近隣には同じレジデンスインが他に二つありますが、ここが
一番新しく、インテリアのセンスも他より洗練されている感じ。
パーキングは4つ星、5つ星ホテルと同じようにバレーを頼むことができます。
部屋は2ベッドプラスソファーベッド。
息子が大きくなってからはいつもこのタイプの部屋を選びますが、
誰がソファーに寝るかは適当にその日の気分で決めます。
素晴らしかったのは窓からの眺め。
ミッドウェイとじゃ反対側でしたが、海事博物館の帆船
「スター・オブ・インディア」の帆と星条旗がこんな風に見えます。
こちらは車上から撮った「スター・オブ・インディア」。
海沿いの遊歩道は朝方散歩やウォーキングをする人で賑わいます。
寝室の角は全面ガラス張りで、この開放感!
眼下にはパシフィック・ハイウェイという幹線道路が走り、サンディエゴの
「タワマン住み」御用達のツインタワーレジデンスが真横に立っています。
朝、ゴミ収取車がいたので、連続写真を撮ってみました。
路上に何曜日朝、と決められた時間に出したゴミの巨大なケースはゴミ収集車が
抱えて持つことができるスライドを両脇に備えています。
アームをグイーンと操作すれば、中のゴミがちゃんとタンクの中に。
この時にゴミが残っていると、アームを戻す時にぶちまける結果になります。
その例
ホテルには中層階に一応アメリカのホテルには必須のプールがあります。
朝、誰もいないプールをカモメが泳いでいました。
朝ごはんはバッフェ式で、ピーク時には座るところを探すのも大変です。
この日は外のテラスが空いていました。
プールで水浴びしていた鳥さんたちが虎視眈々と見張りを・・。
ウォーターフロントに建つのはホテル以外は駐車場や倉庫だけ。
向こう側はサンディエゴ空港で、飛行機は右手の山側から着陸し、海に向かって
離陸するのがずっと見ていると幾度となく繰り返されて飽きません。
エレベーターホールは景色を見るために全面ガラス張りで、
そこからの眺めはわたしにとって眼福としか言いようのないものです。
「ミッドウェイ」の向こうの海軍基地、そこに係留されている空母。
サンディエゴの海軍基地は正確には
ノースアイランド海軍航空基地
(Naval Air Station North Island, NAS North Island)
と言います。
ちなみに左の建設中の建物もホテルになるようです。
手前が「ミッドウェイ」と来客用のパーキング、そしてその向こうに空母。
「ホテルから空母が見えました」
というと、サンディエゴ在住のジョアンナのボーイフレンドは
「何だろう・・セオドア・ルーズベルトかな」
こちらはまずこの時にiPadで調べて、
「カール・ヴィンソン」USS Carl Vinson, CVN-70
であることがわかりました。
「カール・ヴィンソン」の愛称は「スターシップ・ヴィンソン」。
ハインラインの「スターシップ・トゥルーパーズ」と関係あるのかどうかは知りません。
2017年にはメンテに入った「ロナルド・レーガン」の代わりに西太平洋に進出し、
北朝鮮半島沖に展開、「あしがら」「さみだれ」と訓練を行い、
「レーガン」が復帰してからはその打撃群艦隊、海上自衛隊の「ひゅうが」、
「あしがら」及び航空自衛隊F-15戦闘機と共同訓練を実施しました。
この画像を撮った時には、その訓練から帰還してすぐだったことになります。
艦橋部分をアップにしてみました。
白い車以外は人影もなく、稼働している様子は全くありません。
帰港して乗組員は夏休みでも取っていたのでしょうか。
ちなみに今現在時点でスターシップヴィンソンは日本近海におられます。
空母の周りには手前に見えている柵が張り巡らされ、船が侵入できないようになっています。
この柵はグーグルアースでも確認できます。
そして、「カール・ヴィンソン」の隣にももう一隻空母が。
「セオドア・ルーズベルト」(USS Theodore Roosevelt, CVN-71)
ボーイフレンドはさすがサンディエゴ在住だけあって、ここを母港にしている
空母の名前をちゃんと認識していたんですね。
「セオドア・ルーズベルト」の愛称はコールサインとおなじ「ラフ・ライダー」。
ルーズベルト大統領が米西戦争に参加した時に指揮した騎兵隊の名前です。
以前、湾岸戦争における「バトルフォース・ズールー」という3隻の空母を
航行させる示威作戦についてお話ししたことがありますが、
そのうちの一隻、唯一の原子力空母が「セオドア・ルーズベルト」でした。
思い出していただきたいのですが、この作戦で「ルーズベルト」が一緒に航行した
「ミッドウェイ」は、今彼女の向かいで展示されているわけです。
「ズールー戦隊作戦」の後、「ルーズベルト」は
「ミッドウェイ」「レンジャー」(CV-61)「サラトガ」(CV-60)
「アメリカ」( CV-66)、「ジョン・F・ケネディ」(CV-67)
とともに、史上稀に見る空母6隻による戦隊航行に加わっています。
また「セオドア・ルーズベルト」は「砂漠の嵐作戦」に参加した
唯一の原子力空母となりました。
なお、「セオドア・ルーズベルト」は2017年11月12日、日本海において、
「ロナルド・レーガン」「ニミッツ」と護衛艦「いせ」「いなづま」
「まきなみ」他、艦艇数隻と日米共同訓練を実施しています。
つまり、この写真の後「ルーズベルト」はここを出航して日本に向かったのです。
エレベーターホールのガラス越しに、望遠レンズを投入して写しました。
スーパーホーネットらしい戦闘機が一機甲板の上に見えますね。
71という艦番号はライトアップできるようになっており、
番号の横の黄色い文字は、「プロペラとローターの回転に注意」とあります。
「ミッドウェイ」の手前は「ネイビー・ピア」という突堤ですが、
ここからはクルーズ船が発着します。
「ミッドウェイ」甲板上には数多くの飛行機が展示されているのがお分かりでしょうか。
ヘリのローターや、艦載機の折りたたまれた翼などが雑然と。
もう見学時間は終わり閉館しているはずですが、「ミッドウェイ」艦上ではこれから
パーティが行われるらしく、テーブルセッティングされ、人の姿もチラホラ見えます。
結婚式や誕生日パーティ、会社のパーティ、そして海軍関係者のパーティと、
この甲板は市民に会場を提供してそのお金を運営費に回しています。
他の展示軍艦とは桁外れに集客数を誇る「ミッドウェイ」ですが、維持していくために
寄付以外にもパーティスペース、子供のキャンプ会場として貸し出しているのです。
赤いシャツの人は「ミッドウェイ」の従業員、パーティ参加者はついでに見学もできます。
岸壁側の「ミッドウェイ」。
赤で描かれている飛行機のシルエットは実は「ミッドウェイ」艦載機の
戦闘機パイロットが撃墜したMiGなのですが、これについてはまた後日。
「ミッドウェイ」はもうアメリカ海軍の軍籍にないので、旗の掲揚も軍艦のそれとは違います。
甲板に展示されているF-8C(F8U-2)クルセイダー。
今回は前には同行者の体力的に無理だった甲板に行って
艦載機を全部見学することができました。
そのうちご紹介していくつもりなのでどうかお付き合いください。
ホテルのテラスは「ミッドウェイ」と海軍基地の灯りを見るための特等席です。
「ミッドウェイ」の三色のライトアップと艦燭は、サンディエゴの夜景のシンボルです。
こちらはジョアンナたちに連れて行ってもらったコロナド(海軍基地側)
から見たサンディエゴ市街と「ミッドウェイ」。
さあ、これで準備が整いました。
次号からは「ミッドウェイ」についてお話していくことにしましょう。