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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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「ガンダムは搭載してません」〜強襲揚陸艦「アルビオン」来航

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今ボストンです。

息子が留学を始めるので、生活の立ち上げ支援を口実にくっついてきました。
今年は恒例のアメリカ滞在を後ろ倒しで行うことになったため、
いつもならサンフランシスコにいる時期に渡米して
1ヶ月の東海岸での生活をスタートさせることになったものです。

出国の日の暑さは相変わらず地獄の釜のようでした。
今日を限りにこの暑さともおさらばだわ!ホーッホッホッホ!
と内心高笑いしながら迎車に乗り込んだわたしでしたが、
ローガン空港を一歩出るなり、強烈な日差し、蒸し暑い空気に愕然。
なんのことはない、これじゃ日本と全く一緒です。

ボストンの夏ってこんなだったっけ。

そう、ベストシーズンといわれる6月しか暫く知らなかったため、
8月には日本並に蒸し暑い天気であることをすっかり忘れていたのでした。


ともあれ今回の出発までにしなければならない用事が多く、
特にコメントへのお返事ができなかったことをお詫びします。

 

さて本題、晴海埠頭にイギリスの揚陸艦「アルビオン」が来るので
見に行きませんか、とお誘いを受けたのは明日が出発という日でした。

他の艦ならそんな忙しいときに、わざわざこの暑い中晴海まで行くものか、
というところですが、どっこい今回やってくるのは女王陛下のHMSです。

これを逃したらロイヤルネイビーの艦などいつ見られるかわかりません。

午後からも用事が入っていたので、朝一で見学することにして、
駐車場に停めるために、なんと公開時間の2時間前に現地に到着です。

案外車で来る人は少ないらしく、駐車場はこの時間にはガラガラでした。

まず、デッキに出ていつもお馴染みの東京湾の光景を写真に撮ります。

8時なのに太陽がギラギラと照りつけ、ものすごい湿度。

「開洋丸」は水産庁の保有する漁業調査船で、もちろん現役です。
海保の観閲式で紹介した漁業取締船の「照洋丸」も昔は調査船でしたが、
今では「開洋丸」が現在水産庁が保有する唯一の大型漁業調査船です。

デッキに上ってみました。
「アルビオン」と一緒に公開されているのは掃海母艦「うらが」。

外国の軍艦が公開されるときには、必ず海自の艦がエスコートして、
このように仲良く並んで停泊しているのがいつものパターンです。

エスコート艦は横須賀地方総監部から派出されるようですが、
日本は強襲揚陸艦を持ちませんので、カウンターパート?として
大型の掃海母艦が選ばれたのかもしれません。

昨夜は夜間の電飾も行われたようです。
もしかしたら両艦の交流パーティなどもあったかもしれません。

甲板では早くも見学用の展示の用意が始まっています。

デッキの上から「うらが」の展示魚雷を撮っておきました。
阪神基地隊の「アイドルと学ぶ日本の海上防衛」のパネルディスカッションで、
基地隊司令がホワイトボードに描いていた機雷の絵を思い出してしまいました。

MN103機雷、「マンタ」の模型も展示していました。

「うらが」には去る5月の掃海隊殉職者追悼式の前夜、
高松港で行われた艦上レセプションでお世話になったばかり。

しかし、高松港で見るより艦隊が小さい気がする・・・。
これは、高松港と晴海埠頭の大きさの違いもありますが、
何と言っても・・・・・、

どおお〜〜〜〜ん。

と大きな強襲揚陸艦「アルビオン」が横にいるせいです。
この巨大な艦体と比べれば掃海母艦ですらスマートに見えてきます。

ほらね。

自家用艇が「アルビオン」の写真を撮りに近くに寄ってきていました。

デッキから見ていると、おお、女王陛下の海兵隊員の姿確認。
やっぱり強襲揚陸艦といえば海兵隊なんですね。

今調べたところ、揚陸要員は通常で310名、最大で710名搭載できるとか。
何しろ彼らはかつてあのノルマンジー上陸作戦にも参加してますからね。

ノルマンジーといえばあのオマハ・ビーチの死傷率があまりにも高く、
プライベートライアンなんかで戦後有名になりすぎて、英国とカナダは
参戦したことすらあまり語られない傾向にありますが。

それにしても、遠目にもさすがいいカラダしてるねえ君たち。

艦首側にはグレーのCIWS付き。

イギリスは近接戦闘用の兵器を国産していないので、
アメリカのレイセオン社製ファランクスを採用しています。

レドームが灰色なので、これは同社の最新型

Block1B BaseLine2

です。
砲身の右側には赤外線センサ(FLIR)を装備しています。

「アルビオン」艦首と艦橋。
艦首はバルバス・バウですが、海面から上のラインは直線的です。

見学者を受け入れる舷梯の前には見たことないオフロード車が!
これは

BVS 10 バイキング

という水陸両用車だそうで・・・こんなものが水に浮かぶのね。

遠くから見てもロイヤルマリーンの皆さんのガタイの良さとともに
肘から先にびっしりと刺青しているのがわかります。
袖を捲り上げることが多いので、ファッションで入れるみたいですね。

ところで自衛隊って、刺青入れてたらどうなるんですか?

海軍の艦艇のカラーは国によって全く違います。
日米は少し似ていますが、イギリスのグレーは日米より
若干明るくて薄く、少し青を加えたような色味です。

ところで模型界隈の常識ですが、昔は日本海軍も工廠によって
グレーの色合いが少しずつ違っていたそうですね。
こだわる人は、その色味の微妙な違いですら正確に再現するのだとか。

舷側にオフィサーの人影発見!

続いてブルーの作業服にベレーをかぶった乗員の姿も。
若いので水兵かと思ったら、階級章は大尉でした。

しかし、体のど真ん中に階級章とは・・・。

やっぱりあれかしら、遠くから階級章を見分けて、
敬礼されるのかするのか判断しやすいようにってこと?

ちなみにイギリスでは中尉の事を「サブ・ルテナント」というようです。

艦体にはライトアップするためらしいライトがたくさん突き出しています。
どうも標準装備みたいなんですが、なぜライトアップ?

この照明器具、航行中は畳んで艦体に添わせて置くことができるようです。

日本は揚陸艦を持たないので、この日のほとんどの見学者たちにとって、
「アルビオン」が生まれて初めて見るドック型揚陸艦になったことでしょう。

わたしはアメリカで「元揚陸艦でノルマンジーにも参加しました」
というフェリーにロングアイランドから乗ったことがありますが、
それもほとんど原型がわからないくらい改装されていましたし。

後ろのアンテナはイギリス国産製品で(BAE)

997型レーダーARTISAN 3D
(Advanded Radar Target Indication Situational Awareness and Navigation)

といい、最近996型から換装されたそうです。
メーカーは

「900以上の標的を追尾可能な他、マッハ3で移動するゴルフボール大の標的も識別可能」

と豪語しているとか。

こちら、キッチン勤務の調理係らしい男女が乗艦していきます。

こちらは下士官かな?

さて、ここまでは朝現地に車を停めてデッキの上から撮った写真です。
この後、一階に降りてみたら、すでに何十人単位の列ができていました。

今から並んだら早く乗艦できるんだろうなー、と思いつつも、
あまりの気温の高さにその気力をすっかり無くし、車の中で
ギリギリまでクーラーをかけて時間をつぶしました。

誘ってくださった方が到着したのも待ち合わせ予定より10分遅く、
揚陸艦なんて大きいんだし、早く並んだって一緒だろう、と思ったのです。

が、その時には長蛇の列はこんなことに(笑)

列は早く進み、岸壁で待つことになりましたが、カバンの中をチェックするのに
各列一人しか人員を手配していないので、遅々として進みません。

太陽にジリジリとあぶられながら、

「こんなに待つのなら来てすぐ並んだ方がましだったかな」

と思うも、後の祭りです。
ただ、話し相手がいるのといないのでは全く時間の感じ方も違いました。

ふと上を見ると、海軍と海兵隊の比較的偉そうな軍人さんたちが
黒山の人だかりを上から眺めています。

この表情・・・ドン引きしてる?それか呆れてる?


ちなみに、「アルビオン」の一般公開にあたり、産経新聞は

英海軍のドック型揚陸艦「アルビオン」が3日、
東京・晴海埠頭に入港するにあたって、在日英国大使館は
「ガンダムは搭載していません」と粋なツイートをした。
アルビオンは、人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズに登場する
宇宙世紀0083年の宇宙・大気圏内両用強襲揚陸艦と同じ名前。

英国大使館のツイッターは1日、
「ガンダム0083は搭載していませんが、
たくさんの皆さんのお越しをお待ちしています」
とつぶやいた。

と報道しています。
このことは早速wikiの「アルビオン」のページにも掲載されていますが、

「ブリティッシュジョークを披露した」

って・・・。
確かにユーモアではあるけど、厳密には反体制的で皮肉、人種ネタを含む
いわゆるブリティッシュジョークではないような気がします。

英国大使館が我々を喜ばせるためにリップサービスしてくれたのは確かですが。

さあ、揚陸艦「アルビオン」の艦内で何を見るのかわたし?

続く。




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