今回ピッツバーグで滞在したのは民泊であるAirbnbだったので、
到着してしばらくは生活を快適にするためにどうしてもいろんなものを
買い集めなくてはなりませんでした。
一番困ったのが、wi-fiがない家だったことです。
契約するとき、まさか今時wi-fiの設備が全くない宿泊所があるとは思わず、
ことさらチェックしなかったのですが、到着してすぐ、それに気づきました。
早速オーナーの「おばあちゃん」に連絡を取ったところ、
「Airbnbにはwi-fiはないって書いておいたんだけど・・・・」
何事につけてもインターネットで調べることが当たり前になっているため、
例えばそのwi-fiを調達するのにもwi-fiが必要だということに気づき、
わたしたち家族は初日にして呆然としてしまいました。
No wifi, no life とはよく言ったものです。
初日の仕事は、とにかくインターネットを繋がる状態にすることでした。
幸いアメリカというところは、スーパーマーケットやカフェ、デパートやモールに至るまで
サービスでインターネットが使えるので、そこでどうするか作戦を練り、
いくつか携帯会社のショップを回ってみましたが、わたしたちのニーズに
ぴったり合うようなものはどこに行ってもありません。
試行錯誤の末、最終的にBestbuyというこちらの大型殿下ショップで
モバイルwi-fiを購入し、オンラインで契約することで問題解決しました。
ただ、問題があって、かつては取り扱っていた無制限プランがなくなり、
ギガ数が少ないので、三人で使っていると気が狂うほど遅く、
画像をアップロードするのに異様に時間がかかるくらいなので、
動画は当然観られません。
今はTOも日本に戻り、MKは学校が始まったので、わたし一人で
持ち歩き用に使っていますが、おかげでレンタカーのナビゲーションは
自分のiPhoneで行えるため、大変便利です。
最初にwi-fi問題を解決し、ようやく街に買い物に出ることができました。
ピッツバーグ市内を走っていて見つけた古いビルには、ここがかつて
「ベル テレフォン」出会ったことを表す表示がありました。
現在のAT&Tがベル電話会社を買収したのは1899年の12月だったので、
このビルはベル社が発足した1877年から22年間の間に建てられたことになります。
wi-fiを調達したBestbuyで最初に買った、ダイソンの空気清浄機付き送風機。
到着したときにあまりのピッツバーグの暑さに、暗澹たる思いをしていたのと、
Airbnbの部屋が古いので、少しでも空気を良くしようと買ってしまいました。
1ヶ月の間、三つの寝室を転々としてフル活動してくれましたが、
ピッツバーグ滞在が終わったときに日本に送りました。
アメリカという国は、アラスカでもハワイでも、巨大チェーンが展開していて、
初めて行った場所で例えば電化製品を買おうと思ったらベストバイ、
ベッドやキッチン周りのものは「バスビヨ」こと「Bed bath & beyond 」、
それらを合わせて、洋服、家具、食料品全てが揃うのはターゲット、と
困らないようになっています。
ターゲットはダーツの的のような赤い二重丸がシンボルで、
最近特にどこにでも新しく出店している勢いのあるスーパーです。
今回もサンフランシスコで新しく出店したターゲットを二店舗目撃しました。
ピッツバーグのこのターゲットは、特に新しくて他の店舗より敷地が広く、
マスコットの「スポット」くんこと「ブルズアイ」の人形が飾ってあります。
いわゆるインスタ用というか、並んで写真を撮ってください的な、
これが本当のスポットなのですが、お行儀の悪いアメリカ人は、
持ち歩いていた商品をぽいっと置いて行ったりする場所にしてしまっています。
可愛いので本物の写真を貼っておきます。
ペイントに使われている塗料は無毒であると説明されています。
アメリカのお店はどこでも「ナウハイヤリング」として、
常に従業員を募集していて、ターゲットも例外ではありませんが、
ここは従業員を「チームメンバー」と称しているようです。
ディズニーリゾートの「キャスト」みたいなものでしょうか。
ターゲットは独自ブランドの洋服も出しており、大抵は素材もペラペラで
冬物などほとんど安っぽすぎる傾向があるのですが、夏物、
特にデニムやシンプルなワンピースなどは掘り出し物が見つかります。
最近ターゲットではデブ、じゃなくて「ウーマンサイズ」
(日本でいうところのクィーンサイズ)の方々にも心置きなく、
堂々と買い物していただこうということか、ご覧のように
マネキンにウーマンサイズボディを登場させました。
マネキンだからちょっと違和感がありますが、実はアメリカ人の半数が
こういう体型だったりするので、実にプラクティカルというか商売上手。
アメリカではSサイズはむしろ少数派です。
「バスビヨ」に行ったときに見つけた変な商品。
良く見たわけではないので仕組みはわからないのですが、
マッサージ機能のある軽石付き足洗い機のようです。
足くらい自分で洗えよ、と思ったのですが、これも良く見ると
「フレッシュフィート」というこの商品のすぐ下に、
「足を洗うのに体を曲げたりストレスを感じなくて済みます」
つまりこれもアメリカならではで、体を曲げることさえできないくらい
太っている人のためのものなんじゃないでしょうか。
去年か一昨年、「 Emoji Movie」という、全く面白くなさそうな映画が
アメリカで上映されていましたが、その後すっかり市民権を得た
「Emoji」の・・・わからないので調べてみたら、Bluetoothスピーカーだそうです。
しかも商品名「jamoji」って何なんだよ。ジャパニーズの絵文字か?
ちなみにこの邪文字、いちいち名前がついていて、
左から「トラブル」「LOL」「JUST KIDDING」「KISS」
そして「チョコレートスウィール」なんだそうな。
チョコレートスウィールがプランジャーとなって登場。
プランジャーというのは、トイレが詰まったときに使う、日本では
ラバーカップと呼ばれているあの道具です。
商品名「Poo plunger」・・・・あのさあ・・。
アメリカには、地域に必ず一つはモールがあります。
露天型と室内型があり、全天候型のモールは人気があり、アメリカ人は
休みになると何となくモールに行ってわけもなくぶらつく習慣があるようですが、
必ず一つのモールに最低でもデパートが二軒、大型専門店なども入っていて、
レストランの他にご覧のようなフードコートを備えています。
このモールにはルイヴィトンとかTUMI、Apple、そしてテスラのショールームと
アメリカ人の考えるところの「この辺りでもっともグレードの高いモール」。
でもフードコートはしょせんアメリカ、謎のジャパニーズフードとか
ファイブガイズなんていうどうでもいい食べ物屋が基本だったりします。
「それにしてもこのジャパニーズ、サークって何?」
「まさかとは思うけどSakuraが何かの間違いでこうなったとか」
「まさかー」
まあ、経営にも日本人は全く関わっていないことは確かです。
ファイブガイズといえば、先日、どこかのファイブガイズで、
二人連れと三人連れ、合計5名のファイブガイズが大げんかになり、
警察沙汰になったということが話題になっていたそうです。(アメリカ限定)
心の汚れたわたしはその話をMKから聞いて即座に
「それヤラセだと思う。
ファイブガイズがファイブガイズで喧嘩。
実際話題になったしすごい宣伝効果だよね」
と決め付けました。
「でもその五人、実際に警察に捕まったんだよ?
ヤラセでそこまでする人がいるかなあ?」
確かに、それがバレたときのリスクを冒してまでファイブガイズが
宣伝のためにそこまでするかというと大いに疑問ですが。
日本でのタピオカブームは終息したんでしょうか。
タピオカランドなるものができて黒い丸いバッジを売っている、と
聞いたとき、わたしはブームの終わりを確信したのですが。
ここアメリカでは、日本にも出店しているらしいチャタイムがあって、
それなりに流行っていますが、何時間もの列ができることはありません。
ここには滞在中なんどか行ってしまいましたが、必ず注文するのは
ほうじ茶(ローストティ)の砂糖なし、タピオカ入りミルクティでした。
昨日スタンフォードに行って友人とランチを食べたのですが、
同じモールに人がえらく集まっている一角があるので何かと思ったら
boba(タピオカ)の店で、ここは結構行列ができていました。
アメリカの友人によると、ブームはアメリカの方が早かったということです。
日本式ラーメンもアメリカで今人気です。
ここサンフランシスコにも雨後の筍のようにラーメン屋ができていますが、
そのほとんどは中国人がやっているのではとわたしは踏んでいます。
ピッツバーグのダウンタウンで見つけたラーメン屋の店構えに
ちょっと期待してしまい、よせばいいのに入ってしまいました。
『トンコツ』なんてのも今や日本語で通じる時代、トンコツラーメンを頼んだら
出てきたのがこれ。
チャーシューにナルト、メンマ、もやしにゆで卵とまともでしょ?
しかし、一口食べてわたしはおごそかに宣言しました。
「これは・・・・ラーメンではない。中華そばだ」
日本式ラーメンのつるっとした感じが皆無な、粉っぽい感じ、
舌越しがモゴモゴするような麺で、全く美味しくありません。
気が付いてみれば店で働いているのは全員が中国人で、
店内のBGMは中国語のポップス。
シェフ?は客が途切れたのか、店内の空いた椅子に行儀悪く座って
何か食べながらスマホを見ています。
「全く隠す気がありませんなあ」
「わたし、こういうインチキが一番許せないんだよね」
腹が立ったのと不味かったこともあり、わたしは食べる気をなくし、
ほとんど食べずに残して店を出ました。
ちなみにMKの食べた担々麺は割と美味しかったそうです。
そりゃそっちはもともと中華ものだし。
その点、他のアジアンの料理などだと、おそらくは
間違いなくその国の人が作っているはずなので、安心です。
ここは、フォーが食べたくなって行ったベトナム料理屋さん。
たっぷりのもやしが添えられているのが嬉しい。
アメリカの普通のスーパーで売っていない野菜の一つがもやしです。
あと、しそや大葉、ミョウガも売っていません。
ついでに、豆腐はどこでも買えますが、納豆は日本食スーパーにしかありません。
滞在中二階行ってしまったヌードル専門店、「ヌードルヘッド」。
MKによると、この「ヘッド」はクレイジーのような意味があり、
「ヌードルヘッド」で「麺キチ」みたいなイメージだそうです。
いつ行ってもたくさんの人で賑わっていて、人気があるのは、
基本的にどこの料理、と国籍をくくらず、いろんなヌードルが食べられるからでしょう。
インド風カレーのスープにヌードルとか、タイ風とか、ベトナム風とか。
これもラーメンですが、味はフュージョンだったそうです。
わたしがここで滅法気に入ったのがパッタイ。パッタイは正義。
量が多いので、大抵アメリカのレストランで食べたら、パッケージをもらって
持ち帰ることができるのですが、このパッタイ、持って帰って
野菜を足して加工してもなかなかの美味しさでした。
みなさま、お待たせしました。
「ザ・アメリカのケーキ」でございます。
クリームに24色全ての色を使用してしまうという感覚がまず、
我々日本人には(多分他の国の人も)受け入れられないものですが、
不思議なのはブルーとか紫とか黄色で飾り付けられたケーキを見て
彼らが「美味しそう」と思っているらしいこと。
わたしがよく行くホールフーズやTrader Joe'sには置いていないので、
今回パッキングに必要なペンを買いにピッツバーグの「ゴールデンイーグル」という
大型スーパーに行ったとき、ここぞと撮ってきました。
真ん中四つのケーキは実はカップケーキを集めた上にクリームを乗せて
四角いケーキ風に見せているんですね。
なるほど、これならわけて食べやすい・・・ってそういう問題か?
土壌の真ん中が空いているケーキは、注文の時に名前を入れてくれるのでしょう。
それにしても、男の子の誕生日用にミニカーを乗せた芝生と道路を模ったケーキ、
どうしてケーキでこれを再現しなければならなかったのか。
というか、このミニカー、ちゃんと綺麗に洗って使ってる?
アメリカというのは、ケーキ屋さん、パティスリーがありません。
あってもせいぜいベーカリーといったところ。
「アメリカには、日本みたいにフランスで修行してきたパティシエが
自分のお店を持つ、みたいなビジネスモデルはないの?」
わたしが聞くと、彼女は
「たまにセンスのいい個人がそういうティールームを開いても、
アメリカ人には人気がなくてすぐに潰れてしまうのよ」
と身近な例を二件挙げて答えました。
まあ、こういうセンスのものがケーキだと思っているのが大多数なら
それも致し方ないのかなという気がします。
陸自のパーティなら右下の迷彩柄ケーキなどあれば盛り上がりそうですが、
これらは全て「卒業おめでとうケーキ」というわけで角帽があしらってあります。
しかし、こういうのを見ると、アメリカ人にとってケーキは
「味わうもの」ではなく「見て楽しむもの」なのがわかりますね。
ところでこれを撮ったのは8月だったわけですが、2019年の卒業シーズンは
もうこの時にはとっくに終わっていたという・・・。
最後に、ピッツバーグの家ではキッチンが充実していたので、
よく凝った料理をした、と書きましたが、その一つ。
MKがネットで探してきたレシピなのですが、このチキン、一晩
バターミルクに色々とスパイスを混ぜ込んだものに漬け込んで
味を染み込ませてから焼き上げたものです。
MKによると、バターミルクを使ったフライドチキンというのが
アメリカでは割とポピュラーな料理なのだそうですが、流石に
ディープフライはできないということでオーブンローストに切り替えました。
日本ではバターミルクなどふんだんに使うことができないので、
私にとっても初めての試みでしたが、一晩マリネードしたチキンは
味が深く染み込んで柔らかく、わたしたちはこのチキンに舌鼓を打ちました。
続く。