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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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アメリカで観る東京オリンピックとスポーツファッション史〜アメリカ滞在

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■ 2回目のワクチン接種終了

アメリカに来て1週間後ワクチンを打ちましたが、
瞬く間に3週間後が過ぎ、2回目のワクチン接種日がやってきました。

2回目接種については、その週の始めにテキストで告知があり、
前日には再三のメールも来るなど、どんなうっかりさんでも忘れないように
何度もお知らせをしてくれます。

きっちり2週間後に行わないと効果がないのだとか。

1回目の摂取時間が夜7時だったので、2回目は自動的に
同じ時間に来るようにスケジュールされていました。

時間より少し前に同じドラッグストアに行って、
奥の調剤薬局の窓口に摂取カードと書類を見せます。

英語が喋れない人のために、各国語の同時通訳の電話番号リストが
カウンターに置いてあります。
母国語のナンバーに電話をすると、無料で通訳につながります。

2回目はIDの確認なしに店内の椅子に座らされ、
そこに注射器を持ったファーマシストがやってきて、

「1回目は熱とか痛みとかどうでした?」

と聞きながら肩を消毒します。

「2日ほど筋肉痛があっただけです」

と答え終わらないうちに接種は終わっていました。
1回目と同じく、注射そのものには痛みも何も全く感じません。

モデルナのワクチンを受けたMK、2回目は頭痛がして寝られなかったというので、
ビビりまくったわたしは念のためにこのファーマシストに聞いて、こちらでは
ポピュラーなペインキラー、タイレノールを買って帰ったのですが、
その日の晩も次の朝も全くその気配もなく、肩すかしを食ったようでした。

さすがにその次の日からは腕が熱を持って腫れ、倦怠感、頭痛があって、
打った翌々日は1日ベッドでごろごろしていましたが、(多分熱もあったと思う)
辛いとか苦しいとかいう感じは全くと言っていいほどありませんでした。

患部は注射をしたところから注射液が広がった形状そのままに腫れました。
今ではそれも退いていますが、体質的に絆創膏にかぶれやすいせいで、
針跡に貼ったバンドエイドの跡が今でもうっすら残っています。


その後のニュースで、ワクチンを二回摂取すると感染しても重症化しない、
と聞いて安心したのですが、すぐに、ワクチン摂取した人であっても
デルタ株は感染する(重症化しないだけ)らしいとわかってなんだかやれやれです。

日々の情報に世界中が右往左往させられているという感じ。

こちらのニュースでも毎日盛んにデルタ株の感染について報じられており、
オリンピックという時節柄東京での感染者数がクローズアップされています。

ワクチンを打ったからと安心せずマスクをするように、と告知されているのですが、
アメリカ人は皆もうマスク生活なんてうんざりでえ!やってられっか!と思っているらしく、
(まあ気持ちはわかるがな)少なくとも一般人はほとんどがノーマスクです。

冬の間雪道を歩いた川沿いのトレイルには、手洗い所が登場しました。
所々にあしらわれている模様はお日様・・・じゃなくてもちろんコロナですよね。

効果的な手洗いには20秒が必要、ということで、
「アメイジング・グレイス」か「ハッピーバースデイ」を歌い終わるまで、
手を洗い続けましょう、と提案しているわけですが、実際にやってみたところ、
「アメイジング」は25秒かかり、「ハッピーバースデイ」は15秒で終わりました。
つまりどちらの曲も微妙ってことです。

この話をMKにしたところ、Apple Watchに「手洗いモード」があって、
手を洗い出すと、自動的に20秒カウントしてくれるというので、
面白半分でセッティングしてもらいました。

「なんで手を洗ってるって時計にわかるのよ」

「音とか手の動きがセンサーでわかるんだよ」

半信半疑でやってみると、驚くことに勝手にカウントが始まり、
20秒経つとブルッと震えて終わりの合図をしてくれます。

「すげー!」

ちょっと感心したのですが、ちょっと不思議なのが、
終わった時に出てくるメッセージ。

「とても素晴らしいです!」「よくやりました!」

など、いえいえ、それほどのことでも、と照れてしまうくらい
激賞してくれる時があるかと思ったら、

「終わりです」「完了です」

と妙にそっけない時があって、このテンションの違いはなんなのだろうと・・。


■ アメリカで観る東京オリンピック

夏場渡米することが多いせいで、ここ何年も
自宅でオリンピックを観たことがないわたしですが、今回もまた、
自国開催である東京オリンピックを海外で観戦することになりました。

わかっているのにわざわざ酷暑の日本で夏に開催することも、その放映時間も、
全てアメリカのテレビ中継に合わせてある、という噂はかねがね聞いていましたが、
常時最低3チャンネルは朝から晩まで競技を放映しています。

ただ、当然ですが、アメリカ戦が優先されるので、
日本の試合を見逃すことが多々あるのは仕方ありません。

冒頭画像は「いわゆるオリエンタルなフォント」によるTOKYO2020番組タイトルで、
これに続きレインボーブリッジを望むお台場の空撮が続きます。

オリンピックの取材でスタッフが日本にいるせいか、
このような「外人さんが日本文化を体験」みたいな紹介番組もよく観ます。

この人は金沢に訪問し、流鏑馬をやらせてもらっております。

こちらにきてからこの手の「外人さん日本旅行」企画番組として
モータージャーナリストのジェームズ・メイが北海道から九州まで
いろんな体験をするシリーズを見ましたが、これが滅法面白かったです。
(メイさんのイギリス人らしいコメントがまたなかなか皮肉が効いていて)

マイクロソフトのCMも、屋台や庶民的な飲み屋を紹介するなど、
ディープ日本にも拘っているのがオリンピックイヤーならでは。

オリンピックに関係あるのかどうかわかりませんが、
T.J.MAXXというアウトレット衣料スーパーでこんなの見つけました。

まず右側は富士山の形がヘン。
左は富士山はいいけど「優れました」というロゴがヘン。
なぜ過去形?

THE TIME IS  NOWと「全く寝ていない」というコピー、
骸骨に三つ重なった「不滅」の文字。

これは・・・あれだな。
イギリスのsuperdry「極度乾燥しなさい」ブランドのアイデアパクリかも。

McKayla Maroney Saves The Day - GEICO Insurance

オリンピック番組のスポンサーは、こぞって選手をCMに使います。
「ガイコ」という自動車保険会社も、マッケイラ・マロニーという体操選手
(ロンドンオリンピックで口を曲げる”不満顔”を見せたことで話題に)に、
屋根の上のフリスビーをジャンプで取ってもらい、
受け取ったとたんまた屋根に上げてしまって、マッケイラは「不満顔」という、
事情を知らなければ1ミリも笑えないCMを繰り返してやっています。

あと、パラリンピックの選手をCFに採用する企業はとても多いです。

パラリンピックの競泳競技は、泳ぎ方別に、脳性マヒ、脊髄損傷、切断、
機能障害などの身体障がい(肢体不自由)、視野の範囲や見え方など視覚障がい、
知的障がいという大きなクラス分けがあります。

さらに、肢体不自由と視覚障害は三つのクラスに分けられその中で勝敗を競います。
障害の程度によってハンディができないようにということだと思います。

「今こそ、私たちの中にある可能性を解き放つ時です」

ミニオンズネタでまた新作映画ができるようで、便乗広告。
有名水泳選手との共演です。
ちなみにミニオンはプールに飛び込んでもぷかぷか浮いてしまい泳げません。

コマーシャルといえば、大統領選挙戦当時トランプ支持で有名だった
「枕の社長」ことマイピロー社CEOのマイク・リンデル氏。

一時、民主党支持の小売業者(ベッドバス&ビヨンドとか)から
トランプ支持を理由に取引を終了されたというニュースがありました。
ちょうどその頃わたしはアメリカにいてたまたま閉店セールの「バスビヨ」に行き、
マイピロー商品が大量に二束三文で投げ売りされていたのを見たものです。

その後どうなったんだろうと思っていたら、普通に元気いっぱい
テレビコマーシャルに出て、自社製品の宣伝をしておられました。

アメリカでも通販が小売の主力販売法になっている昨今、
小売店に切られたからといって営業危機にまでは至っていないようです。

■ 富裕層の住居跡: The Frick

以前紹介したこともある、メロン財閥のお嬢様がデビュタントのプレゼントに
広大な土地の権利をもらって作ったというフリックパークという公園には
毎日のように朝の散歩で歩きに行っているのですが、あまりにも広くて
いまだにコースを全て把握できていません。

先日、新しいコースを開拓していたところ、公園の反対側に
邸宅とミュージアム、庭園があるのを見つけました。

アメリカではこういう邸宅を「マンション」と呼びます。
日本で言うマンションはアメリカでは「アパートメント」です。

この家が建築されたのは1860年代。
その後1881年にフリックという夫妻が結婚直後に購入し、
その後フリック家の人々が亡くなるまで住んでいました。

ガラス張りの温室の向こうに見えるのは子供達の「プレイハウス」。

「お遊び場」といっても、この説明によるとそこは

「友人をもてなしたり、アクティビティを企画したり、ダンスなど、
社会的スキルを練習したりと、大人になってから期待される役割の多くを実践する場」

であったとかなんとか。
特に右側のお兄さんの方は、まだ12歳くらいといったところでしょうが、
もうすでにいっぱしの紳士の自覚のようなものがその大人びた表情に見えます。

その後、フリック家の居住地域は、美術館、博物館、植物園、
カフェを備えた「The Frick」として地域の人々が憩う場所になっています。

カフェではカウンターで注文し、外のテーブルで食事ができます。
この日は湿度も低く、木陰が最高に快適でした。

ちなみに周りにいたのはほぼ全員が年配のアメリカ人(白人)ばかりでした。

アメリカン・ゴールドフィンチは日本語で「オウゴンヒワ」といいます。

鮮やかな黄色をしていますが、これは繁殖期の雄にのみ見られる色で、
平常時はくすんだ黄色になるそうです。

しつこく追いかけられて固まるリスも

■ スポーツファッション展

「ザ・フリック」のメインとなる博物館入り口。
建物よりも四角く刈り込まれた植栽に感心してしまいました。

2021年の東京オリンピックは「2020年TOKYO」という名称を変えていませんが、
とにかくオリンピックイヤーには違いないということか、この博物館では
「スポーティングファッション」と題して、1860年代から1960年代までの
女性のアウトドアスポーツファッション展を催していました。

赤いバイクの横に、1860年代のサイクリング用パンツスーツと、
ゴーグルに皮パンツ、皮の手袋という1960年代のバイクファッションが並んでいます。

1879年代の「ベーシングスーツ」つまり水着です。

左からゴルフ、アーチェリー、ジムでのトレーニング用、一番右はフェンシング。

どのスタイルも動きやすさより体の線をかくすこと優先。

「サブゼロファッション」、極寒期のファッションです。

1900年代の雪上ファッションいろいろ。
左の人が持っているのはいわゆる「カンジキ」でしょうか。

初期のローラースケートシューズ。
靴に二輪が着いていますが、履き(乗り?)こなすのは難易度高そう。

富豪だったフリック夫人の旅行ファッションと愛用のルイ・ヴィトントランク。
おそらく1800年代の制作だろうと思われます。
当時は富豪の旅行=船旅だったので、こんなタンスのようなスーツケースが主流でした。

1900年代になってから基本スタイルがほとんど変わらないのが乗馬ファッション。
内側に皮を張ったいわゆる乗馬ズボン、裾の長いジャケット、
そして膝までの乗馬ブーツは1912年の最新乗馬スタイル。

1800年代の女性は、乗馬の際鞍に跨らず横座りをしていたので、
下半身は長いスカートとなります。
後ろにスカートでの乗馬スタイルの絵がありますね。

右二つはアメリカでいう「ランチファッション」。
日本人なら「カウガールスタイル」というかもしれません。

目を引いたのは1800年代の「レインファッション」。
まあ、雨に濡れることはないかもしれませんが、
コートの中のスカートが水を吸ってえらいことになりそうな予感・・。

これをファッションと呼ぶのはどうかと思いますが・・。
海岸で水着に着替えるときに使用する「簡易着替え着」です。

昔は水着に着替えるのすら施設がなくて大変だったんですね。

■おまけ:アンバーアラート

滞在中必ず1〜2度は遭遇する「アンバー・アラート」。

児童(未成年者)の誘拐や行方不明が発生すると、テレビやラジオ、
最近ではSNSなどの公衆メディアを通じて発令される緊急事態宣言(警報)です。

この時のアンバーアラートはニュージャージーで発生、
セバスチャン・リオスという2歳の児童とその母親が「拉致された」
というのですが、拉致したのはテイラー・リオス、どうも
彼らの父親で夫のようです。

父親による「連れ去り」事件は案外多いらしく、昨年滞在中にも
父親が自分の子供を拉致したというアンバーアラートが入り、
高速上の電光パネルに子供の写真が大写しになっていました。

"AMBER"とは"America's Missing: Broadcasting Emergency Response"の頭文字、
そして1996年にテキサス州で誘拐・殺害された少女、
「Amber Hagerman」の名前を意味しています。

この時、誘拐の情報が早期に地域住民に知らされていれば
少女は見つかっていた可能性があったことから、事件以降、
高まったシステムの整備への要請の声を受けて成立したのが
「アンバーアラート」というわけです。

 

 


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