ミシガン湖から流れ込む川のほとりに係留されているUSS「エドソン」。
後甲板から入艦して火器管制室までをご紹介しました。
今日はその続きとなります。
火器管制室のあった上部塔から降りてきました。
階段の下にはかつて使用されていたらしいフリートマークが放置。
ここからは上甲板の舷側を左回りに進んでいきます。
■ Mk 46 短魚雷
Mk-46短魚雷
魚雷とは、水中で作動する自走式の誘導発射体であり、
目標に接触または近接すると爆発するように設計されています。
潜水艦、水上艦、ヘリコプター、固定翼機から発射されたり、
他の武器の部品としても使用されます。
マーク46魚雷は ASROC (対潜ロケット) の弾頭セクションとなり、
キャプター(CAPTOR)機雷は、敵との接触が検出されたときに
魚雷を放出する水中センサー プラットフォームを使用します。
CAPTOR機雷について説明しておきますと、
これは正式にはMk60CAPTORという名称で、
それそのものは魚雷を射出するための機雷です。
名称は、EnCAPsulated TORpedo(魚雷収納カプセル)からきています。
Mk60 CAPTOR
「エドソン」甲板にあったこれもたぶんCAPTOR
Mk.46 Mod4短魚雷がこの缶体内発射管に収められており、
目標の捜索はパッシブ・ソナーにて行われ、
発射諸元はアクティブ捜索により調整されます。
発射後の魚雷は通常のMk46短魚雷として行動します。
後ろから見たところ 魚雷マークが描かれている
紙が劣化して見にくくなっておりますが「現在のアメリカ海軍の魚雷」。
「現在」というのはこの資料が作られた2015年現在のことだと思われます。
この時点におけるアメリカ海軍の3 つの主要魚雷は、
Mark 41 重量魚雷
Mark 46 軽量魚雷
Mark 50 対潜短魚雷
MK-46 魚雷は高性能潜水艦対戦用を想定して設計されており、
水上戦闘魚雷発射管、ASROCミサイル、
固定翼および回転翼航空機から発射が可能。
現在 NATO の標準として認識されています。
1989年に、浅海における MK-46 Mod 5 の性能を向上させるための
大規模なアップグレードプログラムが開始されました。
これらの改良を加えた武器は、Mod 5A ・Mod 5A(S) として識別されます。
MK-46 Mod 5 魚雷は、海軍の軽量対潜魚雷のバックボーンであり、
2015 年まで運用される予定です。
MK46は、カリフォルニアのパサデナにある米国海軍海面下センター(NUC)
によって実施された「RETORC I (魚雷研究構成) プログラム」に準拠します。
こちらはMk323連装ランチャーから射出されるMk 46。
写真は三等写真兵曹(フォトグラファーズ メイト)が撮ったものです。
水上艦艇から射出されているMk 46
■ プロジェクト「ノブスカ」
構造物沿いに左回りして右舷側に出てきました。
ここにもMk46魚雷。
現地にあった説明より。
一部繰り返しになりますが翻訳しておきます。
Mk46魚雷は、米海軍の対潜用軽量魚雷の基幹であり、NATO規格です。
航空(エアリアル)魚雷は、高性能潜水艦攻撃を念頭に設計されました。
Mod 5 から Mod 5A および Mod 5A(S) への改良を
1989年に実施したことにより、浅海における性能が向上しました。
潜水艦戦に関する 1956年夏に行われた研究、「ノブスカ計画」によって
いくつかの兵器の実装が推奨されたのですが、Mk46 は当初、
そのうちひとつの研究魚雷コンセプト I (RETORC I) として開発されました。
ちなみに「ノブスカ計画」Project Nobska は、
1956年夏、海軍作戦部長アーレイ・バーク提督が命じた
アメリカ海軍の対潜水艦戦(ASW)に関する研究のことです。
近くにマサチューセッツ州ケープコッドのノブスカ岬があったことから、
この名前がつけられました。
この研究の焦点は、原子力潜水艦のASWへの影響、
特に原子力潜水艦を防御するための新技術でした。
研究結果はその後の米海軍の潜水艦設計に影響を与えました。
ポラリス潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が承認されたのもこの成果です。
■ Mk 46 Mod 5 詳細
■ 主な機能: 航空および艦艇から発射される軽量魚雷
■ 設計 請負業者: アライアント テックシステムズ
■ 発電: 2 速レシプロ外部燃焼 単元推進剤 (オットー燃料 II)
■ 長さ: 8 フィート 6 インチ (2.59 m) のチューブ発射構成 (船から)
ASROC ロケットブースターを使用した場合は 14 フィート 9 インチ (4.50 m)
■ 重量: 508 ポンド (230 kg)(ウォーショット構成)
■ 直径: 12.75 インチ (323.8 mm)
■ 射程:12,000ヤード(10,973メートル)
■ 深度:1,200フィート(366メートル)
■ 速度: > 40 kn (46 mph; 74 km/h)
■ 誘導システム: ホーミングモード: アクティブまたはパッシブ音響ホーミング
■起動/検索モード: スネークまたはサークル検索
USS「マスティン」から射出されるMk 46 魚雷
ここで「エドソン」右舷舷側に立ち河岸を見てみます。
ベージュの木の建物がチケット売り場券お土産ショップ、
もちろんトイレなどもここにあります。
左のオープンエアのバラックが、ボランティアなど関係者の待機所で、
メンテナンスに使うカートが止まっており、
その向こうに和気藹々と過ごしているボランティアがいます。
おそらくバーベキューグリルなどもあると思われます。
右舷のボートとデリック。
ここで右舷は行き止まりとなります。
もう一度左舷に戻り、艦首に向かって歩いていきます。
画面右側に冷凍庫みたいなものが見えますが、何かわかりません。
マシンガンのシールドです。
「エドソン」が搭載していた重機関銃はブラウニングのM2、50口径。
諸元が貼ってあったので、その通りに書いておきます。
ところどころ翻訳できなかった部品の名称がありますが、
そこのところは想像力で補っていただけると幸いです。
受信機グループ 重量・・・60ポンド
バレル重量 ・・・24ポンド (およそ)
三脚座 M3 の重量 (横行昇降機構付) ボルト付きピントル・・・44LB
総重量 完成時三脚座M3に装着中・・約128 ポンド
最大射程 (M2 弾) ・・・約6,800 メートル
最大有効射程 ・・・1,830 メートル
発射速度: ・・40ロード( 1分以下 持続)
初速 (M2 弾) ・・・毎秒 3,050 フィート (時速 2,080 マイル)
銃の長さ 全体 ・・・およそ65インチ
最大射程が7キロ弱!
左舷側のシートは接舷の際、艦長が座る席でしょうか。
何十年も風雨に曝され、しかもここミシガンは、
冬になると氷点下20度も珍しくない極寒で雪も積もるのに、
不思議なくらいシートが劣化していません。
オフシーズンはカバーをかけているのかな。
■艦橋
ブリッジまでやってきました。
駆逐艦に共通する、コンパクトな司令塔です。
手前の椅子は司令官用だと思われます。
米海軍は自衛隊のようにシートの色で階級を表現する文化はないようです。
座高の低いわたしには座って水平線を見ることもできない椅子。
レーダーディスプレイ装置
レーダーが初めて軍で使用されたころ、レーダーが提供する情報は
単体のユニットコンソールに表示されており、コンソールには、
スコープとその関連制御装置、受信機と送信機の制御装置を搭載していました。
しかしレーダーの開発が進むにつれて、艦船には複数の種類のレーダー
(航空捜索、水上捜索など)が装備されるようになってきます。
複数の異なるレーダーからの情報を、物理的に分離されたコンソールで
利用できるようにしなければならないことが、明らかになったからです。
レーダー情報を表示する装置はレーダー・インジケータと呼ばれ、
他のレーダー機器から離れた場所に設置できるため、
リモート・インジケータ=レピーターと呼ばれます。
AN/SPA-25G
「エドソン」が搭載しているAN/SPA-25Gは、
高度航法、航空捜索、戦術状況レーダー表示装置であり、
サーチ、戦術状況ソリッドステート・レーダー・インジケータです。
この時代の「ソリッドステート」とは、今とは違い、
「可動部品ゼロ」という意味だと私は理解しました。(違ったらすみません)
同装備はCICとブリッジの両方で使用するために設計されており、
航法、到着予想点(EPA)、航空管制に関連する距離、
方位、プロットの問題をすべて解決することによって、
オペレーターの作業負担を軽減しながら能力を向上させることができます。
しかしまた、手動で測距、方位計算を行うことも可能で、
ボタンを押したり、スティックを動かしたり、解答を表示したりすることで
インジケーター・スクリーンに結果が表示されます。
エンジンテレグラフはハンドルのお触り禁止。
何かの弾みでポロッと取れちゃったりしたんでしょうか。
手前にはビナクル。航法計器で、普通舵輪の前方にあります。
近くにビナクルの使用説明書(水浸しになったらしい)がありました。
こちらが舵輪。
今までの艦艇見学ではお目にかかったことのないタイプです。
やはり第二次世界大戦時のものと、戦後のものでは
この辺が大きく違ってくるのかもしれません。
「エドソン」現役時、舵輪の金属部分は鏡のように磨かれていたことでしょう。
インターコム
艦隊の現在状況を書き込むボード。
「ヒューイット」DD966
「トラックスタン」CGN35(原子力ミサイル巡洋艦)
「ビュルカン」AR5(工作艦)
「ニミッツ」CVAN68
「トーマス・C・ハート」FF1092
「ジョン・ロジャース」DD983
「エンタープライズ」CVN65
「ロングビーチ」CGN9
陣容から見て、1975年以降の艦隊であると推測されます。
「ニミッツ」はCVAN(原子力攻撃空母)とありますが、彼女の就役1ヶ月後、米海軍は大々的な艦種変更を行ってCVNに変更されていますから、
おそらくこれを書いた人が間違えていると思われます。
海軍軍人でも艦影を見ただけで艦種をすぐに認識できるとは限りません。
というわけで、ここには同胞の艦影早見表があったりします。
シロートにはこの艦影だけで見分けるのも難しそうですが。
開いたページには「シムズ」「フレッチャー」など駆逐艦の艦影が。
ナビゲーションデスクには紙の地図。
「エドソン」現役時にはすでにデジタル化されていたはずですが、
どんな最新機能の軍艦にもアナログ地図は不可欠です(たぶん)。
ブリッジ右舷側にあるのが艦長席かもしれません。
そしてこちらが右舷側のデッキにある司令官用シート。
自衛隊の駆逐艦にはこういう装備はなかった記憶なのですが、
やはり海軍の歴史の長い国だけに、どちらもそれぞれ
設計に思想があるのだということがこんなことからも感じられます。
続く。
後甲板から入艦して火器管制室までをご紹介しました。
今日はその続きとなります。
火器管制室のあった上部塔から降りてきました。
階段の下にはかつて使用されていたらしいフリートマークが放置。
ここからは上甲板の舷側を左回りに進んでいきます。
■ Mk 46 短魚雷
Mk-46短魚雷
魚雷とは、水中で作動する自走式の誘導発射体であり、
目標に接触または近接すると爆発するように設計されています。
潜水艦、水上艦、ヘリコプター、固定翼機から発射されたり、
他の武器の部品としても使用されます。
マーク46魚雷は ASROC (対潜ロケット) の弾頭セクションとなり、
キャプター(CAPTOR)機雷は、敵との接触が検出されたときに
魚雷を放出する水中センサー プラットフォームを使用します。
CAPTOR機雷について説明しておきますと、
これは正式にはMk60CAPTORという名称で、
それそのものは魚雷を射出するための機雷です。
名称は、EnCAPsulated TORpedo(魚雷収納カプセル)からきています。
Mk60 CAPTOR
「エドソン」甲板にあったこれもたぶんCAPTOR
Mk.46 Mod4短魚雷がこの缶体内発射管に収められており、
目標の捜索はパッシブ・ソナーにて行われ、
発射諸元はアクティブ捜索により調整されます。
発射後の魚雷は通常のMk46短魚雷として行動します。
後ろから見たところ 魚雷マークが描かれている
紙が劣化して見にくくなっておりますが「現在のアメリカ海軍の魚雷」。
「現在」というのはこの資料が作られた2015年現在のことだと思われます。
この時点におけるアメリカ海軍の3 つの主要魚雷は、
Mark 41 重量魚雷
Mark 46 軽量魚雷
Mark 50 対潜短魚雷
MK-46 魚雷は高性能潜水艦対戦用を想定して設計されており、
水上戦闘魚雷発射管、ASROCミサイル、
固定翼および回転翼航空機から発射が可能。
現在 NATO の標準として認識されています。
1989年に、浅海における MK-46 Mod 5 の性能を向上させるための
大規模なアップグレードプログラムが開始されました。
これらの改良を加えた武器は、Mod 5A ・Mod 5A(S) として識別されます。
MK-46 Mod 5 魚雷は、海軍の軽量対潜魚雷のバックボーンであり、
2015 年まで運用される予定です。
MK46は、カリフォルニアのパサデナにある米国海軍海面下センター(NUC)
によって実施された「RETORC I (魚雷研究構成) プログラム」に準拠します。
こちらはMk323連装ランチャーから射出されるMk 46。
写真は三等写真兵曹(フォトグラファーズ メイト)が撮ったものです。
水上艦艇から射出されているMk 46
■ プロジェクト「ノブスカ」
構造物沿いに左回りして右舷側に出てきました。
ここにもMk46魚雷。
現地にあった説明より。
一部繰り返しになりますが翻訳しておきます。
Mk46魚雷は、米海軍の対潜用軽量魚雷の基幹であり、NATO規格です。
航空(エアリアル)魚雷は、高性能潜水艦攻撃を念頭に設計されました。
Mod 5 から Mod 5A および Mod 5A(S) への改良を
1989年に実施したことにより、浅海における性能が向上しました。
潜水艦戦に関する 1956年夏に行われた研究、「ノブスカ計画」によって
いくつかの兵器の実装が推奨されたのですが、Mk46 は当初、
そのうちひとつの研究魚雷コンセプト I (RETORC I) として開発されました。
ちなみに「ノブスカ計画」Project Nobska は、
1956年夏、海軍作戦部長アーレイ・バーク提督が命じた
アメリカ海軍の対潜水艦戦(ASW)に関する研究のことです。
近くにマサチューセッツ州ケープコッドのノブスカ岬があったことから、
この名前がつけられました。
この研究の焦点は、原子力潜水艦のASWへの影響、
特に原子力潜水艦を防御するための新技術でした。
研究結果はその後の米海軍の潜水艦設計に影響を与えました。
ポラリス潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が承認されたのもこの成果です。
■ Mk 46 Mod 5 詳細
■ 主な機能: 航空および艦艇から発射される軽量魚雷
■ 設計 請負業者: アライアント テックシステムズ
■ 発電: 2 速レシプロ外部燃焼 単元推進剤 (オットー燃料 II)
■ 長さ: 8 フィート 6 インチ (2.59 m) のチューブ発射構成 (船から)
ASROC ロケットブースターを使用した場合は 14 フィート 9 インチ (4.50 m)
■ 重量: 508 ポンド (230 kg)(ウォーショット構成)
■ 直径: 12.75 インチ (323.8 mm)
■ 射程:12,000ヤード(10,973メートル)
■ 深度:1,200フィート(366メートル)
■ 速度: > 40 kn (46 mph; 74 km/h)
■ 誘導システム: ホーミングモード: アクティブまたはパッシブ音響ホーミング
■起動/検索モード: スネークまたはサークル検索
USS「マスティン」から射出されるMk 46 魚雷
ここで「エドソン」右舷舷側に立ち河岸を見てみます。
ベージュの木の建物がチケット売り場券お土産ショップ、
もちろんトイレなどもここにあります。
左のオープンエアのバラックが、ボランティアなど関係者の待機所で、
メンテナンスに使うカートが止まっており、
その向こうに和気藹々と過ごしているボランティアがいます。
おそらくバーベキューグリルなどもあると思われます。
右舷のボートとデリック。
ここで右舷は行き止まりとなります。
もう一度左舷に戻り、艦首に向かって歩いていきます。
画面右側に冷凍庫みたいなものが見えますが、何かわかりません。
マシンガンのシールドです。
「エドソン」が搭載していた重機関銃はブラウニングのM2、50口径。
諸元が貼ってあったので、その通りに書いておきます。
ところどころ翻訳できなかった部品の名称がありますが、
そこのところは想像力で補っていただけると幸いです。
受信機グループ 重量・・・60ポンド
バレル重量 ・・・24ポンド (およそ)
三脚座 M3 の重量 (横行昇降機構付) ボルト付きピントル・・・44LB
総重量 完成時三脚座M3に装着中・・約128 ポンド
最大射程 (M2 弾) ・・・約6,800 メートル
最大有効射程 ・・・1,830 メートル
発射速度: ・・40ロード( 1分以下 持続)
初速 (M2 弾) ・・・毎秒 3,050 フィート (時速 2,080 マイル)
銃の長さ 全体 ・・・およそ65インチ
最大射程が7キロ弱!
左舷側のシートは接舷の際、艦長が座る席でしょうか。
何十年も風雨に曝され、しかもここミシガンは、
冬になると氷点下20度も珍しくない極寒で雪も積もるのに、
不思議なくらいシートが劣化していません。
オフシーズンはカバーをかけているのかな。
■艦橋
ブリッジまでやってきました。
駆逐艦に共通する、コンパクトな司令塔です。
手前の椅子は司令官用だと思われます。
米海軍は自衛隊のようにシートの色で階級を表現する文化はないようです。
座高の低いわたしには座って水平線を見ることもできない椅子。
レーダーディスプレイ装置
レーダーが初めて軍で使用されたころ、レーダーが提供する情報は
単体のユニットコンソールに表示されており、コンソールには、
スコープとその関連制御装置、受信機と送信機の制御装置を搭載していました。
しかしレーダーの開発が進むにつれて、艦船には複数の種類のレーダー
(航空捜索、水上捜索など)が装備されるようになってきます。
複数の異なるレーダーからの情報を、物理的に分離されたコンソールで
利用できるようにしなければならないことが、明らかになったからです。
レーダー情報を表示する装置はレーダー・インジケータと呼ばれ、
他のレーダー機器から離れた場所に設置できるため、
リモート・インジケータ=レピーターと呼ばれます。
AN/SPA-25G
「エドソン」が搭載しているAN/SPA-25Gは、
高度航法、航空捜索、戦術状況レーダー表示装置であり、
サーチ、戦術状況ソリッドステート・レーダー・インジケータです。
この時代の「ソリッドステート」とは、今とは違い、
「可動部品ゼロ」という意味だと私は理解しました。(違ったらすみません)
同装備はCICとブリッジの両方で使用するために設計されており、
航法、到着予想点(EPA)、航空管制に関連する距離、
方位、プロットの問題をすべて解決することによって、
オペレーターの作業負担を軽減しながら能力を向上させることができます。
しかしまた、手動で測距、方位計算を行うことも可能で、
ボタンを押したり、スティックを動かしたり、解答を表示したりすることで
インジケーター・スクリーンに結果が表示されます。
エンジンテレグラフはハンドルのお触り禁止。
何かの弾みでポロッと取れちゃったりしたんでしょうか。
手前にはビナクル。航法計器で、普通舵輪の前方にあります。
近くにビナクルの使用説明書(水浸しになったらしい)がありました。
こちらが舵輪。
今までの艦艇見学ではお目にかかったことのないタイプです。
やはり第二次世界大戦時のものと、戦後のものでは
この辺が大きく違ってくるのかもしれません。
「エドソン」現役時、舵輪の金属部分は鏡のように磨かれていたことでしょう。
インターコム
艦隊の現在状況を書き込むボード。
「ヒューイット」DD966
「トラックスタン」CGN35(原子力ミサイル巡洋艦)
「ビュルカン」AR5(工作艦)
「ニミッツ」CVAN68
「トーマス・C・ハート」FF1092
「ジョン・ロジャース」DD983
「エンタープライズ」CVN65
「ロングビーチ」CGN9
陣容から見て、1975年以降の艦隊であると推測されます。
「ニミッツ」はCVAN(原子力攻撃空母)とありますが、彼女の就役1ヶ月後、米海軍は大々的な艦種変更を行ってCVNに変更されていますから、
おそらくこれを書いた人が間違えていると思われます。
海軍軍人でも艦影を見ただけで艦種をすぐに認識できるとは限りません。
というわけで、ここには同胞の艦影早見表があったりします。
シロートにはこの艦影だけで見分けるのも難しそうですが。
開いたページには「シムズ」「フレッチャー」など駆逐艦の艦影が。
ナビゲーションデスクには紙の地図。
「エドソン」現役時にはすでにデジタル化されていたはずですが、
どんな最新機能の軍艦にもアナログ地図は不可欠です(たぶん)。
ブリッジ右舷側にあるのが艦長席かもしれません。
そしてこちらが右舷側のデッキにある司令官用シート。
自衛隊の駆逐艦にはこういう装備はなかった記憶なのですが、
やはり海軍の歴史の長い国だけに、どちらもそれぞれ
設計に思想があるのだということがこんなことからも感じられます。
続く。