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平成26年自衛隊音楽まつり~歌姫たちと自衛太鼓

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平成26年自衛隊音楽まつり、続きです。
第三章の「to the world  」。

オーストラリア陸軍軍楽隊の演奏で幕を開けました。

 

自衛隊音楽まつりには2階目の参加となります。
精緻な教練によるドリルの確かさに定評のある音楽隊で、
オーストラリア独特の旋律と野性味を加味したエキサイティングなステージが
前回も好評を博したということです。



ドラムメジャーは准尉(下士官の最高位)が務めます。
海自のドラムメジャーは毎年若くて背の高いイケメンを選んでいるようですが、
こういう叩き上げっぽいおじさんドラムメジャーもかっこいいですね。



オーストラリアと言えば?

そう、ワルツィング・マチルダ。
陸自音楽隊の「カルミナ・ブラーナ」もそうでしたが、この軍楽隊は
海自の「軍艦」のように必ずどこかでこの国歌を入れることにしているらしく、
よくよく聴けばワルツィング・マチルダのメロディ混入が感じられる、
という程度にメロディを混ぜ込んで使用していました。
よく聴かないと聞き逃した人もいるかもしれません。

いつの間にか曲は「スターウォーズ」のジェダイのテーマになっていました。



英国の影響が見られます。
バグパイプの通奏低音を模した部分を持つ行進曲、
「Parade of the Tail Ships」などで、足運びもこの通り。



オーストラリア陸軍の歌手は前回もその歌唱力で会場を沸かせたそうですが、
そのときと同じ歌手でしょうか。

オーストラリア陸軍の歌姫登場。



「Spinning Around」「On a Night Like This」

彼女が歌ったのはオーストラリアのロックシンガー、
カイリー・ミノーグのナンバー二つ。 



ノリのいいテンポの曲で、リズムセクションもイケイケです(笑)



この日出場した女性歌手の中で、最もパワフルでリズム感に溢れ、
実力があると思われたのがこの人でした。



声も立派なら体型も大変立派です。



日本に取っての「故郷」に相当すると思われる、オージー心の歌、
「I Still Call Australia Home」が最後に演奏されました。


I Still Call Australia Home 2004 Director's Cut



続いて、東日本大震災のあと、日本のために世界のトロンボーン奏者が
チャリティの為に作った曲があります。
それがこれ、「A SONG FOR JAPAN」。
HPにはこのときの演奏が収録されています。



自衛隊音楽祭り2014~A SONG FOR JAPAN~



つづいては陸海空合同音楽隊によるおなじみ「テーマソング特集」。

「陸軍分列行進曲」「海をゆく」「空の精鋭」ときて、最後に
『君が代行進曲』という安定の選曲です。

海自は「軍艦」をドリルに入れるのが恒例になっているので、こちらでは
「海自テーマソング」である「海をゆく」が使用されますが、
必ずこのとき歌手が歌を添えます。

去年は三宅三曹と川上二曹のデュエットでしたが、今年は川上二曹のソロでした。



戦車、護衛艦、そして航空機の形を象ったドリルがあるのもいつも通り。
ことしはテーマに因んで、「JAPAN」と、



このような人文字が描かれました。



そしてこの日最も印象的であった全軍合同演奏による、映画「FROZEN」の

LET IT GO

が、これも女性歌手を全楽隊から一人ずつ出して競演。
何とゴージャスなのでしょうか。
フィリピン海兵隊音楽隊からは出していませんが、そもそも軍楽隊に
女性は一人もいないようでした。



全員による伴奏は壮観です。



まずワンコーラスを日本語で歌い、ツーコーラス目を英語で。
ここでもむっちゃ目立っているオーストラリアの歌姫。

海兵隊からも女性歌手を出してきましたが、彼女は
遠目からなのでよく分からないものの、東洋系の容貌をしていました。





日本も空自、陸自の歌手は「兼業」で、海兵隊と米陸軍もそうなのですが、
もしかしたらこのオーストラリアの姫だけは「専業歌手」なのではないかと
思ったくらいです。

しかし、あらためてYouTubeの演奏を聴いてみると、皆うまいですねm(_ _;)m



Let It Go



手を振りながら退場する歌姫たち。
こういう競演が見られるのは音楽まつりだけです。
文句なく得した気分になりますね。

この後全部隊によるドボルザークの「新世界より」最終楽章で
第3章のフィナーレとなりました。




続いて自衛太鼓。



いつもこの自衛太鼓に参加している女性自衛官に注目しますが、
結構な割合できりっとした凛々しい美人がいる気がします。



これが自衛官で、普段どんな任務に就いているのだろう、と
彼らの写真を見ていると興味をそそられます。
実戦部隊が多いというイメージがありますが、自衛隊というのは
ありとあらゆる職業が存在する社会の縮図のようなところですから、
歩兵がいれば給養員とか会計任務とかもきっといるに違いありません。



聞いた話によると、これだけ自衛隊の広報に役立っているにもかかわらず、
自衛太鼓は「クラブ活動」という扱いなので、太鼓の維持費や衣装は全て、
隊員たちの持ち寄りによって賄われているのだそうです。

このあたりは厳しい自衛隊ですから、断じて公私混同はしません。
かつてオートバイに航空機のガワを被せてパフォーマンスを行う
「ジュニア」で、官品の帚を折って使用した為おおごとになった、
という話がありましたっけ・・。



全国から馳せ参じた自衛太鼓の部隊。
ほとんどの幟がいわゆる歌舞伎字体ですが、「エイサー隊」だけは
パソコンのフォントを大きくしただけのような・・・・気のせいかしら。








エイサー隊は衣装も少し他と違います。
持っているこの太鼓も沖縄の民族楽器でしょうか。



そして、部隊の右と左で交互に各太鼓部隊がショートパフォーマンス。
演奏中に反対側でスタンバイをして音は途切れることなく続きます。



演奏している間、プロジェクタには部隊名が書かれ、
日本地図の部隊所在地の部分がメラメラと燃えるという趣向。
これは去年と同じでした。



そして陣太鼓。
参加者全員による一糸乱れぬパフオーマンス。
今まで一度もないので見たこともありませんが、だれかがつまづくとか
バチを落とすとか、そういうミスは勿論のこと、音の乱れや
狂いも全くありません。

これだけの大小の太鼓が同時に響き渡ると、広い武道館が
まるでそれ自体太鼓の皮のように共振し、振動し、
地鳴りに身体がつつまれているようになりました。

太鼓の音というのは実にプリミティブな音楽経験をさせてくれます。
楽器演奏というものが太古の昔、太鼓から始まったように、
人間の原初的な感覚を呼び覚ましてくれるようです。


と、全く同じ文句を去年の音楽まつりの感想に書いたのですが、
同じことを思ったので同じことを書きます。

息子の宿題の手伝い(金曜日までに第二外国語の本を一冊読むというもので、
3日前なのにほとんど何もしていなかった愚息が途方に暮れていたので
取りあえずわたしが自動翻訳に一冊全部を打ち込んでプリントアウト)
をしていてエントリ制作の時間がなくなり、大変焦っているということは
何の関係もありません。



今年はこの振動に身を委ねながら、ここにいる彼らが「軍人」であることを考えました。

この全員が一条の流れに沿って躍動しつつ秩序のある轟音を作り上げて行く。
そのバチ捌きには少しの狂いもなく、生み出されるのは力強く確かな音。
この狂乱の音の巨大な塊を全員で作り上げて行くため、
しかし確乎たる信念を持って彼ら一人一人はここにあるということを。

それはことあらば自らの命を顧みず国民の生命と財産を守る為に、
日頃から弛まぬ訓練を黙々と行う自衛官たちの精神そのものです。

「もし日本と戦争をしようという国の人間がこれを見たらきっと恐ろしいだろうなあ」

なぜかふとこのようなことを思いました。



続く。








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