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Channel: ネイビーブルーに恋をして
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陸自の歌姫と米空軍の「ハナミズキ」〜平成27年度 自衛隊音楽まつり

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音楽まつりに出演する地方の音楽隊は年によって少しずつ違います。
陸空海のメイン音楽隊(防衛大臣直轄のもの)である海自東京音楽隊、
空自航空中央音楽隊、陸自中央音楽隊以外は駐屯地、方面隊、地方隊所属の
音楽隊ということになるのですが、それらは毎年持ち回りで出演します。



まずは陸上自衛隊東北方面音楽隊の演奏。
東北民謡である「斎太郎節」とミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の
フュージョンという面白いプログラムできました。



ドリルだけでなく、空自がよくやっている「旗振り」トワラー投入です。



前で「ブーン」している人がいる・・・。
トワラーのいでたちは着物のイメージで、旗は大漁旗でしょうか。



斎太郎節のあと、「マイ・フェイバリット・シングス」「すべての山に登れ」
など、サウンド・オブ・ミュージックの名曲がメドレーで繋がれます。



旗を投げ上げて受け取る技ももちろん失敗なし。
事前に流された練習映像では落としている人もいましたが、
さすがに本番では皆ピタリと決めてきます。



いつの間にか「すべての山に登れ」と「斎太郎節」が一緒に鳴っていました。



続いては陸自中部方面音楽隊ドリル演奏です。
伊丹駐屯地に拠点を置く音楽隊で、この制服のかっこよさは異常。

今回もしかしたらもっとも注目が集まったのではないかという理由に、
「進撃の巨人」のテーマソングを「超高速ドリルとともに」行う、
という予告があったことがあります。

音楽まつりで他国軍のドリルと自衛隊のそれを比べていて思うのは、
ドリルのキレというか、極限までステップを細かく刻むことを、日本のブラバンは
もっとも重視しているのではないかということです。 

米軍音楽隊はそういうのとはまた別のところに重きを置いているように思いますし、
ましてや他の国、今回ゲストだった韓国軍バンドなどは、全く問題外でした。

この「超高速ドリル」予告にわたしと連れは大変ウケてしまったわけですが、
その少し前に「ブルーエンジェルス」がGスーツもマスクもなしで飛ぶという話をしていて、

「伝統とはいえ、彼らは何に挑戦してるんでしょうねえ」 

と言いあったことを少し思い出したりしました。
日本のブラバンっていうのは・・・何しろ独自の体質と世界観を持っていましてね。
音楽関係者から見てもそれは時として異質なものなのです。



そして、今回注目陸自イチオシの新人歌手、鶫真衣1等陸士。
この可愛らしい「陸自の歌姫」が、「進撃の巨人」のドイツ語の部分を歌いました。



可愛らしいだけでなく、透明感のある伸びのいい声質を持った歌手だと思いました。



普通歌手の体が出来てくるのは30歳くらいからと言いますから、
20代前半はまだまだ「発展途上」です。
彼女はこの若さでこれくらい出るのですから、先が楽しみです。



しかし、わたしが本当に驚いたのは、彼女が歌い終わってすぐ
キーボードの前に座り演奏を始めたことでした。



どうやら鶫1士は専門の歌手ではなく、ピアノが本業であるようですね。
ということは、楽理を含む音楽的な基礎については完璧にできているということです。

しかし自衛隊、本当に人材豊富だなあと思います。

こういう人材が集まってくることに先鞭をつけたのは、もちろん
海上自衛隊の三宅由香莉3曹であることに疑いの余地はありません。



超高速ステップ作動中(笑)



ホーンセクションの中心でサックスのメロを取るのは女性。



「進撃の巨人」はいずれにせよどこかが取り上げたと思いますが、
真っ先に選曲した当音楽隊の機を見るに敏な作戦勝ちと見ました。



わたしは観ていないし原作も読んでいないのでわからないのですが、
話に通暁している人にはわかる演出だそうです。



当音楽隊独特のこの赤のタスキのようなスカーフのような、
これがズボンに挟んでいるだけだとしたら踏んだりして取れないか、
ということが個人的には気になりました。







アメリカ軍のトップバッターは米空軍太平洋音楽隊。
何回か音楽まつりに来ていて、空軍のパフォーマンスを見るのは初めてのような。

いかにもアメリカらしく、ジャズのチューンでのオープニングです。



「ブギウギ・ビューグル・ボーイ」を歌うこの三人の軍人さん。
粒ぞろいの美人トリオをいきなり投入してきました。



センターの人が一番うまかったです。
ネクタイをシャツのボタンの中に入れてしまっているのが粋です。



この腰つき、いいねいいね〜!(ってわたしはおっさんか)
しかし、この雰囲気、どこかで見たぞ。



これだ。
アンドリューズ・シスターズ。

そういえば「ブギウギ〜」はこのコーラストリオの持ち歌。
彼女らのこのいでたちは、第二次世界大戦の時に彼女らが
ヨーロッパ戦線に頻繁に慰問に行っていた時のものでした。

この一番右のラバーン・アンドリューズは、
つい最近の2013年、94歳の天寿を全うして亡くなっています。



続いて、ここでこれを持ってきますか?いいとこ取りすぎてずるくね?みたいな文句無しの名曲。
サクソフォーンをクラリネットに持ち替えて、グレン・ミラーの
「ムーンライト・セレナーデ」の美味しいソロを取る奏者。
(サクソフォーンとクラリネットは機構が似ているので大抵どちらも吹ける)

わたしはこのクラリネットソロで思わず鳥肌が立ってしまいました。


そしてここで、米空軍から我々日本人に、心温まるプレゼントが!



なんと空軍の”アンドリューズシスターズ”が、日本語で「ハナミズキ」を
歌ってくれたのでした。



しかもその時のモニターの映像には、水害の時、出動してくれた
空軍のパイロットと少女の映像が・・・。

これは泣ける。



これもその時の写真だと思うのですが、物資を受け取っているおじいさん、
「金」と書かれたシャツ、毛沢東の写真等を貼り付けたカバンと、なんだか微妙な・・・

ま、これが日本人であると疑わないのがまたアメリカ人らしいというか。
(実際日本人かもしれませんし)



そして、最後に敬礼をするのは、小柄ながらきりりとした女性だ!
アメリカ空軍太平洋音楽隊隊長、クリスティーナ・ムーア-ウルティア少佐と仰せられます。

Major Cristina M Moore Urrutia

太平洋音楽隊というのは、横田基地とハワイのヒッカム基地に拠点を置いて
活動している音楽隊で、ムーア-ウルティア少佐の専攻はホルン。
卓越したホルン奏者でありながら指揮法とオーケストレーションの学位を取り、
軍での活動歴は1992年、ネブラスカ州州兵軍楽隊を最初に、2001年から米空軍で活動、
彼女の在職したバンドは多くの賞を獲得するなど、優秀な指揮官として評価されています。

この凛々しさから、指揮台からひと睨みしたら大の男が震え上がったり、
指揮棒でびし!っと間違えた指を叩いたり、というような妄想をついしてしまいました。
HPの写真を見ると、完璧な歯並びで(ホルン奏者ですからやっぱりね)微笑んでいますが、
目に妙に凄みがある(個人の感想です)ので、やはり厳しい指揮官なのかもしれません。



続く。










 




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