二日を費やしてまだ第1章の終わりにも来ていないという、
大変先行き不安なブログ展開ですが、とにかく進みます。
鉄火お嬢さんのコメントで自分がこれに突っ込み忘れたのに気付き、
急遽写真を差し入れました。
第一部の「進撃の巨人」の時の指揮者の後ろ姿です。
目の前のマイクと一体化してわかりにくいですが、どうもこれ
電球なんかが見えていて、いかにも手作りっぽいですね。
多分どこかでこの電球が点灯したのだと思うのですが、
気付いてあげられず気の毒なことをしました。
さて。
小粋な女性ジャズボーカルトリオとグレンミラーサウンドで
古き良きアメリカにタイムスリップしたかのような ひとときを
見事に演出してくれたアメリカ空軍太平洋音楽隊の演奏が終わりました。
続いては打って変わって、日本の伝統である太鼓演奏です。
自衛隊全員で行う「自衛太鼓」とはまた別に、航空自衛隊中央音楽隊は
空自に創設された二つの自衛太鼓との融合によって、いつものスマートな空自の
ステージにちょっと複雑な陰影を生み出すことに挑戦したようです。
まず、空自所属の(といってもクラブ活動ですが)二つの太鼓軍団、
「芦屋祇園太鼓」と「入間修武太鼓」が交互に腕を披露。
彼らの着ているシャツは、まるでいなせな若い衆が入れている刺青のようです。
次の瞬間、いつものブルーと白の制服のバトントワラー登場。
空自はいつも空のイメージの選曲で楽しませてくれますが、今回は「蒼き空」と
「蒼空」というオリジナル(たまたま同じような題)を同時に演奏しました。
これもいつも通り、青と白のロングドレスの「旗ヒラヒラ系女子」投入。
こういうものを持ってマーチングバンドに参加する人を「カラーガード」といいます。
旗の色が去年と微妙に違う気がしますが、毎年作るのでしょうか。
旗の柄を空に向けているのは、
トワラー越しに向かいの人に旗を投げ渡すため。
難しそうですが、失敗がなかったのも練習のたまものでしょう。
曲はアニメ「宇宙兄弟」より「ロケットロード」。
わたしは初めて聞きましたが、実に空自好みのスピード感あふれる雰囲気です。
[宇宙兄弟] ロケットロード
そして、宇宙つながりで曲は次第にホルスト作曲「惑星」より、「ジュピター」へと・・。
そこですかさず太鼓隊が出てきて、「ジュピター」に合わせてドンドコドンと・・。
こんなコンビネーションが聴けるのも自衛隊音楽隊ならでは。
ここで太鼓を投入しなくてはいけない意味は、正直全く感じられませんでしたが(笑)
それはともかく、目で見る効果と相まって「音楽まつり」らしくていいと思いました。
ドラムメジャーは吉川隆一空曹長。
長手袋の赤い飾りが空自の制服の地味ーなブルーに映えて実に美しい。
蛇足ついでに言わせて貰えば、空自の制服がどうにもどこか垢抜けないのは(失礼)
デザインにポイントがないせいではないか、とわたしはファッション的観点から思っています。
画竜点睛に当たる反対色をどこかに効かせれば、ブルーも活きてくると思うんですがねえ。
たとえばそれはこの写真でも明らかなように、赤。
フランス海軍のようにブルーをベースに赤と白をどこかにちらっと見せるとかね。
何と言っても赤は日の丸の色なんですから。
でもあれかな、日本のお役所というのはデザインの良さより実用優先なのかな。
その存在さえしのごの言う連中がいる現状では、制服に「粋」など追求している場合ではない、
っていうことなのかもしれませんが。
さて、空自中央音楽隊の演奏後、その場に先ほど演奏した陸自中部方面音楽隊が
合流し、三つの音楽隊による合同演奏が行われます。
曲は、「花は咲く」。
東日本大災害で命を失った人の魂が呟くという内容の、この歌。
三音楽隊合同演奏ということですが、米空軍からは歌手二人だけが参加して、
我が陸自の歌手鶫1士と三人のコーラスを聞かせてくれました。
「ハナミズキ」に続いて、またも日本語での歌唱に観客は大喜びです。
われらが鶫さんもこういう歌にぴったりの真摯さを感じさせる声で。
しかしこうしてみると本当に美人さんですね。
空軍の「アンドリュースシスターズ」のお姉さんも、日本語お上手でした。
この曲については、その成り立ちと某公共放送局の一時の「ゴリ押し」に
反発する気持ちから、「似非応援曲」などと誹謗してしまったこともあります。
純粋に音楽的観点からみると、今でも同じ意見であることは変わりないのですが、
しかし、それから年月が経ち、この曲が演奏された数だけ、
数え切れない回数誰かの心に響き、誰かの悲しみを慰撫し、誰かの涙を誘い、
人々の思い出に寄り添う曲となって今日に至るということも事実です。
つまりこの曲は、そういう無数の人々の思いを受け止めてきて、
”言霊”に相当する歌としての命が吹き込まれていると思うのです。
そんなことを考えながら彼女らの透明な歌声に耳を傾けていると、わたし自身が
永遠に別れを告げた親しい人々の顔が浮かび、つい胸に迫るものを感じてしまったのでした。
「はいみなさんご一緒に〜」
そのためにモニターに歌詞が出ていたんですね・・。
しかし、わたしの周りでは相変わらず誰一人歌っていませんでした。
前にも言いましたが、聞くだけならともかく、この曲を歌うのは、
一般人には少し音楽的に敷居が高いんだと思いますよ。はっきり言って。
この「花は咲く」で第一部は終了です。
第二部には「大地と海と無限の道」というタイトル付き。
これは米海兵隊、米陸軍、そして陸自がセットになっているからですが、
毎回違うテーマをひねり出す企画の方は本当にご苦労だと思います。
第二部オープニングは防衛大学校儀仗隊のファンシードリルです。
まずは全員入場後ご挨拶。
防大はこの日開校記念祭と重なっていたため、こちらに出演しています。
彼らの優先すべきは自衛隊行事、なぜならば彼らはすでに国家公務員の身分なのです。
銃の投げ上げというのはやはり失敗しやすいポイントらしく、
公演と公演の合間の時間、彼らは外に出て各々練習を繰り返していました。
実はわたし、日曜日6時から行われた最終公演をニコニコ動画の生中継で見ていました。
プログラムのチェックとアナウンスされた内容を確認し、一応画面をキャプチャーするためでしたが、
画面のコメントが面白くて時々は切り替えていました。
運営から「敬礼の時には (`・ω・´)ゞ のような左敬礼ではなく
∠(`・ω・´) この右敬礼を使ってください」
というお達しがあったりして、各隊長の敬礼の時にはそれがずらーっと並ぶなど、
結構それだけで一人で見てるんじゃないという気になったものですが、
防大儀仗隊がステージに現れたときに、誰か一人が
J( '-`)し たかし頑張るのよ
とコメントしました。
顔文字辞典によるとJ( '-`)しとは、2ちゃんねるの発祥の顔文字であり、カーチャンであり、
不器用かつ優しい偉大なる母である、とあります。
さらに概要によると
息子の名は「たけし」、もしくは「たかし」が多い
ということですが、防大生の出演にカーチャンが声援を送るの図は
すっかり皆の心を捉えたらしく、そこからあとは J( '-`)しコメが乱舞することに(笑)
J( '-`)し たかし素敵よ J( '-`)し たかし見てるわよ
みたいな。
たしかにこれだけいれば一人ぐらい「たかし」はいるかも・・。
さあ、そのたかしたちの演技です。
真ん中から時間差で銃をつけてかがんで行くフォーメーション。
J( '-`)し たかし決まったわね
一人飛び出しているように見えるものも実はそうではなく、
きっちりとタイミングをあわせた動きに沿っているのです。
十字を組み回転する中心のたかしたち。
アップで撮ると、彼らがついこの間まで高校生だった少年であると感じられます。
おお、右と左のたかし、一瞬銃が完璧に手から離れている。
隊列の右から順番に銃を回し終え、左端のたかしが敬礼しつつ長回し。
これで会場はわっと盛り上がります。
そしてクライマックス、銃潜り。(正式な名称は知りません)
隊長は抜刀して敬礼、後ろ全員が銃を回しつつ敬礼。
あー、マイクが邪魔だ。
これで防大儀仗隊の演技は終了です。
ニコニコ動画の画面には
J( '-`)し たかしよくやったわ
がたくさん・・・・。
しかし実際、彼らのトーチャンやカーチャンは、そんな気持ちで見てるんです。
わたしは何年か前、当ブログで音楽まつりのファンシードリルの写真をあげたとき、
写っていたひとりの「たかしのトーチャン」からコメントをいただいたことがあります。
儀仗隊指揮官は第4学年の近藤稔将学生。
そしてドラムメジャーは第4学年の指原呂城学生でした。
この名前がアナウンスされたとき、「たかしちゃうやん」というコメとともに、
指原学生の名前に場は騒然?となり
「ろっき?」「ロッキーか」「どんな字書くの」
と盛り上がっておりました。
わたしや隣の連れ(家族構成も歳も聞いたことがないし独身かどうかも知らないけど)
からみると、きりりと軍帽をかぶりドリルを行う彼らもまるで息子みたいなもの。
「かわいいですね」
「かっこいいけど、やっぱりどちらかというとかわいいんですよねー」
などと、実際にもすっかりJ( '-`)しモードで鑑賞していました。
続く。