今回の音楽まつりには、アメリカ軍から海軍、陸軍、空軍
そして海兵隊と4軍全てが参加しました。
このことは近年なかったことで、ついついこういう現象に対しては
どこからかの「働きかけ」があったのかなあなどと勘ぐってしまうわけですが(笑)
日本政府が、たとえば民主党時代に壊されかけたアメリカとの関係を改善することに
成功し、先日の観艦式に着任したばかりの「ロナルド・レーガン」に対して
安倍首相が特に言及して歓迎の意を表し、さらには日本の総理大臣として初めて
観艦式の行事の一環として空母に移乗したということと、このことには関係があるのか。
とかね。
それを考えると、そこに米国以外の参加国が韓国一国であるということにも
何かしらの意図を想像せずにはいられません。
これについてはまたもう一度お話ししたいと思います。
今言いたいのは、4軍オール参加と聞いたときの当のアメリカ軍楽隊の皆さんの反応です。
これ、おそらく、互いを意識して燃えたと思いますねー。
「うちの演奏が一番だとブドーカンの観客に言わせてみせようぜ!」
みたいに・・・。
それは単に状況から想像したことではなく、実際に当日のパフォーマンスを見て、
明らかに互いを意識して張り切っていると言いたくなるくらい、
全軍が気合を入れまくっている様子が手に取るようにわかったのです。
アメリカ人の気合はどのような形で表されるのか?!
第2部に入り、防大儀仗隊のパフォーマンスが終わり、次なる登場は
米海兵隊 第3海兵起動展開部隊音楽隊
機動展開部隊となっていますが、英語の「expeditionary」の意味は
「遠征」なんですね。
つまり「an expeditionary force」は「遠征軍」。
アメリカから沖縄に「遠征している軍」ってことです。
しかし、特に沖縄は米軍を追い出そうとしている国内反日左翼と外国人がいて、
そういう輩の目に「遠征軍」などという日本語が目に止まると発狂しかねないので、
あえてその表現を避けたのだとわたしは察したのですが、どうでしょうか。
隊長はジョシュア・ストーン上級准尉、ドラムメジャーはジェームス・ホルト2等軍曹。
というわけで、海兵隊の演奏は
「ストライク・アップ・ザ・バンド」。
1927年にジョージ・ガーシュウィンが弟の作詞家アイラ・ガーシュウィンと組んで
書いたブロードウェイ・ミュージカルからのナンバーです。
ミュージカルそのものはブロードウェイで成功したというわけではありませんが、
このミュージカルの中からはガーシュウィンの名曲、
The Man I Love
I've Got A Crush On You
Soon
といった後世に残る名曲が生まれています。
Frank Sinatra I' ve Got a Crush on You
この中でわたしの一番好きな曲をシナトラのバージョンでどうぞー。
「ストライク・アップ・ザ・バンド」はアメリカの戦争好きを風刺しており、
チーズの輸入を巡ってアメリカがスイスに戦争をふっかけるとかなんとか。
見ていませんので知りませんが、そういう内容だからあまり受けなかったのかなあと・・。
この曲を海兵隊が選んだのにその辺の意味はあまり関係なく(笑)
単に「ストライク・アップ・ザ・バンド!」(バンドを始めろ!)という
威勢のいい感じと、ビッグバンドのホーンセクションの響きをこれでもかと
聴かせられる曲であったからに違いありません。
Strike Up the Band (George Gershwin)
このバージョンの出だしが軍隊っぽい。
ドラムメジャーというのは、こういうジャズチューンではほとんど活動せず、
置物のように佇んでいるのがお仕事。
彼の出番は、バンドを率いるときです。
この制服を着ている白人男性は皆同じ顔に見えるんですが。
ドリル演奏ですからもちろんフォーメーションもやりまっせ。
海兵隊バンドのお約束は、最後に「海兵隊賛歌」の演奏をすること。
これはいかなるステージでも変わることなく、それは海上自衛隊が
必ず「行進曲軍艦」を演奏するのとおそらく同じ理由なのでしょう。
そして隊長とドラムメジャーが二人並んで敬礼をし、並んで退場するのも同じ。
米軍の中でドラムメジャーがいるのは海兵隊だけです。
なんかそういうのにこだわりがあるのかなと思ったり。
ニコニコ動画で見ている人も敬礼∠(`・ω・´)
続いては在日米陸軍軍楽隊です。
隊長はマーヴィン・カードー上級准尉。
おそらく三階最上席からの映像だと思われます。
「 A 」はもちろんアメリカの・・・・じゃなくて「ARMY 」のA!
陸軍の曲は「ウェストサイドストーリー」からのメドレーできました。
空軍が古き良き時代のオールドジャズ、海兵隊がビッグバンドジャズときて、
陸軍はどちらともバッティングしないミュージカルからの曲です。
そのいずれも「This Is America! 」というべきアメリカの音楽文化の代表であり、
アメリカ軍楽隊らしさを遺憾なく表すことのできるソウル・ミュージックです。
フルートに美人発見。
おっと、ここでスキンヘッドにしたジョン・マケインが!
マケインもどきは米陸軍の歌手でした。
抜群の声量と表現力もたっぷりに歌い上げる「マリア」。
「まりーあー まりあまりあまりーあー」
昔東京音楽隊のコンサートの感想を書いたとき、
このメロディはBフラット、変ロ長調で「シ♭ミ~ファ~」という音を充てる
B♭の基本三和音というのは、シ♭・レ・ファでできているが「マリーアー」の「リ」は、
第一音と第五音のシ♭とファの間にはさまれた、不協和音をなす減5度の「ミ」である
シ♭はトニー、ファはマリアを表し、B♭の和音でいうと減5にあたる
「ミ」の不協音は、二人の間に横たわる障害」を表す
とバーンスタインの作曲の意図について説明したことがあります。
このおじさんがあまりにも身軽に踊りまくるのでつい写真をたくさん撮ってしまいました。
後ろの木管セクションの歩き方は、「ジェッツとシャークス」の最初のにらみ合いをイメージ?
楽曲終了。
腕を折り深々と腰を曲げるお辞儀をするスキンヘッドマケイン。
軽やかなステップで一人退場していくのか?と思ったら・・・、
ステージ脇から溢れ出てきた陸自東北方面音楽隊のカラーガードと
防衛大学校儀仗隊のみなさん!
ステージ左手からも。これは楽しそう。
アメリカの軍楽隊がなぜか必ずやる「その場で上半身ゆらゆら演奏」。
なんなんだろうねこれ。
皆でぴょんぴょんジャンプしながらピースサインをする防大儀仗隊。
すっかりマケインがたかしたちに同化している・・。
右手前のクラリネットのおじさん(目力強し)はバッジが人より多いぞ。
美人のフルートさんもう一度。
陸軍の制服、女性は男性のネクタイの代わりにリボンなのね。
ちなみに前のクラリネット奏者は女性です。
たかしたちとマケインが退場すると同時に袖に控えるは第302保安警務中隊。
去年は確か陸自中央音楽隊と一緒にドリルを行った記憶があるのですが、今年は
保安警務中隊だけのパフォーマンス枠がありました。
その名も「サイレントドリル」。
音楽なしで、響くのはただ彼らが扱う銃剣の立てる音のみ。
音楽の無い中行われるドリルは緊張感を生み出し、観客は
息を呑むような雰囲気で見守ることになりました。
そしていつの間にかステージ後方に現れた陸自中央音楽隊との合同演奏へと・・。
中央音楽隊のドラムメジャーは馬渡英一2等陸曹。
個人的感想なのですが、今回の陸空のドラムメジャー、
体型と顔の感じが同じ人かってくらい似ているような気がしました。
参考までに、空自ドラムメジャー。
陸自中央音楽隊の演奏は、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」のメインテーマ。
それがいつの間にか「マードックからの最後の手紙」に変わります。
この「マードック」は一般にはあまり知られた曲ではありませんが、
ブラスバンド業界では名曲として誰もが一度は演奏するか聞いたことがあります。
マードックというのはタイタニック号に一等航海士として乗っていた人物で、
映画「タイタニック」では混乱する乗客を銃で撃ってしまったので自殺した、
と描かれていたため、遺族から非難されたということもありましたが、この「手紙」
の意味は、おそらくそういったこととは関係ないのではと思われます。
マードックからの最後の手紙
陸自中央音楽隊はどうも、「ブラバンの正統派曲で真っ向勝負」というのが多いと
わたしは去年あたりから思っています。
さて、中央音楽隊の演奏が終わり、合同演奏になりました。
右手に海兵隊第3機動展開部隊音楽隊が。
左手に在一米軍軍楽隊がでてきて、皆で行うは・・・
えーるるる・くんばんちぇっろろろお!(思いっきり巻き舌で)
z
ノリノリのラテン、つまり日本にもアメリカにも異国情緒できました。
ラテンはアメリカでも普通に溶け込んでいますし(移民も多いし)
日本人のフィーリングには昔からラテンが合うということになっています。
しかしそこはやはり日本人、こうしてみるとノリがどことなくどじょうすくい。
お?
ステージ左手で隊員たちが楽器でアーチを作り始めました。
「あそこを見ろよ!」「なんかやってるよ!」
アーチはどんどん伸びて行き、だれかがそれをくぐって来る模様。
隊長が楽器を持って先導するアミーゴは?!
なんとソンブレロにポンチョ(なんでこんなの持ってるんだ)のトランペッター。
そして謎の踊りを踊る中央音楽隊隊長酒井一郎3佐。
「ただいまより拙者が指揮を取らさせていただき候」
しかし酒井隊長の天下は長くはなかった。
すぐに指揮台は米陸軍に制圧されました。
深々と日本式のお辞儀をするカードー隊長。
「くっ・・・・・負けた・・・」
「少佐殿、泣いている場合ではありません。海兵隊も指揮台を狙っております!」
海兵隊のストーン隊長、なぜ自分の出番がない?とばかりに
あちらこちらにガンをつけて歩きます。
「アーミー野郎、いつまで調子こいてんだ」
ずもももももおおお~!!
「か、海兵隊が怒ったあ!」
つかつかつかつかっ
じえいたい「アーミーはん!マリンコがきましたでえ!」
まりんこ「どけ」
ずいっ
シャキーン
「見たかこれが海兵隊の指揮である!」
いかなる場合もきっちりと折り目正しく振るのが海兵隊流、と。
しかし、海兵隊隊長が終わりの合図をしても、陸軍に変わっても、
もはや勢いのついた楽隊はとどまる所を知らず、突っ走るのでした。
どうなる合同演奏。
「一人ずつやるからダメなのか!」
「よしこうなったら三人で一緒にエンディングじゃあ!」
「せえええの!」
ジャーーーン(終わり)
「はあ、やっと終わった」
「お約束とはいえなかなか大変だったですな」
「いや全く」
というわけで、三人の隊長が仲良く肩を組んで聴衆にご挨拶。
このちょっとした寸劇仕立ての演奏に会場は大喜びでした。
続く。