世界初の空母決戦、珊瑚海海戦〜スミソニアン航空宇宙博物館
さて、スミソニアン博物館の空母展示、空母の開発の歴史に続いて空母の歴史を語ろうとすればそれは当然真珠湾攻撃から始まるわけです。 日本軍のこの歴史的な奇襲攻撃が「空母元年」の幕を開いたといえます。 ■ 1941年の憂鬱な日々 次のコーナーは、連合国にとっての臥薪嘗胆な時期、つまりそれは日本の立場から見ると日本が快進撃していた時期についてです。 「The Groomy Days Of 1941」...
View Article「ミッドウェイ燃ゆ」〜空母展示・スミソニアン航空宇宙博物館
スミソニアン博物館の中に空母の一部を作り、そこでは歴史的に空母を使った戦争の歴史について説明されています。 真珠湾攻撃、世界初の空母決戦となった珊瑚海海戦とくれば、次はやはりミッドウェイ海戦がくるわけです。 まず、ミッドウェイ海戦における両艦隊の行動図から。赤が日本でブルーが米海軍艦隊です。 まずミッドウェイ海戦における両艦隊の行動図を地図で説明です。赤が日本、青が米海軍艦隊です。...
View ArticleA FEW HEROES ミッドウェイ の英雄たち〜スミソニアン航空宇宙博物館
スミソニアン航空宇宙博物館の「空母展示」から、空母を使って行われた日米間の戦争についてご紹介しています。 というわけで、いよいよミッドウェイ海戦の登場人物についてです。 ■ ミッドウェイ海戦の英雄たち 「A Few Goodmen」という映画がありましたね。直訳すると「一握りの善人」ですが、この意味は「他にも(善人は)いる」ということでいいかと思います。このコーナーのタイトルは、 「A Few...
View Article「ヨークタウン」と日米の男たち ミッドウェイ海戦〜スミソニアン航空宇宙博物館
スミソニアン博物館の空母を模してほぼ実物大に、実際の空母から採取した素材でハンガーデッキの一部を作り上げた展示では、人類史上はじめて、空母同士のガチンコ対決となった日米の海戦について写真を上げながら紹介する親切なコーナーがあります。 前回はアメリカ側の「ア・フュー・ヒーローズ」(大勢のヒーローの中の一部)を紹介しましたが、このコーナーを包括するテーマとなっていたのは、 ■ The Gallant...
View Article”And Then There Were None” ミッドウェイ海戦〜スミソニアン航空宇宙博物館
冒頭の絵画は、R.G. スミスの作品で、 「赤城への攻撃ーミッドウェイ」 というタイトルです。スミソニアンの横の説明によるとタイトルはなぜか「ダグラスSBD−3」。 スミスはリンドバーグの大西洋横断成功をきっかけに航空ファンとなり、ダグラスエアクラフトのエンジニアとして海軍戦闘機の開発に携わった人です。...
View Articleガダルカナルの戦い 帝国海軍vs.カクタス航空隊〜スミソニアン航空宇宙博物館
スミソニアンン博物館の空母展示の中の「空母の戦争」シリーズから真珠湾攻撃、そしてミッドウェイ海戦についてご紹介しました。 今日は本題から少し寄り道することをご了承ください。 ここで、わたしはこのテーマについて紹介するこんな説明があったことに初めて気がつきましたので、今更という感じですが、あげておきます。 「太平洋における空母の戦争」...
View Articleソロモン海海戦と南太平洋海戦〜スミソニアン航空宇宙博物館 「空母の戦争」
前回はガダルカナルの戦いにおける航空隊に焦点を当て、一項を割きましたが、今日はスミソニアンの展示「空母の戦争」のテーマに立ち返りたいと思います。 さて、8月7日に米海兵隊部隊がツラギに侵攻し、ルンガ飛行場を奪ったあと、これを奪還せんと艦隊をすぐさま派遣した日本軍と米軍の間に激しい戦いが始まりました。ソロモン海海戦です。 ■ソロモン海海戦...
View Article「1000ヤードの凝視」クェゼリンからパラオまで 〜スミソニアン航空宇宙博物館「空母の戦争」
スミソニアン博物館の「空母戦の歴史」は、いよいよ日本が決定的に立ち直れなくなるフィリピンでの海戦までやってきました。 まずは、レイテ沖海戦に先立ち、機動部隊が配置されました。 ■第58機動部隊 ちょっとわかりにくいのですが、米海軍の58機動部隊とは、高速機動部隊(Fast Carrier Task...
View Article”Too Close For Comfort "レイテ沖海戦〜スミソニアン航空宇宙博物館
スミソニアン航空博物館プレゼンツ「空母の戦争」特集、最終回です。このコーナーによると、太平洋において空母を使った戦闘が行われたのは10、しかし、そのうち「どちらもの陣営に空母を置いて戦われたもの」となると、 珊瑚海海戦(1942年5月8日) ミッドウェイ海戦(1942年6月〜7日) 南太平洋海戦(1942年10月26日) 第二次ソロモン海戦(1942年8月23〜24日) マリアナ沖海戦...
View Article「ビッグE」 =空母「エンタープライズ」〜スミソニアン航空宇宙博物館
空母のハンガーデッキを再現したスミソニアン博物館の展示には、空母の戦争の歴史、つまり第二次世界大戦の日米海戦史についてスミソニアンの視点で紹介したコーナーがあり、それを紹介してきたわけですが、真珠湾攻撃に始まって日本艦隊が空母を失うことになったレイテ沖海戦まできました。...
View Article1945年4月の新聞が報じる「阿波丸」事件〜スミソニアン航空博物館
スニソニアン博物艦が空母の実物大展示とともに公開している「空母の戦争」コーナーは、ついに最終章に入りました。 「日本への道」 というのがその最後のタイトルとなります。真珠湾攻撃という空母の攻撃に始まり、日本本土への空母の攻撃に終わった第二次世界大戦の太平洋での戦いですが、そのコーナーに日本本土への攻撃がいよいよ始まったことを報じる新聞が展示されていました。 ■...
View Article「日本への道」〜スミソニアン航空宇宙博物館「空母の戦争」最終回
スミソニアン航空宇宙博物館の「空母の戦争」シリーズ、ようやく最終回となります。アメリカが日本本土に攻撃を行うに至ったことを、このコーナーのタイトルでは 「日本への道」 としているわけですが、この侵攻においてもアメリカ軍の推進力となったのはやはり空母であったことはまちがいありません。...
View Articleジョン・ハインツ上院議員記念歴史センター@ピッツバーグ
何度かお話ししている通り、ピッツバーグはあのハインツの発祥地です。フットボールのスティーラーズのホームグラウンド、ハインツフィールド、最初にここで起業したときのハインツ工場跡が周りにもあるわけですが、このハインツヒストリーセンターは、会社のハインツではなく、飛行機事故で若くして亡くなった共和党の上院議員、 ヘンリー・ジョン・ハインツ三世(1977−1991) に因んだ名前となっています。...
View Article♪Take me out to the vaccination〜いまさら帰国報告
スミソニアン博物館の「空母の戦争」シリーズが終わるまで待っていたら、帰国報告が2ヶ月遅くなってしまいましたが、息抜きを兼ねてアメリカ滞在と帰国のことを思いつくままにお話ししようと思います。 ピッツバーグに到着したのは、クリスマス直前でした。コロナ下なので、クリスマスイブでさえ、バスが行先掲示のウィンドウに 「Stay Home」(家にいてください)...
View Article「ドミノ理論」ベトナム戦争への道〜ハインツ歴史博物館@ピッツバーグ
さて、それではピッツバーグのハインツ歴史センターの特別展示、「ベトナム戦争」についてじっくりとご紹介していきます。 このエントランスからも、展示がスミソニアン協会の協力と資料がベースになっていることがわかります。 ■ 第二次世界大戦後のベトナムとアジア ベトナム戦争:1945−1975...
View Article「ホー・チ・ミンの道」 〜ハインツ歴史センター特別展 「ベトナム戦争」
ピッツバーグのハインツ歴史センターの特別展、「ベトナム戦争」の展示をご紹介しています。 前回で、アメリカが世界の共産主義化を阻止するためにインドシナ戦争のスポンサーになり、朝鮮戦争に介入し、さらにはアイゼンハワーが同じ理由でベトナムを分割し、共産主義と対峙する姿勢を明らかにしたところまで説明しました。 今日は、ベトナム戦争時代の指導者についてです。 戦争が始まる 1954ー1965...
View Articleメイド・イン・アメリカの戦争〜ハインツ歴史センター「ベトナム戦争展」
開戦時の南北ベトナムについてさっくりと前回お話ししましたが、今回は当時の国家指導者について取り上げていきます。 ■ ホー・チ・ミン大統領 北ベトナム ”ホーは南ベトナムの反乱軍を支持した” ホーチミン大統領は「ベトナム独立の父」でした。ホーは共産主義が植民地主義に対抗していることを称賛し、それがベトナムにとって最善の道であると位置付けたのです。...
View Articleトンキン湾から反戦運動へ〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
ハインツ歴史センター特別展「ベトナム戦争」について何回か語ってきましたが、この戦争展(つまりスミソニアン)がベトナム戦争をアメリカ発、アメリカ製のアメリカの戦争であったと位置づけているのがこの段階ではっきりとわかる内容になっていました。 さらにはこのコーナーで、武力戦争を仕掛けるために陰謀(つまりトンキン湾事件)が行われたということも明言しています。...
View Article輸送艦「ジェネラル・ネルソン・M・ウォーカー」と落書きプロジェクト〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
写真とパネルの展示で状況を説明してきたハインツ歴史センターの特別展「ベトナム戦争」ですが、ここで初めてオブジェクト展示が現れました。 海兵隊と陸軍の戦闘が主体のイメージであるベトナム戦争展で最初にどーんとでてきたのが軍艦の兵員用バンク(ベッド)でした。 英語では「Berthing Unit」と表記されています。 兵士たちに与えられた救命ジャケットなども。 ■ 輸送艦「ウォーカー」...
View Article徴兵制〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
ハインツ歴史センター「ベトナム戦争展」の次のコーナーは、ずばり「徴兵」です。 まずこの「ベトナム世代」とされた図をご覧ください。 「徴兵対象である2700万人のアメリカ人男性のうち、40パーセントが軍隊に従事し、250万人がベトナムで参戦した」 これをアメリカ人男性全体で表したのが下のグラフ?となります。 60% 入隊しなかった 30% ベトナム以外で従軍 10% ベトナムで従軍...
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