ブラックパワー・サリュートと忘れられた銀メダリスト〜公民権運動
ピッツバーグのハインツ歴史センター「ベトナム戦争展」は、決してベトナムにおける戦闘そのものに焦点を当てていません。 むしろ、発生に至る経緯から戦争継続中の世論、大統領選、そして反戦運動など、アメリカ国内がそのときどうだったか、という面から語っていることの方が多いと感じました。...
View Article「ケント州立大学事件」ピッツバーグにおける反戦の歴史〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
ハインツ歴史センターのベトナム戦争展から、まず反戦運動と同時に起こり、ジョンソン政権の基盤を危うくした公民権運動の象徴、「ブラック・サリュート」についてお話ししました。 今日は、ここピッツバーグで繰り広げられた反戦活動を取り上げます。 「サイゴンでの路上の処刑」はアメリカの全国民に、戦争の大義に対する疑問を与えました。反戦運動が激化するきっかけになった一つの写真です。...
View Articleニクソン大統領の「ベトナム化」と映画「パットン」〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
ハインツ歴史センターのベトナム戦争展、次の展示は先頃終了した同じピッツバーグの「兵士と水兵の記念博物館」のシリーズでご紹介した、タイムの特集、 ONE WEEK'S DEAD(1週間の死) が紹介されていました。 おそらく、これがライフ誌が掲載した全ページだと思われます。 「ベトナムで死んだアメリカ人の顔 一週間の数」 One Week 's Toll...
View Article反対者たちと支持者たち(と反対の反対者たち)〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
かつてマサチューセッツ州の共和党知事、フランシス・サージャントは "The war ιs costing American it's soul. "(戦争が犠牲にしたのはアメリカの魂そのものだ」 といいました。 ■ DISSENTERS(反対者たち) というコーナーで紹介されているのは、文字通り戦争反対者たちがどのような活動を行ったかです。...
View Article「グリーンベレーのバラード」〜映画「グリーン・ベレー」
ハインツ歴史センターのベトナム戦争シリーズが続いているので、何か映画もベトナム戦争ものを取り上げてみたいと思い、検索していたらあのジョン・ウェインがいい歳をして現役の大佐を演じた 「グリーンベレー」 なる映画を見つけました。ジョン・ウェインといえば、当ブログでは第二次世界大戦における米海軍の太平洋対日戦を描いた 「危険な道」(In Harm's Way)...
View Articleダナンの「ラ・セーヌ」〜映画「グリーン・ベレー」2日目
映画「グリーンベレー」2日目です。 キャンプに偵察隊が帰還してきました。担架で運ばれてきた隊員もいます。 彼らの隊長は、政府軍のニム大尉(ジョージ・タケイ)。 ウェインが直々にオファーした日系人俳優タケイは、当時「スタートレック」に出演しており大変人気がありました。撮影開始直前、彼はウェインに向かって 「自分はベトナム戦争には強く反対している」 と表明しています。...
View Article東に沈む夕日〜映画「グリーンベレー」3日目
ジョン・ウェインのある意味国策映画、「グリーンベレー」最終回です。 さて、カービーは上官のモーガン大佐(ブルース・キャボット)とARVNのカウンターパートであるカイ大佐(ジャック・スー)と会い、彼らが計画する極秘の任務について説明を受けました。 その計画というのは、現在北ベトナムにいるPha Son Ti 将軍という、ベトコンと北ベトナムの総司令官を誘拐するというものでした。...
View Articleイースター攻勢とラインバッカー作戦のその後〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
ハインツ歴史センターの「ベトナム戦争展」から、今日は撤退への直接のきっかけとなった出来事をご紹介しましょう。■ 「行動を起こす時が来たのだ」ニクソン大統領1970年4月30日 ベトナム戦争時に流行った「ピースマーク」を掲げるラオスの砲兵部隊。正規の軍の旗ではありませんが、まるでそのように扱われています。...
View Articleジョニーが凱旋するとき〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争
いきなりですが、皆様は ■「ジョニーが凱旋するとき」(When Johnny Comes Marching Home) という歌を聴いたことがあるでしょうか。 Mitch Miller - When Johnny Comes Marching Home (HD) うちには父の趣味でこの曲を含む「戦争映画のマーチ」というアルバムがあって、この曲がかかると父が必ず”When Johnny Comes...
View Articleペンタゴン・ペーパーズ〜ハインツ歴史館 ベトナム戦争展
ハインツ歴史センターで行われていた「ベトナム戦争展」から、展示品を紹介しています。 ■ POW/MIA ブレスレット 捕虜の家族と市民有志は捕虜の釈放のための活動に何年も費やしました。あるグループはこういったブレスレットを製作し、捕虜にされた、または行方不明になっている男性の名前を刻印して身につけました。 ■ ジェンキンス曹長...
View Articleマスクを外し始めたアメリカ人〜アメリカ到着
またしてもピッツバーグに来ております。 今年はMKが日本企業にプレゼンするプロジェクトに参加するため、夏休みも帰国しないことが決まり、わたしの渡米が前倒しになったというわけです。 今日プロジェクトについて聞いたところ、来週企業とのミーティングがあるそうで、前回、MKが同じ企業とのプロジェクトに出て、 「〇〇組の社長は出ていなかった」 と言ったのに超ウケたわたしが、今回思い出し笑いしながら、...
View Articleスピットファイアとバトル・オブ・ブリテン〜第二次世界大戦の航空機・スミソニアン航空博物館
これだけ何回も取り上げてきてまだ紹介が終わらないスミソニアン博物館展示。いかに膨大な展示物を所有しているかということの証左であるわけですが、今回改めて写真を点検したところ、これでもまだ半分も消化していないことがわかりました。 というわけで、次に取り上げるのは、スミソニアンのシリーズから、 「第二次世界大戦の戦闘機」...
View ArticleRAFの「外人部隊」イーグル航空隊〜第二次世界大戦の航空 スミソニアン航空博物館
「第二次世界大戦の航空」コーナーに展示されている5カ国の戦闘機のうち、スーパーマリン・スピットファイアについて前回ご紹介したわけですが、そのスピットファイアとダンケルクの戦い、そしてアメリカ人の誇り、イーグル・スコードロンについてお話ししておくことにします。 ■ シュナイダーカップ三連勝のスーパーマリン クリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」には、このコーナーにある、...
View Articleメッサーシュミット Bf 109〜第二次世界大戦の航空 スミソニアン航空博物館
スミソニアン博物館の第二次世界大戦の航空シリーズ、まずは展示機のひとつ、スピットファイアと彼らが活躍したバトル・オブ・ブリテンについて取り上げました。 今日はまず、バトル・オブ・ブリテン時代のRAF(ロイヤルエアフォース)機を、スミソニアンの展示写真から紹介します。 ■ バトル・オブ・ブリテン時代のRAF航空機 アブロ ランカスター Abro Lancaster...
View Articleキャンパスツァーとインディペンデンス・デイ(独立記念日)〜アメリカ滞在
豪雨のあと、一瞬の奇跡のような爽やかな日が訪れましたが、あっという間に最高気温33度の夏日に戻ってしまったピッツバーグです。 なので、公園の散歩はコースにまだ陽の差さない早朝に行くことにしました。 いつもなら無人のごはんタイムに乱入してきた人間に戸惑っている若い牡ジカ。 リスも朝の方が活動的です。...
View Article「艦船勤務」〜映画「海軍特別年少兵」
東宝映画が毎年終戦に合わせて公開していた「東宝8・15シリーズ」最後の作となった、 「海軍特別年少兵」 を取り上げます。 昭和20年、硫黄島の戦い。米軍11万人と艦船多数の兵力に対し、その5分の1(艦艇ゼロ)でこれを迎え撃った日本は次第に追い詰められていました。 突入してきた日本兵を射殺したアメリカ海兵隊員は驚くのでした。 「子供じゃないか」...
View Article「海ゆかば」〜映画「海軍特別少年兵」
映画「海軍特別年少兵」2日目です。 本作はタイトル画でもお分かりのように、主役の少年たちがほぼ無名(その後俳優として名前が残っているのは二人だけ、一人が梅雀で、もうひとりがバイプレーヤー福崎和弘)であるため、その分予算を全フリしたのではないかというくらい、脇役が豪華キャストです。...
View Articleジッポーライターが語るベトナム戦争〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
ハインツ歴史センターの特別展、「ベトナム戦争展」より、展示物をご紹介しながらベトナム戦争について考察しています。 ■ 哲学者のヘルメット 激戦となったハンバーガーヒルで戦った、ニューヨーク・クイーンズ出身のサル・ゴンザレスが装着していたヘルメットが展示されています。 左の方には「ピース・アンド・ラブ」の言葉とピースマーク、 フィリス ケイティ ロンダ ジュディ...
View Articleソンミ村大虐殺とトンプソン准尉の勇気〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
ハインツ歴史センターの「ベトナム戦争展」は、どちらかというと参加したアメリカについて言及している展示物が多く、ベトナム軍についてはほとんど語られていないという印象ですが、「ベトナム人の受けた災厄」として象徴的となった例の 「サイゴンの処刑」 「川を脱出する家族」 の他には、やはり世界に衝撃を与えたこの写真(の掲載された本)つまりアメリカ国民に衝撃を与えたページが見開きで展示してありました。 ■...
View Article終戦と「ナパームガール」〜ハインツ歴史センター ベトナム戦争展
ベトナム戦争が終わり、兵士たちが帰国を行います。■ AFTERMATH(ベトナム戦争の影響) ベトナム戦争における軍事従事者の死亡数 58,315 アメリカ軍 162,000〜220,000 南ベトナム軍 820,100〜1,100,000 ベトコン/北ベトナム軍 5,200 連合軍...
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