モニュメンツ・メンとシュレーゲル中佐・ナチスの美術品略奪〜ウィーン軍事史博物館
2019年4月に公開された映画「ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ」をご覧になった方はおられるでしょうか。 ヒトラー対ピカソとはまたなんとセンスのないタイトルだろうと思ったら原題は HITLER VERSUS PICASSO AND THE OTHERS. で、原題通りでしたすみません、と言いたいところですが、「AND THE...
View Articleミズーリ艦上の降伏調印式〜ウェストポイント博物館
ウェストポイントに併設されている軍事博物館の収蔵品は、アメリカ陸軍ならではの歴史的にも貴重なものが数多くあるのですが、ここまできて、わたしたち日本人にとって特に注目すべき展示が現れました。 冒頭写真(残念ながらボケてしまいました)は、1945年9月3日、フィリピンバギオ市のキャンプ・ジョン・ヘイ(Camp John...
View Articleボストン 第二次世界大戦国際博物館〜真珠湾攻撃
ある年の夏、アメリカに行くと必ず滞在していたボストン郊外の街に軍事博物館があったことを、偶然インターネットで検索していて知りました。 第二次世界大戦中の軍事資料を一堂に集めた、 The International Museum of World War II という名前の博物館です。...
View Articleノーマン・ロックウェル連作「四つの自由」〜ボストン 第二次世界大戦国際博物館
2019年に閉館してしまったボストンの軍事博物館、第二次世界大戦国際博物館の展示物をご紹介しています。 このように展示品はケルビンのボールを始め、16インチの戦艦の砲弾、日本海軍の対空砲(ホッチキス製)、爆雷(右)などが並んでいます。 アメリカ海軍の水兵がジャケットを着ているマネキンの後ろは日米戦の舞台となった太平洋地域に絞った地図です。...
View Articleバトル・オブ・ブリテン〜ボストン 第二次世界大戦国際博物館
さて、今日のテーマは、「バトル・オブ・ブリテン」です。 まだ日本が真珠湾攻撃を行う前の1940年7月から、数ヶ月間にわたり、ドイツ軍がイギリスに侵攻するための前哨戦として、まずイギリス上空の制空権を奪取するために行った一連の空中戦、これらを「バトル・オブ・ブリテン」(英国空中戦)と称します。 1939年9月。...
View Articleドイツ軍の軍装備〜ボストン 第二次世界大戦国際博物館
さて、今日はボストンに昨年秋まであった第二次世界大戦国際博物館の膨大な展示の中から、ナチス・ドイツ軍のものをご紹介していきます。...
View Article映画「撃墜王 アフリカの星」〜ハンス=ヨアヒム・マルセイユ物語 前編
第二次世界大戦博物館シリーズで、バトル・オブ・ブリテン関連の展示をご紹介しているとき、ドイツの国民的英雄となったエースパイロット、ハンス=ヨアヒム・ヴァルター・ルドルフ・ジークフリート・マルセイHans-Joachim "Jochen" Walter Rudolf Siegfried Marseille(1919−1942)...
View Article映画「撃墜王 アフリカの星」〜ハンス=ヨアヒム・マルセイユ物語 中編
「撃墜王 アフリカの星」は、映画としての評価は高くありません。 これが他のパイロットの話だとしても普通に通じるような、いわばみんなの考えるところのドイツ空軍エースの生涯、という感じに収まっています。 これは前編でもわたしが言い切ったように、映画の脚本が凡庸で彼の陰の部分を魅力として描くことを放棄し、ロマンスを柱に女性客を釣ろうとした作戦の失敗と言えるでしょう。...
View Article映画「撃墜王 アフリカの星」〜ハンス=ヨアヒム・マルセイユ物語 後編
ルフトバッフェの撃墜王、ハンス=ヨアヒム・マルセイユの伝記映画、「アフリカの星」、最終回です。 冒頭画像は映画のシーンでも、主演俳優でもなく、またしてもマルセイユ本人の写真を参考に描きました。 ほとんど影をつけなくてもいい彼のシワひとつない顔から22歳というあまりにも早い死をあらためて思うとともに、なぜか、...
View Article日独の占領制作と戦後の核、冷戦問題〜ウェストポイント軍事博物館
ウェストポイント併設の軍事博物館より、今日は戦後世界について、敗戦国の占領と戦後の核に関する展示をご紹介します。 冒頭写真は、連合国最高指揮官ダグラス・マッカーサーが第一生命ビルを接収して置いたGHQ指令本部から出てくるところです。...
View Articleロング・グレイ・ラインと「フライドエッグ」〜ウェストポイント軍事博物館
今日は最後に近づいたので、ウェストポイント軍事博物館の展示からウェストポイントそのものの歴史に関する資料をご紹介します。 あらためて博物館エントランスを入ったところから。博物館のオープンは1854年、世界で最も古い軍事博物館です。 入ったところには伝統のグレーの肋骨服を着たカデット(士官候補生)のマネキンが立っています。...
View Articleウェストポイントの体力錬成〜ウェストポイント軍事博物館
ウェストポイント軍事博物館の展示より、今日もウェストポイントの歴史に関わるものをご紹介していきます。 現在も残る校舎、「セントラルバラック」前に整列するカデットたち。1900年撮影。 同じ頃、砲術の訓練ですが、指揮官が馬の上にいることに注意。 わたしが撮った写真に写っているバトルモニュメントが遠くに見えています。...
View Articleチャーリー・アルファ(ヘリボーン強襲)〜ウェストポイント軍事博物館
さて、しばらくご紹介してきたウェストポイント軍事博物館シリーズ、最終回は、今までご紹介に漏れた展示を挙げていきます。 シッティング・ブルのライフマスク シッティング・ブルことタタンカ・イヨタケ(1831ー1890)は、ネイティブアメリカンのスー族の戦士であり呪術師です イヨタケさん...
View Articleボストン 第二次世界大戦国際博物館〜真珠湾攻撃
ある年の夏、アメリカに行くと必ず滞在していたボストン郊外の街に軍事博物館があったことを、偶然インターネットで検索していて知りました。 第二次世界大戦中の軍事資料を一堂に集めた、 The International Museum of World War II という名前の博物館です。...
View Articleチャーリー・アルファ(ヘリボーン強襲)〜ウェストポイント軍事博物館
さて、しばらくご紹介してきたウェストポイント軍事博物館シリーズ、最終回は、今までご紹介に漏れた展示を挙げていきます。 シッティング・ブルのライフマスク シッティング・ブルことタタンカ・イヨタケ(1831ー1890)は、ネイティブアメリカンのスー族の戦士であり呪術師です イヨタケさん...
View Article「ドーリトル空襲とミッドウェイ海戦」 第二次世界大戦航空史〜スミソニアン博物館
前回までのスミソニアンシリーズでは、博物館別館に展示されている、第二次世界大戦時の貴重な日独の軍用機をご紹介してきました。 それに続き、当ブログでは、スミソニアン博物館キュレーターの手による「ドイツ空軍史」つまりドイツ空軍の敗戦までの歴史年表をご紹介したのですが、今回は同じ方法で、真珠湾攻撃から終戦に至る主に日米戦を中心とした第二次大戦航空史をご紹介していきます。...
View Article「太平洋の翼」 第二次世界大戦航空史〜スミソニアン博物館
スミソニアン博物館プレゼンツ、「第二次世界大戦における航空史」二日目です。太平洋の空の戦争 1942年の終わり、アメリカ軍は反撃に出ました。海軍と海兵隊の兵力をガダルカナル島とソロモン諸島に上陸をさせ、日本軍を防戦一方に追い込む作戦です。...
View Articleノルマンジー上陸作戦〜ボストン 第二次世界大戦国際博物館
昨年惜しくも閉館してしまったボストンの軍事博物館、第二次世界大戦国際博物館の展示から、今日はノルマンジー上陸作戦に関する展示物をご紹介していきます。 まず、冒頭のわかりやすい形の戦車はシャーマンです。 シャーマン戦車は北アフリカに遠征したパットン軍で最初に使用されました。...
View Articleヒトラーヘイトグッズとホロコースト〜ボストン 第二次世界大戦国際博物館
ボストン西部のネイティックにあった第二次世界大戦博物館から、今日はナチスとヒトラーディスカウントに関する展示をご紹介します。 まず冒頭の写真は、アメリカで第二次世界大戦中出回っていたヒットラー関連グッズのうち、トイレットペーパーホルダーで、Wipe Out Hitler...
View Article「秋の日のヴィオロンの」 エニグマとMCRラジオ〜ボストン 第二次世界大戦国際博物館
新しい戦争形態である「ブリッツクリーク」への準備段階で、ドイツ軍は陸軍部隊があまりにも速く前進するのに対し、ケーブル式通信では間に合わず、その結果として、短波の無線に頼らざるを得ないことを認識し始めました。 しかしその形では誰もが短波で送信されたモールス符号を聞くことができるため、今度は情報の漏洩が懸念されるようになります。そのため新しく完璧なコードシステムと送信する暗号機が開発されました。...
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