「存在と非存在」〜映画「青島要塞爆撃命令」
1964年東宝映画、「青島要塞爆撃命令」、二日目です。史上初の航空母艦となった「若宮」(このころは『若宮丸』)から飛び立った海軍水上機は、ビスマルク要塞の偵察に向かいました。 写真を撮り損ねたのですが、コクピットの高度計には「JAEGER PARIS」とメーカー名が刻まれています。モーリス・ファルマンに装備されていた高度計のメーカー、イェーガーは当時フランス海軍専門の時計製造会社でした。...
View Articleビスマルク砲台弾薬庫を爆破せよ〜映画「青島要塞爆撃命令」
映画「青島要塞爆撃命令」、最終日です。飛行機を不時着させ山中を彷徨っていた真木と二宮両中尉は、牢獄から出されてどこかに連れて行かれることになりました。 なぜか純白のチャイナドレスを着た楊白麗がちゃっかり助手席に乗り込んでおります。 「存在と非存在」の将校がなぜか自ら車を運転しています。...
View Articleフランツとスティパ ドイツとイタリアのジェットエンジン開発〜スミソニアン航空博物館
スミソニアン博物館プレゼンツ「ジェットエンジン機の歴史」シリーズ、日本におけるジェットエンジン開発と橘花にかかわった技術者たちについてご紹介しましたので、次は枢軸国のよしみでドイツとまいります。 🇩🇪ドイツのジェットエンジン開発...
View Articleスェーデン、ハンガリー、ソ連のジェットエンジン開発事情〜スミソニアン航空博物館
スミソニアン航空化学宇宙博物館の展示から、ジェットエンジンの発明とその開発についてお話ししています。 今日はまずこの飛行機から参ります。 🇸🇪 スウェーデン サーブ・トゥンナン SAAB-29 Tunnan 1948 サーブというと自動車のイメージが強いですが、航空機から出発した会社です。SAABという名前も、スウェーデン語で「スウェーデン航空会社」を意味する Svenska...
View Article凡庸で偉大なジェット戦闘機 グロスター・ミーティア〜スミソニアン航空博物館
スミソニアン博物館プレゼンツ、ジェットエンジン開発の歴史、各国の開発の歴史をご紹介してきましたが、いよいよ残るは当時の最先端だったイギリスとアメリカのみとなりました。というわけで今日は大英帝国とまいります。 イギリスの開発については先駆者であるサー・ウィットルの項でかなり詳しくお話ししているので重複する部分もあります。 🇬🇧 イギリス...
View Articleプロペラを付けたジェット機? アメリカのジェットエンジン研究史〜スミソニアン航空博物館
スミソニアン航空博物館の「ジェット機の開発史」シリーズ、いよいよ最後はアメリカについてです。 ジェットエンジンの開発という点において、実はアメリカはドイツとイギリスに大きく遅れをとっていました。 ジョン・K・ノースロップは1939年、ウラディミール・パブレッカ率いるデザインチームとともに、ターボプロップエンジンの建造を引き受けました。 このパブレカという人は、日本では全くの無名ですが、...
View ArticleロッキードXP-80 ルルベル〜スミソニアン航空博物館
スミソニアン博物館の「ジェット機の歴史」コーナーには、まず、こんなコーナーがあらわれます。 そしてドイツ・メッサーシュミットのMe262と仲良くならんで、 ロッキード XP-80 ルル-ベル(Lulu-Belle) が」展示されています。...
View Article9月11日公開 映画「ミッドウェイ」試写会 その1
今秋公開予定の「ミッドウェイ」試写会参加の話をいただき、公開に先駆けて観てまいりました。 奇遇にも去る6月4日から当ブログでは「ミッドウェイ祭り」を開催し、1974年版映画「ミッドウェイ」について語ったばかりです。特に最近、ともすれば時間と共に薄れてしまいがちな記憶もまだ新しいうちに2020年版を観る機会をいただけるとはなんという僥倖でしょうか。わたしは思わず心の中でつぶやきました。...
View Article9月11日公開 映画「ミッドウェイ」試写会 その2
前回に引き続き、試写会で鑑賞した9月11日公開の「ミッドウェイ」について感想を書いていきます。 日本側の俳優は、有名どころを三人起用しています。まず一人目。 山本五十六を演じたのはなんとトヨエツでした。うーん・・・愛してくれと言ってくれだっけ?違う? 役所広司が演じたときには何だかねー、と思ったものですが、今やトレンディドラマ俳優が五十六世代に手が届く年代になったってことですな。...
View Article9月11日公開 映画「ミッドウェイ」試写会 その3
試写会で公開前に鑑賞させていただいた映画、「ミッドウェイ」の解説、三日目になりました。 ところで、冒頭画像はパンフレットの1ページですが、この中に何か違和感のある部分を見つけられた人はいませんか? ヒントはSBDドーントレスの米陸軍航空隊のマークです。ほら、何か違いますよね? そう、飛行機がつけている国籍機マークの赤い中央の円がないのです。...
View Article9月11日公開 映画「ミッドウェイ」試写会 4日目
さて、9月11日公開の映画「ミッドウェイ」の試写会を観て、例によって重箱の隅を突き中国資本の影響とみられる部分を暴き、あれこれ物申してきましたが、何はともあれこの映画はエンターテイメントとして見応えのある力作であること、そして当ブログに来られるような方にはいろんな意味で見逃せない映画であることは太鼓判を押します。...
View Article”対海軍 第15番目の法則 ”ケリー・ジョンソンとスカンク・ワークス〜スミソニアン航空博物館
スミソニアン博物館に展示されている初のプロトタイプジェット機、XP-80「ルルベル」についてお話ししたわけですが、今日は、そのプロジェクトを引き受けたケリー・ジョンソンと、彼の率いた「スカンク・ワークス」についての話から始めたいと思います。 "設計エンジニア、メカニック、そして生産者とは顔の見える関係でいたい” クレランス・’ケリー’・レオナルド・ジョンソン Clarence Leonard...
View Articleマルチな万能機、シューティングスター〜スミソニアン航空博物館
世界のジェットエンジン開発史について紹介した後、ジェットエンジン機のプロトタイプ、XP-80「ルルベル」と、それを開発した天才ケリー・ジョンソン&スカンクワークスについて一連のブログ記事でご紹介してきたわけですが、今日はXP-80を進化させたジェット戦闘機、 T-33 シューティングスター(Shooting Star) のマルチロールぶりについてお話ししようと思います。...
View Article昭和2年海軍兵学校発行 旅順閉塞作戦記念アルバム
オークションというものをあまり利用したことがないわたしですが、何かを検索していてふと、お宝物(と当方には思える)の古書がほとんど競り合う相手もない状態で出品されているのをみつけ、入札して手に入れることがたまにあります。 この「旅順港閉塞作戦記念帳」なる写真集もその一つで、出品者はよくあることですが古書店でした。...
View Article機関科問題と閉塞作戦の機関長たち〜旅順港閉塞作戦記念帳
オークションで手に入れた古本、海軍兵学校昭和2年発行の「旅順閉塞戦記念帳」というアルバムをご紹介しています。 作戦後、揚収され損ねて清国にたどりつき、そこで戦闘には参加しません、と宣誓して帰国を許されたのにしれっと第二次作戦に参加していた齋藤大尉と島崎中尉というキャラも発見し、思ったよりこの仕事で新しくいろんなことがわかりそうな予感がしてきました。...
View Article「簀巻の人」 栗田富太郎機関長〜旅順閉塞作戦記念帖
古本屋がオークションに出品した昭和2年海軍兵学校発行の「旅順閉塞戦記念帳」を最初からご紹介してきましたが、この写真に行き当たったとき、わたしは他の作戦前記念のそれとは随分雰囲気の違う場所で撮られたようだと感じました。...
View Article第三次閉塞作戦 「悲劇の朝顔丸と新発田丸」〜旅順港閉塞戦記念帖
ごぞんじのように閉塞作戦は三次にわたって行われ、後に行くほどロシア側の警戒と反撃も大きくなったため、日本側の規模を拡大しただけ犠牲も大きくなっていったわけですが、wikiなどを見ても、第三次作戦の扱いは廣瀬中佐の戦死があった第二次作戦に比べると記述の量が圧倒的に少なく、簡単です。...
View Article第3次閉塞作戦 指揮官大角岑生の決断〜旅順閉塞戦記念帖
さて、今日もオークションで手に入れた「旅順港閉塞戦記念帖」より中身を紹介していこうと思います。 まず冒頭写真は、 第三次閉塞遠江丸指揮官 海軍少佐 本田親民 本田は海軍兵学校17期。17期といえば海軍きっての超秀才、秋山真之の同期です。...
View Article第三次閉塞作戦 反転命令に従った指揮官、従わなかった指揮官〜旅順港閉塞戦記念帖
昭和2年発行の旅順行閉塞作戦アルバムを見ていて、ふと軍服ではない肖像写真に目が止まりました。 第三次閉塞作戦 小樽丸指揮官 海軍少佐 野村勉 「小樽丸」は、12隻の船団のうち第3小隊を構成する閉塞船で、野村はその指揮官として17名の乗員を率いていました。 ここであらためて、国会図書館の資料から、当時の記録、「第三回封鎖」の部分を書き出してみたいと思います。現代文に直しておきました。...
View Articleアメリカ滞在〜アメリカ人絶賛マスク着用中
毎年渡米を恒例としている我が家ですが、今年の渡米がどうなるかまったくわからない状態を経たものの、結局今東部アメリカのホテルに到着してこれを作成する運びとなりました。 出発から到着、そして一日目の街の様子すべてにおいて、これまで見たことのない光景が展開していたので、ご報告です。...
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