ワイズ機関士の勇気〜実験潜水艦 USS 「ドルフィン」 AGSS-555
カリフォルニア州サンディエゴのマリタイムミュージアム、海事博物館には帆船から潜水艦まで、様々な船のコレクションが公開されています。 左の「スター・オブ・インディア」、それと直角に繋留しているのがレプリカ「サプライズ」、その後ろがソビエトの潜水艦フォックストロット型の「B-39」。...
View Article殊勲艦〜実験開発潜水艦「ドルフィン」AGSS-555
さて、前回この実験潜水艦「ドルフィン」が遭遇した事故と、最悪の状態から死傷者をゼロにし艦体を失わずに済んだのは一人でポンプ室で排水を行った機関士の働きのおかげ、ということをお話ししたわけですが、その原因は魚雷発射管の扉の故障でした。 艦内から魚雷を外に撃つ仕組みというのは、魚雷発射管に魚雷を装填した後に扉を閉め、管内に水を注入してから前扉を開けるというものです。...
View Article艦内告知板「今日のプラン」〜空母「ミッドウェイ」博物館
空母「ミッドウェイ」の見学はシックベイとそれに続くデンタルなエリアまで来ました。そこに現れたのが、艦内告知板。 アメリカの学校でもおなじみの「Bulletin board」は、広報だったり、参加のためのサインアップといった紙が貼られる掲示板です。 ここにかつて「ミッドウェイ」で本当に貼られていたと思われる三枚のお知らせがありました。...
View Article日米空挺降下の違い〜平成30年度 陸自第一空挺団降下はじめ
さて、ブラックジョークに近いアメリカ陸軍空挺隊の「愛唱歌」、「ライザーの血」について解説しましたが、空挺という危険な兵種でその最悪の事態を起こさないための安全対策というのは、当然としても、 「ちゃんと安全確認しないと死ぬよ」 とか、 「空挺で死んだらこうなるよ」 という程度のことをどうしてこうくどくどと歌にまでしないといけないのか。...
View Articleハワイ・ヒロ寄港〜大正13年度 帝国海軍練習艦隊
横須賀を出航した我らが帝国海軍練習艦隊。ここからがいよいよ「遠洋航海」の始まりです。 そしてこの艦隊には個人的な想いから遠洋航海を古川中将から横取りした(笑)百武三郎中将が練習艦隊司令として今や意気揚々と乗り込んでいることでしょう。 ■ 航海中 横須賀よりヒロまで航程3859.1哩航走16日と13時間...
View Articleアカプルコ・赤道直下の餅つき〜大正13年度 帝国海軍練習艦隊 遠洋航海
さて、ハワイ出航後の練習艦隊は南アメリカに向かいます。航路途中、訓練を行うのは今も昔も同じです。 ■ 公開中の諸訓練 (ヒロよりアカプルコまで 航程3190.5マイル 航走 17日14時間)...
View Articleパナマ運河通過!〜大正13年度 帝国海軍遠洋練習艦隊
さて、アカプルコから大正13年度帝国海軍練習艦隊はパナマに向かいました。パナマ運河を通過するというのは遠洋航海のハイライトです。 当時の船は石炭を動力としていたので、艦隊の皆さんは寄港地で船に石炭を摘む作業を総出で行いました。 頭から顔を覆うヒサシ付きの帽子をかぶり、サングラス、脚絆着用。これぞ、この時代の艦隊勤務につきもの、石炭積み作業。...
View Articleサー・ニールス・オラフ准将(ただしペンギン)〜ミリタリー・アニマル
何の気なしに始めた「ミリタリー・アニマル」シリーズですが、結構面白いので制作のために調べることをとても楽しみました。 犬や猫、クマですら階級を与えられて任務についていたという話はまるでおとぎ話を聞いているような気すらします。 人の命令を聞かない猫はともかく、頭のいい動物はわかった上で人間に従うものだということも数ある例が証明していますね。...
View Articleサンディエゴ海軍基地と伊21の酸素魚雷〜サンディエゴ海事博物館
サンディエゴ海事博物館で、帆船「スター・オブ・インディア」、レプリカ帆船「サプライズ」、ソ連海軍潜水艦B-39、そして深海実験潜水艦「ドルフィン」の見学を終えました。 キーステーションになっている蒸気船「バークリー」には海事博物館としての館内展示がありましたので、今日はシリーズ最後にこれらをご紹介しようと思います。...
View Article桑港・接伴艦「コロラド」級三姉妹〜大正13年度 帝国海軍練習艦隊
大正13年練習艦隊は中南米の航程を経て、西海岸にやってきました。アメリカでの寄港地はサンフランシスコです。 この頃、現在の練習艦隊が必ず寄港する西海岸最大の軍港、サンディエゴには寄港していません。 なぜなら、昨日もお話ししたようにサンディエゴが海軍基地となったのは1922年。この練習艦隊の2年前です。とても海軍基地として外国の艦隊が寄港できる状態ではなかったのでしょう。 ■ 桑港...
View Articleサンフランシスコ「在留同胞よ健在なれ」〜大正13年 帝国海軍練習艦隊
さて、練習艦隊がサンフランシスコに寄港したのは一週間という期間でした。その間、彼らはわたしにとって非常に馴染みのあるあの街を探訪したようです。 冒頭の写真は、サンフランシスコの現在のベイブリッジ側ですが、まだ橋など影も形もなかった頃で交通の全ては船に頼っていました。今、市のモニュメントとなっているクロックタワーはフェリーの発着所でした。 ■ 市中及び近郊見学...
View Articleバンクーバーに眠る士官候補生〜大正13年度 帝国海軍練習艦隊 遠洋航海
南米から西海岸側を北上し、桑港に停泊した練習艦隊。7日間の帰港中、ロスやサクラメントまで足を伸ばし、西海岸を満喫しました。 現地の日系同胞たちの歓待ぶりは大変厚いものであったようです。 その後艦隊はさらに北上し、カナダはブリティッシュコロンビアを目指しました。 当時のブリティッシュコロンビア州総督、州大統領、そしてビクトリア市長の写真。 BC州バンクーバーにはエスカイモルト軍港があります。 ■...
View Article大正13年 帝国海軍練習艦隊〜さらばホノルルよ
大正13年帝国海軍練習艦隊は、バンクーバーを出航し、その後また太平洋航路を再びハワイに向けて航海を行いました。 ところで、このアルバム、ホノルルの最初のページだけが明らかにちぎり取られていて存在しません。ここにどんな写真があったのか少し気になります。...
View Article「八雲」と日本海海戦の立役者たち〜模型展「世界の巡洋艦」
週末、月島のコミュニティセンターで行われた模型展を観てきました。 「元モデラー(しかし現在はROGANのため制作休止中)」 の知人の方がお付き合いしているという模型の会の作品展で、毎年この時期に定期的に行われていて今年で23回目の開催だそうです。 毎年テーマを変えて作品が集められるのだそうですが、今年は巡洋艦を中心とした展示ということで楽しみにしてまいりました。...
View Article「北上」と第一次ソロモン海戦〜模型展「世界の巡洋艦」byミンダナオ会
昨日に続き、模型愛好会「ミンダナオ会」の展示会、「世界の巡洋艦」をご紹介させていただきます。 冒頭写真は作品展中最も大型の作品、軽巡洋艦「北上」。1/100の大作で、それこそ製作期間は想像もつきません。 模型素人のわたしは海の色と白波の再現だけでも感動モノです。 右舷側から観た本作品。こりゃーよっぽどの速度で航行していますね。(小並感) ●...
View Articleイギリス海軍対ドイツ海軍〜模型展「世界の巡洋艦」
1日で終わるかと思っていた模型展「世界の巡洋艦」のご紹介ですが、いざ始めてみると案の定色々とお話ししたいことが出てきてしまい、何日かに分けることになりました。 というわけで今日は展覧会のタイトルと同じ「世界の巡洋艦」です。 さて、それでは世界の巡洋艦、まずは御大キングダムから参りましょう。 イギリス海軍の蒸気フリゲート艦「ユーライアラス」(Euryalus)。...
View Article人民海軍&王立海軍 甲板の「視認性」〜模型展「世界の巡洋艦」
この模型店は今年で23年目ということです。伺ったところによると、ここ何年かの発表会テーマは 『巡洋艦』→『欧州艦艇史』→『海上自衛隊観艦式』→『空母』→『駆逐艦』→『戦艦』→『英国艦』→『日本海軍』→『第一次大戦』→『冷戦期の艦船』 →今年の『巡洋艦』...
View Article「済遠」と東郷大佐の「高陞号事件」〜模型展「世界の巡洋艦」
模型展「世界の巡洋艦」についてお話ししております。 展示は各テーマに沿ってテーブルの上に模型が置かれ、このように帝国海軍の巡洋艦コーナーはちゃんと旭日旗が敷かれていました。 「球磨」「多摩」「木曽」「北上」 100分の1の「北上」には度肝を抜かれましたが、会場には普通に1/700の「北上」はじめ、軽巡群もちゃんといます。...
View Articleシャルンホルストとヘネラル・ベルグラノの戦没〜模型展「世界の巡洋艦」
模型展「世界の巡洋艦」、続きです。今日はその他の国々の海軍と巡洋艦についてお話ししたいと思います。 今まで考えてもみなかった海軍とその巡洋艦について多くを知るところになりました。この模型展を開催してくれた「ミンダナオ会」の皆様には本当に感謝に堪えません。 その前に、イギリスの巡洋艦で主にドイツと海戦を行なったもの以外に一つ載せ忘れた「大物」艦がありました。 イギリス海軍...
View Articleアメリカ海軍の巡洋艦と模型を見ることの意味〜模型展「世界の巡洋艦」
模型展「世界の巡洋艦」のご紹介もついに最終日になりました。 英、独、露、ソ連、スペイン、そしてアルゼンチン海軍の歴史的な巡洋艦をご紹介してきましたが、この国がまだ残っていました。 オランダ海軍 軽巡「デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン」 「 デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン」 というのは「7つの州」を意味し、オランダの美称です。 日本のことを「秋津洲」とか「大八洲国」というようなものですね。...
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