ウィーン到着〜出国前の大騒動とスタッドパーク
みなさま、長らくコメントに対する返事等全くできずに申し訳ありませんでした。 色々あって、現在日本から遠く離れたウィーンにおります。今年の出国は7月半ばになり、そのおかげで散々日本ならではの蒸し暑い梅雨を味わうことになったわけですが、今、日差しは適度にあれど湿度の少ないオーストリアに身を置いて、出国までのスリルとサスペンスに満ちた日々を思い出しております。...
View ArticleハインケルHe219「ウーフー」とルッサーの法則〜スミソニアン航空宇宙博物館別館
スミソニアン航空宇宙博物館別館、スティーブン・F・ウドヴァーヘイジーセンター。この世界最高峰の航空博物館展示から、第二次世界大戦時のドイツ機についてお話ししてきましたが、最終回です。 ハインケル He 219 A ウーフー(Uhu ) ウーフーって可愛いですが、ワシミミズクのことなんだそうです。夜間戦闘機だったため、こんなあだ名がつけられたというわけですね。...
View Articleシェーンブルン宮殿のパンダ〜ウィーンの街を歩く
ウィーンに到着した次の日、ガイドをチャーターして観光をしました。初めての土地に来たときによくやる方法で、最初にツァーで見所を抑え、ガイドに残りの日に自分たちだけで行くべきところを教えてもらうのです。...
View Articleべートーヴェンハウスと「第三の男」のドア〜ウィーンの街を歩く
シェーンブルン宮殿でなぜかヒートアップし(笑)解説が長すぎて大幅に時間を食ってしまったとガイドさんは恐縮しています。 幸い、次の予定のスタッドパークはすでに見学を独自に終えていたので、そこを飛ばして本格的な街歩きに突入しました。 「ベートーヴェンの住んでいたアパート、見たいですか?」 個人ツァーなので、ガイドさんはこんな風に意向を聞きながら案内先を即興で決めていきます。...
View Articleプリンツ・オイゲンの像〜ウィーンの街を歩く
ガイドをチャーターしてウィーンの街を歩くツァーが続いています。シェーンブルン宮殿はホテルから離れているので、車の送迎がありました。ウィーン中心部に向かう途中は車窓からの観光です。 この壮麗なギリシャ神殿風の建築物はオーストリア国会議事堂。現在大々的にリノベーション工事中で、完成は2021年。 工事の囲いからにょっきりと女神像が突き出していますが、本来ならこうなっているところです。...
View Articleグラーベンの三位一体像(ペスト記念柱)〜ウィーンの街を歩く
契約の時間はとっくに過ぎているのに、一向にツァーを終わらないガイドさんの案内で、ウィーンの街を延々と歩いております。 「サウンド・オブ・ミュージック」などを見ていても出てくるのが、独特な形の教会の尖塔ですが、これらも、屋根の瓦も、全てハンドメイド。最初からこうなっていたのか、経年の影響でこうなったのかわかりませんが、写真に撮ってみると、屋根の瓦が波打っているように見えます。...
View Article皇女エリーザベトの憂鬱〜ウィーンの街を歩く
さて、ウィーン街歩きシリーズ、最終回です。 午前中で終わる予定が、カフェ・ツェントラルの昼食を挟んでまだ延々と続いており、これは昔の日本人らしく義理堅いガイドさんが昼食をご馳走したことに対するお礼のつもりだったのでしょう。...
View Article最強のルフトバッフェ〜ドイツ軍航空機史・スミソニアン航空宇宙博物館別館
ここからは、スティーブン・F・ウドヴァーヘイジーセンタープレゼンツ、 「World War II German Aviation」 というパネルのご紹介をしていこうと思います。これでわたしも第二次世界大戦時のドイツ空軍について詳しくなれるはず。 それでは、現地展示パネルの翻訳から参りましょう。...
View Article潮目が変わるとき〜ドイツ軍航空機史〜スミソニアン航空宇宙博物館
ドイツ国防軍空軍司令だったエルハルト・ミルヒです。 「のだめカンタービレ」でミルヒー・ホルスタインと言う仮名を使う(本名フランツ・フォン・シュトレーゼマン)指揮者がいましたが、ドイツの地名のホルスタインはともかく、ミルヒー(ミルク)なんて名前あるか!と思っていたら、本当にいました。すみません。 しかもミルクのドイツ語Milchそのまんまの綴りです。...
View Articleルフトバッフェの敗北 ドイツ軍航空機史〜スミソニアン航空宇宙博物館
さて、前回に続き、第二次世界大戦から終戦までのドイツ航空機史を軍事分野に限って解説するシリーズ、続きです。 スミソニアン航空宇宙博物館別館、スティーブン・F・ウドヴァーヘイジーセンターのキュレーターによる解説を翻訳したものを中心にお送りしています。 ロシア戦線にあるAユンカースJu52輸送機...
View Articleアド・ブルーって何?〜ウィーン-ザルツブルグ車の旅
オーストリアには合計1週間滞在し、中三日ザルツブルグに行きました。今日ウィーンを出発しザルツに移動という日の朝のことです。 ホテルのコンプリメンタリーの朝食にも飽きてしまったので、外で食べようということになり、スタッドパークに沿って流れる川の辺りにあるレストランに行ってみることにしました。...
View Articleザッハホテルで戴くザッハトルテの恐怖〜ザルツブルグ滞在
ウィーンから車で休憩と「アドブルー」なる窒素材の補給をしながら約4時間でザルツブルグにたどり着きました。 こちらが本日のお宿でございます。ホテル・ザッハ・ザルツブルグ。 ナビが指し示すザルツブルグでのホテルの入り口は、一流ホテルという割にはこじんまりした構えです。 旅行企画者曰く、今回ウィーンでリーズナブルなホテルにしたのは、ザルツブルグでこのザッハに泊まることになっていたからでした。...
View Articleボーイング B-29 スーパーフォートレス「エノラ・ゲイ」〜スミソニアン航空宇宙博物館
スミソニアン航空宇宙博物館別館、ダレス国際空港の近くにあるスティーブン・F・ウドヴァーヘイジーセンター歴史的に意味がある展示をたった一つだけ挙げよと言われたら、おそらく、ほとんどの人がこの爆撃機の名前をあだ名で答えるに違いありません。 ボーイング B-29 スーパーフォートレス「エノラ・ゲイ」。...
View Articleザルツァッハ川の「愛の南京錠」〜ザルツブルグを歩く
さて、ザルツブルグに到着し、ホテルザッハに投宿したわたしたち、夕暮れのザルツブルグを散歩してみることにしました。 今いるアメリカもそうですが、オーストリアも夏の日没は遅く、だいたい9時前にようやく夕暮れになるという感じです。 昼間の観光客のざわめきも消えて、広間の人影はまばら。 わたしたちもMKがこのくらいの時、ヨーロッパを連れ回しましたが、残念ながら現在の彼にはほとんど記憶がないそうです。...
View Articleモーツァルトハウスとドップラー効”菓”〜ザルツブルグを歩く
ザルツブルグでチャーターした女性ガイドは、アラベル庭園で、石像の表す自然調和の意図を説明しながら、 「今の地球はどうですか?火、水、地、空が汚されていませんか?」 という質問に無理やり賛同させようとして、その手のアピールが大嫌いなわたしとMKを内心ドン引きさせたものの、その後は彼女もプロらしく空気を読んで、和やかに案内を続けていました。...
View Articleザルツブルグ大聖堂爆撃とその復興〜ザルツブルグの街を歩く
ザルツブルグ到着の翌朝お願いしたガイドツァーが続いております。 泊まっているホテル・ザッハの近くのミラベル庭園という、昔風にいうとお妾さんが囲われていた宮殿は、現在市役所だそうですが、例のニシカワフミコさん始め、日本人も、ここでザルツブルグ市役所公認の結婚式を行うカップルが多いのだということです。 まあ、お妾さんの屋敷といってももう今は誰も気にしないかもしれませんが。...
View Articleゲオルグ・フォン・トラップ海軍少佐の軍歴〜ザルツブルグの街を歩く
ザルツブルグの観光案内が終わり、歌手だというガイドさんに自作のCDを記念に頂いて彼女と別れたのは、マックス・ラインハルト広場というところでした。 この左にあるのがモーツァルト祝祭小劇場、右に向かってウィーンフィルハーモニー通りという道が通っています。 マックス・ラインハルトはユダヤ系オーストリア人のプロデューサーで、ザルツブルグ音楽祭の原型となる催しを1920年に創始した人です。...
View Article英雄フォン・トラップ少佐とトラップ家亡命の真実〜ザルツブルグを歩く
さて、ザルツブルグの旅行記をお送りしていたつもりが意外なところで海軍軍人、しかも潜水艦艦長の軍歴について紹介するという、当ブログ本来の役目?を思いっきり果たすことができて大変嬉しく思っております。 さて、本編の主人公、トラップ少佐についてですが、正式な名前は Baron Georg Johannes Ludwig Ritter von...
View Article映画「日本破れず」〜”海軍は負けたが陸軍は負けていない”
今日は日本が終戦を天皇陛下の御詔勅によって知らされた1945年昭和20年から74年目になります。 本当に日本が終戦となったのはポツダム宣言を受諾し、降伏文書にサインをした9月2日なのですが、一般にはこの日を「終戦記念日」と呼んでいます。 74年前、この御詔勅を巡る「日本のいちばん長い日」がありました。今日はその記念企画として1954年作品「日本破れず」を取り上げます。...
View Article映画「日本破れず」〜”阿南君は暇乞いに来たんだね”
終戦記念日シリーズ「日本破れず」二日目です。 再び閣議。この映画、最初から最後まで閣議と御前会議の繰り返しです。 東郷外相は日本側の条件は理解されたとして進めたい考えですが、阿南は国体の護持は担保されていないとして反発します。 この映画は、阿南vs東郷という対立を軸に進めていて、海軍内の終戦工作などについては一切割愛しているので、東郷茂徳役を主役級山村聡に持ってきたのだと思われます。...
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